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「――――無様だな、デガス」
男はデガスを見下し言った。
「う、うるせえ!あんな小娘にあれほどのちからがあるなんて、誰が……」
デガスが言いかけたところで別の男が口を挟む。
「そこじゃないよ。帝王様の命に逆らい女を手にかけようとしたことさ」
「う、それは……」
『もうよい、ジュバフ、ヴァギト』
地を這うような低い声が二人をたしなめる。
「グラーマン帝王様!?し、しかし……」
「ジュバフ、帝王様はもういいってさ」
「……腑に落ちぬが、帝王様がおっしゃるならば」
ジュバフは半歩ひいて呟いた。
『しかしデガスよ、面白いものを見つけおったな』
「は、と申しますと……?」
『あの鎧の女だ。あの力は間違いなく奴ぞ……』

機動少女伝マサト 第2話「聖剣、無限!」



「あ~、強かったなー、さっきの私」
麻里は先ほどデガスを倒した自分に酔いしれていた。
「よーし、帰ったらお兄ちゃんにいいもん作ってやろ……お?」
麻里が目を向けた先には、黒山の人だかりがあった。パトカーも数台止まっている。
麻里は近くにいた初老の男性に尋ねた。
「あの、何かあったんですか?」
「ああ、銀行強盗だとよ。全く、このご時世にのんきなもんだ」
「銀行強盗……」
麻里は何かを思いつくと近くのビルを駆け上がっていった。

数分後、銀行内。我慢の限界に来ていた犯人が吼えた。
「おい!この人質がどうなってもいいのか!?早く車を用意しろ!!」
「その必要はないわ」
「な、なんだと!?てめえ、何者だ!!」
「え?私は……う~ん……本名はさすがにまずいだろうから……あ、これでいこう。
正義のサイボーグヒロイン、マサキー参上!!」
「…………え?」
「……え、えぇーい!覚悟ぉー!!」
麻里は顔を真っ赤にしながら犯人に右ストレートをかました。

「突撃ー!!」
直後、警官隊が突入してきた。そして、『とんでもないもの』を目撃した。
「あ、おまわりさーん」
「ききき、貴様が犯人かぁー!!」
「あうっ!!」
警官のひとりが発砲した。当然、威嚇のつもりだったが、この警官が新人だったこと、緊張、麻里が
鈍感だったこと全てが重なって弾丸は麻里に直撃した。
「……だ、弾丸喰らっても生きてるー!!?」
警官は凄く驚いた。そして、
「……い、いきなり発砲してきたー!!?」
麻里も凄く驚いた。違う意味で。
「と、とにかく!このオッサンが犯人だから、確保よろしく。じゃあね!!」
言うが早いか麻里は壁を突き破って逃げた。
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ……」
その後しばらく、警官達はそこに立ち尽くした。

「ふー、危ないとこだった……」
麻里は変身を解き家へと急いでいた。と、急に空が暗くなった。
雲でも出たかと麻里は空を見上げた。が、そこにいたのは巨大な牛、のような機械だった。
『デガスの話ではこの辺りにいるはずだが……奴の力を次ぐ女……』
闘牛型戦闘兵、マルタルドのコクピットでブザンは呟く。
「あ、あいつってまさか……あのデガスの仲間!?こうしちゃいられない!ボォォーグ・オォン!!」
麻里は掛け声と共に装甲を身に包む。そして、
「今日はしょっぱなから行くよ!アテナス・バァァーン・ナァァァーウ!!!」
鋼鉄の女神が大地に降り立つ。
「これは……貴様がそうか。私はブザン。カリグラ五幹部の一人だ」
「ブザン!?やっぱり、あの時デガスと一緒にいたハゲか!」
「……まさか、あの時の少女か。名は、なんと言う……?」
「……麻里よ。それがどうかした?」
「いや、私は敵の名前は知っておかねば気がすまない性質でな……行くぞ、麻里」
マルタルドがアテナスめがけ突進してくる。
「カウンター食らわしてやる!アタッカーパァァンチ!!」
アテナスの拳がマルタルドを狙う。しかし、
「効かぬわ!!」
ギィン、と音が響き拳はアテナスの元へ戻ってきた。

「え、えぇ~!?どうすればいいのよぉ!?きゃぁっ!!」
アテナスはマルタルドに吹き飛ばされた。
「弱いな。デガスが五幹部から落ちる日も近いか」
「くっそ、効くまでやってやる!スプリット・ビィィィィム!!」
肩から放射されたビームも、マルタルドには弾かれる。
「ショルダァァ・カッタァァァ!!」
投げたブーメランも、刃が曲がりかえってくる。
「ナックルビーム!!ヘビーアンカー!!」
拳からの光線も腰から放たれたイカリも全て跳ね返される。
「諦めろ、勝ち目はない。ミサイルアーマゲドン!!」
マルタルドの背中から放たれた無数のミサイルが空からアテナスを襲う。
「きゃああああああ!!!」
負ける。麻里がそう悟ったとき、『あの声』が聞こえた。
『麻里……』
「……ッ、あんた!?どうすんのよ!これじゃあ私死んじゃうじゃない!!」
『ああ、先程から見ていた。……仕方ない。聖剣を解放する』
「聖剣?」
『コードEX・Fだ。早く唱えろ!』
「こ、コードEX・F!!」
アテナスの腰のパーツが離れ、空中でドッキングした。
「何をする気かは知らんが、そう見逃すと思うな。スタンホーン!!」
マルタルドの角から電流が流れる。しかし、放たれるより先にアテナスはパーツを掴み、構えていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」
麻里の叫びに応えるように、パーツから光が伸びる。それはさながら巨大な剣のようだった。
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ファイナル・エクスカリバァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
麻里は光の剣を一気に振り下ろす。電流は真っ二つに裂かれ、直線状にいたマルタルドをほぼ左右に分断した。
「くっ……まだあのような隠し玉があったとは……脱出する!!」
マルタルドが大きな爆発をあげる。それを見てアテナスはエクスカリバーを肩に掛けポーズを決めた。
「…どんなもんよぉっ!!」
麻里は意気込み高らかに叫んだ。


第2話 完



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最終更新:2010年01月14日 23:08