「も、申し訳ございません帝王様!どうか、処分だケハ……!」
デガスがグラーマン帝王に向かって土下座している。
「ははは、あの子、僕の精神攻撃打ち破ったんだ。やるねぇ」
「ふん、当然だ。貴様の作戦ではな!」
ふざけた口調で言うヴァギトに、ジュバフが噛み付く。
『まあ、よい。デガス、貴様はしばらくの出撃禁止で勘弁してやろう』
「あ、ありがたき幸せと存じます!」
そう言い残すとデガスは踵を返し退室していった。
「帝王様!次こそ私に奴を討ち取る機会を!」
ジュバフが帝王に言い寄る。
『ふふ、手柄を焦っておるな、ジュバフ?良かろう。存分に手柄を立ててくるといい』
「ありがとうございます。では、量産機を数機お借りします」
ジュバフは一礼して格納庫へ向かった。
機動少女伝マサト 第5話「炎龍、出陣!」
「はい、お兄ちゃん。今夜は奮発しちゃうよ」
神夜の目の前には大皿が4~5枚並び、いずれも上には豪勢な料理が乗っている。
「……今日は何かの記念日だったか?てかそれ以前に今日は柚子ちゃん家に泊まるんじゃ……」
「はいはい、細かいことは気にしないの。ほら、お料理冷めちゃうよ?」
麻里は神夜の問いを無視して茶碗大盛りのご飯を運んできた。
「……いただきます」
神夜は質問をうやむやにされたことにも大して動じず夕食を食べ始める。
「どう、お兄ちゃん、おいしい?」
「……うん、うまい。これ全部麻里が作ったのか?」
「まあね。どうかな、これで私、もういつでもお嫁にいけちゃうよ?」
「調子のんな。掃除や洗濯もろくにできねえくせに」
「う、うぐぅ…ま、いいや。いっただっきまーす」
麻里は項垂れた直後に復活して食事を始めた。
翌朝。
麻里は神夜の寝室にいた。ちなみに時間は午前四時。学校へ行くには早すぎる。
神夜が遅刻しそうだから起こしに来たわけではない。
「……そぉれ」
麻里は掛け声を呟くという奇妙な行為をした後、神夜の布団にもぐりこんだ。
「……起きなよ、お兄ちゃん。でないと……お兄ちゃんの貞(ピー)、もらっちゃうよ?」
「う、うわああああああああああ!!!?」
神夜が突然何かに脅されたように跳ね起きる。いや、実際脅されたのだが。
「ま、麻里ぉ!その起こし方やめろっつったろーがっ!!」
「えー、楽しいのに」
青ざめ叫ぶ神夜に麻里はつまらなそうな顔を向ける。
「…ったく、お前はそういつもいつも……っと、何だ!?」
神夜が言いかけた時、突然大きな震動が起こる。
地震にしては震動が不自然である。
「まさか……!」
麻里はハッとしたようにカーテンを開ける。すると、
「やっぱり、カリグラの連中か!」
暗がりにカリグラのものと思われる影が動いているのが見えた。
「か、カリグラ?何だよ、それ……」
問いかける神夜に、麻里は静かに答える。
「……異星人だよ。地球を狙ってるの」
「異星人!?…って、何でお前がそんな知ってるんだよ!?」
「私、あいつらと何度か戦ったことあるから。……私、今あいつらと戦ってるの」
「お前が……異星人と戦ってる!?」
「黙っててごめんね、お兄ちゃん。でも、これは私にしか出来ないことなの。待ってて、片付けてくる」
「片付けるって……っておい!飛び降りる気か!?ここ二階だぞ!」
「心配ないわ!ボォォーグ・オォォォーン!!アテナス・バァァァーン!!ナァァァァーウ!!!」
麻里は体をサイボーグ化させ、アテナスに乗り込んだ。
「…………麻里…………」
神夜は不安げに窓から外を見つめていた。
「って……今度は亀に、鶏!?」
麻里は目の前の敵を見て若干あきれていた。
目の前の敵というのは陸亀型戦闘兵「ドタメーガ」と鶏型戦闘兵「クルコック」であった。
「鶏や亀が相手って……私馬鹿にされてんのかなぁ。ま、いいや。ヘビーアンカー!!」
アテナスはヘビーアンカーを空中のクルコック二体に突き刺し、刺さった二体を空中衝突させ破壊した。
「次ぃ!アタッカーパァァァァンチ!!」
射出された両前腕が二体のドタメーガの腹を突き破った。
「FCRAULKYYFGDFLEDL+(UIF(&EDP!!」
ドタメーガのパイロット――マーヒュンが吼え、甲羅から無数のミサイルを発射する。
「喰らうかぁぁ!!」
アテナスは両腰のエクスカリバーでミサイルを切り払い、その勢いでドタメーガ一体を両断した。
「残りは……亀二匹に鶏三羽か!一気に片付ける!!スプリット・ビィィィィム!!」
肩のクリスタルから四方に放たれたビームは、ドタメーガを全滅させ、クルコックも二体撃墜した。
「ラスト一体!ナックルビィィィム!!」
アテナスの拳から放たれた光はクルコックの少し右へそれる。
「外した!?」
「DSTUI+FVUF&PGJK+FPI+I+VUOIF*!!」
ナックルビームをかわしたクルコックは上空から卵型の爆弾を投下する。
「ッ!させるかぁ!!」
麻里はスプリットビームでこれを全て焼き払い、
「ショルダァァァァ・カッタァァァァァァ!!」
ブーメランでクルコックを撃墜する。
「はぁ、はぁ、はぁ……これで全部ね」
「いや、あと一体いるぞ?」
「ッ!?」
麻里の眼前に、巨大な龍が現れた。
「こいつ……お前もカリグラか!?」
麻里は敵意むき出しで問いかける。
「……どうやら、本当に年端もいかぬ少女のようだな」
「答えろ!カリグラの幹部なんだろう!?」
「いいだろう、答えよう。私はカリグラ五幹部の一人、ジュバフ。そして、これこそ我が愛機、『ドラウグラ』だ」
機動少女伝マサト 第5話 完
最終更新:2010年01月15日 07:09