「ハーッハッハッハ!!大した初陣じゃねエカ、レイファさんヨォ?」
「ふん、おぬしらのように期待を無様に破壊されてはおらぬぞ?」
レイファが戻ってくるなりデガスはレイファに食いつく。
『やめぬか、おぬしら』
「帝王様……しかし、こいつは大口を叩いておきながら!」
『それはおぬしらとて同じだろう、ジュバフ?おぬしは自分に向かいそう言えるか?』
「…………」
ジュバフは黙って身を引いた。
『レイファ、おぬしは少し休んでおくといい。さて、次は誰が行く……』
「あ、それなら僕が行きますよ」
立候補したのはヴァギトであった。
『よし、行ってまいれ』
「はい、ご期待に副えるよう頑張りますよ」
機動少女伝マサト 第9話「再会、衝撃!」
ウィリスがレイファと戦った翌日。
麻里は久しぶりに学校へ出ていた。今家にはウィリスが一人でいる。
「お、マッちゃーん。久しぶりだね」
笠桐柚子である。
「うん、久しぶりだね、ユズリン」
「あ、そうそう。知ってる?青崎くん、転校しちゃったらしいよ」
「うん……知ってる。前日に本人から聞いたからさ」
「あ、そうだったんだ……ごめんね、なんか」
「ううん、いいの。あ、ホラ。オッサン来たよ。席着かないと」
「オッサンいうな!久々に学校出てきて最初がそれかぁ!!」
教師、乙津三郎の怒号が教室に響いた。
小高い岡の上。ヴァギトは街を眺めていた。
「…………っと、僕らしくもないな。感傷にひたるなんて。さ、地獄絵図の始まりだよ、リオレイオ」
ヴァギトは穏やかに自分の機体――獅子型戦闘兵「リオレイオ」を呼んだ。
突然街中に現れた巨大な獅子を見て、人々はパニックに陥った。
「さあ、吹き飛んでもらうよ、ブラストビーム!!」
リオレイオの両目から放たれた光線が逃げ惑う人々を次々と焼いていく。
「退屈だな……お、来た来た」
ヴァギトが目を向けた先に居たのはアテナスに乗った麻里だった。
「そこまでだ、カリグラ!!」
「ようやくきたね。じゃ、楽しもうか。バスタークロー!!」
「そんなものぉ!!エクスカリバー!!」
リオレイオが爪をつきたてアテナスに襲い掛かるが、エクスカリバーに切り払われる。
「甘いよ、ブラストビーム!!」
「どっちが!!ショルダァァァ・カッタァァァァァァ!!」
ビームコーティングされたショルダーカッターが、ブラストビームを防ぐ。その隙に、
「アタッカーパァァァァンチ!!」
「うわっ!?や、やるじゃないか……でも、ここまでだよ!ブラッド・スラッシュ!!」
次の瞬間、アテナスの体に大きなダメージが走った。
「きゃああ!い、一体何を……!いない!?」
麻里の目の前からリオレイオの姿がきれいに消えていた。
「こっちだよ」
後ろからヴァギトの声が聞こえた。
「っ!!後ろ!?……そうか、高速移動!それで一瞬で大ダメージを受けたように感じたんだ!」
「ご名答。……んー、つまんないなぁ。これじゃあ僕が圧勝じゃない。ウィリスはどうしたの?」
「白々しいな、さっき連絡があったよ。『家に大量のマーヒュンが押し寄せてきた』ってね」
「あらら、バレちゃったかな。ふうむ、そうなると……よし、一回機体から降りよう。それなら君にも
まだ勝ち目はあるけど、どうかな?僕はフェアに戦いたいんだ」
ヴァギトは、麻里にとんでもない提案をもちかけた。
「なっ!?ふざけるな、何がフェアだ!この間は私の精神狙って来たくせに!!」
「んー?何のことだろうねぇ……で、どうする?受ける?僕の提案」
「……後悔させてやる。受けようじゃんか!」
「さあ、後悔するのはどっちかな?」
「アァームミサイル!!」
「無駄だよ」
麻里の左腕から放たれたミサイルを、ヴァギトはアームガンで全て撃ち落す。
「今度は僕の番だね」
ヴァギトはそのままアームガンを麻里に向けて撃った。
「…ッ!!当たるかぁ!!電磁ウェェェッブ!!」
麻里は電磁ウェッブをビルの壁に打ちつけ、ウェッブを巻き取る勢いでアームガンを回避した。
「そのままぁ、フィンガーバルカン!!」
「あはは、当たらないよ。君の武器はすべて見てる。この間のマーヒュンを通してね」
「っ!?」
「頭部を壊さなかったのは失敗だったね、おかげで映像や音声がしっかり録れたよ」
ヴァギトはマーヒュンの残骸からテープを取り出し、それで麻里の武器を研究していたのだ。
「くっ……何が『まだ勝ち目はある』だ!!完全にお前の土俵じゃないか!!」
「そうだよ、誰が勝ち目は君にしかないって言った?僕にだってあるんだよ」
「そう……残念だったね!こっちにはまだ未使用ホヤホヤの武器が残ってるんだ!!行くぞぉ!!
エェェネルギィィー!!ショォォォーットォォォ!!!」
麻里の足にエネルギー球が形成され、それをサッカーの要領で蹴り飛ばす。これが「エネルギーショット」である。
「うわぁぁっ!!」
ヴァギトは爆風で地面に仰向けに倒れこんだ。
「止めだ!フラッシュセイバー!!」
麻里はヴァギトの顔に向けてフラッシュセイバーをつきたてた。が、
「くっそ!!」
ヴァギトが爪を突き出したため、互いに標的がわずかにずれ、互いの仮面の右端に当たる。そして、
「しまった!仮面が……!?」
「チッ、標的はそれた……!?」
ヴァギトと麻里の仮面が崩れ落ちる。そして、そこにあった顔を二人は互いによく知っていた。
「あ、あ、ああ……」
「う、ウソ……でしょ……」
二人は同時に相手の名を呼んだ。
「谷口さん!?」
「青崎くん!?」
機動少女伝マサト 第9話「再会、衝撃!」 完
最終更新:2010年01月15日 07:13