ヤブル「……そんなわけでさぁ、俺親父の顔を知らねえんだ……」
ダン「なるほど、わかるぞヤブル……うんうん」
じいちゃん「なに昼間っからせんべいかじって談笑してんじゃ」
ヤブル「じじい……これが笑いに満ちた話題に聞こえるかよ」
じいちゃん「ふん、トオルの話はやめるんじゃ。 音鹿の三連ヘアピンなんかでずっこけおって……」
突貫(ツキトオル)。
ヤブルの父であり、じいちゃんの実の息子。レーサーだった彼は、ヤブルが幼い頃事故で亡くなっていた。
益子「あら?でも私、突選手の事故なら覚えてるけどなぁ。年下とはいえヤブルくんは家族なんだから、顔も
覚えてないなんてこと……」
ダン(あっバカ!)
ヤブル「え?……そういやそうだ、俺物心ついてたはずだし……」
ダン「あ、それはだな、えーと、親父さんは仕事で家を空けがちでだな」
ヤブル「ダン、何を慌ててるんだ?」
そのとき、ずっと黙っていたテッケンがふいに口を開いた。
「……だが、父親なんてそんないいもんじゃないぜ」
ダン「テッケン、お前まだ親父さんのことを……」
テッケン「結果はいい。こうしてお前たちの仲間でいられることには満足してる。だが、親父はテッケンオー
を勝手に売った。それは変わらない」
ヤブル「テッケン……」
テッケン「すまねぇ、ヤブル。お前から見りゃ贅沢なこと言ってるのは、わかってるんだ」
じいちゃん「だったらさっさと仲直りせい」
テッケン「じいさん。そんな簡単じゃねえんだよ。親父とは、何から何まで話が合わねえんだ!」
じいちゃん「何が難しいものか!親子じゃろうが。腹を割って話せ。それだけじゃ」
テッケン「……今度は、醤油せんべいも置いといてくれよな。じゃ」
第27話「守るべきもの」
家に帰ると夕飯ができており、父が食卓に座っていた。
哲夫「おお、おかえり拳児」
テッケン「……ただいま。いただきます」
哲夫「……最近、学校はどうだ?」
目を合わせようとせず、機嫌を取るような調子で父が言う。テッケンは早くも逆上した。
テッケン「学校だァ!?次から次に宇宙人が攻めてきてるってのに、俺が学校なんて行ける訳ねぇだろ!
それくらいわかんねぇのかよ!」
哲夫「あぁ、そうかぁ……しかし学校にも行けないとは、政府にも少し考えてもらわないとなぁ」
ブチブチッ。もう言葉すらなく、テッケンは父を睨みつけた。
哲夫「……ごちそうさま、母さん」
哲夫は逃げるように食堂を後にした。
徹子「拳児、いい加減にお父さんへの口の聞きかた直しなさい」
テッケン「そんなこと言ったってよ、頭にくるだろあんな事言われたら」
徹子「まぁ、そうなんだけどねぇ。でも、あなたを怒らせようとしてるわけじゃないのよ?」
テッケン「だったら何なんだよ、あの親父は」
徹子「自分にもわかる話がしたいのよ。戦いのことなんかさっぱりでしょ?」
テッケン「チッ、つまんねえ……」
宇宙。戦艦アキラーメに近づいてくるものがあった。文字通り宇宙に浮かぶ城の形をしたそれは、魔皇帝サタデスの居城、魔帝城。
サタデス『なんだなんだお前ら、俺のバカンスの間何も進展は無かったのかよ?』
フ・カノー「くっ、黙れ!貴様の倒したという地球のロボットもあの後すぐに復活したのだぞ!?」
サタデス『そんな事知るか。復活するまでに他を墜とせなかったお前らが無能なだけだろ』
リ・タイア「して、サタデス。今まで何をしていた?まさか本当に余暇を楽しんでいたわけではあるまい」
サタデス『そのまさかなんだがな。せっかく支配した星があるんだ、手入れも兼ねてたまには訪ねんとな』
言いながらサタデスは残虐な笑みを浮かべる。
サタデス『さて、リフレッシュもしたし俺は復帰一発目といくが、祝儀は無いか?』
リ・タイア「ならば、これを出すか」
リ・タイアがサッと手を上げると、皇帝の間に10機のロボットが現れた。
サタデス『ほう……』
フ・カノー「これは、カイザータイプ?」
リ・タイア「『ゼンカイダー』。操者を選ばずとも限界の力を発揮できる、カイザータイプの完成形だ。」
死の商人「私が技術供与させて頂きました」
リ・タイア「調子に乗るでない。多少完成が早まっただけだ」
フ・カノー「素晴らしいです、皇帝!」
リ・タイア「9機は操者を決めてあるが、指揮官機が残っておる。貴様が乗るがよい」
フ・カノー「ハッ!」
サタデス『フフフ、面白い。戻ってきた甲斐があったぜ』
それは、翌日の昼下がりだった。
益子「ダウナー線を感知、ウツノイドです!数、10!映像、出せます」
ディスプレイにウツノイドの映像が表示される。
益子「これは……!」
秀一「ゲンカイザーに似ている。カイザータイプか?」
ヤブル「おい、カイザータイプは人間にしか動かせないんじゃなかったのか?」
ダン「カイザータイプは、じゃない。ゲンカイザーとヨユウダーがそうだってだけだ。
奴らでも動かせるのを作ったんだろうさ!」
ヤブル「チッ、秀一、いくぜ!」
秀一「所詮限界値を下げた量産型だ、恐るるには足りないな!」
益子「テッケンくんと雷場くんにも出動依頼をかけます!」
ダン「ああ、頼む!」
そんなこととは露知らず、鉄野家。
徹子「ああ、ダメよ乙女ちゃん、煮っころがしっていっても本当に転がしちゃ!形が崩れちゃうよ」
乙女「まあ、そうなんですの?」
徹子「それにしても、どうしてわざわざうちに料理を習いに?お母さんに習えばいいのに」
乙女「それは……拳児くんの好みを、覚えたくて……」
乙女が顔を真っ赤にしながら答える。
徹子「まーったく、拳児は幸せ者ね。あの喧嘩馬鹿のどこがいいんだか」
乙女「おばさま、ご自分のご子息をそんな風に言わなくても」
徹子「本当だもの。今もお父さんと……ま、あの人も不器用だからね、単純な拳児にはわからないんだろう
けど。話したかしら、プロポーズの言葉?」
乙女「プロポーズ、ですか?」
徹子「付き合い出して何年か経ってたし、そろそろかなとは思ってたけど、ある日突然『テツノテツコに
なってくれませんか!?』だって。思わず嫌だって言いそうになったわ」
乙女「……それはまあ、おじさまらしいというか何というか。はぁ、でも、プロポーズかぁ……」
(私だと鉄野……)
――鉄の乙女。
思わず中世の処刑器具を思い出した乙女は凍りついた!
その思考を素早く読んだ徹子が言葉を繋ぐ。
徹子「何ならお婿さんに出すわよ」
乙女「いえ、拳児くんには鉄野姓が似合っていますもの。私は我慢できますわ」
徹子「……乙女ちゃん、すっかりその気ね」
乙女がまたひどく赤面した、そのとき。台所口にテッケンが顔を出した。
テッケン「乙女、こんなとこで何やってんだ!目佐備町にウツノイドだ、いくぞ!」
それだけ怒鳴ると、テッケンの足音は遠ざかっていった。
乙女「何やってるって……」
――人の気も知らないで、あのバカ息子。乙女はそんな言葉を無意識に期待したが、徹子はただ青い顔をして茫然としていた。
乙女「おばさま、どうかなさいましたの?」
徹子「……目佐備町って、お父さんの勤め先がある所」
乙女「そんな!」
徹子「拳児には、そんなこと関係ないんだろうねぇ。あの子には、地球のどこだって守るべき場所。
そりゃ、誇らしいけど……乙女ちゃん、あの子を手伝ってやって。お願い」
乙女は頷く。
「わかっていますわ。でも……関係ないことないと思います。拳児くんにだって、大切な場所は特別です」
平日のオフィス街で暴れる10機のゼンカイダー。逃げ惑う人々を追い立てるもの。ビルの窓を覗き込むもの。その行動はいたぶることを目的としているようだ。
フ・カノー「そうだ、地球人どもに恐怖を植え付けるのだ。殺すのは見せしめ程度にしておけ。
むしろ生き証人を残した方が都合がいい……来たか」
ヤブル「テメエェェェェェッ!!」
ゲンカイザーが殴りかかったのは、ちょうどフ・カノーの乗る機体だった。フ・カノーはゼンカイダーのバーニアを噴かし、ゲンカイザーから大きく飛びすさる。
フ・カノー「我々の目的は地球人への示威行為だ。反撃の必要はない。特にゲンカイザーにはな」
ヤブル「くそっ、何で逃げやがる!」
一方でヨユウダーも、逃げ回るゼンカイダーに手を焼いている。
秀一「この連中、攻撃してこないのか?ヤブル、何か企んでいるぞ!」
ヤブル「そんなこと言っても、やい!空飛んでねぇで降りて来い!」
リュウ「ハッハッハァーッ!!ここでテンサイダーの登場!!」
フ・カノー「……地球のロボット。奴は例外だ。遠慮なく撃って構わんぞ」
ゼンカイダーのパイロット達は生ぬるい命令に耐えかねていたのだろう。次の瞬間9機のゼンカイダーからのビームがテンサイダーに殺到した。
リュウ「な、何で私ばっかり……!?うわぁぁぁぁぁっ!!」
ドォォォォォォン!!!
テッケン「リュウ!」
乙女「リュウくん!」
遅れて到着したテッケン達が見たものは、既に倒れたテンサイダーの姿だった。
リュウ「乙女さん……私の戦い、見て下さいまし……ガクッ」
テッケン「今『ガクッ』って自分で言ったぞ?」
乙女「あまり心配しなくても良さそうね」
フ・カノー「白いロボットか。奴らも倒して構わ……」
サタデス『ちょっと待て。そいつは俺のにやらせろよ』
魔帝城から戦場であるオフィス街に、2機の魔闘メカが降下する。
フ・カノー「……攻撃中止」
テッケン「奴らは……」
テッケンオーの前に立ち塞がったのは、頭に剣のような鋭く長い角をもった機体と、開閉する2本の角を生やした機体。カブトムシとクワガタのようなそれは、かつてテッケンオーを倒した、あの魔闘メカだった。
ヤブル「テッケン!」
歩み寄ろうとしたゲンカイザーの前を、フ・カノー機のビームが横切る。
ヤブル「!」
フ・カノー「各機、街の破壊に見せかけながらゲンカイザー、ヨユウダーを牽制せよ。魔闘メカに近づけ
させるな。こちらには飛行能力とビーム砲がある。できるな?」
魔闘メカがテッケンオーに迫る。
為す術もなく敗北した記憶が甦る。
テッケン「乙女、何か出せ!遠くから攻撃できる奴だ」
乙女「え?」
テッケン「奴ら相手に接近戦は不利だ!」
乙女「どうしたの?拳児くん、なんだか……」
テッケン「何だ?急げ、奴らが近づいてくる!」
乙女「ううん、何でもない。それじゃあ、とっておきの……」
上空のロザリウスからテッケンオーへ、武器が投下される。
乙女「クレーライフルよ!」
テッケン「銃か!こいつはいいや、いくぜ!」
バン!チュイン。バン!チュイン。
テッケンの狙撃は見事に魔闘メカに命中するのだが、その弾丸は厚い装甲にいとも簡単に弾かれてしまう。
テッケン「くそっ、効かねえ!」
近づいてくる魔闘メカに対し、後ずさりしながら狙撃を続けるテッケンオー。
乙女「ねえ拳児くん、その武器じゃあの魔闘メカは倒せないわ」
テッケン「うるせえな、だったらもっといい武器があんのかよ?こいつでやるしか無えだろ!」
突然、クワガタの魔闘メカが跳び上がり、甲冑のような姿に変形すると、カブト型の方に被さった。
テッケン「合体した?」
合体した魔闘メカが歩みを止めると、合計3本になった角の間にチカチカと光が灯り、そこから強大なプラズマビームが発射された!
テッケン「何!?」
テッケンオーが間一髪、後ろに倒れこんでこれをかわすと、ビームは背後にあったビルを何軒かなぎ倒し、遠くの山に突き刺さって爆発させた。
テッケンオーは尻餅をついたまま、合体した魔闘メカを見上げていた。
テッケン「野郎、遠距離も、かよ……」
益子『ダウナー線を感知……そうか、その2体は合体して本当の力を発揮する魔闘ウツノイドだったのよ!」
テッケン「そんな……じゃあ、どうやって倒すんだよ……?」
魔闘ウツノイド・アルティメットビートルがテッケンオーに迫る。
哲夫「あれは、テッケンオーか……?」
避難しようと同僚と一緒に走っていた哲夫は、尻餅をついたまま後ずさるテッケンオーの姿を見ていた。
怯えている。動きを見ればわかった。
テッケンオーのことはよく知らないが、拳児の動きを忠実にトレースするということくらいは知っている。あれは拳児の動き――拳児が、怯えている。
それがわかった瞬間、哲夫は自分の中に生まれた感情に愕然とした。自分は今、安堵したのだ。
平凡な自分から生まれた世界最強の少年が、人並みに怯えているのを見て安堵した。
哲夫の部下「課長、大丈夫ですか!?でも、大丈夫じゃなくても走らないと!」
哲夫「ああ、いや、心配ない。ただ、忘れ物……」
哲夫の部下「何か知りませんが、諦めるしかないでしょう!?」
哲夫「大切なものなんだ。とても、大切な……すまん松本君、先導代わってくれ。私は、戻る!」
哲夫の部下「課長!」
部下の制止を振り切りながら、哲夫はテッケンオーに向かって走り出した。
涙が流れていた。悔し涙だ。
(どこの世界に、子供が怯えてるの見て安心する親がいる……!)
「拳児ィ―――――ッ!!」
テッケン「駄目だ、勝てねぇ……」
乙女「拳児くん!?しっかりして!」
ビルに突き当たり、後に退けなくなったテッケンオー。そんなテッケンオーを嘲笑うかのように、ただ距離を詰める魔闘ウツノイド。
そこへ哲夫が駆け込んできて、間に入った!
哲夫「ハァ、ハァ……拳児は、拳児はやらせんぞ……」
テッケン「何だ、人が……まさか、親父?何やってんだ親父!死にてえのか、下がれ!」
哲夫「うるさいッ!!」
テッケン「!?」
哲夫「私はな、格闘技とか嫌いで――何でわざわざ痛い目に合いながら、憎くもない相手を殴らなければ
ならない?――そんな世界で勝ち続けて、名を上げていくお前が……怖かった」
テッケンは、幼い頃何かの大会で優勝するたびに、愛想笑いをしながら自分の頭を撫でていた父を思い出した。誉めてはくれたが、決して喜んでいなかった父を。やがてテッケンは、父の反応から興味をなくした。
哲夫「テッケンオーのことだってそうだ。虹帯があって、ロボットがあるからって、何でお前が戦わなきゃ
いけないんだ?普通に学校に行って、勉強して……何も悪いことじゃないのに。
だから私は、お前やおじいさんのやっている事に、興味を持てなかった」
間違っている、とテッケンは思った。虹帯とテッケンオー、それだけの力を持ちながら何もしないのは、力を腐らせることだ。
哲夫「だが、前にお前が負けたとき、私は悔やんだ。どうしてもっと早く政府の援助を受けなかったのか。
テッケンオーを万全にしておける資金があれば、お前があんな怪我をすることも無かったのに、と。」
テッケン「親父……」
哲夫「私は天才科学者でも腕の立つ武道家でもない。しかし、会計なら誰にも負けない自信はある!
その私が援助が必要だと判断したんだ!お前にとやかく言われる覚えは無い!
……なぁ、拳児。少しは俺の背中も見てくれよ。おじいさんばかりじゃなくさ……」
最後にそう呟いた小さな背中は、震えていた。弱々しいが、それだけではない……何かが音を立てて崩れていく感じがした。
家計を守るためにテッケンオーを政府に売ったのだと、テッケンは思っていた。しかし、その結果たしかにテッケンオーは強くなったのだ。金の力でテッケンオーが強くなるなどと、テッケンは夢にも思っていなかった。
――親父とは、何から何まで話が合わねえんだ――
親父には俺のことはわからない。でも、俺にわからないことが親父にはわかる……?
テッケン「……頼むことかよ、そんなの」
哲夫「何?」
魔闘ウツノイドがビームを放つ。哲夫は思わず腕で顔を庇ったが、そんな事をしても意味があるわけはない。だが、哲夫は無事だった。目の前には、テッケンオーの手。それが哲夫を守っていた。
テッケン「……ったく、イライラするんだよな。そうやって生身で楯になれば、相手は撃ってこないなんて
思ってやがる。戦いをなめてんだよ」
哲夫「う……」
テッケン「あーむかつくぜ。こんな親父に守られてんだからな」
哲夫「拳児」
テッケン「もうわかったからさっさと逃げろよ。邪魔だ」
哲夫「あ、ああ」
哲夫がテッケンオーの後方に逃げていく。が、50メートルほど走ると哲夫は一度振り向き、叫んだ。
「拳児!……がんばれよ!!」
もう体力の限界なのだろう、後はよろよろと歩いて逃げていく哲夫を見ながら、テッケンは呟いた。
「へっ、何にもわかっちゃいねえクセに」
だが、強い闘志が湧いてくるのを感じている。結局自分は、その一言が欲しかったのかもしれない。わからなくてもいい、ただその一言が。
父は、父のまま。
自分は、自分のまま。
そこまで考えて、ふと気付いた。テッケンは握りしめた自分の拳を見つめる。
「そうだ、どうかしてたよな。俺からこいつを取ったら、何が残るってんだ。……乙女、来てくれ!」
乙女「何?拳児くん」
テッケン「拳に加速を付けたい。合体だ」
乙女「ふふっ。そうよ拳児くんはやっぱり、そうこなくっちゃ!」
ロザリウスがテッケンオーの背部に取り付き、スーパーテッケンオーとなる!
乙女「ブースト全開!拳児くん!」
テッケン「おう!どんなに堅かろうがぁ!俺の鉄拳はぁぁぁぁぁぁっ!貫ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅく!!」
ロザリウスの助けを借り、魔闘ウツノイドに向けテッケンオーが超高速で突っ走る!
魔闘ウツノイドは強力なビームで行く手を阻もうとするが、テッケンオーは稲妻の如きステップでこれをかわし、ひた走る!
テッケンオーが近づくと魔闘ウツノイドはビーム攻撃をやめ、3本の角を開いて待ち構えたが……
テッケン「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」
ドッ、バアアアアアアアアアァァァァァァァァァァン!!!
一瞬だった。
音速を超えた鉄拳とそこから生まれた衝撃波によって、魔闘ウツノイド・アルティメットビートルには巨大な穴が開いていた。3本の角は閉じる間もなく、根こそぎ吹き飛んでいた。
フ・カノー「……サタデスのがやられたか。では、こんなものでよかろう。ゼンカイダー各機、帰投する」
ヤブル「何だ?」
10機のゼンカイダーは一斉に宙に浮かび、空に帰っていった。
秀一「逃げられた。……面倒なことにならなければいいが」
テッケン「親父……あ、ありがとな。嬉しくねぇけど、礼は言っとく」
哲夫「け、拳児……!」
テッケン「うわ、なに抱きついてんだよ!?放せ!気持ち悪ぃんだよ!あ、お前らこっち見んな!」
益子「何というツンデレ」
ダン「うははははっ!いいっていいって!気にせずお父さんに甘えとけ!」
数秒後には哲夫はぶん投げられて宙に舞っていたが、その顔は笑っていた。
ヤブル「……やっぱ、いいもんなんだよな、父親って」
(父さん……)
???「……!」
戦艦アキラーメに隠された一室で、その男は目覚めた。(つづけたい)
最終更新:2011年12月07日 20:17