入院していた豪は、夜中謎の音を聞き、ザルガン帝国のロボット・アイスマンを発見。
プラグマに乗り込み迎撃に向かうのだった。
山車山に激しい音が響く。
ぶつかり合うのはプラグマとアイスマン、二体の巨大ロボット!
「くそっ、動きが全然見えない!」
アイスマンの攻撃は突然消えたり現れたり。
なんとか弾き返してるけど、全部なんて到底無理だ。
「落ち着いて、そんなに威力のある攻撃じゃない!」
「それはどうかな!」
ザクシ!!
氷の槍がプラグマの肩に突き刺さる!
バゴラ獣はそのままにぶつかって来るけど、こいつはこっちと同じ人間。
弱点を考えて攻めてくるんだ。
このまま押し込まれたら一たまりもない!
「こなくそっ!!」
振り払いながらの下段げり。そこからの体重移動で!
――けれどアイスマンはもう回避に入ってたんだ。
「いない!?」
「いるぞ。」
クシザシャーッ!!
一瞬見失ったところをやられた。
最初がそうだったんだから、全身透明になるなんてワケない事じゃないか!
「くそっ……卑怯だぞ!!」
『フン、ケダモノを倒すのに道具を使うのは当たり前。そしてその勝敗は、初めから決まっているのだ』
「にゃにおーっ!」
「待って、そんな挑発なんかにのっちゃダメ!」
殴り掛かろうとした所をコロナが止めてくれた。
あやうくカウンターをもらう所、くそう冷静にならなきゃ。
「とはいえ、どうすりゃいいんだ。あんなの無敵じゃないか」
ついついグチが出てしまう。
攻撃をスカしたのが悔しかったのか、あいつはまた姿をくらました。
反応はあるけれど、動き回られちゃ結局追いきれない。
(大丈夫、『無敵』じゃないから『透明』になる必要があるの。それにずっと隠れていられるならそうしてるはず……。)
落ち着かせるように小声で喋るコロナ。
そうだ。今見えるものだけで判断しちゃいけない。
なにかあるはずだ、あいつの弱点。
(そうだ、攻撃の瞬間……!)
「浅知恵を働かせても無駄だ。その時間を私はさらに有効に使う!」
飛んできたのは岩!
なんとか受け止めたけれど、そっちに気をとられている間にアイスマンは背後に回っていた。
やっぱりあいつは透明のまま攻撃できないらしい。
だけどその先の手をすでに打たれていた。
ズガガガガッ!!
背骨までひびく連打に耐えてプラグマをひねらせ、フック。
けれどそれは罠で、また肩に食らわせるために相手は狙いを定めていた。
「ぐううっ!!」
コックピットがめちゃくちゃに揺れる。
ほとんどが吸収されててこれなんだから、実際のダメージは深刻。
左腕の反応がかなり怪しい。
その間にアイスマンはまたまた姿を隠している。
どうする、どうすりゃ、どうすれば……
「ねえ聞いて、もしかしたらあのアイスマンの攻撃は――
「死ぬ前の安息すら与えん!さあトドメだ!」
攻撃は?
攻撃は!
「どおりゃっ!!」
受け止めた岩を思いっきり叩いて砕く。
飛び散るツブテが弾き返される場所にあいつが居る!
「なにかと思えばおろかしい。それをやっている時点でなあ!」
そうだ、どこから来るかを気付けたって相手は速い。
かわすのも受け止めるのも間に合わない。
けどこれが唯一のチャンス。だから!
「豪くん行っちゃえ!!」
「分かってらあ!」
メガッキャアア!!!
「こいつ、自分からぶつかって来ただと!? しまっ――」
「でえいっ!!」
アイスマンの攻撃、深追いしないんじゃなくて、深追いできないんだ。
ヒット&アウェイじゃないと、刺さり過ぎて動けなくなる。
だから自分からぶつかってやりゃあ肉は切られるけど、骨は断てる!
ガシャアアン!!
鼓膜をつんざくような音を立て吹き飛ぶアイスマン。
でもあれはきっと半分はわざとだ。
回転着地して距離をとってくる。
「まさかここまで野蛮な奴だとはな。しかしもう油断はせん!!」
走りながら移動するアイスマンの身体が、残像まじりに消えていく。
流石に次にやれる肉はない。けど!
「終わりだプラグマぁ!」
「今っ!」
「うおおっ!!」
グラッシャアアアーッ!!!
「馬鹿なっ!なぜ見える!!」
「あなたが姿を消そうとするあまりに、自分を見てなかったからよ。」
アイスマンの槍の腕を、プラグマの拳が横殴りに砕く。
染み付いたオイルと装甲の欠片を目印にして。
もちろんこの程度じゃ針穴に糸通すみたいなハナシだけど、アイスマンがあの戦法をとってた理由がもう一つある。
「透明になるってことは、攻撃を受けにくくするためだ。
逆を言えば、そんな事をするのは攻撃を受けちゃいけないって意味だろ。」
受けても完全に消える事ができるなら最初から姿を見せやしない。
わざと姿を印象づけて、プレッシャーを与えてたのもあるかもしれないけど。
「ケダモノがちょこざいな……。」
「けど道具が壊れたら、そのケダモノには勝てないぜっ。」
アイスマンを力任せで押さえ込む。
「ふん、調子に乗るなよ地上人。お前との戦いなどただのついでに過ぎんのだからな。」
負け惜しみを!そう思った時凄い地鳴りと共に『あの』熱波が押し寄せてきた。
「機能も戦法も、時間稼ぎの理由で選択されただけよ。
しかしお前のお陰で『逆動マグマ』を活性化させる事ができた。」
「あげげげげーっ!」「うぐるぐー!」
「バゴラ獣が二体も……どこかに残っている可能性はあったけどまさか……!」
パキパキッ
「しまったっ!」
「ケダモノ同士で争っているがいい、大地を燃やしてなあ!!」
爆風に気をとられている間に、アイスマンが身体を分解して逃げてしまった。
捨て台詞にイラ立っているヒマもありゃしない、バゴラが早速こっちに来てるんだ。
「調子に乗ってるってんなら、それで乗り切るしかないぜ!」
辺りが少しずつ、明るんできた。
つづく
最終更新:2011年12月08日 09:16