水面下で色々と動いている間に遊園地でイチャコラ……できてない豪。
コロナの立場を改めて認識したところにアイスマン襲撃の知らせが!
「こっちだ豪君、コロナちゃん!」
アイスマン出現にトンボ帰りでやってきたけど、時間はもう結構過ぎている。
訓玉駅は人でごった返しになってるらしく、一個前の駅で降りて叔父さんのオンボロカーにお世話になった。
「状況はどうなの?」
「街の人たちが散った後はあまり積極的には動いてないね。何かを待っているのか、探しているのか。今は現地に残った自衛隊が応戦しているけど――」
「けど、プラグマが要るんでしょ。俺行きますよ。」
「無茶いうなあ。まだ完全に修理できてないんだよ?」
そういいつつ、叔父さんは突貫で作られたプラグマの修理所にハンドルを切る。
つまりは一応の保証がついたってことだ。
「私も一緒に行く。帝国の狙いを確かめなきゃ。」
「いいのかい?」
「なりふり構っていられる時間はないもの。もうたくさんの被害が出てる……同じ地底人の私が黙ってなんかいられないよ。」
「……分かった。豪くん、彼女を頼んだよ。」
「おう!」
修理所に着いたらば、即行乗り込む。目指すは十二時の方角、街中のアイスマンだ。
ピキキッ……ボトッボトッ
『クソっまた凍らされた!! やはり大型火器かミサイルでなければ……』
『しかし周囲への被害が……路面を凍結させられ避難用の交通手段も確保できていません!!』
『ぬう、相手があれでは駆除法も即座には適用されない……応援が来るまで時間はかかるか!』
『どうした……さっさと集中砲火でもかければこのアイスマン・フリージール、落とせるやもしれんぞ?』
ジリリッ……
『くっ、機体上部を狙え! 榴弾は使うな!!』
『遅い!』
周りを凍らせながらに霜柱が地面を走って戦車の足を止める。
その隙にアイスマンが一気に自衛隊の隊列に接近してくる。
――やらせるかよ!!
『むん、急激な熱源反応……新手か!』
「悪いが毎度お馴染みのプラグマだぜ、氷野郎! 」
ダッシャアッ!!
「豪くん、相手は強力な冷却システムを持ってるから気を付けて!」
「承知の助っ!」
挨拶早々ブチカマシでまずは攻撃をさえぎる。
さっきの声には覚えがある。最初に出てきたアイスマンと同じ奴だっ!!
『ほほう、また貴様か……つくづく邪魔をしてくれるなァ。』
「自分の住む街で好き勝手やられちゃあ邪魔だってするさ! 嫌なら諦めて帰るか!?」
さっきの今で気は進まないけど、この状況じゃ戦うしかない。
アイスマンの気を引きつけて、なんとか場所を移さないと!
『あのロボットを援護しろ! 総員砲撃開始!!』
『チッ……ちょこざいなッ!!』
バズン! ガッシャアア!!
自衛隊の攻撃を防いだのはアイスマンが崩した建物だ。
あの野郎、街をなんだと思ってるんだ!
だけど狙いはそれだけじゃなかった。
『隙ありだ地上の!!』
ブシャアアア!!!
「なんだこれっ! 水道管を壊したのか!?」
「豪くん避けて!」
『逃がすかッ! フルドライブ!!』
バキキキカキガキィィィン!
噴き出す水が氷になって襲ってくる。
同時に、壊された部分を中心に、地面の下の水道管を伝って辺り一帯からもつららのようなものが突き出してきた。
上のアスファルトもシャンパンのコルク栓みたいに吹き飛ばされていく。
「こなくそっ!!!」
凍り付いてくるのはプラグマだって例外じゃない。なら全身に回る前に一発お見舞いしてやる!!
バゴォッ!
コロナに助けられた分、一手先が奪えた。
相手も大技の後ですぐには対応できない。
『ぬおうっ……始めから……その巨体を止めようなどとは……思わん!』
「!?」
『やはり――プロムの報告通り肩にダメージを負っていると見える!』
ビキキキッ!!
プラグマを通して俺に伝わってくる、突き刺すような感覚。
アイスマンの技はまだ修理が不完全な肩の隙間をぬって、間接を封鎖していた!
これじゃあまともな打撃なんて打ち込めない!!
『よく聞けプラグマの――いや、地上の人間どもよ!!』
唐突にアイスマンから大きな声が響き渡る。
避難する人たちも足を止めて振り返る。
『我が名はアレフ・ザルガン! ザルガン帝国の誇り高き地天将が一人である!!』
ビキビキバキッ
そう言い放つアイスマンを中心に、水道管の位置に沿って氷結範囲が広がっていく。
『もはやこの街は我が手に落ちた……命が惜しくば撤退するがいい。こちらとていちいち逃げる鼠を潰すために労力を使っているわけにはいかん。』
「出力110パーセント…行けるよ、豪くん!」
「勝利宣言にゃ早いぜこのヤロウ!!」
足場が固められたんなら、足場ごと動けばいい!
まわりのコンクリをぶっこわして無理やり突撃!
『ふん、そんな直線的な動きが通用するのは獣相手だけだ』
スゥッ――
『力が集約されるその一点、これを封じてしまえば全てを止めると同じ!』
ガキィン!!
『前回は苦渋を舐めたが今回はそうはいかん。大人しくそこで、街が炎に飲まれるまでを待っているがいい。』
完全に一枚上をとられた。
無理に動かそうとすると、その隙を突かれてしまう。
どうする……?
深呼吸して打破する算段を考えるけど、こんなドタンバでそう降りてきやしない。
やばい。やばい。
冷や汗まで、伝わる冷気で凍りそうに思えてくる。
『逆動マグマとの共振反応……手間取ったがようやく第一段階クリアだな。頂くぞ、ガイアコ――』
『――あ?』
音に気付くよりも先に、空気が裂けた。
それがなにか考える前にアイスマンが崩れて、それが助け船だって分かる前に、一声。
『東部第一師団34番隊第一中隊・雨城竜二等陸曹、これより武力攻撃に対する国民保護ならび迎撃支援を開始する!! 今度こそ名前覚えとけよ、少年!!!』
砲塔から煙が上っていく様子は、まるで西部劇のガンマンみたいだった。
つづく
最終更新:2011年12月08日 09:48