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  • 前回までのあらすじ
地底帝国であるザルガンの少女コロナ。彼女の協力で帝国に対抗するプラグマに乗る豪であったが、強力な帝国のロボット・アイスマンが立ちはだかる。
圧倒的なパワーに追い詰められるプラグマと自衛隊だが、そこへ駆けつけたのは……



ズゴオオオオオン

鋭い一撃にアイスマンが崩れた。それをやったのは自衛隊の雨城さんだ。

『――という訳で、謹慎処分の身ではありますがこの非常事態に馳せ参じた次第でーあります……命令違反に付きましては何卒便宜のほどを。』
『そのためには無事にこの場を乗り切らねばな……雨城二等陸曹!』
『サーイエッサー!』

「あれって確か遠距離武器開発の!?」
『そうだ、コロナちゃん。あの簡易電磁投射砲は検証・研究用に組み上げた段階のものを無理やり稼動させてる状態だから、いつ駄目になるか分からない。とはいえ接近戦で決定打をたたき出せない以上――』
「あれに頼るしかないって訳でしょう。だったらそこまでのお膳立てはこっちが引き受けるって!」

雨城さんのマシンは叔父さんの手によるものだった。
その叔父さんに強気のサインを返して、気合を入れ直す。
アイスマンにダメージが入ったお陰で凍結効果も緩んで、振りほどけるレベルだ。
ここから一気にたたみ返す!

「でりゃあっ!!」
『ぬぅっ……勢い付いたか!』
『動ける機体は援護!! そうでないものは速やかに離脱し救援に回れ!!』

ドウン! ドウン!

追い風の支援砲撃を受けながらアイスマンに飛び込みのラリアット。あっちは守りに入ったけど、バゴラと違って単純な力比べならこっちに分がある。
つかずはなれずで動き回って、凍結を少しでも遅らせなきゃ!

『……だが貴様らが見出した勝機など幻想に過ぎん!!』

「来るっ!」
「いよぉしっ!!」

コロナの予測通り、次の一手は足元狙い。
地面の下の水道管を突き破って氷柱が生えてくるけど、それよりも高く跳んで、飛び越えて、その先には!

『何っ!』
「捕まえたぜアイスマン!」

ガシイィィン!!!

プラグマの重心を相手のほうへ一気にかたむける。
これだけ近けりゃ凍るのも早いけど、がっちり組み合った今それも遅い!


「さあ、止めれるモンなら止めて見やがれ! ただしお前ごとになるけどな!!」
『オウケイ第二射充填完了だ、照準も良しだぜ坊主!!』

『おのれ離っ……』

『ファイヤッ!!』

バチバチとけたたましい音を立てながら、砲身が火を吹く!

が――

『なっ……! ふざけろまた不発かよっ!!!』

『ふ、ふはははは!! 驚かせてくれおってとんだ道化よ! ――凍結粉砕!!』

ドガッシャアア!!

『くそっエネルギーが足りねえっ……のわああああああっ!!!』

抵抗しようとするけど、ザルガンのアイスマンはプラグマの腕関節を破壊。
さらに、再度の発射を試みるナントカ砲を吹き飛ばしやがった。

『さてうるさい小蝿共にも退場してもらおうか!』

バキバキバキカキィイイン!!

『ぐっ……全車両行動不能だと……!? 』

ダメ押しの氷柱攻撃が戦車隊にも襲い掛かる。
直撃を避けた車両も、瓦礫で封鎖されて閉じ込められてしまった!

「……こうなったら玉砕覚悟で突っ込むしかないか!?」
「待って、それじゃあ同じ轍を踏むだけだよ。」

飛び出そうとするところをコロナが制止。そりゃあガムシャラにやったって駄目なのは俺もわかってる。
でもプラグマの腕もろくに動かせず、戦車隊も、なんとか砲も発射できない今、残ったものはなにもないじゃないか。

「……ちょっと待って。あの電磁投射砲、確かプラグマでデータを取れるように共通規格のバイパス・ユニットを取り付けてたはずよね?」
『ああ……ってまさかコロナちゃん!?』

何か思いついたのか、叔父さんに確認を取るコロナ。その表情は真剣そのものだ。


「オーバーロードさせた炉心からエネルギーを直接流し込めば、電離化膨張圧だけで弾丸を無理矢理押し出せるはず……!!」
「えーとつまり、俺はどうすればいい!?」
「とにかく、あの投射砲の前までもぐりこんで! そこからは私がやる!」
『まてまて少年少女。少しは大人にも頼ってくれよ。』

通信に割り込んできたのは雨城さんだ。派手に吹き飛ばされたけど、どうやら無事だったようだ。
でもプラグマとの間にはアイスマンが立ち塞がっている。
だったらやっぱ、突っ込むしかないぜ!


ガラガラッ

『ぬっ……死んだフリをすれば良かったものを。いいだろう、引導を渡してくれる!!』

かかとを返し、振りかぶる。今だ!
後ろで倒れているビルに足をかけ、思いっきり飛び込む!
アイスマンは避ける。
でもそれでいい。いや、それがいい!!

「合図したら出力を解放! それまでは最大のまま抑え込んで!!」

そう言い放ってプラグマのハッチを勢いよく開ける。
他人の心配あれだけしといて、この状況でロープ片手に飛び移るってんだから一番無茶してるのはコロナだ。

「よしオーライ、オーラ……ムギャッ!」
「ご、ごめんなさい!」

それを顔面で受け止めるのは、プラグマが突っ込んだ先――ナントカ砲の前で構える雨城さん。

『なにをコソコソやっている!!』
「レーザー変換OK、電磁回路カット、強制冷却システムスタンバイ、演算データリンク……!」
「坊主、急いで拾い上げろっ!!」

ギュオッ――バギガキィッ!!!

間一髪! ロープを使ってコロナが再びプラグマへ。
こっちは片手でどうにか砲塔を抱えて、アイスマンの攻撃をやり過ごす。
その間にケーブルの接続をやるってんだから、もうこれは無茶どころの騒ぎじゃない。

「くっ……あとちょっと、あとちょっとなのにっ!!」
「手を離すなっ……振り落とされるぞ!」
『今度こそ終いだァッッ!!!』


冷却装置が青く怪しく輝く。その時!

ドウン!

砲撃。それはアイスマンの背後から!

『馬鹿な! 戦車隊は全て潰したはず!?』

『ああ、お陰様で今も潰れているよ!! さあ、早く!!』

それは自衛隊の生身のパイロットによる、迫撃弾の攻撃だった!
危険を省みず作ってくれたチャンス、逃しゃしない!!

ガッシイイイン!!

「豪くん、エネルギー!!」
「おうっ!! いくぜえええぇぇぇ!!!!!」

ギュロロロロロロロ……

「200……350…550%!? おいおい、どういう出力してんだ!!」
『馬鹿なっ……この状況でこいつらッ!!!』

「チャージ完了! 行っけえ!!」


ズギュオオオオオオオオオオン!!!!!!


今度こそ間違いない。氷を一瞬で蒸発させる熱を周りに吐き出し、弾丸はサクレツした。
強敵、アレフの駆るアイスマン。その冷たく光る結晶のような装甲も!!


『まさか、フリージールを破壊するとは!! だが、威力偵察の任務は果たした……覚えておけよ地上人、最後に勝つのは……我らザルガン帝国だ!!!』

分厚い雲を突き抜けて飛んでいく脱出艇。負け惜しみかっての。
そう言ってやりたかったけど、実際一機にひどくやられたのも事実だ。
ザルガン帝国。本気で動き出すっていうならこの先どうなるんだ……。
開け放ったコックピットに冷たい風が流れ込んだ。


つづく



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最終更新:2011年12月08日 09:52