ふぅ、やっぱり何回見てもキツい。
うちの隊の連中にはこんな想いは絶対にさせちゃいけないな・・・
もうそろそろ終わるだろう、そして寝汗びっしょりで起き上がるんだ。
普段ならそうなのに、今日はちょっと違う。
一向に視界が明るくならない。それに体にも力が入らない。一体どうしたっていうんだ・・・
爆発音で俺の意識は現実に引き戻された。
そうか、ここはコクピット。そういえば敵の支援機が突然爆炎に包まれて。・・・あぁ、なんだ自爆したのか。
なんて皮肉だ。あのとき俺が阻止できなかった特攻自爆に俺は殺られるのか。
「隊長!おぃ!おっさんっ!生きてるか!?」
うちの隊の将来有望なヤツが無線で怒鳴り続けていた。
よかった。今度は大事なやつを無事守れたな。
「そんなに怒鳴るな・・・聞こえてるよ」
「!!よかった、無事なんだな!機体から爆炎が上がってる、すぐに脱出するんだ!」
そうか、今回は以前俺が見たときよりも強力な爆薬で自爆したんだな。
あのときは煙を上げて転がってただけだったからな・・・
さて、脱出だったな・・・と思ったがこりゃ無理だな。
巻き込まれたときにひしゃげたんだろう、俺の足は無残にも潰れていた。
腹部にも大量の出血。あぁ、痛みを感じないのは不幸中の幸いだ。
「・・・どうやらそれは出来そうにない」
「なっ!ばかやろう!あんたがいないと誰が俺たちを引っ張っていってくれるんだ!
あんたにはまだまだ教えてもらうことがあるんだ!越えなきゃいけない壁なんだ!
こんなところで勝手に引退してんじゃねえよ!」
ヤツの機体が急いで駆け寄ろうとしている。別働部隊として遠くにいたからな、巻き込まずに済む。
ハハッ、後のことはナルシストに任せれば上手くいくか。
じゃあ残るはあいつだけか。あいつには最期まで約束守れなかったな。
「なぁ・・・ナルシスト。聞こえてるか。聞こえてるならあいつに、あいつに伝えてくれ。
・・・最期の最期までっ・・・すまなっかった・・・と」
もう何もしたくない。しゃべりたくもない。もうすぐ俺の機体は爆散するだろう、でもそれもどうでもいい。
最期にあいつが笑いかけてくれて・・・嬉しかったな・・・
あいつの笑顔を思い浮かべながら俺の意識は漆黒の闇に溶けていった。
とあるオペ子の業務日誌のバッドエンド編も作るには作っていたので迷ったんですが書いてみました
律儀にフラグ回収させてみたら、こうなるよね的なノリで。
ハッピーエンドルートと差し替えでお好みのほうをチョイスしてください。
最終更新:2010年01月13日 13:27