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第2場 - (2006/12/18 (月) 03:58:02) のソース
<p><b><u>第2場</u></b></p> <p> 60年代初め。テレビ番組「シドニー・バンドスタンド」の収録。</p> <br> <p>舞台奥から クリス・ベル駆け出して登場。<br> クリス「おーい!ピーター!親父がシェブロン・ホテルの仕事入れてくれるってさ。何しろあそこの、ドアマンだからさぁ」<br> ピーター「おい!クリス、すげえじゃん!」<br> クリス「俺がギター弾いてさ、二人で歌うってのはどうよ?」<br> ピーター「おい、ピアノなし?俺の腕が泣くぜ~」<br> クリス「まあまあ。コンビ名がいるなあ。アレンブラザーズ、っていうのはどうよ?」<br> ピーター「どうして?」<br> クリス「いただろ?昔そんなコンビ。でも、もう、死んじゃってるし?」<br> ピーター「ああ!いい思い付き!」<br> クリス「だろ?」<br> ピーター(クリスから観客に向き直り)「1週間持つかなって思いました」<br> 暗転し、クリスはフェードアウト。<br> ピーター「オーストラリアのショウ・ビジネスってのも、思っていたよりちょろいもんだ。あっと言う間にチャンスが向こうから転がり込んだ。シドニー・バンドスタンドって、若者向けTV番組で、俺は歌を作り始めました。若者の不安感、失恋、そんなようなものを」<br> バックでセット変更。ピーターはアロハシャツの衣装から、番組の女性スタッフに手伝って貰いながら着替え始めている。<br> ピーター「俺にもクリスにも、面白いように女の子が引っかかりました。(前を通り過ぎる男性ダンサーを見つめてニヤケながら)もっとも俺の男性ホルモンはそれには飽き足らなかった。(客席に向かって)失礼」<br> ピーター「俺らは18。有頂天の日々でしたね。(ネクタイを差し出されて)ネクタイ?!」<br> と叫んでピーター舞台奥へ。<br> バンドスタンドのセットに、アンサンブル勢揃い。<br> AD「5、4、3・・・」<br> 司会者「はーい、皆さんこんばんは。今夜は今大人気の兄弟デュオが、バンドスタンド出演2周年を迎えます。準備は・・・はい、OK!・・・それでは拍手でお迎え下さい。クリスアーンド、ピーターアレン!」</p> <p><br> ♪ラブ・クレージー(LOVECRAZY)♪(ピーター&クリス&アンサンブル)</p> <p><br> アンサンブルは男性アロハシャツに短パン、女性は水着。アレン・ブラザーズは水色のそろいのブレザー。初めはアンサンブルの若々しいダンス。</p> <br> <p> ♪小川のせせらぎにも耳を傾けよう・・・で、アンサンブルの間を割って奥からアレン・ブラザーズ登場。クリスはギターを抱えている。</p> <br> <p> ピーター、はじけまくってカメラに近付き目立とうとするも、引かれてしまう。アンサンブルの女の子の間を縫いながら60年代風ダンス。<br> ラストは、女の子からビーチボールを受け取って2人高く掲げてポーズ。</p> <br> <p>ADの「カーット!」の声に皆動き出す。<br> 「お疲れ~」などと言いながらアンサンブルがはける中、ピーター最初に見ていた男性ダンサーにセクハラ。男性ダンサー驚きながらはけて行く。<br> 舞台中央に残ったピーターにクリスが近寄ってくる。<br> クリス「ピーター最高だったぜ!」<br> ピーター「ありがとう!ね、ネクタイ外すの手伝ってくれない?これ締めてるの、大嫌いなんだ」<br> クリス、ピーターのネクタイを外すと「じゃ、先行くぜ!」と奥からはける。</p> <br> <p>ピーター一人残って暗転。<br> ピーター「何もかも思い通り。俺たちは、オーストラリアのTV業界で一番人気のコンビになりました。・・・ところが、ちょっと羽目を外してしまいまして。ある人間と寝たんです。それがまずかった。その相手が、超有名なプロデューサーで。ね、皆さんならどうします?同じ事しない?」<br> とここで、最初に名前を聞いた客に名指しで聞いたりして、しばしやり取り。<br> ピーター「それを俺は喋りまくっちゃったんだよね。当時はそれを喋っちゃいけなかったんだって。でも人に気を使うなんて時間の無駄だと思うんだけどな。だから俺は『うん、やっちゃった』と言いました。そしたら急に外国の仕事が決まりました。体よく、オーストラリアから追放ってことですか?」<br> ピーターの台詞が終わらないうちにマリオンが上手からジャケットとネクタイを持って登場。ピーターにジャケットを着せ、服を調え、ネクタイを締めようとする。ピーターマリオンにされるがまま<br> ピーター「ネクタイ?こんなの締めないよ」<br> マリオン「第一印象ってのが肝心なの。ね、予防注射すんだ?」<br> ピーター「(面倒臭そうに)うん」<br> マリオン「えー天然痘」<br> ピーター「うん」<br> マリオン「チフス」<br> ピーター「うん」<br> マリオン「黄熱病」<br> ピーター「うん、お、黄熱病?ってママ、アマゾンじゃないよ。行き先は香港」<br> マリオン「だとしても生水は飲んじゃダメよ。何も食べないでね?」<br> ピーター「えっ、何も?!平気平気。ね、それよりママは?一人で大丈夫?」<br> マリオン「私?平気平気」<br> ピーター「すぐ戻ってくるね」<br> マリオン「うん、わかってる。たった一年だもの。一年経てば戻ってくるんだもの」<br> ピーター「(ジャケットを着、ネクタイを締めた姿をマリオンに見せるように両手を広げて)これでご満足?」<br> マリオン「私はずっとここにいるからね。忘れないでよ」<br> ピーター「うん。愛してるよ、ママ」<br> そう言うなり下手へ、半ば逃げるようにマリオンに手を振りながら移動。途中から駆け出すが、呼び止められてストップ。<br> マリオン「ピーター!生水は、飲んじゃダメ」<br> ピーター「(マリオンの台詞に被せるように)飲んじゃダメ。じゃあ!」<br> と下手へ走ってはける。<br> マリオン「いってらっしゃい、ピーター」<br> マリオン上手にはける。</p>