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第3場 - (2006/12/15 (金) 00:04:58) のソース
<p> <strong><u>第3場<br></u></strong>60年代。ヒルトン・ホテル・香港</p> <br> <p>♪WALTZING MATILDA(中国語バージョン)♪</p> <br> <p> 歌いながらグランドピアノを弾いているピーター、ギターを弾いているクリスが下手から登場。<br> 上手から正装した男女が何組もワルツを踊りながら登場。下手からもパートナーがいない男女が登場。<br> その中に、ジュディ・ガーランド、夫のマーク・ヘロンと手を取り合い踊りながら登場。(ジュディは他の女性のようなドレスではなく、上下とも赤い服、スカートはタイトスカート姿)</p> <br> <p> ジュディ、かなり酔った様子でワルツの列から離れる。<br> ジュディ「中国の歌じゃないじゃない」<br> マーク「みたいね」<br> ジュディ「WALTZING MATILDAよ」<br> マーク「みたいね」<br> ジュディ「オーストラリア、オーストラリアの歌よ」<br> マーク「みたいね」<br> クリス、ジュディに気付いてピーターに合図を送る。ピーターも気付いて驚く。<br> ジュディ「あの国に追い出されたことがあるのよ。どこ行ってもブーイングの嵐。何て言ったっけ?あのクソ町」<br> マーク「メルボルン」<br> ジュディ「あー!何で思い出させんのよ!あんな国、カンガルーのケツの穴に突っ込めってんだ!」<br> ジュディの台詞の途中でピーター、バンドに合図して音を止め、マイクを掴む。<br> ピーター「さすがジュディ・ガーランド!見事な退場!」<br> ジュディ「Shit!」<br> ピーター、マイクを持ってピアノの前から立ち上がって横に移動。<br> ピーター「皆さん!ガーランドさんに一曲歌っていただきましょう!」<br> ジュディ「(ピーターに向かって)あんた、頭おかしいんじゃないの?」<br> ピーター「世界一の歌手でいらっしゃる」<br> ジュディ「それがどうした」<br> ピーター「僕、大ファンなんです」<br> ジュディ「安っぽいこと言うんじゃないわよ」<br> ジュディ、その場から去ろうと上手の方に移動。<br> ピーター「あ、ちなみにそのドアはトイレに通じてます」<br> あら、とジュディ、ノブを回(すフリを)しかけた手を引っ込めて、ピーターに向き直る。<br> ジュディ「大スターだって、おしっこぐらいするわよ。失礼」<br> 再び去ろうとするジュディ。<br> ピーター「お願いです、一曲だけ」<br> ジュディ「あのね、私は病院で15時間も意識不明だったのよ」<br> ピーター「それは何よりの骨休め」<br> ジュディ「気休めにだってならなかたわよ!よく言うわ、歌えだなんて」<br> ピーター「歌わしたいのは僕じゃない」<br> ジュディ「誰よ」<br> ピーター「ファンの皆さんです」<br> ピーター周囲に拍手を求める。周りの客拍手。<br> ジュディ「ファンが私に何をしてくれたって言うのよ!意識不明で死にかけてたのよ!」<br> 静まる客たちにジュディ気まずくなって。<br> ジュディ「・・・でも、今の私を支えてくれるのはファンだけ。ま、いいか、今更失うものなんて何にもないし」<br> 客たち再び拍手。<br> ジュディ、クリスからマイクを受け取りピーターのピアノの元へ。<br> ジュディ「『夢だけでいい』って知ってる?」<br> ピーター「勿論!」<br> ピーター感激してピアノの前にスタンバイ。ジュディ、ピーターの隣に座ってマイクを構え、ピーターの演奏に合わせて歌い始める。</p> <p><br> ♪夢だけでいい(ALL I WANTED WAS THE DREAM)♪</p> <p><br> 歌い始めてすぐ、歌詞を忘れつまったジュディに、ピーター「忘れやしない」と耳打ち。ジュディ再び歌い始める。<br> ノッて来たジュディ、マイクを持って立ち上がり、舞台中央へ。<br> 見事に歌い上げ、客から喝采を受ける。</p> <p><br> 感激した客に囲まれるジュディの横で、その夫マークはマイクを受け取るとピーターの元へ。<br> マーク「また会ったな」<br> ピーター「まさか、ジュディ・ガーランドと釣るんでたとはね」<br> マーク「俺達は一夜限りの関係だ。知らせてる暇はなかったんだよ、な」<br> とマーク、ピーターの手を取ろうとするが、ピーターするりと身をかわし二人の間を指差して<br> ピーター「この線見える?」<br> マーク「どれ?」<br> ピーター「俺が今引いた線。一線を越えるつもりはないね」<br> と言い置いて、舞台中央のジュディの元へ。<br> ジュディ「感謝するわ」<br> ピーター「何を?」<br> ジュディ「キーを合わせてくれた」<br> ピーター「ああ、そっちが合わせてくれたんだ。・・・最後の音だけだけど」<br> ジュディ「あははは」<br> ピーター「はっはは」</p> <p><br> 舞台暗転。<br> ピーター、ナレーターに戻り客席に向かって<br> ピーター「自分が虹の向こうに行こうとしてたなんて、知る由もなかったですね、当時は。それも、山あり谷ありだった訳ですけど。俺の人生にとって、大きな波を遥かに超える、最高の波がやって来ていたんです」<br> </p>