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補糖 - (2010/12/05 (日) 13:19:32) の最新版との変更点
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*補糖とは
読んで字の如く「糖を補う」事です。
果汁などを用いて発酵を行う場合、果汁に不足している糖分を補糖により補います。
純粋な果汁のお酒では無くなる気がするかもしれませんが、ワイン作りなどにおいても一部の高級ワインを除いて普通に行われていることです。
*補糖の目的
補糖の目的は主に
+ 腐敗を防止する
+ アルコール度を高める
の二点です。
酵母は耐糖性が高く、他の菌が活動できないような高濃度の糖の中でも活動できるため、醸造初期における雑菌の混入による腐敗がおきにくくなります。
耐糖性が高いと言ってもあまり高濃度になると活動できなくなってしまうので注意して下さい。
また、ジュースに最初から含まれる糖度については、成分表示の「炭水化物」の欄がほぼそのまま糖度なので参考になります。
また、糖はアルコールの材料でもあるため、補糖すると発酵終了時のアルコール度が上がります。
糖のおよそ半分が酵母の活動エネルギーとして消費され、のこり半分がアルコールになると言われています。
(プロは「糖度[BRIX]×0.55=アルコール%[v/v]」で概算します)
従って、糖度12のぶどうジュース1リットルに対し、120gの補糖を行うと、できあがるワインのアルコール度数は(完全に発酵していれば)およそ12%という事になります。
(プロだと「アルコール13.2%v/v」と概算結果を出すでしょう)
糖度/2[%] + (補糖/2)/量*100[%] = アルコール度数
補糖はグラム単位で、量はジュースの量をミリリットル単位で
*補糖につかう糖
[[猿酒]]では一般的に果汁の味を邪魔しない、淡泊で癖の無い糖を用いると良いと言われています。
そういう意味ではブドウ糖がベストですが、高いのでグラニュー糖や砂糖(上白糖)で十分でしょう。
逆にビールなどでは、サイダーのような味になると言われ、砂糖やブドウ糖などの添加は嫌われます。
酒に特徴を加えたい場合、蜂蜜、メープルシロップなどの不純物の多い糖を混ぜることもあります。
-砂糖(上白糖)
-三温糖
-グラニュー糖
-蜂蜜&br()([[ミード]]を参照)
-ブドウ糖
-氷砂糖
-水飴
-メープルシロップ
-モルトシロップ・ドライモルト
-飴玉
-コーンシュガー
-ジュースを煮詰めた汁
逆に、補糖に使えない糖類があります。
単糖(=ブドウ糖(=グルコース))が多数つながった、多糖類と言われているものがそうです。
酵母の口は小さいので、単糖、二糖類(ショ糖、麦芽糖など)は食べられますが、それ以上に大きなものはなかなか口に入りません。
デンプンや人工甘味料などは、消費されることなく残ります。
つまり、酒に甘味を加えたければ、多糖類を入れれば良い、ということです。
(大量の砂糖を加えて酵母の活動を抑える手もあります)
なお、二糖類でも乳糖は分解できない酵母が多いです。
酵母の種類によって、食べられる糖の大きさは異なります。
日本の大手ビール会社で使われている酵母は、大きな糖も食べる=甘くなくなる=ドライなビールになる、と言われています。
*発泡性にするための補糖([[プライミングシュガー]])
ビールなどを発泡性にするため、瓶内発酵用に補糖することを特に[[プライミングシュガー]]と呼び、通常の補糖と区別します。
*科学的な説明
-グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)は単糖類
--単糖類180.16mol ⇒ エタノール46.07mol×2個 + 二酸化炭素44.01mol×2個
---単糖類100g ⇒ エタノール64.82ml + 二酸化炭素24.71L
-スクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)は二糖類
--二糖類342.30mol + 水18.02mol ⇒ エタノール46.07mol×4個 + 二酸化炭素44.01mol×4個
---二糖類100g ⇒ エタノール68.23ml + 二酸化炭素26.01L
-※この生成されるエタノールと二酸化炭素の量は理論的上限であって、実際に生成される量ではありません。
--実際に得られるエタノールの量はその87%と考えるのが現実的です。
---単糖17.75g/L,二糖16.85g/Lでアルコール1%v/vになる計算になります。
-グラニュー糖はスクロース99%以上
-上白糖はスクロース98%程度でグルコースとフルクトースが各1%程度
-三温糖は上白糖に少量のカラメルを加えたもの
--カラメルは醗酵せずにそのまま残り、カラメル風味の甘味になる。
*補糖とは
読んで字の如く「糖を補う」事です。
果汁などを用いて発酵を行う場合、果汁に不足している糖分を補糖により補います。
純粋な果汁のお酒では無くなる気がするかもしれませんが、ワイン作りなどにおいても一部の高級ワインを除いて普通に行われていることです。
*補糖の目的
補糖の目的は主に
+ 腐敗を防止する
+ アルコール度を高める
の二点です。
酵母は耐糖性が高く、他の菌が活動できないような高濃度の糖の中でも活動できるため、醸造初期における雑菌の混入による腐敗がおきにくくなります。
耐糖性が高いと言ってもあまり高濃度になると活動できなくなってしまうので注意して下さい。
また、ジュースに最初から含まれる糖度については、成分表示の「炭水化物」の欄がほぼそのまま糖度なので参考になります。
***補糖量の計算(簡易)
糖はアルコールの材料でもあるため、補糖すると発酵終了時のアルコール度が上がります。
糖のおよそ半分が酵母の活動エネルギーとして消費され、のこり半分がアルコールになると言われています。
糖度/2[%] + (補糖/2)/量*100[%] = アルコール度数
補糖はグラム単位で、量はジュースの量をミリリットル単位で
従って、糖度12のぶどうジュース1リットルに対し、120gの補糖を行うと、できあがるワインのアルコール度数は(完全に発酵していれば)およそ12%という事になります。
***補糖量の計算(プロ仕様)
もう少し高い精度で補糖量を出したい場合は以下の公式で計算してください。
-ジュース100mlあたりの炭水化物重量[g]×0.55≒標準推定アルコール度数[% v/v]
--例:11.3[g]×0.55=6.215[% v/v]
-(目標アルコール度数[% v/v]-標準推定アルコール度数[% v/v])×仕込量[L]×16.83=補糖重量[g]
--例:(12.0[% v/v]-6.215[% v/v])×15[L]×16.83≒1460[g]
従って、100mlあたりの炭水化物12.0gのジュース1リットルに91gの補糖で、(完全醗酵すれば)アルコール12.0%という事になります。
*補糖につかう糖
[[猿酒]]では一般的に果汁の味を邪魔しない、淡泊で癖の無い糖を用いると良いと言われています。
そういう意味ではブドウ糖がベストですが、高いのでグラニュー糖や砂糖(上白糖)で十分でしょう。
逆にビールなどでは、サイダーのような味になると言われ、砂糖やブドウ糖などの添加は嫌われます。
酒に特徴を加えたい場合、蜂蜜、メープルシロップなどの不純物の多い糖を混ぜることもあります。
-砂糖(上白糖)
-三温糖
-グラニュー糖
-蜂蜜&br()([[ミード]]を参照)
-ブドウ糖
-氷砂糖
-水飴
-メープルシロップ
-モルトシロップ・ドライモルト
-飴玉
-コーンシュガー
-ジュースを煮詰めた汁
逆に、補糖に使えない糖類があります。
単糖(=ブドウ糖(=グルコース))が多数つながった、多糖類と言われているものがそうです。
酵母の口は小さいので、単糖、二糖類(ショ糖、麦芽糖など)は食べられますが、それ以上に大きなものはなかなか口に入りません。
デンプンや人工甘味料などは、消費されることなく残ります。
つまり、酒に甘味を加えたければ、多糖類を入れれば良い、ということです。
(大量の砂糖を加えて酵母の活動を抑える手もあります)
なお、二糖類でも乳糖は分解できない酵母が多いです。
酵母の種類によって、食べられる糖の大きさは異なります。
日本の大手ビール会社で使われている酵母は、大きな糖も食べる=甘くなくなる=ドライなビールになる、と言われています。
*発泡性にするための補糖([[プライミングシュガー]])
ビールなどを発泡性にするため、瓶内発酵用に補糖することを特に[[プライミングシュガー]]と呼び、通常の補糖と区別します。
*科学的な説明
-グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)は単糖類
--単糖類 ⇒ エタノール×2個 + 二酸化炭素×2個
---単糖類100g ⇒ エタノール64.82ml + 二酸化炭素24.71L
-スクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)は二糖類
--二糖類 + 水⇒ エタノール×4個 + 二酸化炭素×4個
---二糖類100g ⇒ エタノール68.23ml + 二酸化炭素26.01L
-※この生成されるエタノールと二酸化炭素の量は理論的上限であって、実際に生成される量ではありません。
--実際に得られるエタノールの量はその87%と考えるのが現実的です。
---単糖17.75g/L,二糖16.85g/Lでアルコール1%v/vになる計算になります。
-グラニュー糖はスクロース99%以上
-上白糖はスクロース98%程度でグルコースとフルクトースが各1%程度
-三温糖は上白糖に少量のカラメルを加えたもの
--カラメルは醗酵せずにそのまま残り、カラメル風味の甘味になる。