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087

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087.DOPEL


……二人は、何処に行ったのだろう。
結局、しばらくしても姿をすことのなかった少女達の事を、♂剣士はぼうっ、と考えていた。
既に、時刻は夕闇を孕み始めている。
黄昏の世界は、何処までも金色だ。

見捨てられたか。それとも二人の身に何かがあったのか。
或いは、他の何かか。
判断の基準は、ようとして知れない。
判らない。全てが。何もかもが。

それは、その何かは。
自分の知らない何者かは、自分にも牙を向けているのかもしれない。
恐ろしい。恐ろしい。此処に居る事が。歩き始める事が。人を知る事が。そう、全てが。
恐怖は伝染し、恐怖は汚染し、恐怖は拡大する。

あるいは、♂剣士はその時既に狂い始めていたのだろう。
それ故に彼は、夕日に染まる平原にその幻想を見た。

「……ぼくが、いる」

彼が、彼の前に居た。
黄昏を背負った『彼』は、体を影のヴェールで包んでいる。

それはもう一人の自分。
それは同じ姿を取る者。
それは主に成り代わる者。
それは手に巨剣を握る鏡像。
それは……ゲフェンの魔王。

その幻想は、こう呼ばれる。
即ち、ドッペルゲンガーと。

<♂剣士 SAN値下落中(狂気に蝕まれ始めてる) DOPと遭遇。>

→ 088

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