本にしてみよう

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118.Bad luck or...?


「ほら、起きろ」
身体を揺さぶられ、起きる。
目を開ければ、すっかり日は落ちていた。
「ん……あぁ、オレはどれぐらい寝ていたんだ……」
立ち上がり、大きく伸びをして声の主――♀セージに問いかけた。
「ざっと三時間半ってところか……まぁ、そんなことより」
♀セージから弓が手渡される。
その弓を念入りに点検しながら、♀セージの続ける言葉を聞いた。
「この近くの赤芋峠が禁止区域になった。つまり、だ……もし誰かがそこにいたら、通り道が塞がれるようなアルデバランにはいかないだろう……そうすると、残る道は必然と」
「こっちになるってわけね」
今のところ異常は無いわ、と付け加え、今までオレが寝ていた木に寄りかかって座る♀ウィザード。
「杖が、欲しいわ……そうすれば、少しはましな魔法使えるのだけど」
「ほな、うちの箱開けてみる?」
ひょこりと現れた♀アルケミストは、こっちも異常なしやわ、と皆に告げた。
「そうね……嵩張る物が出たら困るけど、さっきの放送で聞く限り、残っているのは殆どが、このバカなゲームに乗ってるバカみたいだし。あなた、開けてくださる? どうも私は運がいいのか悪いのかわからないから……」
頭の上に乗っている、ネコを模したぬいぐるみを指して言う。
「うちもだめやわー……ここは自分のエモノしっかり引き当ててるアチャ君にお願いせんとな」
にっこりと、顔に満面の笑みを浮かべながら、箱を手渡してきた。
少し文句も言いたかったが、ここにこれ以上留まるのもまずいと思ったので、一気に開けることにした。

ぱこっ
そんな音が聞こえるような勢いでまずひとつ開ける。
「なんやこれ……クリスタルブルーやんか……」
さっきの笑みはどこに消えたのだろう、酷く落胆し、悲しそうな目を向ける♀アルケミスト。
「まぁ……まだもう一つあるわ。あなた? しっかりお願いしますわ」
なら自分で開けろ! と叫びたかったが、叫んだ後が怖いので、ブツブツといいながら箱を開ける。
「これは……短剣?」
「どれ、見せてみぃ」
♀アルケミストの少女に、その中々豪華な装飾がしてある短剣を手渡した。
「ふむ……これは……これは……フォーチュンソード……」
最初の笑顔と、さっきの悲しそうな顔を足して割った感じの、微妙な表情が窺える。
「ふ、フォーチュンソードって結構いいもんじゃないのか?」
居た堪れなくなり、動揺しつつも聞いてみることにした。
「やー……確かにいいもんはいいもんやけど……この戦いで役に立つかどうかは……わからへんなぁ」
「ないよりはマシってとこね……それ、私が持っててもいいかしら?」
「うちが持っててもしょうもないしな」
♀ウィザードはその短剣を受け取ると、手の中で弄びつつ、その短剣を観察する。
「クリスタルブルーは多分私が一番使えるわ……これは、あんたが持ってて」
たくさんの花びらを♀アルケミストに手渡し、代わりにクリスタルブルーをカバンにしまう。
「さて……ここが現実の世界を模してるなら……周りから、禁止区域になってる。必然と、向かう先はプロンテラになるな……」
頷いて、一同は南下を始めた――。


<♂アチャ アーバレスト 銀の矢50本 白ハーブ1個>
<♀アルケミスト ダマスカス 食虫植物の花びら50個>
<♀ウィザード フォーチュンソード たれ猫>
<♀セージ クリスタルブルー1個>
<現在位置:ミョルニール山脈を南下中>

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