127.貴方を追いかけて
私は少なからずショックを受けていた。
死亡した♀プリーストは一緒に転職試験を受けた、いわば同期だった。
けれども所詮はそれだけの関係であとは教会への定例報告の際にたまに顔をあわせる程度でしかなかった。
ショックを受けたのはそこではなく。
それだけの関係でしかなかった人物の死に動揺しているという事実だ。
もしこれが深い関係の相手だったらどうだったのだろうか。
「あのね……」
後ろを歩いている♂マジシャンがぽつりぽつりと語り始める。
「あたしっていつもこうなんだ、あいつに追いついたと思ったらあいつはもっと先に進んでしまっている」
いつもと変わらない口調で♂マジシャンが言う。
けれども私はそれが怖かった。
『真に絶望した者は取り乱したりなどしない、いつもと変わらず……だがその本質は確実に変質している』
誰かがそう言っていた、今の彼─―いや彼女というべきか─―はまさにソレではないのだろうか。
「そうしたらまたあたしが追いかけて、もうこれの繰り返しよ……だけど」
背筋がゾクリとした、声音は変わらないというのにその陰に隠れた狂気が見えた気がしたから。
「馬鹿馬鹿しいけどそれがあいつとあたしとの接点、だから追いかけなきゃ」
追いかけなきゃ……それの意味するところに気がついて私は慌てて振り向いた。
「ま、待って! 馬鹿な真似は……」
「い や よ、貴方が言ったんじゃない『自分の我儘をいかに巧く通すかが女の甲斐性』って、ね」
その楽しげな笑顔に一瞬悪魔プリは呆然とした。
その一瞬が生と死を別けた。
悪魔プリが駆け寄るよりもわずかに早く♂マジシャンの詠唱は完了したのだ。
想い人を追いかける詠唱が。
死亡した♀プリーストは一緒に転職試験を受けた、いわば同期だった。
けれども所詮はそれだけの関係であとは教会への定例報告の際にたまに顔をあわせる程度でしかなかった。
ショックを受けたのはそこではなく。
それだけの関係でしかなかった人物の死に動揺しているという事実だ。
もしこれが深い関係の相手だったらどうだったのだろうか。
「あのね……」
後ろを歩いている♂マジシャンがぽつりぽつりと語り始める。
「あたしっていつもこうなんだ、あいつに追いついたと思ったらあいつはもっと先に進んでしまっている」
いつもと変わらない口調で♂マジシャンが言う。
けれども私はそれが怖かった。
『真に絶望した者は取り乱したりなどしない、いつもと変わらず……だがその本質は確実に変質している』
誰かがそう言っていた、今の彼─―いや彼女というべきか─―はまさにソレではないのだろうか。
「そうしたらまたあたしが追いかけて、もうこれの繰り返しよ……だけど」
背筋がゾクリとした、声音は変わらないというのにその陰に隠れた狂気が見えた気がしたから。
「馬鹿馬鹿しいけどそれがあいつとあたしとの接点、だから追いかけなきゃ」
追いかけなきゃ……それの意味するところに気がついて私は慌てて振り向いた。
「ま、待って! 馬鹿な真似は……」
「い や よ、貴方が言ったんじゃない『自分の我儘をいかに巧く通すかが女の甲斐性』って、ね」
その楽しげな笑顔に一瞬悪魔プリは呆然とした。
その一瞬が生と死を別けた。
悪魔プリが駆け寄るよりもわずかに早く♂マジシャンの詠唱は完了したのだ。
想い人を追いかける詠唱が。
<♂マジ 死亡>
<悪魔プリ ♂マジの所持品引継ぎ>
<残り24名>
<悪魔プリ ♂マジの所持品引継ぎ>
<残り24名>
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