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009.お約束

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匿名ユーザー

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009.お約束

♂アルケミストは迷っていた

戦わなければ死ぬ、それは判っていた
しかし生き残り故郷に帰り着いたとして、自分にがある?
伝承の中の人工生命を操る錬金術師に憧れ、来る日も来る日もただひたすらに知識を追い求めた
だが人工生命ホムンクルスの実験は幾度と無く失敗し、彼を信じてくれるものはもう居なかった
更に王国から直々に人工生命の創造は不可能である、と発表された日の絶望を彼は忘れていない
生きるも絶望、死ぬも絶望。ならばその絶望の道に誰かを道連れにしてやろうか
街中で商売をすることが主な商人や、非力なアコライトなら自分でもなんとかなるだろう
だが職業暗殺者や狡猾な狩人を前にして自分が生き残る確率は?

ほぼゼロ

それがホムンクルスが世に広まる日を信じて知力を高め続けた彼の結論だった
ならば他人と組み少しでも生存率を上げるということは可能だろうか?
1対1ならば死ぬことがあっても、2対1なら少しだけ生き残る確率は高くなる
しかし、もし信用して背中を預けていた相手に刺されたら?
ありえない話ではない。ここは殺し合いの場なのだからむしろそうなって当然だろう
何処へ向かってもあるのは絶望だけ。それならば
自らの運命を懐に忍ばせていた金貨に託し、瞳を閉じると彼はそれを放り投げた
表と、裏と、背中合わせの絶望がくるくると宙を舞い手のひらに落ちる
ゆっくりと目を開き、手のひらに収まったコインを見て彼は決めた
戦って死ぬか、人を信じて死ぬか、を

<♂アルケミ装備:不明>

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