050.Sword Dance
地面で死んだ振りを続けていた♂ノービスは信じられない光景を見ていた。
「あは、あははははははははははは」
哀れな狂女がダガーを振り上げ、襲い掛かってくる。
「少年、君に問おう。戦いの結果を決めるものはなんだ?」
♀剣士は素手のままダンサーのダガーを持った手を捻り、いとも容易く投げ飛ばす。
「装備か? 能力か? スキルか?」
地面に背中を叩きつけられた狂女は暫く地面に伏していたが、まるでカエルが飛ぶような奇妙な動きで起き上がり、奇声をあげて三度♀剣士に飛び掛る。
だがそれも先ほどまでと同じようにあっさり♀剣士に受け流され、投げ飛ばされるのみ。
だがそれも先ほどまでと同じようにあっさり♀剣士に受け流され、投げ飛ばされるのみ。
「財力、運、仲間の有無?」
ダンサーは幾度と無く飛び掛り続けるが、全て♀剣士にかわされ、受け流され、返される。
無様な踊りのようなダンサーの動きに対して、♀剣士のそれは優雅に舞っているかのような動きだった。
♀剣士はまたダンサーを放り投げ、♂ノービスの方を向くと、
無様な踊りのようなダンサーの動きに対して、♀剣士のそれは優雅に舞っているかのような動きだった。
♀剣士はまたダンサーを放り投げ、♂ノービスの方を向くと、
「それらのものは全て結果を決定付けるものではない。一番重要なのは」
自らの胸にどん、と拳を打ちつける。
「ここだ。ここにある、勝とうとする、生き残ろうとする意思。それこそが勝利を引き寄せる」
すでに言葉すら忘れたのか、人間のものとは思えないうめき声をあげたダンサーが♀剣士の背後に迫る。
「少年、心を強く持て。心が弱ければ……」
危ない、と♂ノービスが叫ぼうとした時。
♀剣士は振り上げられたダンサーの腕を取り、足を払い、頭を地面に叩きつけた。
♀剣士は振り上げられたダンサーの腕を取り、足を払い、頭を地面に叩きつけた。
「こうなる」
びくん、びくんと数度痙攣し、ダンサーの体が動かなくなった。
打ち付けた頭部からはどくどくと赤いものが流れ出し、すでに死んでいた。
打ち付けた頭部からはどくどくと赤いものが流れ出し、すでに死んでいた。
「立ち上がるがいい、少年。君は歩みを諦めるにはまだ若すぎる」
乱れた青髪を片手で払いのけ、地面に伏したままの♂ノービスに手を差し伸べるでもなく♀剣士は言った。
「……なんで、そんなことが言えるんですか。ノービスのボクが生き残れるはずも無いのに」
「私も、以前この戦いで生き残ったときはノービスだった」
「私も、以前この戦いで生き残ったときはノービスだった」
あっさりと、♀剣士はそう言い放った。
戦いに生き残った……つまり前回の『優勝者』ということか?
いや、それ以前にこんな戦いがそう何度もあったのか?
戦いに生き残った……つまり前回の『優勝者』ということか?
いや、それ以前にこんな戦いがそう何度もあったのか?
「だが立ち上がるかどうかは、君自身の意思で決めるべきことだ」
「……」
「……」
その言葉に黙ったままながらも起き上がる♂ノービスを見て、♀剣士は満足そうに頷いた。
「実を言うと、一人でこの二人を埋葬してやるには手が足りないと思っていたのでな……助かったよ」
死体を抱えあげ、ついてこいと♂ノービスを促す。
ほんの少し進んだ先。そこには、古代の修道院があった。
聖カピトーリナ修道院。ずっと昔はここで結婚式をあげるカップルが大勢居たと♂ノービスは聞いていた。
支給品だったのだろうか、何処からとも無く持ってきたパイクで♀剣士はその近辺の地面を掘り返す。
♂ノービスもダンサーが持っていたダガーで地面を掘り返し、暫くして二人分の墓穴が出来上がった。
ほんの少し進んだ先。そこには、古代の修道院があった。
聖カピトーリナ修道院。ずっと昔はここで結婚式をあげるカップルが大勢居たと♂ノービスは聞いていた。
支給品だったのだろうか、何処からとも無く持ってきたパイクで♀剣士はその近辺の地面を掘り返す。
♂ノービスもダンサーが持っていたダガーで地面を掘り返し、暫くして二人分の墓穴が出来上がった。
「死が二人を分かつまでというが……死してなお、仲良くあってほしいものだよ」
二人の埋葬を終えて自らが殺した相手に黙祷を捧げると、♀剣士は立ち上がった。
「何処へ行くんですか?」
「この戦いを、止める」
「この戦いを、止める」
そうきっぱりと言い放つと、♀剣士はそのまま立ち去ろうとする。
「ボクも一緒に行きます! 行かせてください!」
付いて来ようとする♂ノービスに♀剣士は困ったような笑顔を浮かべ、
「私が歩む道は恐ろしく困難で険しいものだ。そして恐らく道半ばで私は死ぬだろう。それに君が巻き込まれる必要は無い」
そう言うと、わかってくれと小さく♂ノービスに告げた。
だが♂ノービスは真っ直ぐな目で♀剣士を見つめる。
だが♂ノービスは真っ直ぐな目で♀剣士を見つめる。
「歩みを諦めるな。そう言ったのはあなたです。だからボクは、ボクの歩く道を諦めたくない」
そう返してきたノービスに♀剣士は目を丸くして驚いた後、
「ならば、地獄の底までついて来くるがいい」
心なしか嬉しそうに笑いながら、堂々と道を歩みだした。
「はい!」
その背中を見上げるように♂ノービスも歩み始めた。
<♀剣士 所持品:パイク、小青箱>
<♂ノービス 所持品:ダガー、大小青箱>
<ダンサー死亡>
<♂ノービス 所持品:ダガー、大小青箱>
<ダンサー死亡>
<残り41名>