SF百科図鑑

Chris Morris "Undercover Angel"

最終更新:

匿名ユーザー

- view
管理者のみ編集可

2000年

12/28
クリス・モリス「隠密天使」★★★★
「地獄の反逆者」冒頭の編者夫作品。単なるテーマアンソロジーというより、作品の設定まで似通っている(=いわゆる「シェアードワールドもの」)のは「ワイルドカード」あたりに近いノリ。天国から、地獄に「希望」をもたらすために隠密行動を行う天使の話。地獄のサタンがまるでお役人のようなキャラなのが笑える。地獄社会にもいろいろな統治機構がありそれなりに秩序があるというわけだ。で、「悪が善」で法廷が「injustice hall」。天使アルは「希望」をもたらそうとしたかどで逮捕され投獄される(笑)。隣の房にはヒットラーがいるわ、ラムセス二世が助けにくるわ。正直言って神話や歴史の予備知識があればもっと楽しめると思うのだが、特にラムセス二世のネタのところはいまいち分からなかった。再読ないし訳するときにはインターネット検索で調べた方がいいだろう。
さて、この設定でいろんな作家が競演するこの本、目当てはシルヴァーバーグなのだが、実質共作のノリであり、他の作品も一通り目を通さないことにはシルヴァーバーグの作品も十二分に楽しめない。次はビル・カービーなる、またもや知らない作家。知っているのはシルヴァーバーグとチェリイだけ。さて、どうだろうか。

12/30
「地獄」、結局シルヴァーバーグを先に読むことにする(リレー小説ではなく、各独立した作品のため)。ジャネットモリスのこの地獄シリーズは大半がチェリイとの共作で、彼女のビブリオグラフィの大部分を占めるらしい。アンソロジーとしてはこれが二冊目。同時発売の長篇もあるらしい。ただ、「エンサイクロペディア」によると今いちストーリー展開が型にはまっているらしい。
で、その長篇シリーズの方は特に読む気もしないので、この本に入っている短編だけで十分と思う。
シルヴァーバーグは、彼自身の「王ギルガメシュ」という歴史小説(!)の直接の続編である、と書いてあった。ただ続編とはいってもこちらは完全に死後の話であるので、毛色が異なる。
で、内容も、何とロバート・E・ハワードとラヴクラフトがローヴァーに乗って登場(笑)、しかも、ハワードの代表作「コナン・ザ・グレート」のコナンまで登場(爆)。メタ・フィクション的な色彩を帯びてきた(というかパロディというか)。すぁて、当然ラヴクラフトの作中キャラとかも登場するんだろうな、面白くなってきたなり。

バッグジャックバロン、知性化新3部作、心の子ら届く、アマゾンジャパンは早いっす。

記事メニュー
ウィキ募集バナー