SF百科図鑑

トム・リーミイ「サンディエゴ・ライトフット・スー」

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匿名ユーザー

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2001年

9/2
リーミイ「サンディエゴ・ライトフット・スー」★★★★★
途中から、ホモ少年愛小説になってしまいます(笑)。こりゃあブラッドベリというより、スタージョンに近いですね。結構生臭いんだけど、不思議と上品な情感が溢れているのは文体のせい? そしてラストの数行に至るまでただの普通小説(青春/初体験/少年愛&ホモ小説)として展開しておきながら、ラストでホラー/ファンタジーになります。このオチが途中で伏線はあるので予想はついていたんだけど、扱いがさり気ないし詳しく説明もせず読者の想像に任せてしまうところがうまいというか、技巧的ですね。SF的要素はゼロで、完全なファンタジーですが、とにかく作家としての技術は天才といっていいでしょう。SFでない作品には点の辛い私でも、この作品の良さは素直に認めます。早逝の惜しまれる作家です。

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