基本スペックと定義
全長:120~300cm 重量:2.5~5.0kg 地域:日本 年代:8~19世紀
矛に代わる戦場の主役として、室町時代の戦場を駆け回った長柄武器。 矛には無い斬るというコンセプトから生まれた武器である。 柄は楕円型だが、刃の方向がわかりやすいように楕円が細くなったり、尖っていたりするらしい。 穂先に「日本刀のような」刀身を持つ長柄武器と定義しておいて欲しい。 日本刀に長柄を付けたものは、「長巻」といってまったく別の武器になる。
時代背景
矛に斬撃の要素を加えた長柄武器が必要とされたときに生み出されたのが、薙刀である。 鎌倉時代から室町時代にかけて、戦場での主力武器として使われ、当時主流だった太刀よりも使いやすかったという。 しかし、槍が登場すると戦場からほとんどその姿を見ることがなくなった。 その代わりに、薙刀術という武道が女性中心に広がり、城を守る女中の装備として有名になる。 江戸時代に入ると「女性の武器」として、薙刀術が更に女性に流行したという。 現在でも薙刀術はスポーツとして親しまれているが、やはり女性の武器というイメージが定着している。
使用用途
女性の武器というイメージから、非力なものでも使えば高威力と思われがちだがとんでもない。 豪傑として有名な弁慶も愛用しただけあって、戦場での使い勝手は当時主流だった太刀を超えており、武芸者が使えば百人力だったという。 主に日本刀のように斬ることが有効で正しい使用法だが、反りの浅い静型は突きにも十分使えたのではないかと思う。
静型・巴型
薙刀の穂先は、大きく分けて二つ存在している。 反りが少ないものを「静型」、反りが大きいものを「巴型」と呼んでいる。 これは、薙刀術が流行りだした頃に実在した、女性薙刀使いの名前から取ったという説がある。 しかし真偽は定かではないという。
参考文献
・ウェブサイト wikipedia
・文献
新紀元社 | 武器事典 | 市川定春 著 | ||
新紀元社 | 図解 近接武器 | 大波篤司 著 | ||
ダイヤグラム・グループ | 武器―歴史、形、用法、威力 | 田島優 北村孝一 著 | ||
幻冬舎コミックス | 図説 武器だもの | 武器ドットコム 著 |