INSOMNIAC PRIESTESS

 光あるところ影があるともうします。昼が過ぎれば夜が来るよう、目覚めは眠りとともにあるように。光が強ければかえって闇もまた濃くなるというのも、また然りでございます。


 グラスノ王国、太陽神ティダンのおひざ元であるこの国のなかであっても陽の届かない場所はございます。市場の裏通り、集合住宅のゴミ捨て場、信者のいるとも知れぬ小神殿、街はずれのじめじめとした墓所……ですが、その最たるものは港ほど近くに構えられたるスラム街でありましょう。
 クモの網がごとく細く長く密に張り巡らされたこの迷宮は、たとえ認めがたくあろうとも、王国の歴史と同じだけ古くございます。貿易で財産を得るものがあれば船旅で手足を失うものもあり、戦いに勝利して女を得る男あれば、蛮族によって親を失う子もあり。まこと人間模様とは複雑なものであり、また非情なものであります。スラム街はそうした不運の民によって築かれ、少しずつ発展していったのでございます。
 そのスラム街の最奥、まともな暮らしを営むものが歩むことはまずないであろう陰り道の先に一軒の診療所がございます。軒には色とりどりの旗が飾られ、歪んで閉めきることのできない窓からは薫香めいた不思議な匂いが漂ってまいります――異国の空気をかもすこの家は魔術師の館のようでも、秘密結社の隠れ家のようでもあります。
 戸を強く、しばらく叩くとその戸が不満を漏らしながら開き家のものが姿をあらわすでしょう。このものこそ家の唯一の住人であり診療所の女主人なのでありますが、はじめて訪ねたのであれば、その姿に仰天し猜疑心はいよいよ高められることであろうかと思われます。
 全身に黒ずくめの布をまとい、戸に添えられた手もまた薄絹の手袋に包まれております。小柄な体躯の彼女はおそらくのところ見上げるように顔を動かすでしょう――その顔もまた布に覆われていますが、目のところだけは開かれており、そこから外界を覗くまなこは紅玉のように赤く、淀みの深みがごとく濁っております。
 紡ぐべき言葉も忘れ立ち尽くしていると、彼女は戸を開けたまま内へときびすを返すでしょう。ええっと、貴方は――ようやく名前を呼びかけようとすると、彼女は顔だけ振り向きつづけます。ええ、わたしはトルペスタ。いかなご用向きでございましょうか。


 近ごろはトルペスタとだけ名乗る彼女ですが、彼女自身のみが知る本当の名前はトルペスタ・ウトゥロガルツキ=テッタであります。時折は別の名前を使うこともございますが、大抵はトルペスタで通してまいりました。そして彼女のはじまりの名前もまたトルペスタでありました。
 いずこかの人間領と蛮族領のさかい、不安定という名の均衡が保たれた小地方で、やせた農地を耕すドワーフを両親としてトルペスタは生を受けました。やや褐色がかってはいるものの青白い肌で、額には二本の角を生やし、角のあいだには紋様じみた痣をつけてです。彼女の父は産婆に促され、三日をかけて遠くの丘陵にあるカオルルウプテの神殿へと彼女を運びました。
 神殿の司祭は彼女の額の痣を聖痕と認めると、神殿に引き取ることを告げました。その際に父にこの子の名前を問いました――父は名づけのことをすっかり忘れていましたが、道中の夢々でくり返し聞いたような言葉をつぶやきました。トルペスタ、と。そうしてトルペスタは名を授かり、洗礼を受けるとともに額の痣は睡蓮の聖印へと整えられ、神殿の司祭にのみ許されるウトゥロガルツキの姓を賜り、神官職としての生を歩み始めました。
 神官見習いから主席の神官に至るまで、また至ってからしばらくの彼女の人生は実に揚々たるものでした……それはカオルルウプテの神官としては、ですが。余人にしてみれば実に太平楽なものであったとするほうが通りがよいやもしれません。
 トルペスタは幼少から見聞きしたことを忘れず、礼儀作法の習得に長け、聖典神謡の暗誦に秀で、人心を理解し、なによりよく眠りました。一日の半分から三分の二を眠って過ごし、起きている時間を祈りと瞑想、食事と勉学に費やしました――実に模範的なカオルルウプテの信奉者でありました。彼女は才覚と努力によって位階を段飛ばしに上がってゆきました。
 ときおり彼女の角がわずかに隆起し、肌がいっそう青白くなることがありました。それは彼女が精神でカオルルウプテと触れあっている証であり、昼夜の別を問わず、とりわけ眠りのさなかに起きるときには、あたかも神格がその身に宿ったかのごとく叡智や神啓が得られるのでした。……そうした彼女の感受力はいささか強すぎるものでもありました。
 高位神官の起きているあいだの仕事として、トルペスタは神殿を訪れるものは人間と蛮族とを問わず、カオルルウプテの教えを垂れ加護を与えました。そうして内外からの賞賛と信仰を集めるうち、また神界とのつながりを強めるうち、トルペスタの眠りは少しずつ伸びてゆきました。彼女が夢に見る内容も多彩を極めてゆきました――神殿内で起きていることや世俗で起きていること、家畜の難産のこと、天候の不順のこと、賭け事の吉凶、はるか過去未来の嘘ともまことともつかぬ出来事、夜空の星々の会話、深みより聞こえる開放を求める耳障りなささやき――そのなかには明らかにカオルルウプテの御する範疇を超えたものもありましたが、彼女はそれを信仰に関わる禁忌とみなし、心のうちに秘めることにしました。
 やがてトルペスタは二日に一度目覚めるようになり、三日に一度目覚めるようになりました。いよいよ生き神としての名声は高まりましたが、見る夢は悪夢が増えてゆきました。夢の中でなにものかがトルペスタに語りかけるのです、眠りですら救いではない、眠りからも自由であるべきだ、と。その声が止むと今度はカオルルウプテが叱責するです、耳を貸すな、眠りのほかにやすらぎはない、と。
 そしてついに、巷には疫病が蔓延し救いを求める声が神殿を揺るがすほどであったある日、トルペスタは座して瞑想したまま吊り糸を切ったかのように眠りに落ちました。それは普通の眠りと異なり三日過ぎても四日過ぎても目覚めることはなく、体はやせ細ってゆきました。かわりに角は高さを増し、肌は透き通るかのようでした。高熱を発し、止まることのない汗を全身に浮かべ荒く息をつく彼女は、まるで何ものかと闘っているかのようでありました――彼女の夢の中では二つの声がおのれの主張を通そうと言い争い、依り代たるトルペスタの主権を求めて攻防を繰り返していました。一方の声は眠りの神カオルルウプテのものであり、自身の優れた信奉者であり模倣者であるトルペスタを手放すつもりはなく、もう一方、のちに狂神ラーリスと知ることとなる声は、無垢なる魂を眠りという牢獄に閉じておくのは信仰という名の隷属である、求めることすら知らぬ彼女を自由に開放すべきであるとトルペスタをどこかへといざなおうとしました。
 両神はトルペスタの右腕と左腕をつかみ、引きあいました。彼女は精神に亀裂が入ってゆく激烈な痛みを覚え、叫び声をあげましたが、叫びは虚ろな夢の中に反響するばかりで神々が力を弱めることもありませんでした。トルペスタの睡眠が七日七晩に至り肉体と精神の限界に至ったとき、夢の中は命の火を消すかのように明かりを弱めてゆきました。依り代が死んでは元も子もない、ラーリスが手を放すと、カオルルウプテはぐったりとしたトルペスタを抱えて死の闇を払いのけました。夢から浮上し目覚めへと至る寸前、ラーリスは呪詛を投げかけました。お前はきっと、自ら神殿を捨てわたしを信仰するようになるだろう――口惜しさから発せられた捨て台詞のようでありましたが、その語調には確信が宿っておりました。


 死の淵をさまよったトルペスタはしばらく療養に専念し、そのまま神殿の表舞台に出ることは二度とありませんでした。体の調子はほぼ良くなりましたが、あれ以来、まともに眠ることができないのでした。それは長きにわたる高熱の後遺症か、彼女の精神に治ることのない傷がつけられたためか、ラーリスに心奪われたためか、カオルルウプテに見限られたためか、単に人の一生涯に眠れるだけの眠りをすべて費やしてしまったがためか――理由はなんであれ、疲れの果てに目を閉じようとも意識が遠のく感覚はなく、とりとめのないものごとが脳裏をめぐるうち、気づけばただひと時ふた時、夢を見ることもなくまどろむことしかできなくなってしまったのでした。
 彼女は眠れぬ時間の多くを書庫の蔵書を漁ることで過ごし(ラーリスという異界の神が存在することはこの時に知りました)、主席神官としてのふがいなさと努力のしようのないやるせなさを慰めました。そうした時間と行為は彼女に退屈の心を芽生えさせました。それまでの彼女は退屈などしたことがなかったのです――眠りながら眠ることができないように、この世界のすべてを無意味とみなしながらなお退屈であると思うことができますでしょうか――少なくとも、生まれながらのカオルルウプテの敬虔なる信奉者には持ちえぬ感覚でした。
 カオルルウプテは彼女に何かを伝えようとしていたのかもしれませんが、トルペスタの方が呼びかけに応えられなくなっていました。これまでのように明瞭に神の意志を感じ取れなくなり、神の言葉は幾重にも扉を隔てたくぐもった音のようにしか聞こえなくなりました。いっそのことあの夢を見たまま心身喪失に陥るか、あるいは死んでしまった方がこの時の彼女にとっては幸福だったやもしれません。それでも時折は角が隆起することがあり、これまでは神界との交信にしか使われることのなかった角は他の役割、魔力を強め流れを感じるのに役立つことにも気づきました。たわむれに角を出したりひっこめたりする練習を繰り返すうちに、出し入れは自由なものとなりました――これはのちの彼女に大きな恩恵をもたらしました。
 あらかた典籍を掘りつくし、することもないトルペスタは神殿の窓べりやテラスで外界を重たげなまぶたの下から眺めることが多くなりました。縁や手すりにもたれかかって気に入っている聖句に節をつけて口ずんでみたり神謡を繰り返し唱えてみたりしながら少しずつうつろう景色を追って時を過ごすなど、これまでの彼女では試してみようとも思わなかったでしょう。しかし文字通り夢幻の世界が失われたいま、彼女の安寧は屋根から地下蔵に至るまで神殿のどこに求めることもかなわないのでした。
 一方の神殿は看板司祭の消失と周囲の情勢悪化から、しだいに苦しくなってゆきました。参拝と巡礼のものが絶えることはありませんでしたが、数は減り、その喜捨と供物では明らかにやってゆけなくなることが見こされるほどにはなりました。決して肥えているとはいえない土地に人間と蛮族が増えすぎたのでしょう、日増しに緊張は高まり、そんななかトルペスタは表立って非難こそされはしないものの、段々といないものかのように扱われるようになってゆきました。
 やがてトルペスタの退屈しのぎは羨望へと変化してゆきました。絶え間ない眠気と徒労感にさいなまれ、神殿を離れないのは神殿のほかに知るところがないからというだけの理由にすぎないと気づいた時、小さな羨望は巨大な欲望となり、はじめて抱えたそれを抑えるすべを、彼女は知らないのでした。
 他のものが寝静まったとある夜更け、彼女は彼女は衛兵に眠りの魔法をかけて神殿を抜け出しました。外に出ることに不安はあるものの、心配はしませんでした――多少の神聖魔法の心得と書籍の類から得た知識があれば、よほどのことでもない限り大事には至らないだろうと考えていました。この脱走が誰にもばれぬよう夜が明けるまでには帰るつもりでしたので、身に着けているのは普段着にも寝間着にもなるゆったりとした祭服、履きなれないつっかけ靴、額の聖印と角を隠す薄布ぐらいなものでした。普段は神殿の廊下ぐらいしか歩かないものですから、かなりの時間をかけて丘陵をくだって街道を歩いてゆきました。とりあえず神殿から見えないものが見えるところまで――神殿のテラスからではわからなかった草木や土の匂いをかぎ、湿った風を感じると、久々に眠気すら忘れるような高揚感に包まれるのでした。さすがに歩き疲れ、道を外れたところにある段状の岩に腰かけ、背中を預けると空を見上げました。天は遠のいたはずなのになぜかすぐ近くに感じられ、意識は心地よく浮き上がってゆきました――。
 トルペスタは前の方ををちらつく明かりに目を覚ましました。大小の明かりが揺れながら、風に流されるかのように漂ってゆきます。次に気づいたのは地面の方から聞こえてくる太鼓を叩くかのような音、それも何十という太鼓がやたらめったらに叩かれているというような音です。トルペスタはぼうっとそれが何なのか見つめ、思い当たるものを探し、唐突に理解して、考えることをやめました。
 それは蛮族の軍隊でした。規律を守って列をなし、一言も発さず、すでに血濡れた剣や斧の上で松明の火明かりをきらめかせながら、粛々と街道の土を踏み固め歩む夜襲隊でした。
 トルペスタは身じろぎひとつもできず、どこか遠い世界での出来事かのように行進を眺めていました。軍隊の来た方の空の低い所は雲が赤く染まっています――村か町かが丸ごと焼けているのでしょう。では彼らは一体どこへ向かっているのでしょうか。トルペスタには見当もつきませんでしたが、嫌な胸騒ぎはありました。ですが軍隊が行き過ぎたあとも彼女は動くことができず、石の上に座り続けました。夜が明け、神殿のある方角の空に黒煙が立ち昇り、それが途切れ途切れになってやがてもとの空に戻ってもトルペスタは放心していました。まるでそうすることで何もかもなかったことにしようとするかのごとく。――のちに聞いた話では、襲来を察した町衆が神殿に逃げたのだという噂が蛮族のあいだで流れ、集落を滅ぼした勢いのままに神殿をも炎禍に包んだのだということでした。神殿内に生き残ったものはなく、ウトゥロガルツキの司祭によるカオルルウプテの信仰はそこで絶えたのだと世間には知られています。
 岩にもたれたトルペスタを見つけたのが火事場泥棒のたぐいではなくドワーフの冒険者の一団だったのは不幸中の幸いでした。一団は寄る辺を失った彼女を暖かく受け入れ、彼女もおずおずと受け入れられました、他にすべもありませんでしたから。
 彼女は一団と旅をともにして世俗のことや商売のことや冒険者のことなど、つまり神殿では学べなかったことを学び、また持ち前の学習能力で一団のなかに自然と溶け込みました。彼女は剣を取り闘う仲間を魔法で癒し、たき火を囲んださいには歌と楽器で眠りへといざない、悩みや迷いを持つものには聖典のなかからふさわしい箇所を引用して聞かせました。
 そうして一団のなかで暮らすうち、気づけばトルペスタは古株の一角となり、やがて円満に冒険団が解散するところまで見届けました。その頃には彼女もテッタ、すなわち氏族の一員としてみなされており、そのことに異を唱えるものもいないくらいになっておりました。ですが、今度はテッタ族の共同体に身を寄せることなく、一人で旅立ってゆきました――ここまでが、トルペスタにまつわる物語の古い部分にあたります。現在各地に散らばっているタートテッタ族の一部で、これらの話は途切れ途切れに語り継がれており、その後の彼女の話は他の英雄たちの逸話と混合されていて、足取りをたどることはできません。


 今、グラスノ王国のスラム街に居を構えるトルペスタが同一人物であるという確証はありません。ですが多くの共通点を持ち、また当時と異なった点があることも確かであります。
 顔の覆いを取ったトルペスタの額には二本の角と聖印があります。しかしその聖印は睡蓮の上に×印が加えられ、角に巻き付くように、そう、羊の角のようにらせんの入れ墨が加えられたものです。これは決まった紋様を用いないラーリスの聖印ということになりましょう。
 また両眼の下には信じられないほど大きく黒ずんだくまが広がっています。おそらくのところ、今なお不眠の責め苦は彼女をさいなんでいるのでしょう。
 そして彼女が今信じ語る教説――といっても決しておおっぴらには広めず、問われれば答える程度の明文化もされていないものですが――は、カオルルウプテのものともラーリスのものとも遠くかけ離れ、独自色を極めたものとなっています。「この世が虚ろなれば一切は無意味、人生に意義はなし。為して執着することなかれ、為さずして後悔することなかれ。為さねばならぬはなし、為すことならぬもなし」――カオルルウプテの無常観とラーリスの無責任が混ざり合うこの思想は、言ってみればあらゆる一切合切をなげやりに許容してます。トルペスタは精神をかつての夢幻のはざまに遊ばせ、過去未来を無責任に放棄しているのです――極端に言えばもはや彼女の魂はこの世界にないのです。彼女の赤い瞳が常にどこか遠くを見つめているのはそのためかもしれません。
 そのようなわけで彼女は自身の行動に制限をかけませんし、他者の行動を批判することも拒否することもせず、全てを受容します。受け入れたからといって彼女は責任を取りませんし、非難も侮蔑も差別すらも彼女にとっては無意味ですから。スラム街で診療所を営んでいるのも元はといえば、皆に頼まれて断る理由もなかったからです。そして彼女は金こそが最も使い勝手の良い万能鍵であることもよく理解しております。また彼女は共寝をもうしこまれても断らないでしょう――ただし、彼女の眠りにいざなう卓越した技術に抗うことは極めて困難でしょう。実際そういうことが幾度かあって、先に床に就くや否や意識は飛び去り、朝になると安らかな寝顔を遠くからうらやましそうに彼女が覗いていた、という結末に毎回落ち着くとの噂もあるのでした。
 かように狂的な思想を持つ彼女ですが、だからといって悪事をなすというわけでもなく、スラム街では変人だけれど腕の立つ癒し手という認識で知られています。一部ごくまれに彼女の考えに同調するものや、彼女に命を救われてすっかり傾倒した患者が極めて小規模なカルト集団を形成しています。彼女の診療所に飾られる旗や焚かれる香、献上される品々などは彼らが持ってくるものであり、トルペスタも別段、好みも嫌ってもおりませんため、好きに任せております――彼らはトルペスタを何かの神の司祭として見るのではなく、トルペスタそのものを信仰の対象として見つつあります。なんとなれば、彼女は彼女自身の思想からもねじ曲がった形でいつか小神として祭り上げられる日が来たることやもしれません。
 最近ではもろもろの評判がスラム街を越えて外にも漏れ出るようになってきています。とはいっても普通のものがスラム街の奥地に出入りすることはできませんし、都市伝説の域を出るものではありません。しかし評判は少しずつ、着実に広まっています。いずれティダンの神官の耳に入るようなことがあれば、スラム街の闇とともに白日に照らし出されることとなるでしょう……ですがトルペスタはそんな不安を気にかけることもなく、眠たげな眼をしたまま日々を送っております。

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最終更新:2020年04月10日 12:59