クレイドルのデータベース

############CRADLE DATABASE############

長きにわたる休眠の影響か、全体の9割以上が破損したクレイドル車内の情報管理システム。
モジュールや外部記録媒体の回収、一行の口頭による説明によって閲覧できる項目は増えていくだろう。

+ 探索回収資料
+ 第一回 祝福の島アザリア
  • 任務概要
「アザリア島に向かい鋼鉄の星を回収する。
 第一目標は鋼鉄の星そのものを持ち帰ること。二次目標は、鋼鉄の星の実在を確認すること。
 アザリア島への移動はペランダス商会が誇る高機動輸送船「プザル」を用いる。到着予定位置はアザリア島最南東、かつてイェハマと呼ばれた港町。現地到着後、内地へ派遣済みのメカニックと合流し移動用の車両を回収。アザリア首都、シンテイへ向かい調査を行うこと。
 任務期間は一年。物資補給は認められない。何らかの成果を得て帰還する場合、支給されたペランダス商会謹製・通信ピアスをもって商会本部へ報告すること。問題がなければ、一ヶ月以内にイェハマへ帰還用の輸送船を派遣する。
ペランダス商会が認める何らかの成果を得られずに帰還した場合、任務失敗とみなす。」
+ 第二回 遙遠より至る者たち
  • ■祝福の子ら■
アザリア国の成り立ちを児童向けに分かりやすく説明した童話。

かつて魔法も機械も無かった頃から、島にはたくさんの人族がいた。
彼らは姿形、考え方の違いから争いが絶えなかった。やがて争いに疲れ果て、話し合いの場を設けることにした。
全種族が集う話し合いが初めて行われたが、武器がなくても口論によって議会は揉めに揉めた。
その時、空から舞い降りた神がその争いを仲介した。
神の仲介のもと、再び話し合いを始めた彼らは、それぞれの欠点や短所をそれぞれが補えることを知る。
やがてアザリアの全種族が一つとなった国、アザリア国が樹立する。
彼らは国の誕生を祝い、その導きとなった神、祝福の神シュリに感謝を伝えるため、シュリが住まうとされる天上の館まで塔を立てた。
シュリは人々が一丸となって塔を作り上げる様を見て感激した。館までやってきた人々を褒め称え、褒美として祝福をもたらした。
その祝福こそアザリアの首都、空高くそびえる祝福の塔の光の源。全ての魔法、知識、奇跡の根源である。
シュリの祝福のもと、アザリアの民は大いに発展した。

  • 遙望砦第二階層にて発見
■研究員の日誌■
7/10
定期巡回完了。ユズリに不調は見られない。
移植実験が成功してから、ユズリは今までにまして従順になった。今日の巡回も嫌な素振りを見せず兵士に同行していた。
彼女には十分助けられているが、プロジェクトの進捗はまだ半分といったところ。彼女の負担にならないよう計画を進めていかねば。

9/15
ユズリが子を宿した!
相方のことを気に入ってくれてよかった。喧嘩でもされたら大変なことになっていただろう。
きっと親譲りのたくましく勇ましい子が育つだろう。今から楽しみだ。

12/01
暫く慌ただしくしていて日誌が書けなかった。
首都の騒動について皆が話している。が、本当のところは誰も分からない。通信網が切断され現地へ確認できないせいだ。
かれこれ二ヶ月は経つだろうか? こころなしかユズリにも緊張が見られる。計画に支障が出なければいいのだが。

1/21
手は連日襲ってくる。鉱山は機能を停止した。我々は砦にとどまっているが、それも時間の問題だろう。
プロジェクトが完成したことを素直に喜べない。私はユズリに「砦を死守しろ」と命令を与えたことを後悔している。ユズリも、彼女の兵隊も、ボロボロだ。命令を解除しない限り、きっと命が尽きるまで戦い続けるだろう。いい加減休ませてやらねば。
だが、砦が落ちればイェハマも被害に遭う。我々が逃げ出して、どこへ行く?
明日、西部から送られてくる救援の列車が全てだ。そのためにも、まずは生き延びねば。
すまない、ユズリ。もう少しだけ頑張ってくれ。
+ 第三回 アザリアを覆う影
  • カミサキ地方東部遺跡にて
【重要】封門による業務影響に関して

昨日、地方境界線に発生した封門に関して、引き続き確認を進めています。
本日中に魔導塔より調査員が派遣される予定です。
第三魔動機部門は至急転移装置の点検をお願い致します。
先に告知した通り、ククラマリド以北地域との通信は遮断されているため、北部地域との通信が必要な業務については全て中止されています。
各員行える範囲内での業務展開をお願い致します。
  • アマトの魔導塔①
魔導塔死守命令

昨日、カミサキ山脈周辺に『手』を確認しました。
これを受け、カミサキ魔導塔は緊急警備体制に移行します。
既存の魔導塔配置人員は手順に従い塔の警備を行います。
原則として塔から街に降りることは許可されません。
既に取得されていた休暇は無期限に延期されます。
命を賭して塔を守りましょう。

星の祝福の恵みがあらんことを。
  • アマトの魔導塔②
明朝。
身元不明の魔動列車が壁から現れ、魔導塔へやって来た。
魔動列車には女性が一人乗っており、マリオンと名乗った。
後から気付いたが、そう、マリオンだ。この島の六技賢の一人。
職員が興奮していたのはそのせいだったか。

彼女は端的に北の封門について説明し、ことが落ち着くまでの間、封印を継続する方針を伝えてきた。
封門は、彼女が頭として動くプロジェクト……黎明計劃というらしい……の一員でない限り解除ができない。
プロジェクトに何かが起こった時の保険として、魔導塔から一名だけプロジェクトに加入する――名前だけだが――ことになった。代表は私だ。

彼女は封印を解除するキー(魔動機回路が刻まれたキューブ)を残し、去っていった。
肝心なことは何も教えてくれなかった。
首都で今何が起きているのか。魔法通信の精度が悪くなったことと関係があるのか。
ただ、北部は今正体不明の災厄――マリオンは『手』と口走っていた――が跋扈しており、その対処に追われているという。
封門があれば南には手が来れないと言うが。
どうあれ、我々は我々の出来ることをするのみだ。
解除キーは低脅威保管室に保管した。使う日が来ないことを祈る。

星の祝福の恵みがあらんことを。


  • イェハマ【巡浜】
アザリア島の最南東に位置する港町。北部####地方との交易により栄えた。
首都から遠く離れた都市であるためか、良くも悪しくも法や世論は独特である。通常ライセンス取得が必要である魔動機技術が広く浸透しており、一般市民による小型魔動列車(後の魔動バイク)の開発が盛ん。
よその都市と比べ街路幅が広く取られているのは、日夜多くの魔動列車が行き来することによる交通トラブルを軽減するためであった。
田舎町ながらも、後世の魔動列車開発に寄与する著名な魔動技師を何人も輩出している。街の中には後期開発期において特に注目を集めた『####プロジェクト』の研究所が存在する。
特産品はハマーくん人形。魔動列車の先頭車両に顔と手足をくっつけたもの。屈託のない笑顔を浮かべており、クレイドルは実物を見たこと無いがその情報だけで親近感を抱いている。


  • 黒狐峠のイナナキ
アザリア各地に存在するふるきものとは、その存在が人族にとって脅威あるいは有益である場合に国から名を定められた魔物を指す。
イナナキは黒狐峠のふるきものの血族である。あたらしきものたるイナナキは、その巨体と喚声により峠を支配する。
イナナキにふるきものの血を継ぐ矜持は無い。あるのは傲慢なる支配欲のみ。
ただ己の力を示し、血族たる峠の主に挑み、打ち勝った。
ゆえにイナナキは峠の主である。古き時代より変わりなく。


  • 大破局
(この項目はシャーバオラと、たまたま近くにいたレイラの説明から新設された)

およそ550年ほど前に発生した蛮族の大蜂起とそれに伴う天変地異の総称。
人族は魔動機技術を持って抵抗し、蛮族の大多数を撃退した。
大破局終焉の顛末は明らかになっていない。しかし結果的に、人族に魔動機文明を維持する余力は残されていなかったという。
人々は自らの文明を放棄し、次世代のために多くの技術を継承する方向へ舵を切った。
現在、蛮族や魔物の脅威は依然として残り続けているものの、各地方の交通はある程度整備されている。

大破局当時のアザリア島は、その実情を知る者がいないためどのような顛末を辿ったかは不明である。
とは言え旅を続ける中で蛮族を目の当たりにする機会は少なく、何かが、何らかの形で、蛮族の殆どを駆逐したのだろう…とクレイドルは考察している。

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最終更新:2022年04月18日 00:32