●疑わしきは罰する、紫外線の恐怖

●はやし浩司 2011-09-01

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はげしい雨音で、目が覚めた。
午前5時。
台風12号が、目下接近中。
その影響か。

幸い、台風は、この東海地方をはずれた。
紀伊半島方面~大阪方面に向かっているという。
(そちらの地方の方には、申し訳ないが……。)

かなり大型の台風らしい。
速度が遅いから、雨の量が心配される。
場所によっては、300ミリの雨量が予想されている。
1時間当たり、300ミリ!
それだけの雨が、ドッと下流地域に向かったら、どうなるか?

そんなことも心配になり、そのまま起きてしまった。
書斎に入った。
朝のウォーキング運動は、ワイフが起きてから。
(騒音がはげしい。)
つまり今朝は、運動、なし。
そのせいか、頭は半ば眠った状態。
ボーッとしている。

最初に見たのが、台風進路。
昨夜寝る前に見た進路と、ほとんど変化なし。
ただしやや速度があがったかな?
当初の予想では、3日の午前9時ごろ、名古屋市上空に中心部がやってくるということだった。
今朝、見ると、3日の午前9時には、北陸のほうへ抜けている。
被害が心配される。
……というか、このところ日本は、災難つづき。
地震も、再び、活発になってきたような感じがする。

ともあれ、今日から9月。
2011年、9月1日。
今月こそ、充実した1か月にしたい。

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●紫外線

 おととい、中学3年生のSG君が、目を真っ赤にして教室へやってきた。
「どうしたんだ?」と聞くと、「紫外線にやられた」と。

 話を聞くと、午後1時ごろから3時ごろまで、野外でテニスをしたという。
日差しの強い1日だった。

私「今すぐには症状は出ないかもしれないが、あとになって症状が出てくるぞ」
S「わかっている……」と。

 SG君はそのあと眼科へ行き、目薬をもらってきたという。
炎症を抑える薬だと思うが、しかし紫外線で破壊されたDNAを修復する薬はない。
白内障の遠因になるだけではない。
皮膚ガンの原因にもなる。

 紫外線……オーストラリアでは、2000年ごろから、深刻な問題になっている。
以前、書いた原稿(中日新聞発表済み)を掲載する。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●疑わしきは罰する(紫外線の恐怖)

 今、子どもたちの間で珍現象が起きている。
四歳を過ぎても、オムツがはずせない。幼稚園や保育園で、排尿、排便ができず、紙オムツをあててあげると、排尿、排便ができる。

六歳になっても、大便のあとお尻がふけない。
あるいは幼稚園や保育園では、大便をがまんしてしまう。
反対に、その意識がないまま、あたりかまわず排尿してしまう。
原因は、紙オムツ。
最近の紙オムツは、性能がよすぎる(?)ため、使用しても不快感がない。
子どもというのは、排尿後の不快感を体で覚えて、排尿、排便の習慣を身につける。

 このことをある雑誌で発表しようとしたら、その部分だけ削除されてしまった(M誌88年)。
「根拠があいまい」というのが表向きの理由だったが、実はスポンサーに遠慮したためだ。
根拠があるもないもない。
こんなことは幼稚園や保育園では常識で、それを疑う人はいない。
紙オムツをあててあげると排尿できるというのが、その証拠である。

 ……というような問題は、現場にはゴロゴロしている。
疑わしいが、はっきりとは言えないというようなことである。その一つが住環境。
高層住宅に住んでいる子どもは、情緒が不安定になりやすい…? 実際、高層住宅が人間の心理に与える影響は無視できない。こんな調査結果がある。

たとえば妊婦の流産率は、6階以上では24%、10階以上では39%(1~5階は5~7%)。流・死産率でも6階以上では21%(全体8%)(東海大学医学部逢坂氏)。
マンションなど集合住宅に住む妊婦で、マタニティーブルー(うつ病)になる妊婦は、一戸建ての居住者の四倍(国立精神神経センター北村俊則氏)など。

母親ですら、これだけの影響を受ける。いわんや子どもをや。
さらに深刻な話もある。

 今どき野外活動か何かで、真っ黒に日焼けするなどということは、自殺的行為と言ってもよい。
私の周辺でも、何らかの対策を講じている学校は、1校もない。
無頓(とん)着といえば無頓着。無頓着過ぎる。
オゾン層のオゾンが1%減少すると、有害な紫外線が2%増加し、皮膚がんの発生率は4~6%も増加するという(岐阜県保健環境研究所)。
実際、オーストラリアでは,1992年までの7年間だけをみても、皮膚がんによる死亡件数が、毎年10%ずつふえている。日光性角皮症や白内障も急増している。

そこでオーストラリアでは、その季節になると、紫外線情報を流し、子どもたちに紫外線防止用の帽子とサングラスの着用を義務づけている。が、この日本では野放し。
オーストラリアの友人は、こう言った。
「何も対策をとっていない? 信じられない」と。
ちなみにこの北半球でも、オゾン層は、すでに10~40%(日本上空で10%)も減少している(NHK「地球法廷」)。

 法律の世界では「疑わしきは罰せず」という。
しかし教育の世界では「疑わしきは罰する」。
子どもの世界は、先手先手で守ってこそ、はじめて、守れる。
害が具体的に出るようになってからでは、手遅れ。
たとえば紫外線の問題にしても、過度な日焼けはさせない。紫外線防止用の帽子を着用させる、など。あなたが親としてすべきことは多い。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●放射線と紫外線

 原発事故以来、放射線ばかりが、問題になっている。
しかし紫外線だって、放射線だぞ!
区別する方が、おかしい。
多量に紫外線を浴びれば、皮膚ガンを誘発する。
オーストラリアの例をもう一度、しっかりと読んでみてほしい。
日本だけ安全ということはありえない。
事実、SG君のように、目を赤くする子どもが、急増している。
ウソだと思うなら、中学や高校の野球部の子どもたちを見ればよい。
ほとんどみな、例外なく、目を赤くしている。

 で、私はSG君に、サングラスをかけるように提案した。
つぎに帽子。
肩までかかるような、つばの広い帽子がよい。
オーストラリアでは、背中を覆うような帽子をかぶっている。
長袖のシャツ、長ズボンは、常識。

 そう言えば、今回の原発事故でも、こんなことがあった。
半径30キロ圏内にある、ある中学校のテニス部でのこと。
(現在は、避難勧告が出ている地域になっている。)
原発事故当初は、「今、ただちに健康に害を及ぼすことはない」ということで、学校での部活動も、ごくふつうになされていたという。

 が、やがて……やがてといっても、2か月以上もたってから、放射線量が測定されるようになった。
「ホットスポット」という言葉も、そのころ出てきた。

 その中学校では、(どこでもそうだが)、中学1年生は、球拾いをしていた。
球というのは、あとになってホットスポットと呼ばれるようになる、溝や窪地に落ちる。
その球拾いをしていた。
それを知り、親たちが動揺した(報道記事)。
当然である。
つまり動揺して、当然である。

 で、こういう問題が起きるたびに、私はこう思う。
「指導の教師は、自分の子どもだったら、そういうことをさせるだろうか」と。

 SG君にしてもそうだ。
「自分の子どもだったら、目が真っ赤になるまで、野外でテニスをさせるだろうか」と。
つまりこうした問題は、「自分の子どもなら……」という視点で考えなければならない。
ともすれば、私たちは「他人の子どもだから……」と、ものごとを安易に考えがちである。
どこか無責任になる。
が、これではいけない。

 私の教室のような小さな教室でも、雨の日は、当初、全員に雨合羽を配っていた。
最近は、気温の高い日には、150ミリリットル入りの、アメリカ製の飲料水を配っている。
熱中症の予防のためである。
「もし自分の子どもなら……」「孫なら……」と考えていくと、どうしてもそういうことをせざるをえなくなる。

 もちろん学校の先生たちも、その程度のことならしている……と思う。
が、「まだ足りない」。
SG君の真っ赤な目をみて、私はそう感じた。

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最終更新:2011年09月01日 06:32
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