ラーメン【やっぱとんこつったい】
日本人なら誰でも好きなラーメン。さて、あなたは何ラーメンが好き? 醤油ラーメン、みそラーメン、塩らーめん、いろいろあるけど、CHAGEとASKAは九州育ちということもあり、やっぱりいちばんめに上げるのがとんこつスープの九州ラーメン。昔は東京の九州ラーメン屋はどこも味がいまいちで、地元の味にかなうものはなかったけれど、今はどのお店も麺やスープを研究していて、だいたいが美味しくいただける。夜中、むしょうに食べたくなって、ラーメン屋に向かって車を走らせることもしばしば……。「夜中に食べると太るかも」なんて思いながらも、食べたくなったら絶対にその意識を消せなくなる不思議な食べ物ラーメン。太ることを気にしながら食べるラーメンは、だから美味しいという説もある。
ライター①【けっこう辛い職業なんです】
書く仕事をする人を全般にライターと呼ぶ。ライターにもいろいろなジャンル分けがされているが、CHAGEとASKAのもっとも身近にいる人が音楽ライターである。アルバムリリース時やコンサートツアー時期になると、各雑誌社から派遣されたライターさんたちが取材にやってきて、それを的確な文章で表現してくれる。しかし、今でこそCHAGE&ASKAの音楽を理解して上手に文章で表現してくれるライターさんばかりだが、その昔はそうもいかないときもあった。とくにデビュー時は、音楽ライターさんといえばCHAGE&ASKAよりも年上ばかり。それも音楽評論家と呼ばれる人が原稿を書いていたため、アーティストの音楽を理解するというよりも、いかに辛口な文章で書き手の意志を世の中に伝えていくかが文章の切り口になる場合が多々あった。この手の辛口の批評により、音楽生命を絶たれたアーティストも少なくはない。CHAGE&ASKAも例外ではなく、一時期は取材不信に陥ったこともあった。
時代は流れ、どの雑誌社も"アーティストとともに原稿を作っていこう"という姿勢になってきたので、今では音楽ライターさんたちに心を許しながらインタビューを行なっている。アーティストとライターの信頼関係が原稿にも表れているからか、雑誌に掲載されるCHAGE&ASKAの記事は近頃めっぽう評判がいい。
ライター②【ライターの気持ち】
CHAGEはいろんなライターを持っているが、片っ端からなくす。それも煙草とセットで置き忘れる。事務所にやってくるたびに、CHAGEは事務所とともに関連会社にまで顔を出し、みんながきちんと仕事をしているかをチェックするため巡回するくせがあるが、CHAGEが去った後には、L&Mとライターが必ずセットで残されている。それを見て、「今日、ここにCHAGEさんがきましたね」と確認するスタッフもいる。そんな忘れっぽいCHAGEだから、煙草はともかくライターには全然固執しない。百円ライターで十分なことは自分でもよく知っているからだ。よくファンの方から高価なライターをいただくが、それは飾り物として大事に保管して、持ち歩くのはもっぱら安物のライターと決めている。
ところで1月にロンドンへ行ったとき、なぜか機嫌のよかったCHAGEは、同行したスタッフに、ロンドン旅行の記念としてライター(三百円くらいの安物なんですけどね)を全員にプレゼントした。「これをおれだと思って大事に使え」というセリフまでつけて。しかし、東京に帰ってきた途端、飲み会で酔っぱらったあるスタッフは、CHAGEの目の前にそのライターを置いてとっとと帰ってしまった。そのとき、CHAGEは置き忘れられるライターの哀しみを見た気がして、これからはもう少しライターに執着してみようと思ったのだった。
ラウンドアバウト【名前負け】
イギリスでは、信号のないロータリー状になっている道路をよく見かける。これをラウンドアバウトと呼ぶ。四方から車がロータリーに進入してくるため、一見危険なシステムのように思われるが、右側の車が優先と法令で確立されているから、とても安全でかつスムースにロータリーを回ることができる。ロンドン生活も板についたASKAは、このラウンドアバウトを通るたびに、日本でも取り入れるべきシステムだと思っていた。
さて、いつもぐるぐると回っているという印象のあるラウンドアバウト。CHAGE&ASKA関連の編集プロダクションが設立されたとき、いつも仕事が回っているようにという願いを込めて、ASKAはその会社をラウンドアバウトと命名した。しかし、ASKAの願いとは裏腹に、仕事がぐるぐるまわっているというより、CHAGEが編集プロダクションにやってきては、ぐるぐるとスタッフの周りをまわって、仕事の邪魔している会社になってしまっているのも確かなのであった。
落書き【いい加減にせい】
とにかく落書きが好きなCHAGE。授業中、教科書やノートに落書きして時間をつぶしていたことを彷彿とさせる落書きぐせは、今なお健在である。明日のCHAGE&ASKAを決める重要な会議であろうが、大事なレコーディングスケジュールを決める会議であろうが、CHAGEは手渡された書類に必ずくだらない落書きをしている。落書きの内容は、向かい側に座っているスタッフの似顔絵だったり、意味のない幾何学模様だったり、いろいろ……。しかし、自分の持ち物に落書きしている分にはまだいい。CHAGEの落書きは、スタッフのスケジュール帳やノートにまで侵入してくるのである。ある女性スタッフなどは、買ったばかりのアフタヌーンティーのノートに、とても口では言えないような単語ばかりを数十ページに渡って落書きされてしまい、人前でノートを開くことができなくなってしまった。また、あるマンガ好きの女性スタッフが読んでいた、萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』というマンガの中にもいろんな落書きをして、シリアスマンガをギャグマンガに変えたり、江川達也さんの『東京大学物語』に関しては、ドキドキするようなエッチシーンに、ドキドキ感を一気に萎えさせるようなギャグを書き加えてしまったこともあった。
このように、CHAGEの落書きによってそのまわりでは多くの被害が出ている。CHAGEの目の前にノートやスケジュール帳やマンガを置き去りにしない。これはスタッフ間の暗黙の掟である。
最終更新:2025年06月23日 22:26