Introduction

次の瞬間、あなたは酷く奇妙な感覚を覚えた。

この文字を目で追っている自分とは別に、
深い闇の中で佇んでいる自分が居るような感覚。

和風の装束に身を包み、大きな耳と尻尾を
携えた、獣人とでも称するのが妥当な存在。

自分の姿とは似ても似つかないような、
奇妙な姿、それでもあなたの心は強烈に訴え
かける、それは自分だと。

ここではない何処かにそんな自分がもう一人居るような、
そんな奇妙な感覚を覚えた。

いや、覚えたのではなく……


最終更新:2021年08月27日 15:01