終わりと始まりのアンプリファー編 過去ログ4

―――――――グシャァッ!!


レインド「…ぇ…?(鈍い音を聞いて) 」


シホの体には……長い鉤爪が貫かれていた……


奏「 っ…… ……っ…? (鈍い音が聞こえて) 」
レインド「……(演出的にスローでかぎ爪の後を恐る恐るみる) 」
シャウル「え……(鉤爪を見て唖然する) 」
シホ「レイ…ンド兄さ……(くらりと倒れ込む) 」


歪みの遊人「(長い鉤爪をゆっくりと抜き、月夜に照らされたその張本人は……まだ生きていた“奴”だった) 」
奏「 ………!!(歪みの遊人が生きていたのを見て) 」
レインド「き、貴様はぁ…!!!??(本能的に遊人の手を掴み、爪を抜こうとする)シ、シホッ!(駆け寄る 」
歪みの遊人「我ハ死ナヌ。既ニ滅スルガ故ニ。(二度目の発言。爪を抜かれ、指先からシホの血液がポタポタと流れ落ちていく) 」
こんにゃく「 まだ生きてたのか… 」
シャウル「まだ、生きていたのか…!ファイアソード(遊人の腕を斬る 」
奏 「 ………やっぱり、あんなものでは……終わらなかったのね。 」
歪みの遊人「―――!?(腕を斬り落とされ、片方の手で斬られた腕を押さえつける) 」
レインド「シ、シホォォォォォ!(シホの首と腰に手を回し、体を少しだけおこさせる)シホ、シホ! 」
奏「 ……っ!?(歪みの遊人に駆け寄り) 」
シホ「…けほ…っ、けほっ…!……レインド…兄さん。……あはは…何で、だろう…。体、動かないや…。(虚ろな目でレインドを見上げ) 」
レインド「し、喋るなシホォ…い、いいか…起きてろよ、今、今絶対助けてやるからな…絶対に、絶対にだ!お前は今ちょっと眠いだけなんだって…他の皆が生き返ったんだお前が寝たら喜んでる顔、見れないだろ!? 」
バレル「ひ、ひっ!?(樽ごと揺れる) 」
シホ「そう……だよね…。けほ…っ…。ぁ、でも駄目…やっぱり体が、動かないよ…。それに、なんだか……周りが…レインド…兄さんが、ぼやけて…。 」
レインド「シ、シホ…頼む、頼むから死なないでくれよ…シホ…(歯を食いしばり、涙ぐんだ声で優しく、強く発する)お前は、お前は元に戻ったこの世界で!!(涙が頬を伝って落ちる) 」
シャウル「まだするか…!(遊人を睨む 」

歪みの遊人「オッ、オッ、ウオオオオォォォォッッッ!!!!(突然シャウルと奏を突き飛ばし、気持ち悪い駆け出しでレインドに襲いかかろうとする) 」
シャウル「くっ!(ソードでガードし吹き飛ばされるのを防ぐ)レインドさんの方に行く…! 」
奏「 なっ……!?(自分までも突き飛ばされてしまって) 」

レインド「……貴様ぁ…きぃぃぃぃぃさあああああまぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁあああああ!(襲い掛かってきた遊人が目の前にきた所で怒りに任せた右ストレートを繰り出す) 」

歪みの遊人「我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我滅ビヌ我――――――パアァァァーーーーン……ッ!!!(右ストレートが顔面に直撃した途端、体が砂のように、完全に砕け散ってしまった…) 」

レインド「…遊びな…使った能力と共に…(ボソリと 」

シャウル「さようなら、あそびびと… 」
シホ「……レインド兄さん、実は私ね……両親を、過去に無くしているの。だから、冒険をしていて感じちゃったの…。レインド兄さん……私の、両親に似ていて…優しくて、暖かくて…いつも…護って…けほっ…はぐぅ…っ!(軽く吐血) 」
レインド「シ、シホ…!?(急いで振り返ってシホが吐血したところで両膝をつく) 」
バレル「はっ…!(樽から顔を出し、歪みの遊人の最期を確認)…ああ、やはりか… 」
奏「 …っ!?嘘……そんな…っ……!!(砕け散ったのを見てまた) 」

シホ「……だからまた、レインド兄さんと冒険を……したい…。今度は皆一緒に…。クレアちゃんや、フランさんや、奏さんや、モララーさんや……。みん、な…と…………したい…な………。…………(もうピクリとも動かない) 」
レインド「…シ、シホ………おい…シホ…(片手でシホの体を揺さぶる)おいシホ…どうしたんだよ…もう、声も…でないのか?疲れちゃったのか? 」
奏「 嫌……そんな……嫌だ………っ…… 」
ゆづる「 これは嘘じゃない、現実さ…(奏の後ろから音無の声がする…しかし、実際は誰もいない) 」
奏「 …っ!? …ゆ………ゆづる………… ゆづる……っ!!(実際にはいなく 何もないほうに向かって必死に縋り付こうとしている。しかし何もないので当然の如く縋り付けない…) 」


シホ「(揺さぶってもビクともしない。ただ一瞬、彼女の顔に笑顔がフラッシュバックされる) 」
レインド「あ、ああぁぁぁぁあぁぁぁ…あ”あ”あ”あ”!(ガラガラの声で頭を両手で抱え込む)なんで、なんで護れなかったんだ、なんで…! 」
シャウル「レインドさん…(ソード帽を脱ぐ) 」
バレル「(眼帯のカメラ機能でレインド達を確認)…ふむ、参った。手札が一つ持っていかれてしまったなぁ… あ、やめろ、このガキ!私が入っているだろうが、樽を蹴るな! 」
奏「 ゆづる………ゆづる…っ…… どこ………どこに、いるの………ゆづるっ……!(何もないものに向かって必死に) 」
ゆづる「 いつまで現実逃避するつもりなんだ…?奏らしくないな…(またしても後ろから…実際にはいない) 」

レインド「……はぁ…ふぅ…(大きく息を切らしながら赤くなった顔をあげる)シホ、お前のこの…この世界…護る、絶対にだ…! 」

奏「 …!!ゆ、ゆづるっ…!!(また振り向くが誰もいなくて) …っ……… 」
ゆづる 「 …今は現実と未来を信じろ…自分から言えることはそれだけさ(また声が…当然ながら実際にはいない) 」
奏 「 …っ……!! ゆづるっ!!(何度も必死に叫んで) 」
ゆづる 「 ……今はレインド達を信じろ…奏。そして…死んだら駄目だ(実際にはいない) 」
奏「 …っ………(倒れたまま なにやら泣いている様子) 」
ゆづる「 泣くな…奏(奏の肩に手をかけた…ような感触があった(当然ながらいない) 」
奏「 ……っ…!! ゆづる……っ…(倒れたまま泣きながら)…うっ……うぅっ………っ!!(心臓の辺りを押さえ) 」

レインド「シホ……達者でな…(シホを担ぎ、その場からゆるりゆるりと歩いていく) 」



END……

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最終更新:2011年08月02日 16:18