『仮面ライダー龍騎』(かめんライダーりゅうき、欧文表記:MASKED RIDER RYUKI)は、2002年(平成14年)2月3日から2003年(平成15年)1月19日まで全50話がテレビ朝日系で毎週日曜日8:00 - 8:30に放送された、東映製作の特撮テレビ番組、及び
主人公のヒーロー名である。
「平成仮面ライダーシリーズ」第3弾となる作品である
キャッチコピーは「戦わなければ、生き残れない!!」
仮面ライダー龍騎 あらすじ
西暦2002年。昨今街では、人々が忽然と失踪する事件が連続発生していた。真相を追うネットニュース配信社の「OREジャーナル」に所属する見習い記者、城戸真司は、ある失踪者の部屋を取材中、ふと目にとまった奇妙なカードデッキを手にする。その時真司は、鏡の中の世界「ミラーワールド」から密かに人を襲う、モンスターと呼ばれる怪物を見る能力を得る。その後突然ミラーワールドに吸い込まれた真司は、そこでライダーの一人である「
仮面ライダーナイト」に出会い、モンスターとライダーの戦いについて知る。
やがて真司は、モンスターや仮面ライダーのことを詳細に知る女性、神崎優衣が語った情報を元に、モンスターのドラグレッダーと契約、そのパワーを使って戦う「仮面ライダー龍騎」となってモンスターから人々を護ることを誓う。
だが、ナイトに変身する秋山蓮は、真司と共闘するどころか、「真司を潰す」と言い放ち挑みかかってきた。 そして次々と目の前に新たなライダー達が現れるが、彼らも他のライダーを敵視し、攻撃する者ばかりだった。ライダー達のバトルロイヤルは、既にはじまっていたのだった…。
変身者達
本作の主人公。23歳。モバイルニュース配信会社「OREジャーナル」の記者見習い。行方不明事件の調査を行っている際、榊原耕一のアパートでカードデッキを拾ったことから、巻き込まれる形でミラーワールドやライダーの戦いを知り、モンスターから人を守るために仮面ライダーとなる。
いたって普通の感覚を持つ一般的な青年だが、単細胞かつ天然で若干不器用。しかし強い正義感と行動力の持ち主であり、何にでも首を突っ込まないと気が済まない性格で、彼を知る人物からは、尊敬及び侮蔑両方の意味を込めて、「バカ」と呼称される。当初はアパートに住んでいたが家賃滞納で追い出され、一時職場である事務所に住み着き、その後沙奈子に気に入られ「仕事が休みの時は店を手伝う」という条件で、蓮とともに花鶏に居候することになる。変身後、「っしゃあ!」と気合を入れる癖がある。バイクはホンダ・ズーマーを乗用。料理が得意で、中でも餃子は料理の腕において一流である吾郎がレシピを聞きたがるほどだった。
ライダー同士が戦い殺し合う宿命を負うと知り、それを止めようと願ったが、蓮の本心や手塚から明かされた事実から、ライダー達に命をかけても叶えたい「願い」があると知り苦悩する。それでも「人を守る」ために戦う決意を新たにし、志を同じくする手塚や香川らと接触するなどして奔走した。クセのない性格ゆえ、多くの事情を抱えるライダーらとも一人の人間として対等に接し、受け入れようとすることができる稀有な存在(他のライダーが戦えない時には肩代わりすることさえあるほど)だが、その全てを受け入れようとする姿勢は、自らの心に迷いを生じさせる要因にもなっており、蓮にもその点を指摘されている。
終盤、香川の遺した資料から、戦いが無効になれば優衣が消えてしまうことを知り、答えが出せないまま再び苦悩し続けたが、全てを知った大久保のアドバイスを受けて、ライダーバトル最後の日に自分の信じる「戦いを止めたい」という願いをようやく見つけ出す。しかし現実世界にあふれ出たモンスター(レイドラグーン)から、少女をかばって致命傷を負い、レイドラグーンを殲滅したのち蓮に看取られ死亡する。最期まで苦悩し続けはしたが、信じるものを貫き通そうとする彼の強さは、蓮や北岡など多くのライダーに影響を与えた。
劇場版では、11歳の頃幼い優衣と出会っており、彼女との約束を破ったことがライダーバトルの遠因となってしまっていたことを知り苦悩する。その末リュウガを倒し、蓮と共にハイドラグーンの群れへ戦いを挑みにいった。
TVSP版では、初代龍騎の榊原からカードデッキを託され、2代目龍騎となる。「ライダー同士の戦いを止めようとする」という目的は本編と同じだが、そのために高見沢率いるライダー軍団から狙われることとなる。戦いの末オーディンにカードデッキを破壊されるも、ベルデから自分を庇い致命傷を負った蓮から、ナイトのカードデッキを授かり変身する。
- 秋山 蓮(あきやま れん) / 仮面ライダーナイト
もう一人の主人公。24歳。神崎士郎の実験によって、恋人の小川恵里が意識不明となり、恵里を狙うダークウィングに彼女を襲わさせないためやむなく契約(このことは劇中では明かされない)、恵里の意識を取り戻すために仮面ライダーとなった。その後はライダーやミラーワールドの情報を得るために優衣と行動を共にし、そんな中真司と関わることとなり、沙奈子の帰国をきっかけに花鶏のウェイターとして雇われ、真司とともに居候することとなった。頑固かつ好き嫌いが激しい性格で、他者に媚びることがなく喧嘩っ早いことから、友人はおらず孤立しがち。ゆえに普段は目的のために冷徹に振舞っているが、本心は強い正義感と思いやりの持ち主であるため、優衣をはじめとして心から信頼を寄せる者も少なくない。またモンスターに襲われる人を、助けるために戦う事もある。戦いを望まない真司とは最初は反目し、普段憎まれ口を叩いているが、紆余曲折を経てあれこれと気にかけているうちに強い友情で結ばれていく。バイクはHONDAのシャドウスラッシャー400を乗用。生き方そのものは不器用だが、手先は器用でなんでもそつなくこなすため、花鶏では重宝されている。金銭欲は強い方で、真司や優衣曰く「ケチ」ではあるが、大金を見せられて買収されるような卑小な性格ではない(しかし、佐野満が契約金として持ってきた大金を、食い入るように見ていた)。犬が苦手という一面もある。
恵里を救うという目的のため迷いがないかのように戦うが、真司に感化されていくうちに非情に徹することができなくなっていき、彼もまた苦悩することとなる。真司に影響を受けていることは北岡とともに認めており、他人のために龍騎やゾルダと共闘したり、非情な浅倉や東條に対しては怒りを露にしたりと、行動にも変化が表れていく。ライダーバトルの真実の意味を知りながらも、士郎の言葉に賭けて迷いながらも戦い続け、最後の日に真司の死を看取り、自らもライダーとして信じるもののために戦うことを決心する。最後に勝ち残ったライダーとしてオーディンと戦った末に致命傷を負うも、オーディンが消滅したことで「新しい命」を手に入れ、恵理を蘇生させることには成功したものの、自らは眠るように息を引き取る。
TVSP版では手塚と親友であり、彼と共にライダーとなる。一時はライダー軍団と共に龍騎を追い詰めるも止めを刺すことが出来ず、自身も追われる身となった末、龍騎を庇ってベルデのデスバニッシュを受け、致命傷を負う。命からがらベルデを倒した後、真司に自分の代わりに戦うことを願い、ナイトのカードデッキを託して死亡する。
- 須藤 雅史(すどう まさし) / 仮面ライダーシザース
28歳。小竹署の刑事で、加賀の画廊で起きた連続失踪事件を追っていたが、裏では悪事を働いていた。裏の仕事仲間の加賀友之と報酬でもめてしまい、カッとなって殺害、遺体を壁に埋めていたところに士郎と出会い、カードデッキを受け取って仮面ライダーとなる。そしてライダーの戦いで頂点を極めることを目的とし、殺人の隠蔽と契約モンスター・ボルキャンサーのパワーアップを目的に、ボルキャンサーに一般人を襲わせて喰わせていた。ナイトとの交戦の末、あと一歩のところまで追い詰めるが、最後はナイトにデッキを攻撃された後、飛翔斬を相殺したことによりカードデッキが破損して契約が破棄され、ボルキャンサーに餌と認識され、跡形もなく喰われた。
TVSP版では警視庁の刑事であり、「浅倉威を逮捕するため」にライダーになるが、浅倉の逮捕後にはライダーの力に心を飲み込まれてしまう(浅倉逮捕に関しては、番宣でわずかに語られているのみで、番組本編での描写は一切ない)。高見沢率いる他のライダーたちと真司を倒すために協力しており、当初は真司に協力するふりをして近づいたが、浅倉が乱入し、ベノクラッシュを
シェルディフェンスで防御しようとするも通用せず、死亡する。
本作のライダーの初の死者であり、たった2話の登場・悪人像・死に様などから、視聴者へこの作品における「仮面ライダー」という存在は、単なる「正義の味方」だけではないということを示した。またシザースのカードデッキは、他のライダーと比べてスペックが劣るものの、スペックが上のナイトを追い詰めるなど、実際は仮面ライダーとしての実力は高いといえる。
北岡 秀一(きたおか しゅういち) / 仮面ライダーゾルダ
30歳。「スーパー弁護士」を自称する弁護士であり、不利な裁判でも逆転無罪にし、「クロをシロにしてしまう」ほど有能だが、多くの大手企業に法外な報酬を請求する悪徳弁護士でもある(令子に言わせれば「彼に裁判の弁護を依頼するのは、罪を認めたようなもの」とのこと)。不治の病に侵され、永遠の命を手に入れるために仮面ライダーとなった。一見すると気さくで社交的だが、母親に甘やかされて育った影響から、かなりのナルシストかつ利己主義な性格。エリート意識が強くスタイリッシュな振る舞いを好むが、人の欲望を愛しそれを極限まで追求するという主義の持ち主で、社会正義やプライドなどよりも報酬を重視している。ゆえに悪い噂も少なくなく、表舞台ではイメージアップを図りたがっている。その性格ゆえに少年時代から友人は皆無で、そのせいであだ名もなかった。彼をよく知る人物からは手酷い評価を受けている。しかし、重病人の高額な手術費用を秘かに立て替えたり、不治の病に侵された(全くの誤解だったが)めぐみとの間にデートを取り付けたりと、自分と同じ境遇の者には親切である。また秘書兼パートナーである吾郎との間には絶対的な信頼関係を築いており、決して孤独ではない。取材を通じて知り合った令子を度々デートに誘うものの、「同情で落としたくはないから」と自分の病気のことは知らせようとしなかった。私生活では、ジャガーやポルシェなどの高級車を乗り回し、好きな食べ物は「贅沢なものなら何でも」。元秘書のめぐみ曰く「好きな言葉は『濡れ手に粟』」。
偶然知り合った真司と意気投合し、その縁で島田誘拐事件で誤認逮捕された真司の弁護を担当、その際に真司がライダーであることを知る。彼もまた真司と関わるうちに、その行動に感化されていくようになり、終盤に真司が優衣を救うために自分を戦いに誘った際には、「見てられない」とまで発言してそれを拒んだほどである。ライダーになる前の浅倉の弁護を担当していたが、さすがに無罪にはできず、それにより浅倉から逆恨みされている。浅倉がライダーとなってからは、彼を排除すべく幾度となく行動を起こした。
次第にライダー同士の戦いを空しく感じるようになっていき、病の進行で倒れたことをきっかけに士郎からバトルから脱落と告げられ、自らの運命を受け入れ戦いをやめる決心をする。その後切望していた令子とのデートを取り付けたが、浅倉を野放しにしてしまった原因が自分にもあると感じていたことから、浅倉との決着だけは果たそうとする。しかしそれを果たすことなく病死。その最後の願いを叶えるためにカードデッキは吾郎に受け継がれた。
TVSP版では、高見沢率いるライダー軍団に属し真司や蓮を追い詰める。
劇場版では、姉を手にかけた浅倉を弁護したことで美穂からも恨まれていた。そのことに罪の意識を感じていたのか、ライダーバトルでは折に触れて彼女を助けようとしたが、彼女から拒絶されてしまったことで闘いを空しく感じ、病気の進行もあって自ら脱落した。
- 手塚 海之(てづか みゆき) / 仮面ライダーライア
24歳。コインによって人の運命を占う占い師。「俺の占いは当たる」という口癖が示す通り、その的中率はほぼ100%だが、彼自身は「運命は変わらないものではなく、むしろ変えるもの」という信条の持ち主である。ライアのカードデッキは神崎士郎に勧誘されながらも人と戦う事を拒み、契約を拒絶したためにガルドサンダーに食い殺された親友の斉藤雄一から受け継いだもので、斉藤を救えなかった悔恨から、彼の信じた正義を無駄にせず、変えられなかった運命を変えようと決意し、仮面ライダー同士の戦いを止めるためにライダーとなった。後にそのガルドサンダーを撃破している。一見するとクールだが、自分を犠牲にしても他人のために献身的に動く気質の持ち主で、危険を顧みずライダーの戦いの場に飛び込み、破滅への道を進む蓮に対しても、幾度となく忠告を行っていた。バイクはHONDAのCB400SFを乗用する。
偶然出会った蓮の運命を見通し、その運命を変えようと忠告して回るうちに真司や優衣と出会い、志をともにする彼らの共感を得ることとなる。その後は一時期花鶏に居候し、真司の貴重な協力者として共に戦うとともに、その経緯からライダーの事情を知らない真司に、彼らの抱える事情や願いについての情報を与え、戦いを止めるべく奔走する。自らの「願い」として戦いを止めることを選択しているため、真司とは異なり迷わず行動を起こす。また優衣を占ったことから彼女の出自に疑問を抱き、彼女の生家を突き止めて優衣を導くとともに、独自の調査によって真実の一端に気付いていた。
戦いを促すために士郎よりサバイブ・疾風のカードを渡されるが、それを拒否して蓮にカードを託した。
最後はガイの次に、消えるライダーが龍騎であると占い(真司には自分が消えると伝えている)、運命を変えるため、王蛇の放ったベノクラッシュから龍騎を庇って致命傷を負い、真司と優衣に看取られる中死亡した。
TVSP版では蓮の友人であり、彼と同じく小川恵里を愛していたという設定である。しかしそのために他人を犠牲にすることに違和感を持っていた中、ベルデに襲撃され死亡する。
- 芝浦 淳(しばうら じゅん) / 仮面ライダーガイ
21歳。明林大学経済学部2年生。特に願いは決めておらず、ゲーム感覚で仮面ライダー同士の戦いに加わる。当初は気弱な青年を演じてゲームサークルの「マトリックス」に所属しており、人間心理を解析及び応用し、ハマった人間は本当に殺し合いを始めてしまうゲームを製作した。人の心を支配する事に喜びを感じ、サークル仲間に勧めて戦いあうよう扇動していた。わがままかつ自信家で、そのバイタリティと行動力によって野望を進めようとする凶悪な性格である。父親は大会社の社長で、北岡の上得意でもある。
真司からドラグレッダーのカードを奪い脅したり、「OREジャーナル」を乗っ取って日本中を操る戦闘ゲームを作る拠点にしようとしたりと色々企むも失敗する。その後は戦いを拒むライダーが多いことに業を煮やし、戦いを盛り上げようと優衣を誘拐することで6人のライダーによる大乱戦を演出するが、ゾルダのエンドオブワールドの直撃を王蛇の盾として受け、逆上して王蛇に襲い掛かるが全く歯が立たず、瀕死の状態で王蛇のベノクラッシュを続けざまに受け、爆死した。
TVSPでは、高見沢と共に真司達を襲っていく。しかしその高見沢が死亡した直後、ディスパイダーの吐いた糸に捕まり喰い殺される言う情け無い最期を遂げた。
- 浅倉 威(あさくら たけし) / 仮面ライダー王蛇
25歳。多くの人間を理由なく殺害し、関東拘置所に拘留されていた凶悪殺人犯。ライダーバトルのペースが遅々として進まないことに業を煮やした神崎により戦いを活性化させるべく選定され、獄中で士郎からカードデッキを授かり契約、仮面ライダーとなり脱獄した。自分の中に理由なく溢れてくる憎しみに溺れ、常に暴力の中で生きてきたことから、身の回りに暴力がなくては生きられない性質となっている。変身していなくても車のフロントガラスを足蹴りで割るほどの怪力を発揮する。ゆえに「イライラした」という理由だけで常に標的を探して襲撃、相手を逃がせば執念深くつけ狙う危険人物であり、蓮や北岡など多くの人物から「人間じゃない」とまで称されている。少年期から実家に放火し家族を殺害する、前述の理由による無差別暴行などの悪事に手を染めており、さまざまな汚い手を使った北岡でさえ無罪にできなかった。そのため北岡に「能無しの役立たず」と逆恨みの念を抱き、脱獄後に付け狙う。変身直後に首を捻る癖がある。脱獄囚なので、特定の家は持たず野宿をしている。家族を殺害して以降は、「泥を食ったことがある」と語るなど浮浪者のような生活をしてきたらしく、その名残からかトカゲを焼いたり、生卵数個をコップに割って一気飲みしたり、ムール貝を殻ごと食べたり(飲み込み切れなかった貝殻の破片は流石に吐き出す)と、人間離れした悪食ぶりを見せる。
望みを叶えることに興味はなく、戦いそのものに悦びを見出し戦う。そのため士郎から願いを求められた際は、戦いを続かせることを願おうと考えた。生き残った弟の暁もベノスネーカーに捕食させ殺害した。しかし、「モンスターをおびき寄せるための囮」と呟きながらも、一度モンスターに付け狙われていた少女を、殺害せず助けたこともある。
ガイ・ライア・インペラーと多くのライダーを倒した浅倉だったが、北岡には執着し続け、最後の一日の朝、遂にゾルダを倒す。しかしその正体が吾郎だったことを知り、イライラが頂点に達し、待ち構えていた警察機動隊に鉄パイプ一本で突撃、一斉射撃を受け死亡した。
劇場版では霧島美穂=ファムの姉を手に掛けているため、美穂に狙われ交戦することとなる。闘いの末ファムを追い詰めたが、乱入してきたリュウガにジェノサイダーを倒され、一時ブランク体になる。その後ファムにカードデッキを破壊されて変身が解け、ミラーワールド内で消滅した。
TVSP版では須藤と北岡によって留置所送りにされ、厳重に拘束された姿で登場するが、真司が面会に訪れた際に彼のヘルメットからベノスネーカーを召喚して拘束から逃れ、彼が持っていた水を床にぶちまけ変身して脱獄の後、「ライダーに警察は要らない」として須藤を倒した。その後は戦いの邪魔をする真司を殺すために戦闘する
- 東條 悟(とうじょう さとる) / 仮面ライダータイガ
25歳。清明院大学の香川の研究室に属する大学院生。英雄を目指してライダーになる。仲村と香川と共に行動する。しかしその言葉の解釈において、恩師の香川との間には徐々に齟齬が生まれており、歪んだ理想と憎悪に取り付かれていくようになる。劇中において東條の過去が明かされることは無かったが、「みんなが僕を好きになってくれるかもしれない」という理由で、英雄になる事に固執している。自分が英雄になるためならどんな事でもする短絡さと、邪魔な人物はすべて排除しようという自己中心的思考を併せ持ち、士郎からもそういった性格を見込まれ選定されていた。戦いの中で次第に、ライダー同士の戦いに勝ち残ることで自らが英雄になろうと考えるようになる。
その結果香川の言葉を、“大切な人”を倒せば強くなれると曲解し、仲村と香川を相次いで殺害し、さらには戦いに敗れた自分を介抱した佐野も手にかけようとする。その後は自暴自棄に近い形でライダー同士の戦いに身を置くが、立て続けに浅倉に敗れ、北岡に「英雄は英雄になろうと思ったら失格」と図星を突かれることなどが重なり、徐々に情緒不安定に陥っていく。そんな中、ライダーたちを罠にかけた後、次に為すべきことがわからないまま街を彷徨ううちに、前を行く親子に突っ込んできた暴走
トラックから咄嗟に親子を守り、身代わりとなってトラックに跳ねられて死亡する。翌日の新聞の片隅に小さく「親子を救った英雄」と記されていた、作中で自分の望むとおりの結果を得たのは彼と蓮だけである。愛読書はカフカの『変身』
TVSP版では変身後の姿のみ登場。
- 佐野 満(さの みつる) / 仮面ライダーインペラー
21歳。地下駐車場の警備員をしていたが、実は大企業の御曹司であり、父親には何らかの理由で勘当されていた。自らの貧しい境遇を不当なものとして不満に思っているため、楽な生活をするためにライダーとなり、その力を金儲けに使う事しか考えておらず、真司や香川に対して自分を売り込み、報酬を要求した。当初は真司の側に就くが、香川の方が報酬が良いとわかるとすぐに裏切り、龍騎を攻撃する。にもかかわらず、香川の死後は平気で真司の側に戻ろうとして彼を激怒させた。北岡や浅倉にも取り入ろうとするが失敗する。結果的に重傷を負った東條を自宅で介抱するようになる。
直後に父親の死亡により傀儡社長として迎え入れられ、莫大な財産を手にし、婚約者の百合絵との縁談も持ち上がり、ライダーバトルの決着を待たずして自らの願いが全て叶ってしまう。幸福の絶頂を迎え、ライダーバトルを継続する意味を失った彼は、戦いから離脱しようとしたが、士郎と契約モンスターがそれを許さず、望まぬまま戦いの泥沼に飲み込まれることとなる。手にした幸福を手放すまいと焦り、他のライダーたちを買収して味方に就けようとするものの、過去の裏切りと利己的な振る舞いから全く相手にされず、孤立を深めていく。その後、東條を味方にしようと面倒を見るが、それが原因でタイガに攻撃され負傷し、逃走中に現れた王蛇のベノクラッシュでデッキを破壊されて現実世界に戻れなくなり、泣き喚きながらミラーワールドの中で消滅していった。
TVSP版では変身後の姿のみ登場。
- 高見沢 逸郎(たかみざわ いつろう) / 仮面ライダーベルデ
38歳。TVSP版にのみ登場。巨大企業の高見沢グループの総帥を務める実業家。全てを手に入れたかに見えるが、その欲望は尽きることはなく、超人的な力を得るために仮面ライダーとなった。イニシアチブを取るのが上手く、普段は紳士的で、契約モンスターの特性を活かした戦術と生来のカリスマ性から、他のライダーからは一目置かれる存在である。しかしその本性は過激かつ粗暴で、他のライダーたちを利用して龍騎とライアの抹殺を計るなど、目的のためには手段を選ばない卑劣漢である。
終盤ナイトに致命傷を与えるが、直後にナイトの思わぬ反撃に驚いて背を向けて逃げようとした所を飛翔斬を受け死亡する。
神崎士郎の代理ともいえる仮面ライダーオーディンに変身する人物。当初は士郎自身が変身しているかと思われたが、士郎の傀儡的存在であり、変身者自身の意思は感じられない。「最後に勝ち残ったライダーと戦う」ことを目的とする。
作中でナイトに2度、龍騎に1度倒されたが、カードデッキだけは破壊されずに残っていたため、その後も何度も出現した。3度目の蓮との戦いでファイナルベントを発動させるものの、士郎の様子がおかしくなったのと同時に、最後に勝ち残ったライダーが蓮である事を告げ完全に消滅。
「超全集 最終巻」では士郎が無作為に選んだ人物が変身していると記述されており、実際劇中でも士郎が浮浪者らしき男の前に立ち、カードデッキを渡すかの様な描写がなされているが、実際に渡す描写は無かったため、その真偽は不明である。台本にも士郎が男の前に立っているとしか書かれていない。
TVSP版では何故か他のライダー達と共闘、龍騎のカードデッキを割る。
アドベントカード
本作のライダーが使用する特殊なカードの名称
それぞれのライダーの持つカードはあらかじめ決まっており、基本的に1回の変身につき1回ずつしか使えない。バイザーと呼ばれるカードリーダーに通すことでカードの情報が読み込まれ、効果を発動させる。
カードの種類
契約モンスターの召喚。全てのライダーが持っている。カード1枚につき、契約した1種のモンスターを召喚して加勢させる。カードの表記は、契約モンスターの名前。このカードを紛失すると、カードの持ち主であるライダーは強制的にブランク体へと戻り、破壊されると契約モンスターに捕食されてしまう。
なお、このカードはモンスターとの契約前は、CONTRACT(契約)というカードになっており、ブランク体(モンスターと未契約)のライダーが契約を完了すると、アドベントカードに変化する。ファイナルベント時は、自動的にモンスターが召喚されるのでその際は使用する必要がないはずだが、何故かゾルダがファイナルベント発動前にマグナギガを召喚したことがある。
必殺技の発動。全てのライダーが所有しており、契約モンスターの力を借りて、最大の攻撃力を持つ必殺技を発動させる。
契約モンスターの体の一部を模した武器を装備する。剣を装備するソードベント、盾を装備するガードベント、手甲状の武器を装備するストライクベント、遠距離専用武器を装備するシュートベントなどがある。一部のライダーはファイナルベント発動時に、あらかじめ特定の武器を装備しておく必要がある(ガイ、タイガなど)。なお、龍騎サバイブ、ナイトサバイブはバイザーの変形という効果も持っている。
ブランク体のライダーはソードベントでライドセイバー、ガードベントでライドシールドを装備するが、前者のみ第1話で龍騎が使用した。
分身するトリックベント(ナイト)、相手の効果をキャンセルするコンファインベント(ガイ)など、上記のカードに当てはまらないもの。ライダー独自に所有するカードもあり、殆どのライダーはこれを使った戦法を好んで使う。ただし、同じ名称でもライダーによって効果が異なるカードがあり、コピーベントはライアの場合は相手の武器のみをコピーして装備するが、ベルデは相手の姿そのものをコピーする。また同じオーディンが使用するタイムベントでも『龍騎』では時間のループを行うが、『ディケイド』では使用者を含めた周囲の人間をタイムスリップさせるという相違点がある
表記はSEAL。モンスターの封印。これを持っている人間は、現実世界でモンスターの標的にならない。ブランク体のライダーが所有しているが、モンスターと契約すると消滅してしまう。なおカードだけでも効力を持っているために、ライダーでない人間が持っていても効力を発揮する。モンスターはこのカードを持つ人間を襲うことは出来ないが、隙を狙い執拗につけまわす。
ライダーと契約モンスターをサバイブへ強化変身させる。カードデッキには組み込まれておらず、神崎士郎によって配布された。"無限"、"烈火"、"疾風"の三種があり、カードに描かれた絵は3枚並べると繋がるようになっている。このうち、"疾風"は当初ライア=手塚海之に渡されたものであったが、力を望まなかった手塚はこれをナイト=秋山蓮に託した。"無限"はオーディンが所有、"烈火"は龍騎=城戸真司に渡された。サバイブ形態は消耗が激しいためか、ファイナルベント発動後、あるいは大ダメージを受けた後などは自動的に解除される。早瀬マサトによると「オーディンは常にサバイブ」であり、オーディンがこのカードをベントインする描写は存在しない。
最終更新:2010年05月27日 15:37