第二話『刀と血潮』

かごめが来てから2年がたったある日。
不吉の知らせが村に行き届いた。




『----シルビィ軍、来たる。』この村からそう遠くない場所にシルビィ軍が陣を構え、滞在していたのだ。
当然、この村が目をつけられたことは言うまでもない。








さっそく、シルビィ軍の“二人の将”率いる分隊がこの村にやってきた。

目つきの悪いカービィ「ただいまよりこの村はシルビィ様の領地となった・・・全員、すべての財産をシルビィ様に捧げろ。拒否は認めない・・・!」
ざわつきがおこる。そんな様子をかごめはホデリ、ホオリと共に隠れてみていた。
目つきの悪いカービィは帽子をかぶり、長い刀を鞘に納めたまま手に持っていた。殺気があふれているのがわかる。
温和そうなカービィー「待てイベール!・・・ったく、何でそんな強引な手段しかできないんだお前は・・。」刀を持ったカービィとは対極に温和そうなカービィが出てくる。
イベール「誰が口出しを許可したハルシオン!貴様は黙っていろ!」
ハルシオン「そうはいかない・・・!イベール、民を苦しめるようなことをするな・・・。村の皆、すまない。この男は少々不器用なところがあって・・・・・。
      僕等は侵略をしに来たんじゃない。まぁ確かに戦の援助・・といえばそうなってしまう(汗)だが、この世を光で照らすにはまだまだ力不足だ。だから、みんなの力を貸してほしい!
      そして、皆との『絆』を深めたい・・・・・!頼む、協力してほしい・・・も、もちろん、財産を横瀬だなんて言わない。本当だ!・・・お願いお頼み申す」
そういって、ハルシオンと名乗るカービィが深々と頭を下げる。またざわつきが起こる。
イベール「ハルシオン!!貴様・・・・シルビィ様以外の者に頭(こうべ)を下げるとはどういうつもりだぁ!!!?」イベールと名乗るカービィはまた怒鳴る。
怒るのが好きなのだろうか?
村長「どうか頭をお上げくだされ、詳しい話は村の詰め所の方で聞きましょう。ささ、こちらへ・・・」こうして村長は二人の将を招き入れ、村のみんなに分隊の兵たちに酒と料理をふるまうよう指示した。


詰め所にて--------

ハルシオン「この世は、まだまだ血と暴力で混沌している・・・・。だから、我々は一刻も早くそれを終わらせ、新しい時代を築かなければならない。そのためには、軍の力だけではだめだ。
      平和を愛する民と・・・・僕等・・・これらの絆でこの世を平和にしたい!・・・わかって・・くれますか?」
村長「それはもう・・・・我らも同じ気持ちでございます、ハイ。」
イベール「・・・・・・・・・・。(イライラ)」
それから2時間ほど話し・・・
ハルシオン「ん?おお、もうこんな時間か。すみません、僕とイベールだけでなく・・・・分隊のみんなにまで厚い御持て成しをしてもらって・・」
村長「いえいえ・・・平和を愛する者同志。助け合いましょう・・しかし・・・戦は勘弁願いたいですな・・・・。平和のためとはいえ・・・血を流すのは・・・。」
ハルシオン「ええ・・・それについては、僕も同感です。ですが、それを嘆いていても始まらない・・・!僕らが命を懸けて頑張らないと・・・!なぁイベール・・・あれ?アイツ・・・どこ行ったんだ?」(キョロキョロ)



イベール「ハルシオンめ・・・一体何を考えている・・・・シルビィ様の・・・ミドビィ様の御命令を忘れたかッ!?・・・『村の財産をすべて没収』そして・・・『村の若者・・・男女問わずすべて徴兵』・・!
     これはシルビィ様に対しての反逆だ・・!おのれハルシオォォォォン・・・・・・!!」先ほどより不機嫌になりながら村の離れの道を歩いている。
?????「まったくもってその通りよ、主が正しい・・。ヒヒッ」そらからフワリと舞い降りてくるそれはあまりにも異形な目玉であった。
イベール「・・・ダーク、貴様、何故ここにいる?貴様は別の任務で東の方へ行っていたはずだ・・。」
ダークノア「ヒヒッ、いち早く終わらせて主の様子を見に来たのよ・・・。我がおらなんだで寂しかったか?(ケラケラ)」
イベール「貴様ぁ!私をからかうなと何度言ったらわかる!!」
ダークノア「ヒヒッ、それは悪かった。・・・・ハルシオンのことで相当頭を痛めておるようだな?我にはわかるぞ?」ダークノアはそういって不気味に笑う。
イベール「そうだ・・・ハルシオンめ!御命令を無視し勝手な真似をォオオオ・・・・!」ギリッと手に持っている刀を握りしめる。
ダークノア「主の怒り・・・誠にもっともである。安心しろ、我にすべて任せよ。」
イベール「わかった・・・貴様に任せる。」よほど信頼しているのかイベールはダークノアにすべてまかせ、一人シルビィ軍の陣へ去っていった。
ダークノア「・・・忍び、おるか?」
忍者「すでにおる。」
ダークノア「主に仕事だ。この“男”にこの封筒を渡せ・・・。簡単であろ?」そう言って忍者に村の男の写真を見せ、少し分厚い封筒を渡す
忍者「ふん、この程度のことなど我に頼まずとも抱えの忍びでも出来るであろう・・!」よほど腕に自信があるのか、忍者は不機嫌に言う。
ダークノア「これとて暗殺任務と同じちょっとした小遣い稼ぎよ。『刀探し』に精を出すのはよいが・・・今は我らに雇われているのを忘れてもらっては困る・・・。のぉ?真庭鳳凰?」
真庭鳳凰「ふん、まぁよいわ。・・・・この男か・・・。この男とどんなつながりかは知らぬが・・我には関係ない」そういって消える。
ダークノア「・・・ヒヒッ、さすがはミドビィ様の知略に情報網・・・。我も悪巧みがしよいわ・・・ヒーッヒッヒッヒッヒヒ!」不気味な笑い声は風に流れ空のかなたに消える・・・。


ハルシオン「イベールの奴どこいったんだぁ~?まったく・・・」
ダークノア「イベールなら帰ったぞ?あとは我に任せるといってな。」
ダークノアは不気味な笑みを浮かべながら、ハルシオンの元に舞い降りてくる。
ハルシオン「ダーク!?・・・そうか、だがもう話はついた。僕らは一端帰還する。お前はどうするんだ?」
ダークノア「・・・・・・・終わったのであるならば仕方あるまい。とんだ骨折り損よ。(・・・・・・・・・・・・・・・。)」
ハルシオン「ははは、悪いな、では帰ろう・・・・全軍引き上げだ!」そう言って、分隊を率い二人は陣へと戻っていった。
この地点でもう魔の手は・・・・後ろの正面・・・・へ。


ホデリ「ったく、なんなんだあいつら・・・・。人様の村ズカズカ入り込んで。」
ホデリはいつになく不機嫌であった、ホデリは過去に戦場での経験があるらしく、もうあんな所にはいきたくないとまで言っていた。
かごめ「私怖いよ・・・ねぇ・・・あのイベールって人だけど、私たちに襲い掛かってきたりしないよね?」かごめは不安でならなかった。あの男の目は最早・・・残酷を目という形で現化した
ようなものにしか映らなかったからだ。
ホデリ「大丈夫さ、何かあったら俺がまもってやんよ!!」かごめの肩に手を回し、寄り添わせながら言い放つ。
この時、かごめの心に何かがあふれ出た。それは安堵か、はたまた・・・・思春期ならではの乙女心か。
かごめ「ぅ・・・・・うん////」頬を染めるかごめ。二人の男女の影は月の明かりによって濃くなり、一つの影としてあらわす。
その同時刻・・・ホデリの弟、ホオリもまた女と出会っていた。
お豊という、村長の孫娘でありなかなかの美人である。
お豊「ねぇホオリ・・・村を捨てるって本気?」
ホオリ「本気さ、お前も前に会ったろ?ダークノアって御仁に。あの人の言う通りにすれば、俺は晴れてシルビィ軍の幹部!!入って一気に出世!幸せになれるんだ!」
お豊「そうね・・・もうすぐ・・もうすぐよ。」
真庭鳳凰「お楽しみのところすまんな」
ホオリ「!!」
お豊「!!」
某潜入ゲームのような音と共に鳳凰の方を向く二人。
真庭鳳凰「心配するな、我はお主がさっき言っていたダークノアの使いだ。ホレ・・お主に渡すぞ。」つ[  封筒  ]
ホオリ「あ・・・どうも・・・(汗)」
そういって、文を受け取った瞬間、その忍者の姿は消えていた。
封筒を開けると、そこにはこれから村に起こる出来事が書かれた紙、そして・・・札束であった
お豊「!!・・こ、これって・・!」
ホオリ「・・・・お豊、これで幸せになろう?」
お豊「な、何言ってるの!?この紙に書かれたことがホントならすぐに・・・・」
ホオリ「わかってないなぁお豊は・・・。これからはこれ(札束)の時代さ。こんな貧相な村にいたっていいことなんか一つもないぞ!?俺と共に幸せを築くんだ!!・・村なんて、どうでもいいだろ?」
ホオリの目は異様なまでに輝いていた、金の魔力に魅かれた者の目であった。
お豊「貴方がそういうのなら・・・ねぇ、だったら妹もいいでしょ?あの娘を置いてなんて私には・・・」
ホオリ「わかった・・・・。」
お豊「新しい幸せ・・・確かにそうね。私たちは・・幸せになれるんだわ!」
お豊もまた・・・金の魔力に・・。

シルビィ軍陣地
ミドビィ「で、君一人帰ってきたわけか・・・・。」
イベール「ハッ!!」
ミドビィ「・・・・ねぇイベール君。わかっていないようだからハッキリ言っておこう。君のやっていることもまたシルビィに対する反逆だよ?」
イベール「なっ!!!?」思わず叫ぶイベール。常に神のように崇めたてているシルビィに対し、自分はなんでも彼の言うとおりに従った。そんな彼にミドビィの発言はとてもショックなものであった。
ミドビィ「・・クスッ、ちょっとオーバーだったかな?ごめんよイベール君。でもね、今回君はシルビィが与えた命令を一つもこなすことなく、しかもダークノア君に任せて一人で帰ってきたんだ。
     これはさすがに僕も許せないよ・・・・。」
イベール「申し訳ありません。この一命をもって償いまs」
ミドビィ「ちょwwww落ち着きなよ」
自害しようとするイベールを制止するミドビィ。
ミドビィ「君に自害してほしくて呼び出したんじゃない・・・それに、ハルシオン君が勝手にやってしまったんだろう?」
イベール「・・・・・・ハッ」
ミドビィ「本来ならハルシオン君を処刑すべきだけど・・・彼は貴重な人材だ。今は失うわけにはいかない。だが・・・・このままではシルビィ軍の面目はガタ落ちだ。・・わかるね?」
イベール「!!・・・・ハハーーーー!」
ミドビィ「クス、君は物わかりが良くてホントにいい・・・。君の働きに期待しているよ?」
言い終えるころにはイベールの姿はなく・・・。
ミドビィ「もうちょっと落ち着きがあればなぁ・・・でもいいや。あの村の名産は梓の木だけじゃない・・・・その地下に眠るレアメタル。それがいるんだ・・・ふふ、情報提供者のホオリ君だっけ?・・感謝しなきゃね。
     ・・・・村人には悪いけど、死んでもらうよ?」

次の日、かごめはちょうど村から3Km離れた山へ木の実を取りに行っていた。
かごめ「さすがに・・・キツイなぁ(汗)」手拭いで汗を拭きつつ木の実を取っていた。今まではホオリ若しくはホデリに同伴を頼んでいたが、ホオリは部屋から出ようとせず、ホデリは仕事でそちらに手を回せず
結局一人で来た。

今日に限って一人で来た。

その頃・・・・・・村では・・・・・・・・・・・・・・・。

村人A「もう黄昏時かい・・・。・・・ん?アンタは・・昨日の」
イベール「シルビィ様の意志のもと・・・貴様らを・・・・・・“斬滅”する!!!」村人Aの首に一閃が走る。
その後、村に老若男女の断末魔の悲鳴と共に、火の手が上がる。

かごめ「・・・・!」村に火の手が上がったのを山からうっすらではあるが確認した。急いで山を下りるかごめ。
その時、かごめの脳裏にホデリの顔が浮かぶ。


ホデリ・・・・・ホデリ・・・・・!!みんな!!!!

涙を流しながらひたすら走った、陽は落ちていく・・・・だが、走った。愛しい人の身を案じながら。

着いたころには辺りは真っ暗で、村は家の木材と人の脂による業火でひどく明るく、暑苦しく、異臭が漂っていた。
かごめ「・・・み、ん・・な?」ショックの色を隠せなかった。
かごめ「ねぇ・・起きてよ。ねぇ・・・・・いや・・そんな・・いやぁ・・ねぇ・・。こんなとこで寝てたら風邪ひくよ・・?・・ねぇってば・・」
すでに息絶えた童子を揺らす。反応はない・・。近くには苦痛にゆがんだ村人の死体と、農具、折れた刀、手毬、ぬいぐるみ等・・・どれもこれも見覚えのあるものが転がっていた。
かごめ「嘘・・・・・でしょ?・・・あれ、おかしいな・・・起きない・・・ねぇ、起きなよ?風邪ひくよ?・・・・お母さんにまた怒られちゃうよ?ねぇ・・ねぇ・・・。」
かごめは目の前の現実が受け入れられなかった。親しい者たちの突然の死、かごめはあの時のことを思い出す。
死体の山・・・そして、初めて死体を食べた日のことを・・・。
かごめ「う・・・うぷっ・・・おえぇえぇええええええ・・・・!!」
内容物を吐いた後、茫然とその死んだ童子の近くに座り込んでいた・・・。すると、村の崖側の方から人の声が聞こえた。聞き覚えのある声だった。
かごめ「ホデリ・・・?・・・・・ホデリ!!」
かごめは一心不乱に声がした方に疾走する。愛しい人のいる場所へ・・・。









































それは誤りであった

















かごめが辿り着くと、昨日のイベールとホデリが対峙していた。イベールがカゴメに気づく
イベール「なんだ貴様は?村の生き残りか?」
そんなイベールの問いを無視しかごめは安堵の笑みをこぼしホデリに歩み寄ろうとする。


           その時


ぶしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!



大量の血飛沫と共にホデリは真の意味で真っ二つになった。
それを間近で目視したかごめは口は笑んだままで目の光がなくなった。


かごめ「・・・・ホ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デ・・・リ?」

死んだ。見るも無残な姿で死んだ。かごめはその死体をじっと見ていた。
イベール「・・・・その男の女か?」ゆっくりとかごめに刃を向ける。

その時かごめの中にまた、あの時の狂気が蘇りつつあった。
死体を食べた・・・・あの日の。
イベール「シルビィ様の意志のもと・・小娘、貴様を斬滅s。・・・・・・な!!!!!?」
イベールが見たもの、それは背筋も凍るほどのおぞましい光景であった。













かごめがホデリの死肉をおいしそうに喰らっていた




かごめ「おいしい!おいしよぉおお・・・・!!!ホデリ・・ホデリィ♥」
イベール「き・・・・貴様・・・・・!?」
その姿は、まさに餓鬼そのものであった。
かごめ「ぬぶ・・・グチュ・・グチャア・・・んふ、おいしいよぉおおおおおおおおおお!!ホデリのお肉おいしいよぉおおおおおおおおおおおお♥・・・・なのに、ホデリおいしいのに・・涙が・・・・とまならい、涙がとまらないよぉおお    おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!♥」
狂った少女は愛しい人の死肉を食らいついている、イベールは初めて、他人に恐怖を覚えた。
かごめ「うふ・・・うふふふふふふふふ・・・あははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」涙を流しながら狂い嗤う少女・・・・
イベール「ば・・・化け物めぇええええええええええええ!!!」居合の構えをした瞬間。かごめは大声で怒鳴った。
かごめ「化け物はおまえらだ!!!!!!!!!!お前らが・・・・お前等がぁああああああああああああああああああああああ!!!!」こんどは怒り狂う少女の右腕が赤く光る、ちょうど鳳凰の紋章があった部位だ。
その瞬間、青い炎のようなもので構成された触手のようなものが4本現れる。
かごめ「死ね、死ね死ね死ね死ね死ねぇ!!!」触手がイベールに襲い掛かる、イベールはそれを居合ではじきつつかわし、間合いを取る。
イベール「おのれぇ・・・・・シルビィ様・・・この者を斬滅する許可を、私にぃいい!!!」
両者の力が激突する。



 ----一方、シルビィ陣営では----
ハルシオン「ふぅ~、さすがにデスクワークは疲れるなぁ(汗)」
部下A「ハルシオン様、大変です!!!(ゼェゼェ)」
ハルシオン「おいおい、どうしたんだ?そんなに息を切らして?」
部下A「イベール様が・・・村を・・・・・」
ハルシオン「な・・・・なんだって!!?わかった、すぐに向かう!!」


ダークノア「事は順調です、ミドビィ様。」
ミドビィ「うん、お疲れ様。僕はもう休むよ、君も休むといい・・・」
ダークノア「ありがたきお言葉、しかし、我にはもう一仕事残っておりますゆえ・・・」
ミドビィ「ふふ、君も大変だね。(スタスタ)」
ダークノア「・・・・・・・・鳳凰、おるか?」
真庭鳳凰「ここに。」
ダークノア「仕事だ、暗殺を頼む。」
真庭鳳凰「・・・・・わかった。」



 ----村では----

イベール「く・・・おのれぇ・・・シルビィ様から賜ったこの刀を・・・・貴様ぁ!!!」触手によって刃毀れを起こした刀を鞘に納めまた居合の構え。
かごめ「はぁ・・・はぁ・・・・、・・・!!?・・く!!?」突然頭がグラリとし、体制が崩れる。それと同時に触手の炎が弱まる。それを逃すほどイベールは甘くない

ハルシオン「く・・・・これは酷い・・・なんてことを・・!!・・・・・あれは?・・・・イベール!!そして・・・女の子?」

イベール「邪鬼が!!これで終わりだぁ!!」
かごめ「く・・・・!!?」
ハルシオン「待て、イベール!!やめるんだぁああああああああ!!!」
しかし、それは遅かった。すでに凶刃は触手を切り裂き、少女を斬れないまでも崖の下に弾き落とすにはちょうど良かった。

かごめ「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
少女は崖の下へ落ちてゆき、川の中に沈んでいった。

ハルシオンがそばに来たころには少女は落とされた直後だった。

ハルシオン「く・・お前はなんてこと・・・・!!!」
イベール「・・・・・・・・・・・・・・。」踵を返し去っていくイベール。
ハルシオンは少女の無事を願った・・・、顔は視認出来なかったがせめて生きているように、と・・・・・。




 ----一方、とある森の中----

ホオリ「・・・ここで待ち合わせのはずなんだが・・。」裏切り者の男は予め指定された場所に来ていた。
ホオリ「おかしいな、お豊や妹にも場所は教えてあるはず・・・なんで、いないんだ?」
           「来ていたよ?これが証拠だ・・・。」
木の上から声がしたと同時になにか落ちてくる。
お豊とその妹の悲痛にゆがんだ首であった。
ホオリ「うわぁああ!!?うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」
その場にへたり込むホオリのもとに一人の忍者が下りてくる。
真庭鳳凰「えー・・・・・、コホン、『ご苦労であった、もう用はない』・・・とのことだ。残念であったな?」
ホオリ「て、テメェがお豊を・・・・!!」
真庭鳳凰「ふむ・・・この程度のことで叫び声をあげるとは・・・思いのほか雑魚であったな」
ホオリ「なんだとテメェ!!?・・・・俺を・・・騙しやがって・・・・。くそう!!テメェなんかこわくねぇええ!!」ナイフを取り出す
それを見た鳳凰は呆れたように笑い、右手を手刀の形にする。
真庭鳳凰「光栄に思うがいい・・・我の忍法で死ねる者はそうはおらんぞ?」
ホオリ「(ブチィ)野郎ぶっ殺してやらあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
真庭鳳凰「・・・『忍法断罪円』」









まさしく、勝負は一瞬でカタが付いた。
その森には二つの女の首と愚かな男の惨死体が転がっていた。

















第二話 『刀と血潮』 END

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年09月17日 14:01