レインド「……ゔッ…(手足はかたくこわばり、木づくりの人形のように柱に凭れている)……(遅い、何かあったのか
ルーベンス…) 」
サ ゙ ン ッ
レインド「――ッ!!(痛みを忘れ、剣を納めた鞘を無造作に握り掴みほぼ気力で立ち上がる)ルーベンス!!何があった!!!(病、怪我持ちの人間とは思えない程の、山を騒がせるような勢いのある声を上げ、ルーベンスが向かった先へと重い足取りで移動) 」
ルーベンス「......ーーーー(レインドの進行する先には目立った外傷もなく、ただ不気味な静粛の中膝を付き動かずにいる彼女の姿があった。つむじ風が髪を揺らす最中全く動く気配がない)」
レインド「――(「何があった」とでも言うような複雑な表情でルーベンスをじっと遠くからみつめ、周りを視線だけで見渡すと一つの陰に視線が固定される) 」
セルゲイ「ーーーーンッンー♪(レインドから見て更に向こう側、既に納刀しており廃屋にもたれ掛かって何事もなかったかのようにトランプの束をシャッフルして弄。レインドの存在に気付いているのかは定かではない)」
レインド「…(『刃』の匂いに敏感故か、直感的にルーベンスがこうである原因が彼であると判断)…ルーベンス…(彼女の傍らに膝をつき、両頬に手を添えて顔を上げる)返事しろ!どうした、なにがあった!? 」
ルーベンス「......ーーーー(顔を上げたにも関わらず彼女の瞳は光がなくレインドを見つめていない。全く上の空で精神という名の糸が『切れた』人形のように動かない) 」
レインド「……(ルーベンスの表情、その動かない言葉を感じると、先ほどまで哀しく『懸念』していた瞳は鋭くなっていた)……おい……貴様……(ルーベンスを見つめたまま、セルゲイから感じる生ぬるい空気を断ち切るように冷たい口調を放つ) 」
スパァンッ(大きなカーブを描いて風を切りレインドの頸動脈目掛けて何かが回転しながら飛来してくる)
レインド「ルーベンスに何を――ッ!!(咄嗟にルーベンスを抱きかかえながら地面に伏せ、回転物を無様ながらも回避) 」
カッ(レインドの頭上を掠めていった飛来物『スペードのAのトランプ』が廃屋の壁に突き刺さる) 」
セルゲイ「ーーーー...クツクツ(静かにせせら笑い足元に置いたシルクハットを軽く蹴り上げて頭に乗せ、風に煽られる老木のような不気味な動作でゆっくりと立ち上がってレインドに視線を注ぐ).クツクツクツ......何ってそれや青年お前......『始末』に決まってるだろ、敵なんだがら 」
レインド「……(体をゆっくりと腕で起こしながら、垂れる前髪の隙間からセルゲイを横目でにらみ続ける)……ルーベンス……すぐに起こす……(立ち上がった途端、ガクンと右足が崩れながらもしっかりと地面に両足をつける)…構えろ……(鞘からミスリル製の『刀』を抜刀し、瞳には茶番を拒む燃えるような強い敵対心が伺える) 」
セルゲイ「(目を伏せ納刀したままの仕込み杖を肩で数ませる)ーーー血の気が多いねまったく。戦り合うのは構わねぇが一つ、俺の質問に答えて貰おうかな...(一枚のトランプを自身の目の前に翳しカード超しに刃物のような鋭い眼差しを向ける)ーーーー青年は、
レイ・ローゼ・ジェメントか? 」
レインド「……(「そうだ」と肯定するかのように刀を一振りし、腐土を踏みにじり歩みだす) 」
セルゲイ「ーーーーー(耳まで口が裂け狂喜に満ちた笑みを浮かべ一歩、レインドへ歩み出す)クハ...ハハハ、アッハッハッハッハ....OK、よーく理解した(納刀した仕込み杖に手を添え抜刀術の構えを取り、彼を避けるかのように舞っていた土埃が消え去る) 」
レインド「――ダンッ!(柔らかい腐土だというのに、鉄を蹴り上げたような鈍い音を発する程の威力で蹴り上げ、土埃で出来た彼への道を駆け抜けながら目の前で斬り下ろしの斬撃を繰り出し立ち止まる) 」
セルゲイ「(刀を納めたままの状態の鞘で斬撃を受け止め刃が白木を刻み食い込む)ーーーーっらァ!!(そのまま攻撃を受け止めた鞘を捨て抜刀、体を捻って半回転しレインドを凪ぎ払い間合いを取り直す)試してやるよ、はぐれ狼 」
BGM 『The Only Thing I Know For Real』(off vocal)
レインド「キィン!(体の方向は変えず、刀を柔軟に動かしセルゲイの攻撃を刃で防ぐ)壊してやるよ、夜叉(防御態勢を解除し、刀身を低めに構え、再度彼へと猪突に駆け出す) 」
セルゲイ「ハッ...(歯を見せて笑み角度を下ろした刀の切先で地面を抉りながらレインドへ接近、距離を積めながら刀を両手で握り豪快な切り上げを間合いに入るギリギリで行う) 」
レインド「ガンッ!!(同じ距離、同じ角度からこちらも斬り上げ、互いの刃をぶつけた衝撃で体の軸を崩す)ギィン!ギャインギャイン…ガァン!!(地面に両足をしっかりつけ、振り上げた刀で斬り下ろし→休み無く下から左右に斜め斬り→合間をおいて両手を添えて真っ正面の空間を裂くような縦斬りの緩急をつけた殺陣を繰り出す) 」
セルゲイ「っとォ!(手首を捻り振り上げた刃の先を地面に向け斜めに構えた刃で降り下ろしを受け流し、同じように刃の角度を幾度も変えながらレインドの振るう刀の刃を自身の刀の上で滑らせるようにして受け流していき)そらそらどうしたどうした、刀は届かなきゃ包丁と変わらねぇぞ(僅かな合間を見逃さず刀を自身の背面で半回転させて再び斬り上げを行い、刀の峰に蹴りを打ち込むことで飛躍的に威力を上げた斬撃を放つ) 」
レインド「なっ…!?(刀を蹴りやがった…!!)グッ!!(歯を食いしばり、踏ん張る足裏に力を上乗せして重心を固めながらも斬撃を刀の刃で受け止めるも、刀を上に弾かれ僅かな硬直が出来る) 」
セルゲイ「耐えたか、病み上がりの割には根性があるなァ、だが(そのまま勢いに任して空中で一度宙返りし両手で握った刀の峰に両足を乗せ全体重をかけた重い一撃を降り下ろす)まだ終わりじゃァないッ! 」
レインド「――(立て直せ…!)(強く自己暗示し、両手で強くミスリル刀を握り締めると)うらぁ!!(”斬る”というよりも、”押す”ように刀をセルゲイの乗る刀に突きつけ、圧倒的に不利な状況で鍔迫り合いの状況になる)(この剣術、間違いない、流派ないが戦い方は刀系剣術型の
マイテイ人…!)うおぉぉぉおおおお!!(気合いを入れるように声を張り上げ、セルゲイを刀ごと宙へと吹き飛ばすと、追撃するように自身も飛び上がりX字斬りを二回繰り出す) 」
セルゲイ「チィ...ッ!(押し上げられる直前『競り負ける』と判断し宙へ放り出されるが直ぐ様態勢を建て直して同じようにX字斬り放って全く同じ技同士が火花を散らしてぶつかり合い、その反発を利用してあえて吹き飛ばされ距離を取り二回目のX字斬りを回避、そのまま背を地に向け落下していく)頑張るねェ、何がそこまでアンタを奮い立たせるんだ?青年 」
レインド「スタッ!(空ぶると追撃を予想した状態で剣を構え、そのまま着地)また一人、友が死ぬ。そんな世界に嫌気が差したからだ(鋭い目つきは変わらず、自然とルーベンスに背を向け護るような形で常々戦っている) 」
セルゲイ「.タンッ(同じく着地し、刀を肩で弾ませる).....へェ? つまりアンタにゃ嫌気の差したこの世界にまだ失う物がある訳だ(笑みを含んだまま透かさず接近しレインドとの距離を限りなく縮め下段から刀を振りかぶる)成る程、ならアンタからはまだまだ奪ってやらねェとな 」
レインド「んだとッ――!!ザシュッ(急な斬撃に歯を食いしばりながら後ろに体勢を乗せ、
灰色の戦士の証であるシンボルマークの部分に斬撃痕が出来、その部位に血が滲みだす)ドラァ!!(後ろに引いた体勢からセルゲイのその顔面へと憎たらしいという感情を含んだ正拳突きを繰り出す) 」
セルゲイ「ガンッ 俺は殺し自体は趣味じゃねぇ、だからあえてあのガキはまだ生かしてやった(正拳を放ったレインドの腕に刀を持った手の甲をぶつけて憩いを殺し首を捻って拳を素通りして更に接近し片腕でレインドの首を鷲掴みにしてそのまま地面へ叩きつける)だがそれじゃ足りねぇって事はよォーくわかった。これは俺のミスだ。よォーく反省してアンタをボコした後、じっくり時間をかけてなぶり殺しにしてやる。いぃーい声で鳴くぜありァぁ 」
レインド「グッ!!ドハッ!!(首だけでなく全体に感じる圧迫感から掠れた声をあげ、目を細め歯を食いしばる)――(セルゲイのその声、表情を目にすると、命を握られている状態だというのに『殺意』を抱いた瞳を見せ)――ドゴァアア!!(その体勢からセルゲイの腹に無理矢理蹴りをぶちまける) 」
セルゲイ「ーーーー!!(レインドの抱く殺意に毛が逆立ち)おグゥッ!がッ....ァ...!(咄嗟に膝を上げて蹴りを受け止めるが想像を絶する衝撃に圧倒され地表を抉って後ずさる)...~~痛ゥ...ハハハ、ハ...ンだよ、出来るじゃねねェのそォいう目、まだまだ俺の求める物には及ばねえが、その片鱗は確かに見せてもらったぜ 」
ジャカンジャカンジャカンジャカン……(山から聞こえる程近い位置から、荷物列車が走る音が響く)
レインド「哀しい…哀しい目をしている……(呟くようにセルゲイに意味を述べず、ゆっくりと立ち上がり仕切り直すように刀を一振り)……(後ろにいる
ルーベンスへと視線を向けた後、セルゲイへと視線を振替す)…ダッ!(即座に後方へと駆け出し、ルーベンスを抱きかかえ、列車の音がする方へと大きく跳躍して山から飛び降りる) 」
セルゲイ「...ピクッ(レインドの呟きを耳にし彼の姿がセルゲイのよく知る『誰か』と重なり一瞬絶句し佇む)........ッ....ハハハ、アレに飛び乗るか、そいつはそのガキにとっちゃ地獄への片道切符だぜ、青年ッ!(後に続くようにして山を飛び降り剥ぎ取った廃屋のドアの上に乗って斜面を滑走) 」
レインド「ダンッ!!(荷物列車、3両目の屋根に着地し、列車の繋ぎ通路の間に降りてルーベンスを下ろす)待っててくれ…(すぐに列車の上に登ると、左手に持った刀の刃を光らせ敵が来るのを静かに待つ) 」
セルゲイ「ッ ガ ァ ン(ドアの上から飛翔し列車上に着地。後ろに束ねた髪が音もなく揺れ、暁が手にした凶刃を黄金色に染め上げる)....昔、人生を列車に例えた男が居た(一歩一歩、殺気を研ぎ澄ませレインドに歩み寄っていく) 」
レインド「……(変わらず黒い瞳でセルゲイを見据え、アンバランスな列車の上でしっかりと軸をつくり構える) 」
セルゲイ「ッダァン!!(二度目の踏み込みで一気に間合いを詰めて立ち止まり手始めにと言わんばかりに斜めに切り下ろす小振りな一閃)後戻りは許されず、止まれば何も存在しないレールの上で背負った命を干からびさせる 」
レインド「ギャイン!!(刀で一閃をたたき落とし、そのままセルゲイの顎めがけ刃を振り上げる) 」
セルゲイ「ザンッ(直ぐ様勢いをつけてしゃがみこみ僅かにスライドして髪を僅かに切られるだけに終わり、すかさず追撃。一撃一撃を振るう度に両手を駆使し刀を回転させ巧みに操りながら全く継ぎ目のない連撃、隙のない猛攻を仕掛け静かに語っていく)立ちふさがる障害は躊躇わず壊さねば進むことも抱え込んだ者を守ることもできない。そうやって積み上がる敵の屍という薪をくべて、後ろから迫り来る憎悪や悲しみから大事なものとテメェの命を守るためまた走り続ける、目前の敵を食い潰してな 」
レインド「ガァン!ズガンガンガン!!(後退しつつその一つ一つの攻撃に刀で対処していき、表情を歪める)チッ!(セルゲイの言葉に耳を傾けているかは定かではないが、その人物を自分と比べ歪んだ表情がさらに歪む) 」
セルゲイ「だがどうだ....。幾ら進んだところでその男が望む場所へは辿り着けたか?テメェが背負った人間達の敷いたレールはテメェが選択した道だったのか?この誰もが己の正当性を主張し続ける世界で与えられた価値観に従い汚れ役を背負い、血で錆び付いた車輪でひたすらに走り続ける、何処かで聞いたような人生じゃねぇか....なァッ!(猛攻の続く最中刀を幾度も回転させ一旦後退し両手で握った刀を縦一文字に降り下ろす) 」
レインド「成る程なァ…そんな人生迎えている男の気持ちは理解は出来るぜ…(セルゲイの攻撃により裂かれた肉の部位から血は流れ、戦士の証は血の色に染まりだす)だがな、そいつの物語はまだ終わっちゃいねぇ……(刀を横一文字に振り、息を整える)まだ、俺の人生は完成していない 」
セルゲイ「....そいつはおもしれぇな、あの男の物語がまだ終わってねェなんてのは信じがたいが....(同じく刀を真一文字に降り、呼吸を整え直す)テメェまた、アイツとは違った結末を見せてくれるのか?この敷かれたレールの上で 」
レインド「夢を見るからこそ、人生は輝く(『結末を見せてくれるのか?』の問いに対して)レールなんて狭いルートに縛られる程、俺の人生は小さかねぇんだよ(前髪で隠れた瞳には先ほどよりも強い”殺意”が込められる)行くぞッ!!! 」
ズドオオオォォッ!!(突如、レインドとセルゲイの乗る三両目の中央から爆音と共に爆煙が舞い、列車が大きく破損し飛び上がる) 」
ガタンガタンガタン…(2両目から先はその爆発に何も示さず、ルーベンスを乗せて線路を走っていく) 」
レインド「――ッ!(突然の爆発で目の前が白と赤の混じった世界へと変化し、その風に飲まれ列車から放り出され線路外の崖へとたたき落とされる)グッ……!ルーベンス!!(ルーベンスを乗せた列車を大きく開いた目で追い、走り抜けようとするが、先ほどの戦闘と過去の傷が唐突に痛覚を刺激し片膝つき列車を見送る)……ルーベンス……そのまま…どうか無事で居てくれ……(歯を食いしばりながら体の限界を感じ、息が乱れ始める) 」
セルゲイ「.クッ....ハハハ、ハハハハ....!わかってねぇな!だからお前の人生には結末が見えてるんだよ!....テメェは、レールから、世界から拒まれた人間の.... 末 路 を 知 ら ね え ん だ よ ーーーー(半ば自虐的な笑みを浮かべ炎に飲まれる、その爆発を予知していたかのようだった) 」
レインド「き、貴様……(炎に飲まれながらも饒舌に語るセルゲイを見据え、半分「信じられない」というような表情で呆気を取られる) 」
レインド「……(セルゲイの言葉が何度も脳内を反復)…………(燃え盛る紅蓮色の業火を瞳に映し、傷ついた脚で線路に沿って歩き出す)末路なんざ……死ぬ時に分かりゃ十分だ…… 」
To be continued...
最終更新:2014年10月18日 21:16