Judgement Of Kings 過去ログ4

大変お手数ですが真下よりご閲覧ください


続き




それがしの死は…無駄にはならない… …それがしの"侍魂"は、きっと幸一郎殿たちに届いたはずでござるよ… ――――――今は研ぎ澄ますのだ。やがてその"刀"を振う時まで…


ギコ侍「――――――――――――――――― 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖あーあー… 『にぃ』に美味しいとこ取られちったね。〗【ねー。】〖でもこれで、とりあえずはしゅーりょーってことで、おーけぃ?〗【うんっ!また『にぃ』にお仕事もらわないとねっ。その前にご飯食べなきゃー。】〖スパゲチ~♪〗【スパゲチー!♪】『――――――ダンッ』(虚空を蹴ってその場から消え去った) 」

ギコ侍「―――――!!! がふ…ッ…!!!?(強烈な凶刃をその身に刻まれた瞬間、全身から血飛沫があがった)(ぐ…ァ…ッ……!それがしはまだ… 倒れ―――――)―――――うぐ…ッ…!!!!? がッ……はあぁ…ァッ……!!!(道化師の死角からの攻撃に遭い、無残にも心臓を抜き取られてしまう。強く握ったはずの刀を手放してしまい… 力なく地に倒れた) 」

幻影の道化師「ズ オ ッ ――――――――――――ズグシャァ…ッ…!!(ルリとマリの二人がそのままギコ侍の前を過ぎるタイミングで彼の目前に迫った。そして、手刀で胸部を貫くと同時に心臓を抜き取った)……ブシャァ…! スンッ…!(彼の身体から腕を離し、後退跳躍して宙へ舞い、歪みとなって消えた) 」

〖ルリ〗&【マリ】:『スッ――――――(ギコ侍の行く手を阻むように横から現れる)――――――はいっ☆お死まい★ ズ シ ャ ァ ッ ! ! !  ダ ァ ン ッ ! ! ! 』 (二人の苛烈な一撃がギコ侍の身体を抉った) 」

ギコ侍「―――――――――――――!(スローモーションの中、道化師が微かに笑みを零したような動作に、目を見張った) 」

幻影の道化師「―――――――――――― ニ ヤ ッ ―――――――――――― 」

ギコ侍「……(……願わくば、それがしよりも長く生きていてほしい…!貴殿らにはまだ輝けるものがある… それを失わせてはならぬのだ…… 決して…ッ……!!)(去り行く二人の影を背に、瞑った瞳をそっと開けた)…覚悟はとうにできている。それがしの太刀に狂いも迷いもなし…―――――――――――――いざ、行かんッ!!!! ドゥンッ!!!!!(刀を強く握りしめて勢いよく地面を蹴りあげた)ぬおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーッ!!!!(幻影の道化師に構えた刀を振り下ろそうとするが――――) 」

幸一郎「ギ―――――――――――――    …………く………くそぉぉぉぉぉっ………!!(今の自分にはもう何も出来ない事を確信し、スカーフィと共にその場から去って行く)………クソ………クソ…………  ………頼む………死なないで…………!(駆け出しながら、涙を流し 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖あっ、また逃げられちった…〗【ちったね…】〖あれ追いかけたら『にぃ』に怒られるかな〗【うん、だって『にぃ』が本当に殺りたかったのは――――あの猫さんらしいしね。】(そう言って残ったギコ侍を二人で見つめる)〖じゃあ、三人で仲良くいただきましょうっ♪〗【そうしましょうっ♪】『―――――ジャキャッ…!!!!』(長い袖から各々の獲物を突出させる) 」

スカーフィ「……!(ギコ侍の一括にビクリと驚き、改めて彼の雄姿を目の当たりにした)……わかった…ニャ… ……逃げるニャ。ボクが手を貸してあげるから…!(躊躇いの色を浮かべながらも、決断した表情で勢いよく踵を返し、振り返ることなく幸一郎と共にまっすぐに駆け出した) 」

幸一郎「―――――――――――――!!(ギコ侍の目に、計り知れぬほどの"覚悟"を感じ取って)………待って………ギコ侍さん………待って―――――――――――――――――(立ち上がろうとするが、ルリの攻撃によって折られた腕や足は言う事を聞かず、持っていた武器もバラバラに砕け、どう足掻いても成す術のない、まさに"無力"だった――――――――――― 」

ギコ侍「――――――" 侍 魂 は 死 な ず "…ッ!!!(二人に一喝し、腰に携えた刀を勢いよく抜刀し、三人の悪魔たちに向けて臆せず構えた)それがしは死にに行くのではない。……行くでござる… 明日の『我等』(黒国)をつくるのは貴殿等ぞ…!!(力強い表情で) 」

スカーフィ「あっ!アイツら…さっきの…! ていうことは、本当に仲間だったのかニャ…!(ルリとマリ、そして幻影の道化師を交互に見て悔しそうに歯ぎしりする)……!君はどうするんだニャ!?まさか…君一人であいつ等に立ち向かう気かニャ…!?無茶だニャ!!(ギコ侍に) 」

幸一郎「!!―――――にぃ――――――――――――!?(こいつが………あの2人の言ってた『にぃ』………!?)…あっ……(道化師の行動を警戒している最中、ギコ侍に下ろされて)………ギコ侍さん………何を………?」

ギコ侍「……!(しばらくして我に返る)こ、ここはとにかく退散でござる!仲間の命が大事でござ―――――!(復帰したルリとマリを見て、さらに表情が曇り始める。幸一郎を下ろし、静かに彼とスカーフィに耳打ちする)……二人とも、ここはそれがしに任せ…貴殿らは先に帰国するでござる。そして、王にこの事態を急ぎ報告するのだ…! 」

BGM♪


幻影の道化師「 ズァキィンッ!!(鉄の唸る音をあげながら再び大鎌を肩にかける)……(ルリとマリの二人の声に反応しているのかどうかは不明だが、じっと微動だにせず黒の者たちを静かに見据えている)――――――ス… (そして黒の者たちをそっと指し、"死の宣告"を与えた) 」

〖ルリ〗&【マリ】:『―――――――――あ、みっけ♪ ドシャアアアアアアァァァァァーーーーンッ!!!!!』(宙へ舞った多くの樹木と共に落下し、一同の前に再び姿を露わした)〖はれれー…? …あっ、『にぃ』♪♪〗【『にぃ』だっ♪『にぃ』も来てたんだっ♪】(二人とも、幻影の道化師を見てきゃっきゃっと騒いでいる) 」

幸一郎「えっ――――――――――――   !?(一瞬の出来事に気を取られながらも、上空を見上げ、あまりにも有り得ない光景に絶句し)(何が起きた………何だこれは………何でこんな事に――――――――――――  あいつが、やったのか……?)(道化師の方に目をやり 」

スカーフィ「な…なな… な…ッ……??!(目に映る世界をどう言葉で表せばよいのか解らず、ただ愕然としている)にゃ…ニャ…ッ…!!ニャッ、にゃんだアイツ…ッ…!?あっ、アイツもさっきの奴らの仲間かにゃ…ッ!?(大汗) 」

ギコ侍「――――――――――――――はっ!(気付いた時には目の前に広がっていた緑の世界が消えてしまっており、状況が呑み込めないまま恐る恐る上空を見やった)―――――――なッ…!!!??(宙を舞う樹木、その奇想天外な光景を見て酷く唖然とした) 」


―――――――     ズ     パ     ァ    ッ    ――――――― (信じられない光景が広がった。あれほど多くの樹木が生い茂っていた森が、瞬いた後には既に宙へと舞い上がっていた。"道化師の繰り出した一閃で、森全域が伐採されたのだった"…)


幸一郎「…………!(何だ、あいつは………そして、この異常なまでの邪悪な気は一体………こんな奴、今まで見た事が無い………!)(道化師の姿を見て 」

幻影の道化師「  ス ン ッ  (肩にかけた大鎌で空を切り裂いた) 」



―――『お前』は一体彼らに何の"怨み"があるというのだ せめて教えてくれ それですべての者たちが救われるのなら… 『 幻影の道化師 』( ファントマ・パペット )よ…―――


ギコ侍&スカーフィ『―――――ッ!!! ズザザァーーッ…!!』(幸一郎の言葉でその邪気を察知し、一斉に静止した) 」


―――今度は『奴』に眼をつけられてしまった… 地獄だ もはや彼ら決して逃れられない―――


幸一郎「ツララさんが………  ……………本当に、申し訳――――――――――――  !!!(邪悪な気を感じて)………2人共、気を付けて……!! 」


ズ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ――――――(その瞬間だった。森を駆け抜ける黒の連中の目前の景色が歪み始めた。歪みを帯びた景色から――――醜悪な大鎌を構えた道化師のような人物が姿を露わした)


ギコ侍「左様…!(スカーフィの言葉に続き)礼など不要!今はそれよりも、しっかりと休まれよ!貴殿はここで朽ちてはならぬ!ここはそれがし等に任せて―――――― 」

スカーフィ「ツララが君のことを心配してから探していたんだニャ!(どうやらツララとは友人関係にある模様)敵が追ってくる前に何とかここを抜けだすニャ…ッ! 」

〖ルリ〗:〖あっ――――!!〗(攻撃の寸前で幸一郎が救出されたのを見て大きな声を出す)〖なにあの猫さん!?それはルリのおもちゃ――――きゃんっ…!!? ドサァ…!!〗(スカーフィの急襲を受けてうつ伏せに倒れ込んだ) 」

幸一郎「!………あなた達は………  どうして、ここに………?………いや、それよりも………ありがとう、ございます………。(ギコ侍に抱えられながら 」

スカーフィ「―――ンニャッ!! ドゴォッ!!!(ギコ侍と共に現れるや否や、ルリの後頭部を強く蹴り飛ばした)今のうちだニャ!(幸一郎を連れたギコ侍と共に逃亡を図る) 」

8頭身ギコ侍(以下:ギコ侍)「―――間一髪でござった!(幸一郎を救出し、彼を抱えてその場からの離脱を図った)無事でござったか、幸一郎殿ォッ!!!(一目散に木々を避けながら疾駆する) 」

幸一郎「(………! もう、ダメだ――――――――――――)(次の瞬間、何者かに抱き上げられ)――――――――――――――――――   !?(………生きて、いる………助かったのか………   いや、それ以前に………誰かが、僕を…………) 」


――――――ズシャァッ!!!(何者かがスライディングで現場に颯爽と現れ、幸一郎の身体を抱き上げて黒い物体から彼を庇った)


〖ルリ〗:〖あはっ☆ そぉれっ♪ ズァッ!!!(ルリの指示でその黒い物体は鋭利な刃状へと変形し、一直線に幸一郎に向かって飛ばされた)〗 」

幸一郎「………!(こいつ………ヤバい………!)(起き上がろうとするが、思いのほか体のダメージが大きく、思うように動けない)ぐ………ぅぅっ………!(クソ………動け………僕は………こんなところで…………!!) 」

〖ルリ〗:(軽い身のこなしで起き上がり、仰向けに倒れている幸一郎に向けて無邪気な笑みを見せる)〖ふぇ~…結構遠くまで飛ばされちったね。…あっ、でもこれでルリとおにーさんで二人きりだねっ☆いっぱい遊べるよ?♪ ズ ア ァ ッ … ! ! 〗(にこりと微笑むと背後で霧状のような黒い物体が飛散し、みるみると木漏れ日を覆い尽し、幸一郎の視界に闇を齎した) 」

幸一郎「(森の奥深くの岸壁の前で倒れており)……………ぐ………ぅ……………(何だ、今のは………何が、起きた………?) 」


弾丸化したルリをその身に受けた幸一郎は、森の奥深くまで吹き飛ばされてしまった。


幸一郎「――――――――――――――――――!!!!  がはっっ―――――――――(防御に使ったサーベルは砕け散り、ルリの体と共に数メートル先まで飛ばされる 」

〖ルリ〗&【マリ】:『ジャカ――――』(何を思ったのか、各々の獲物を袖にしまい込んだ)【じゃあ、いっくよ~!! そりゃっ!】(ルリの両腕を掴んで幸一郎に向けて砲丸投げを繰り出した)〖あっはは~~♪―――――ドゴォ…ッ…!!!〗(投げ飛ばされた幼いルリの身体… しかし、投げ飛ばされた瞬間に"ありえない速度で"幸一郎の目と鼻の先に迫り、そして、彼の身体に"重い砲弾のように"めり込んだ) 」

幸一郎「…………来るか。(サーベルを構え、攻撃に備える 」

〖ルリ〗&【マリ】:『え~!』(二人して幸一郎の発言に不満そうに嘆く)〖うーんー… もう仕方ないね。〗【ないね。】〖ルリたちも本気だしちゃおっか。〗【しちゃおっか。】(互いに互いの顔を身わせて、こくりと頷いた) 」

幸一郎「………(2人の顔色を見て)………そんな顔をされても、僕はまだ仕留められるわけにはいかないんだよ………こっちにだって、やる事があるんだからね。 (そう言って、武器を刀から2本のサーベルに持ち替えて 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖スタ―――― 早く仕留めないと、『にぃ』に怒られちゃうね。〗(着地後、不安そうな顔を浮かべながら幸一郎に刃を向ける)【ちゃうね。】(同じような表情を浮かべて、銃口を向ける) 」


カンッ キィンッ カァンッ!!!!(空中で手裏剣と銃弾が互いにぶつかり合い、火花が散る)


幸一郎「なっ―――――――――!?(すぐさまルリから離れ、マリの猛攻から逃げながら)(……さっきの手ごたえ………明らかに人間の、腕じゃない…………!)スチャッ…… ヒュンヒュンヒュンッッ!!!(走りながら、弾丸が飛んでくる方向目がけて手裏剣を飛ばし 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖ッ―――――――"ゴインッ!!" 〗(幸一郎の斬撃は、確かに決まった……しかし、刀が直撃すると同時に鈍い音を出した彼女の片腕は――――全くの無傷だった)〖…お兄さんの刀も、あのおねーちゃん(ツララのこと)とおんなじだ。 そ ん な に 痛 く な い ね 。 〗(けろっとした顔でウインクし、もう片方の腕を挙げて、マリに合図する)【あははははっ♪ ダダダダダダンッ!!!!】(別地点で待機しており、幸一郎に向けてマシンガンの如き猛撃を解き放っていく) 」

幸一郎「―――――――――遅い。  ヒュンッッ……(ルリの斬撃をジャンプで回避した後、ルリの刃に上に乗り)―――――――――――――――っ!!!  ビュンッッッ!!(ルリの片腕目がけて刀を振り下ろす 」

〖ルリ〗:〖――――お兄さん、おこだね。ズアッ!!!〗(爆煙から現れ、幸一郎を横一文字に切り裂こうと襲いかかる) 」


ヒュンッ―――――――――(爆煙の中で、二つの影が別れるのが見える)


幸一郎「―――――――スッッ…… ヒュビッッ!! ボカァァァァァァァァァァァァァンッッ!!!(マリの放った弾丸に向けて、爆弾付きの手裏剣をぶつけて相殺する)…………今の僕は、虫の居所が悪い………痛い目に逢いたくなければ、ここから消え失せろ。 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖タタタタ… タンッ! ほいっ! ギャリギャリギャリィッ!!!!〗(跳躍からの鮮やかな空中回転切りで幸一郎を牽制し、そしてすぐに離脱する) 【この前はよくもやってくれたなー!お返しの―――――"お年玉"っ♪ ボォンッ!!! 】(ルリが離脱するのを見計らい、銃口から、被弾し個所に大爆発を見舞う砲弾のような銃弾を解き放った) 」

幸一郎「…………(刀の柄に手をかけ)…………この前みたいに、手加減してもらえると思うなよ?(2人を睨み付け 」


BGM♪



幸一郎【黒の組織/Onyxis】 VS ルリ&マリ【無色の集団(ジョーカー)】


〖ルリ〗&【マリ】:【ねねね、マリ。また勝負しようよっ。】〖うんっ、ルリ。今度は負けないよっ♪〗『―――――――――どっちが先に狩れるか勝負っ♪♪ジャキャァッ!! ジャカァッ!!』(共に各々の武器を構え、二人同時に急接近を仕掛けた) 」

幸一郎「………はぁ………君たちと会うのはこれで何回目だ?(うんざりした様子で2人を見て 」

〖ルリ〗&【マリ】:〖ガサ――――あ…〗【ガサ―――――おっ…】(二人同時に茂みから現れ、幸一郎と遭遇する)〖この前逃げられちったお兄さんだね。〗【だね。】 」


――――【わぁいっ♪殺ったよぉー♪】〖わあん、ズルい!銃を使うなんてズルいんだよ~!〗(茂みの奥の闇――――幸一郎にとっては忘れる事も出来ない小悪魔たちの黄色い声が響く)


幸一郎「!!  ……………(一瞬動揺の色を見せるが、すぐに冷静になり)………君達も、懲りないね………。 」


パ    ァ    ン    ッ    ! (すぐ目の前にいたはずの鹿の身体が瞬く間に弾け飛び、残された肉片と血溜まりだけが残ってしまった…)


茂みから姿を現したのは… ただの、一匹の野生の鹿だった。だが、幸一郎がそれを見て安堵した瞬間――――――――――


幸一郎「…………出て来いよ、居るのは分かってるんだ……。(振り向く事無く、静かに呟く 」


――――――ガサ…(その時、幸一郎の背後の茂みが揺れる)


幸一郎「(森の中で、1人刀を眺めて佇んでいる)………奴は………僕がこの手で………必ず……………(そう呟くと、剣を鞘におさめ 」




幸一郎「……… チャキンッ(立ち上がり、刀を鞘に納めて)………僕は、奴らを決して許さない………あなたがあの世でどう思っていようと、もう僕は止まれないし、止まる気も無い………これから牙を向いてくる者は皆――――――――――  この刃の錆にしてくれる………   ガシャンッッ!!!(勢いよく扉を閉め、部屋を出る 」

幸一郎「………あの戦いを終えてからというもの、僕ちょっとおかしくなっちゃったみたいで………あんなに汚すまいと大事にしてきたこの美しい刀身を、遂に汚しちゃいましてね………もう、洗っても洗っても、全然落ちないんですよね………今では逆に、汚したくて堪らなくなってる自分がいるんです――――――――――――――   あなたや僕達を裏切った、あの野郎の血でね…………(刀を持つ手がかすかに震え、この刃を見据える瞳は、どす黒い憎しみの炎で黒く染まっていた――――――― 」


丁寧に研ぎ澄まされたその刃は、日の光に反射し、相変わらず美しい光を放っていた………しかし、その輝きはいつもと違い、微かに濁っていたようにも見えた………


幸一郎「………それと、暁さんに謝らなきゃならないことがあります………あなたは、この争いに終止符を打ちたかったんですよね………だからこそあの様な最後を選び、そして、誰にも仇を討ってもらおうとか、そんな事、望んでなどいない事、百も承知です………   しかし、申し訳ありません、暁さん………僕はその確固たる意志を、尊重してあげられそうにありません………(そう言って刀を抜き、窓から差す光で刃を照らし 」

幸一郎「(部屋の窓際に座り、窓から見える空をただひたすら眺めながら)………暁さん、見えていますか………僕達の国、何とか守れましたよ………まだまだ、油断はできませんけどね………… 」


その頃、Onyxis♞内部のとある一室では…



ミリア「……愚問でしたね。勇敢でないはずが無いもの。彼、こんなにも笑っていますもの(ルドウィッグへと、直接の返答はしていないが、眼で頷いて彼の最期を見据える)……ASさん、貴方は王様に伝言を。今一時、彼は我国の誇りを胸に新たな戦地へと向かわれた事をお伝えください…私は彼を在るべき場所へと還します… 」

AS「―――何となく、解る。『この場にいた者達』が教えてくれた。あの得体の知れぬ道化が暴れていたのを見て、きっと我先にと止めに行ったのだろう。勇猛果敢を地で行くような行動だ―――ああ。勇敢だった。 」

ミリア「…フォン…(剣を斜めに振り、血を落として真っ先にルドウィッグの亡骸の側に歩み寄る)……ASさん、彼は、勇敢でしたか? 」

AS「して、やられてしまった。(ギリギリ、と歯軋りをする)組織の仲間一人も、助けられぬとは。なんたる体たらくだ。こんな事、王が望むはずも無い・・・。くっ。(静かにだが、怒りに震えている) 」

獄将ルドウィッグ「―――――グブ…ッ…!!(辛うじて息をしており、二人の方へは振り向かず、青い空を仰いだまま荒い息を漏らしていた)ぜぇ……ぜぇ…… AS…殿……ミリ…ァさん… ……はぁ…はぁ…!!……我が、王と… 最愛なる女神…キュウカ様に…お伝えください…… ぜぇ……ぜぇ…… …ぐ…ッ…『あなた様の許可なく、勝手に逝かれたことを…お許しください』…… ……―――――――(その後、彼が微動することは一切なかったが、その表情から、感謝の意を込めた微笑みが絶えることはなかった) 」

幻影の道化師「―――――ドスッ!! ……!!(ミリアの死角からの高速的刺突が見事に腹部に突き刺さり、海老反りになって、初めて仮面から"吐血"した)ザキィーーン…!!(ASの斬撃でJOKER:Sが真っ二つに切断される)…ザッ…! パシュゥンッ…――――(二人から退くと、全身にジグソーパズルのような白い線が迸り、無数のピースとなって砕け、その場から消え失せたのだった…) 」

AS「(こいつ・・・!!)(その場の感情に流されそうになるが、瞬時に平静を保ち、発砲した後の隙を狙い道化師に対して斬り上げる) 」

ミリア「ストン(花壇へと着地後、影で目元は隠れ)―――ッ……貫いて……ッ!(ルドウィッグが犠牲となっているその今、道化師の隙を狙った細剣による高速的な突進攻撃を道化師の腹部目がけ襲いかかる) 」

獄将ルドウィッグ「(これで…よかったのだ… これこそが、私の――――)――――――!!!(心臓を握りつぶされた上、その心臓を抜き取られたことで、彼の中で、"最期"を覚悟した…)―――――(―――"生き甲斐"だったのだ…) バリィーーンッ!!! ―――――ドシャァ…ッ…!!(銃弾を受けたことで自慢の甲羅が破裂し、そのまま地に落下した) 」


BGM♪



幻影の道化師「――――――――ズグンッ…!! ド ッ ギ ン ッ ! (ミリアを仕留めるつもりが、彼女を庇い自ら犠牲となったルドウィッグの胸部を貫いてしまう。だが、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、無慈悲にもそのまま彼の心臓を強く握りしめた)ブンッ――――― チャキ… バ ァ ン ッ ! ! ! ! (そしてルドウィッグの心臓を抜き出すと同時に彼の身体を宙へと投げ捨てる。宙へと舞った彼にJOKER:Sの狙いを定め、発砲した) 」

AS「な―――(しまった、こいつ―――)(阻止しようとした時にはもはや遅く、ただ宙を舞う二つの影を見るだけだった) 」

ミリア「――(状況を把握した瞬間には宙を舞っており、不安定な態勢ながらもルドウィッグへと視線は固定されたまま)ルドウィッグ!! 」

獄将ルドウィッグ「グ…ぁ……(ミリア…さ…… 王…よ…… )(剣を失ったことで元に戻っており、彼女に担がれ戦場から離脱する)……(…私は… )―――――――!!(前方に現れた道化師、その凶刃をミリアよりいち早く認識し、そして―――――)くッ…うおおおぉぉ…ッ…!!!ダンッ!!(ミリアの両肩を掴んで花壇の方へと投げ飛ばす) 」

幻影の道化師「(隆起した地面から逃れるように、土や花と共に上空へと舞った)―――――――(スローモーションとなった世界の中で、ルドウィッグを担いだミリアの姿を捉える)―――――――― ズ ッ (一瞬でミリアの前方に現れ、丸腰である彼女の胸部を貫かんと襲いかかったが…)」

AS「く、速い―――(とてもではないが眼だけでは、追いつけんが・・・!何も、俺の情報源は眼だけでは―――)(音と気配と空気の流れで感じ取り、武器の受け流しと回避では捌ききれぬ事もあるが自らの被害を多少抑える)問題ない、これしきの手合いは一人でも堕ちん。(などと言う隙を見事に突かれ、回避が散漫になり左のわき腹に一撃入る)―――ええい、鬱陶しい―――『止まれ』ぇッ!!(ただ力任せに、右腕で地面を殴りつけ、強烈な衝撃と共に地面を隆起させて動きを止めようと試みる) 」

ミリア「(でもこの状況下においては真っ先に行うべきは……)グッ…(ルドウィッグを担ぐと、辿々しくも戦闘区域から離れる為に反対方向へと進み続ける)ASさん、すぐに加勢します!一時を耐えてくださ――ッ(見えない刃は頬や腕を霞め、小さくも恐怖が植え付けられ表情が歪む)ルドウィッグさん、死なないでください。貴方は王にとって必要な人なんです……! 」

獄将ルドウィッグ「AS…!!……!!(消えた…ッ…!!?)―――づァ…ッ…!!(道化師の速撃を一身に受け、刀で防御を試みるが…)ピキ…ピキキ――――パキィィーーン…ッ…!!!(あまりの猛撃に刀が耐えられなくなり、刃が破損してしまった) 」


―――――ズザァキィィンッ!!!(ASの“能力破棄”が成功したのかどうかはともかく、高速移動を繰り返す道化師による斬撃は徐々に速度を増し、遂には手練である全員の眼ですら追いつけないほどの"凶刃"が縦横無尽に襲いかかった。一同の血や衣服の破片、そして周囲に咲いている花々が、庭一帯に舞い散った)


AS「空気の流れが―――(不自然に動いた、こっち―――予想より速い、間に合わん・・・!)くぁッ!!(瞬時に移動した時の不自然な空気の流れと音で場所を察知する事はできたが、その手刀への対応が遅れてしまい回避はならぬと判断し左腕で受ける)く・・・先程の『あれ』をされては厄介だ、『汝の技、我が力を代償に放棄せよ』(『能力放棄』を発動し、先程の予知攻撃を対象にして『放棄』する) 」

獄将ルドウィッグ「み… ミリ…ァ…さ……(意識が朦朧としている中で彼女の顔を捉え、ふっと弱弱しい笑みを零した。だが、彼の生の鳴動は既に終わりへと、刻々と迫っていた…) 」

幻影の道化師「――――――――― ズ ァ … ! (しかしASの思い通りにはならず、残像ができるほどの素早い速度により一瞬で彼の背後へ回った) ザキィンッ!!!(鋭い手刀でASの背を斬りつけ、そのまま残像を残して高速移動する) 」

ミリア「貴方は休んでいなさい(桃色の長髪から相見える淡い空色の瞳をルドウィッグへと向けており、ゆっくりと姿勢を立ちにへと変える)貴方の代わりに、私が頑張ります(折れそうな細いラインながらも、凛々しく細剣を横に構え目を光らせる) 」

AS「(とにかく、スキを作り、そこのへばっているのが逃げるチャンスを―――)(幻影の道化師の動きを阻害するために、出鱈目ではなく、視界や脚といった部位に向かって剣を投擲し続ける) 」

獄将ルドウィッグ「(俺ァ…まだ……――――)―――――!!……ぁ……ぁあ…!(その人物の顔をゆっくりと見上げ、そして、驚き隠せぬ表情となった) 」

幻影の道化師「クルン―――――バァンッ!!(大鎌を振うと、トランペット型ショットガンのJOKER:Sに変形し、目前まで迫ってきた8本の剣を銃撃で弾き飛ばした) 」

No Date.6「大丈夫よ、ルドウィッグ……貴方はよく戦いました(全員の意識外から急にその場に留まっており、起き上がろうとしているルドウィッグに手を添え、小さく呟く) 」

AS「(―――不幸中の幸いか、絶命はまだしていない。となれば・・・)ふんっ(両手の指の間に挟めるだけの剣を挟み(計8本)、それを幻影の道化師の視界が隠れるように意図して投擲する) 」

獄将ルドウィッグ「ぐ…アァ……!(未だ自身に降りかかった災難を受け入れることができず、悶えながらの吐血を繰り返している)……ガッ…! ぐ…グ…ッ…!!(土の地面に強く指を指し込み、必死に起き上がろうとする) 」

幻影の道化師「ス――――ジャキャァ…ッ…!!!(片方の掌を払うと、ルドウィッグの全身から突出したあの針のような刺剣が何本か出現し、投擲された剣を相殺するように投げ飛ばした) 」

AS「(やはりこいつ、何かまだ隠し持っていたか、この予言にも近い『技』記憶したぞ。)しかし。(仲間は倒れたが、迂闊に助けに動けば今度は俺が危険に晒される。あと一人居れば―――)(けん制をするように、無銘の剣を道化師に二本投擲する) 」

獄将ルドウィッグ「――――――??(突如全身の力が抜けて、視界が転変する―――)……ぁ… …ガ……ッ……(落下しゆく際、赤い滴が目の前に降り注ぎ…それらとともに地に落ちた)……かッッ…は…ッ…!!(そしてはじめて、自身が仕留められたことを認識し、激しく吐血した) 」


――――― ズ ブ シ ャ ァ ッ ! ! ――――― (刹那、ルドウィッグの全身から無数の針が突出した。彼の血で真っ赤に染まる無数の棘――――――それはまるで彼岸花の如き"死の芸術"を象っていた)


幻影の道化師「―――――― グ ッ ―――――(迫りくるルドウィッグに向けた掌を、握った) 」

獄将ルドウィッグ「ハァハハハハ…! じゃあ、俺様が先に仕留めてやるぜ? シュダンッ!!!(お得意の先制攻撃で、再び道化師に刃を向ける)この速さなら避けられまい―――――――――(勝利を確信した、その瞬間だった――――) 」

AS「む。(どうやら相手の武器は耐久の概念は無いらしい、無力化はムリか。)あまり増長するな―――敵はまだ生きている。未知の存在だ、何をするかもわからん。 」

幻影の道化師「クルン―――――(大鎌を振うと、先程まで亀裂の生じていた刃が元通りに直った)――――――ス… (しばらく二人と対峙すると、ルドウィッグを静かに指差す。それは、これからルドウィッグ自身に起こる悲劇を予知したかのようだった) 」

獄将ルドウィッグ「ヒャハハハハッ!!どうってことはねえ…!このままねじ伏せてくれるわっ!!(ASの横に並び、刀を肩にかける) 」

AS「どうやら様々なものに変質する『異質なもの』らしいな、良かったじゃあないかお前。『現』に嫌われたぞ(幻影の道化師を視界の中央に定める)さて、『お前も嫌われてくれるか』? 」

幻影の道化師「ギャリリリ…ッ!!! ピキ…ッ…(ASの『現』により大鎌の刃に僅かな亀裂が生じる)ズシャア…ッ…!!(背後からのルドウィッグの急襲を"背に受け"、ASとの鍔迫り合いから離脱する) 」


獄将ルドウィッグ「いただきだァ!!ヒャーーーハハハハッ!!!(背後から道化師を切り裂いた)


ガギャッ、ガガガガッ!ガリガリガリ!!!(変質した鎌に対して『現』がまるで拒絶するかのように、その鎌の刃を強烈に傷つけ始める!)


幻影の道化師「クルン…―――――ガキィィンッ!!!(JOKER:Sを振り回すと一瞬で最初の大鎌『JOKER:E』と成り、ASの突撃を受け止めた。なお、背後から迫るルドウィッグには気づいていない模様) 」


ドッガアアアアァァァーーーーンッ!!!!(レーザービームはそのまま城の壁に被弾し、大きな風穴を開けた)


獄将ルドウィッグ「(んなっ…見えな――――)―――ぐぁ…っ!!(蹴り飛ばされ壁まで転がり激突する)ッデぇな…(起き上がると同時に、刀で空を切る)おいおい…あれはただの銃じゃなかったのか…?(汗(道化師の持つ銃に驚嘆しながらも、背後を討たんと再び接近を試みる 」

AS「―――カラクリ仕掛けの武装か!(小さな歯車を動かしたのを確かに見て、『何かする』という意識と適度な距離を保ったのが功を奏して手の内を少し知ると同時にしっかりと回避行動にも移れ、回避を行う―――だけではない。そのまま幻影の道化師の方へ突撃する) 」

幻影の道化師「フッ―――――ドガッ!!(ルドウィッグの接近に合わせてこちらも同様の動きをし、目前に迫ったところで素早く背後に回り込み、甲羅を目がけて蹴り飛ばした)キャリ…キャリ…(JOKER:Sの持ち手付近にある小さな歯車を回し、再びASに銃口を向ける)―――― ビ ュ オ ワ ァ ッ ! ! ! ! (銃口から放たれたのはただの拡散弾などではなく、着弾した個所にすさまじい爆発を巻き起こすレーザービームだった) 」

獄将ルドウィッグ「ぬぐぅ…ッ!! ギィインッ!!(刀を振って弾丸を弾き返す)こざかしいッ!!鉛玉如きでこの俺様は殺れねえぜ!!ダァンッ!!(爆発的な脚力で接近を試み、刀を振りかぶる) 」

AS「易い動きだな(正面からの射撃、どう考えても命中しようのない状況で、弾丸を『現』の刀身を滑らせるように上空へ受け流す)随分とまた、変わった客が来たものだな。(ヤツの存在に『現』が反応を示している。うかつに手を出すより、ヤツの特徴を何か掴めぬか。―――眼を凝らしてみるとしよう)(こちらの間合いでもなく、相手の射撃が効果的な位置でもないような、中間を保つ) 」

幻影の道化師「スチャ―――― バ ァ ン ッ ! ! ! チャキ…バ ァ ン ッ ! ! ! チャキ…バ ァ ン ッ ! ! ! (参戦したASに動揺する素振りを一切見せず、構わずトランペット型のショットガン『JOKER:S』を構えて二人に発砲する) 」

獄将ルドウィッグ「……!!A…!(ASの参戦に少し安堵する)…ッ……!(何だァ…ありゃァ… 楽器に見せかけた、強烈な殺傷力を持つ武器と見た。)(崩壊する柱を一瞥し、冷や汗が頬を伝う) 」


―――バ ァ ン ッ ! ! ! ガララ…ッ…!!(ルドウィッグに回避された拡散弾はそのまま廊下の柱に直撃した。驚くことに、ただの弾丸でその柱の一本が崩れ落ちたのだった)


獄将ルドウィッグ「ッ―――――!!? ズァ…ッ!! (緊急回避で弾をすれすれで回避する) 」

AS「『現』が反応を示している、この辺りに異常反応が―――大当たりらしいな。(無銘刀『現』をレーダーのように持ちながら、庭までやって来る)随分と派手にやってくれたな 」

幻影の道化師「タ ン ッ ―――――(ルドウィッグの接近と同時に対抗し、トランペットを向ける。よく見ると持ち手付近に銃の引き金のようなものが施されており、その引き金にそっと指をかける)――――― バ ァ ン ッ ! ! ! ! (強烈な炸裂音と共にトランペットから解き放たれたのは拡散弾だった) 」

獄将ルドウィッグ「くッ…(ここは王への報告が優先か… 否、そうしている間に犠牲者は増え続ける…!ここは、この私が確実に仕留めなければ…!)物言わぬ道化師か…よかろう。ならばこの極将ルドウィッグが、直々に裁きを下してやろう!――――我が刃の御心のままに…!!ズアッ!! (腰に携えた刀を抜き出し、その切っ先を道化師に向ける)……クククッ… クヒャヒャ…ッ…! ヒャーーーーハハハハハハッ!!!!泣いて詫びいても許さないもんねぇーーッ!!!(案の定豹変し、タンッと踏み込んで一気に間合いを詰める) 」

幻影の道化師「  ギ  ャ  ン  ッ  (肩にかけていた大鎌を振り回すと、それは一瞬で楽器のトランペットと成った) 」


VS 幻影の道化師(ファントマ・パペット)【※所属不明※】


――― 舞台に招かれた… あいつらはもうお終いだ… もしもこの世に神様がいるのなら、切実に祈りたい。どうか、あいつらに加護を… 『奴』の魔の手から逃してやってくれ… ……『 幻影の道化師 』( ファントマ・パペット )から…―――


獄将ルドウィッグ「ッ――――!!!?(多くの兵士たちの帰らぬ姿を見て酷く驚愕する。そして…)……!! ジャカ…ッ!! (屍を取り囲むように立っているその『異質な存在』から醸し出される異様なオーラを察知し、刀の柄を握る)貴様…何奴!! どうやってこの城に侵入した…いやそれよりも、一体何をしでかしたのか、わかっているのか…ッ!!!?(険しい顔つきで怒号を飛ばす) 」


BGM♪



―――嗚呼… また、『奴』に出会ってしまったのか… もう絶望からは決して逃れられないことがわかっただろう―――


幻影の道化師「  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  ォ  (紅い湖の中央でに佇むその者の被っている仮面は、転がっている屍を狡猾そうに嘲笑っているかのようだった)ユラ… (自身を中心に紅い水面に波紋が揺らめいている) 」


ルドウィッグが駆けつけてきた時には既に遅く… 彼の目の前には無残に惨殺された多くの兵士の屍が転がっていた


獄将ルドウィッグ「ッ――――!!(何事だ…!?)(断末魔を聞きつけ、草木を掻きわけて駆け出した) 」


ふぎゃあ…ッ!! あが…ぁ…ッ!! なっ、なんだ貴様――――グアアアァ…ッ…!!!(庭の遠く離れた箇所で、多くの兵士が何者かの急襲を受けている)


希望を取り戻したルドウィッグ――――――しかし、現実は再び彼を奈落の底へ突き落とそうとした。刹那…彼の耳に、『兵士たち』の断末魔が聞こえたのだった。


獄将ルドウィッグ「……(王や仲間の者たち、そして、キュウカ様の愛したこの国に、この先どんなことが待ち受けていようとも… 私はずっと守り続けていきたい。それが私の生きる道ならば…)(国の者たちを微笑ましそうに見つめ、仮面を被りなおした) 」

一般兵たち「(庭付近にいる二人組が、陽気に立ち話をしている) 」

庭師の女性「(一人で花々に水やりをしている) 」

獄将ルドウィッグ「(庭へと赴いて白丁花の花へと近寄り、跪いた)「白丁花」… キュウカ様がたいそう気に入っていた花。(優しい風に揺れるその花をしばらく見つめる)……この花は活気よく咲いている。きっとキュウカ様も、今頃はこの花のように…(そう呟いてふっと笑みを零した)…信じ続けよう、貴女様を。 」


色取り取りの花が咲いている、城内にある大きな庭―――――その中でルドウィッグの目に映ったのは、「白丁花」だった。


獄将ルドウィッグ「今の私には……――――――?(ふと、窓の外を見やった) 」


確たる証拠もない故に証言などできやしない… かつて命を救われた身であるのに、今、貴女様を救うことのできない、そんな私が憎い…ッ…!! …だから、今私にできることは、ただ貴女様を信じることしかできない。貴女様が、あの日巡り合った『貴女様』のままでいてくれるように…!


確かにあの組織は我々にとって脅威の存在、奴らが現れてからこの国は徐々に狂い始めてきた。決して許されることのない…。……しかし、たとえ、キュウカ様がその組織の一員だったからと言って、それが…それがなんだというのだ…!あの日、あの瞬間、私に見せたあの笑顔には偽りなどなかった。私には…私には、キュウカ様… …貴女様が我々に脅威を齎すなどあり得ない話なのであります。


獄将ルドウィッグ「―――だが、それがなんだというのだ。(回想する中で、いつの間にか彼の表情は次第に落ち着きが戻っていた) 」


だから… だから、そんなお方が、我々や人民に脅威を齎す大いなる存在の一員だったと聞かされた時は…それはそれは言葉には出来ない衝撃を受けました…――――


何故あの方の笑顔に惹かれたのか、今となればはっきりと解る。そこに私の生きる道を見出したからだ。あの女神に出会わなければ、今の私はなかっただろう。


思い返せば、あの日、ならず者であったこの私を導いて下さったのは…他でもないあの方だった。活き方を忘れ、生き方がわからなくなったあの頃の私にとって、キュウカ様はたった一つの光だった…。


ルドウィッグの中で、過去の出来事が脳裏に去来する。その間に、明るい笑みを見せる『彼女』の像が映った。


獄将ルドウィッグ「……キュウカ様…――――――(その名を呟いた時、力なさそうに天井を仰ぐ) 」

獄将ルドウィッグ「(おぼつかない城内の廊下を歩いている)…何故(なにゆえ)の事だ…?(以前の裁判に酷く衝撃を受けた模様で、珍しく仮面をつけずに額に手を添えている) 」


―――蒼秤総裁機構・城内―――


――――― 第 六 戦 開 始 前 ―――――


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最終更新:2015年08月19日 22:01