クロス×オーバー編 第五話 過去ログ④

大変お手数ですが、真下から閲覧してください。


戻る





――――――― 死 霊 の 山 『 カ コ ロ グ 』 へ … ―――――――





――――――― や は り 行 か ね ば な ら ぬ か … ―――――――




――――――― ま だ 更 な る 力 が 要 る ―――――――




――――――― ま だ だ … ―――――――




――――――― … … … ―――――――
















バサ…ッ……(閃光が消滅すると、雲ひとつない夜空に誰かのボロボロのマフラーが飛んでいった…――――)


ナナシア(ギコエル)「クハハ…ハハハ……―――――――――フハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」



┣¨                ォ               ッ                   (ペガサス国を襲った悲劇の閃光が再び解き放たれる。閃光に呑まれゆく国は跡形もなく光となっていった)



―――――――― “ 破 滅 の 閃 光 ” ――――――――



ナナシア(ギコエル)「……ギジィ…ッ… ジジッ…バジバジ…ィ…ッ…!!!(あるところで滞空すると、右の掌に禍々しい赤い光を帯びた電流が迸る) ここに一つの歴史が消え…新たなる歴史が刻まれる!(掌を勢いよく大地に向けて突きつけた)」


ペガサス国"だった"焼け焦げた黒い大地の上に、眩い光を放つ一人の『神』があった――――


ナナシア(ギコエル)「(元のギコエル体に変化し、土煙が立ちこめる大地を俯瞰した)……"英雄"も"絆"も…我の前では等しく下劣。だが感謝するぞ。貴様たちの力が、記憶が、それらすべてが我の糧となる…!さァ――――この地に讃美歌を響かせん。(神々しい翼を羽ばたかせ遥か上空へと飛び上がる)」

モララー → ####「(孤独……俺は…ずっと…………独…―――――)――――――ドシャアアアアァァァァァアアアアーーーーーンッ ! ! ! ! ! (虚ろな目が最後に捉えたのは夜空の中で怪しく笑む"自分の姿"。朱色の身体が徐々に白みを帯び始めた時、その強大な一撃に崩れ、声を上げる間もなく地に堕ちた)」

モララー「が…ッ…―――――――(なん…だ… ……意識が… 何も…見えねえ… ……俺は…おれ……は……―――――)(虚空を何度も握りながら、力なく落下し始める)」

ナナシア(ギコエル)「――― 我 、 君 ノ 名 ヲ 喰 ラ ウ 。(その口上と同時にモララーから手を引き抜くと、彼の中から血ではなく「無数の文字」が形となって鮮血のように溢れ出た。モララーの身体から湧き出た無数の文字は高速的な軌道を描いて無差別に動き回っていた)ギュオン――――― ズ ン ッ ! ! ! (力強く開眼すると浮き出た文字が吸い込まれる様にナナシアの額の中へと集束されていく。すべての文字がナナシアの中に取り込まれ、全身が痙攣した) ……ぉぉ…おお……!!(自身が吸収したもの、それはモララーのこれまでの記憶を文字化したものだった。彼の経歴が一瞬の内に脳裏を駆け巡る。その中に、『ギラティナ』『カコログ』『過去への帰参』などといった最近の記憶も飛び交い、自身は特にそれらの情報を見て愉悦に嗤った)よもや…このようなことが……ハ、ハハハ…クハハハハハハッ!!!」

モララー「ごふッ…あ…ッ……!!(…"闇"……だと…)(胸部に感じる氷のような冷たさと炎のような激しい痛みに顔が歪む)」

ナナシア(ギコエル)「スンッ――――――バサァ…! ! (モララーを追うように自らも宙へと飛び上がり彼の頭上に現れた)――――我は貴様の"闇"を知っているぞ。   ズ  グ  ン  ッ   (黒い嘲笑を浮かべると、閃光を纏った貫手で胸部を貫いた)」

モララー「ぐあああっ!ずッ…あぁ…ッ!!ああああぁぁッ…!!!…か…は……ッ…―――― ド ゴ ォ ッ ! !(渾身の一撃もナナシアの攻撃にかき消されて無駄に終わり、夜空の中に吹き飛んだ)」

ナナシア(ギコエル)「…見るに忍びないほど、醜い…嗚呼、醜いぞ、"英雄"。(ガッ ドッ ザァンッ ザキィンッ、ザキィンッ ズシャアアアァァッ ! ! ! !)(真剣ヴァジュラによる高速斬撃をもってモララーの突撃を無に帰した)―――ン゛ン゛ッ゛!(そして最後に、勢いのある薙ぎ払いで空中へと吹き飛ばした)」

モララー「はぁ…はっ…はぁ…ッ…!テメェ、は…どこまで……(立ち上がる)…俺の…仲間を……グッ (血が出るほど力強く握りしめ)…奪い続けるんだああぁッ!!!ナナシアあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーッ!!!!! ( ダ ァ ン ッ ! ! ! ! )(力強い一歩で瓦礫やほこりが舞い上がり、瞬間的な駆け出しによりナナシアに突撃した)うおおおおおおおおおあああああああぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!!!(荒れ狂う獅子のような形相で、傷だらけの拳で殴りかかった)」

ナナシア(ギコエル)「何度も言わせるなよ。我は『奴』の名を奪い、その力のすべてを得た。故に覚醒も、そして『真剣』もこうして我が物として使えたのだ。これですべて理解しただろう、我の偉大さが、絶対さが。そして我が―――――――誰も抗うことのできぬ"絶対存在"であることを…!!!(両腕を高らかと広げ大胆不敵に笑んだ)」

モララー「ぐはッ…ドシャァ…! !(踵蹴りがクリーンヒットし成す術もなく吹き飛んだ)ぜぇ…はぁ……!(なんだ―――)―――――!(神々しい武器を手にしたナナシアに対し驚愕の眼差しを向ける)…お、お前…な、なんで『それ』を……?!…ぃ、いくら変身能力があるからと言って…なんで『その力』が使えるんだ…ッ…!?今のてめぇは…確か、ギコエルといったか…ギコの奴があぼーん化した姿だよな… なら、『真剣』は覚醒を遂げた本人にしか使えねえはずだ…!何でテメェが――――(尋常ではないほどに強張った表情で問い詰めるが、その途中ですべてを理解したようにはっとなる。そして、わなわなと震えはじめた)……テメ…まさ、か……――――」

ナナシア(ギコエル)「“TURBO”と言ったか。その自慢の能力も見切られてしまえば使い物にはならん。ただ己で己の首を絞める結果になることだ、愚かしいことよ。ドゴォッ ! ! (横たわるモララーの腹部に強烈な踵蹴りをめり込ませ蹴り飛ばした)貴様の最期を飾る戦いだ、記念に我が神器を見せてやろう。光栄に思うのだ。……出でよ我が真剣―――――『ヴァジュラ』。 バシュアアアァン…ッ… ! ! ! (掌を前へかざすと電撃を纏った閃光が一文字に迸り、やがてそれは三尖槍へと形成された) グッ ギュルンギュルンギュルン――――― ザ ァ ン ッ ! ! (光の三尖槍「ヴァジュラ」を手にとり華麗に振り回した後、その切っ先をモララーに向けた)」

モララー「なッ―――――(TURBOが…見切られた…ッ……!!?)ぐッ…はぁッ…!!(カウンターを喰らい地面に倒れ伏す。その際体力に限界が生じたためか、TURBOが解除される)」

ナナシア(ギコエル)「(腕を束ねたまましなやかな動きでモララーの乱打を悉くかわし続ける。モララーの焦燥を窺っては、余裕の笑みを浮かべる)…飛び交う小虫の如き動きよ――――――ガシッ  ガシッ  (迫る無数の乱打を見切ったのか、顔面に届こうとしていたモララーの両腕を"掴み取った")――――その力にも既に飽いた。ゴッ―――ズドォンッ ! !(モララーの顎に膝蹴りを見舞い、素早い回し蹴りで吹き飛ばした)」

モララー(TURBO)「ッ……ッ゛……!!――――う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!(地面を拳で叩き割って立ち上がり、TURBOの能力を全開発動したことで全身から尋常ではないほどの蒸気が噴出した)―――“TURBO……ガトリング”ッッ!!!!!(ズギャギャギャギャギャギャギャギャッ ! ! ! ! ! ! !)(凄まじい高速殴打による連撃を炸裂させる)」

ナナシア(ギコエル)「ああ、ご察しの通りだ英雄『モララー』。この我が――――――――" 輩 共 の 名 前 を 奪 っ て や っ た "。(掌を額に当て、狡猾そうに嗤い上げる)」

モララー(TURBO)「はぁ…はぁ……まさか…テメェ……っ…――――――」

ナナシア(ギコエル)「(元のギコエル体に戻り、冷笑的な笑みを浮かべながらモララーに歩み寄る) どんな気分だ、貴様等の"絆"の力とやらを逆に味わうのは?いささか滑稽な話だ。」

モララー(TURBO)「ぐふぁ…ッ…!!(連撃と叩きつけによって激しく吐血してしまう)はぁ…はぁ…が…ふァッ…!(口元からどくどくと赤いものが溢れ出る)」

ナナシア(マーク)「Humm…てんで大したことないぜ。ドン―――ダダダダダッ、ドゴォッ ! ! (モララーが落下するよりも先に真下に回り込んで蹴りあげ、宙に浮いたモララーの腹部に連続チョップを叩き込み、最後にハンマーナックルで叩きつけた)」

モララー(TURBO)「ぐあ…ッ…!!(相打ちの衝撃に耐えきれずに吹き飛ばされ、そのまま落下する)」


ド        オ        ゥ       ッ        !       (モララーとナナシアの強烈な一撃が互いに衝突し合い、弾け、業火が空に舞い上がる)


ナナシア(ウィル)「―――二番煎じなんだよッ!!!(炎拳“バーンブリンガー”をモララーの一撃に合わせて繰り出した)」

モララー(TURBO)「ぐぁあ…ッ!!(地面に叩きつけられるがその反動をバク転で和らげる)はぁ…はぁ…(ダメだ…戦い辛ぇ… 本人でないと分かってはいても…くッ…そが……!!)く…ッ――――“アンビション” 硬化!! ドッギンッ ! ! ボオオォォオ…ッ…!! (両腕が黒く変色し硬質化し、アンビションを纏った拳が赤熱を帯びる)――――― “赤黒覚醒(クリムゾンドライブ)” ッ!!!!(再びあの燃え盛る拳による高速パンチをナナシアに炸裂させようとする)」

ナナシア(ヒロ)「逃がすか!!(能力で黒い土を操り、宙へ跳んだモララーの足を隆起した土で掴んで地面にたたき落とした)」

モララー(TURBO)「ぬぉあ…ッ!?(迫る閃光を跳躍回避する)」

ナナシア(霧雨魔理沙)「(再び輪郭が歪みを帯びる) どうしたよ、いつもみたいに笑ってみろよ。でなきゃ―――― 弱 く 見 え る ぞ ? ( ド シ ュ ア ア ァ ッ ! ! ! )(恋札“マスタースパーク”を直線状に放つ)」

モララー(TURBO)「…くッ…!(高速移動で回避するが…)ヅ…っ…(今まで蓄積された傷が疼き始め、苦悶の表情を浮かべる)」

ナナシア(オーシャンクロー)「さぁ…どうした、かかってこぬか。もたもたしてると―――こちらから行くぞ!ブンッ、ガシャアァーンッ! ! !(冷気を纏った鉤爪による乱舞を繰り出す)」

モララー(TURBO)「がァ…ッ…! ドサァ…! ! (地面に転がり倒れる)く…ッ…そが…!テメェ……(力なく立ち上がり、仲間に変身したナナシアに激昂する)」

ナナシア(オーシャンクロー)「――――おお、どうしたよ『英雄』よ。随分情けない面してるじゃないか。……ムゥンッ!!(戦慄で硬直したモララーに友好的な…否、何処か邪悪なものを含んだ奇妙な嗤いを浮かべて鉤爪で薙ぎ払った)」

モララー(TURBO)「(こいつは…こいつだけは…ッ…許さねェ―――)―――――!!??……ぁ……ああ…(ナナシアへ飛ばした拳の動きがぴたりと止む。目の前にいたはずのナナシアを見て、何故か恐怖を露わにした)」

ナナシア(ギコエル)「…ニヤ…(輪郭がぐにゃりと歪み、異質の姿へと変貌を遂げ始める)」

モララー(TURBO)「がフ…ッ…!!(刹那の中で流れゆく鮮血を過ぎ、痛みに耐えようと強く噛みしめる)……ああああああぁぁぁぁッ!!!(振り返りと共に殴りかかる)」


ブシャアアァ…ッ…! ! ! (モララーの胸部に×状の一閃が走った)


ナナシア(ギコエル)「運命が受け入れられないか…致し方あるまい、同情するぞ『モララー』―――――シュンッ ! ! (モララーが前方に迫った瞬間に姿が消え―――)―――――――――――ト…ッ…(彼の背後に現れる)」

モララー(TURBO)「はぁ…はぁ……――――――― ガ ン ッ ! (辺りを見渡す。焼け焦げた大地の上に倒れ伏す住人や仲間たちの姿を発見する。焦燥や悲愴、憤怒、そして己の無力さ…あらゆるものからなる無常感に苛まれ、ガツンと地面に強く頭突いた)―――――ぁぁぁぁぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛ッ゛!!!!(黒い地面に指ごと爪を突きたて、鋭い軌道を描きながらナナシアに向かって駆け出した)」

ナナシア(ギコエル)「"英雄"よ、貴様は己の力を信じ守るべき者のためにその拳を振い続けてきた。だが、それも限界の時が来たのだ。貴様が、貴様等が前にしたこの我は絶対者…抗うこと自体が罪であり、その罰は貴様らが思っていた以上に重いものだ。貴様等のその"絆"という得体の知れない力も、それを遥かに超越する我には無意味であったことだしな。…見せてもらったぞ、貴様等の"絆"とやらを。(圧倒的な嘲笑と共に見下す)」

モララー(TURBO)「はっ…はっ………ッ…(癒えていく傷に苦い表情を浮かばせる)」

ナナシア(ギコエル)「これで理解しただろう。もはや貴様は我に抗うだけの術などないことを。我は『神』、この世界に生ける者たちの名を奪い…絶対的な力を手にした君臨者よ。英雄も、戦士も、支配者も…我には決して届かぬ。ジュァァァ…(両出を広げ、先程胸部に受けた傷を見せつける。ナナシアが怪しく笑んだ瞬間に傷は徐々に癒えていき、完全に回復したのだった)…そして、我に触れることはできても、喰らうことはできぬ。これこそ、貴様が今まで対峙して来た者たちとは一線を画す力よ。」


―――――     ド      ギ      ュ      ア      ア      ァ      ッ      !      !      ―――――(モララーにかわされた黒い閃光はそのままペガサス国の上空を過ぎて遥か先へと流れ…―――――最果ての空を真っ黒に染め上げた)


モララー(TURBO)「(――――ヤベぇ…ッ…!!!)――――――ずあ…ッ…!!!(間一髪真横へ跳んで閃光から逃れる)」

ナナシア(ギコエル)「腑に落ちないか。ならば『神』が手本を見せてやろう―――――(構えを一切崩さずに掌をモララーに向ける。掌に赤黒の強大なエネルギーが集束する)――――― こ う 放 つ の だ 。  ドギュアアアアアアアアアアァァァァァアアアアアアアアーーーーーーッッッ ! ! ! ! ! ! !(赤い雷を帯びた漆黒の閃光を解き放つ。その大きさはモララーの放ったフルメタルレーザーの比ではなく、広大な夜空さえも呑み込んでしまうほどの凄まじいものであった)」

モララー(TURBO)「ッ―――――!!?(効いてない…ッ…!?)(ナナシアの様子を見て驚愕する)」

ナナシア(ギコエル)「ス…――――――ドグゥォオオオオオオォォォォォオオオオオーーーーーッッ!!!!!(迫りくる閃光を前に微動だにせず緩慢な動きで掌を前方に構え、片手だけでその閃光の全てを受け止めた)――――――― ぬるいな。(閃光が消えた後、全くの無傷であった掌から煙が沸いていた)」

モララー(TURBO)「はぁ…はぁ…ッ……―――――喰らいやがれェ…ッ!! キュアァァー…ッ…――――ドギュゥゥゥウウウウウウウウウウウーーーーーーンッッ!!!!(隙を突こうと瞬間的に前方に緑色の魔法陣を展開し、そこから極太の閃光“フルメタルレーザー”をナナシアに向けてまっすぐに解き放った)」

ナナシア(ギコエル)「タン…(黒い大地に悠然と降り立ち、屈むモララーを見下した)どれだけ動きが俊敏なものになろうと…思考回路が変わらなければ読むに容易いことよ。」


ズシャアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーン…ッッッ…! ! ! ! ! ! ! ! ! (ナナシアに斬り落とされたビル上半分の瓦礫が焼け焦げた大地に落下した)


モララー(TURBO)「が―――――ああああぁぁ…ッ…!!!!(ガッシャアアアァァァーーーンッ ! ! ! !)(ビルの窓ガラスごと壁を突き破り、反対側へと押し出されてしまった)ちィ…ッ!!(不味い…このままじゃ…落ちちまう…―――)――――“TURBOリジェクト”ォッ!!!(ドオゥンッ ! ! ! )(地面への衝突落下を回避するために、落下寸前に掌から衝撃波を放つことで落下速度を激減させ、見事着地した)…はぁ…はぁ…ッ…(しかし技の反動により僅かに吐血してしまう)」

ナナシア(ギコエル)「トン――――――ズシャアアアアァァァアアアッ ! ! ! ! ! (モララーが宙へ跳んだ瞬間に彼の横顔を掴み、そのままビルに向けて突き飛ばした)」

モララー(TURBO)「―――――ッ!!ぐ…ッ…!ダァンッ ! ! (力強く踏み込んでからの高跳躍でその凄まじい魔法を避けてみせたが…)」


――――ボギュアアアアァァァァァアアアアッッ…! ! ! ! ! (ナナシアの両の掌から螺旋状に渦を巻く火炎が解き放たれた)


ナナシア(ギコエル)「ほゥ…“混合魔術”か…(火炎と電撃が合わさった魔法を面白そうに見下ろしながら、目前に迫ったところを回避した)あれができるとはいささか驚いたが…所詮初級程度、我には届かん。ボォォォ…ヒュオアァ…ッ…! !  パキィィーーーーン…ッ…! ! (ニタリと怪しく笑むと両の手にそれぞれ火炎と風刃を生み出し、それをひとつに練り込む様に両手を合わせた)―――――混合魔術“ラファガ・ノヴァ”。(合わせた両手を前方に突き付けた)」

モララー(TURBO)「シュンッ…! ! (瞬間的な高速移動で斬撃を回避し、二つに分かれた瓦礫に一瞥を与えてもう片方の瓦礫に飛び乗る)…うらぁッ!!(ドシュアァッ ! ! )(火炎と電撃魔法を併せた特殊魔術を撃ち放った)」

ナナシア(ギコエル)「ン゛ン゛ッ゛!!(    ズ    パ    ァ    ッ    !    !    !  )(手刀による見えざる斬撃波を放ち、落下しゆく瓦礫ごとモララーを斬り裂こうとする)」

モララー(TURBO)「っるせえよ…このクソ野郎が…ッ!(鋭い眼光を輝かせながら身構える)」

ナナシア(ギコエル)「…この我の前に立ち塞がったこと――――――それ自体がおこがましいと知れ!!(常に余裕めいた表情をしていたが、初めて発した怒号で大気中に覇気が迸る。その後急降下飛行しモララーを急襲する)」


BGM♪



モララー(TURBO)「(…奴を止められんのはもう…俺しかいねえ… こいつは俺にしか止められねえ……!)……来やがれナナシア、もう一度ブッ飛ばしてやる……!!(ナナシアの覇気に屈することなく、それをも押し返すほどの気迫を出して向き合った)」

ナナシア(ギコエル)「ジュゥゥ……(一撃を受けた胸部に僅かな焦げ目がついており、その部分を静かに撫で下ろした)……貴様の怒りなんぞ…我が怒りに比べれば小さきものよ…―――――――我に"触れた"な、『モララー』。余興にはちょうど良い玩具だったが――――― 壊 し て や る ぞ 。( ド オ ォ ゥ ン ッ ! ! ! ! )(閻魔の如き熱気を帯びた憤怒を露わにし、覇気を全開に剥き出した)」

モララー(TURBO)「……俺の怒りは…いてェだろ…?(落下する瓦礫に降り立ちナナシアを見上げる)」

ナナシア(ギコエル)「―――――――!!(ドグゥアァッ ! ! ! ! ! )(ついにモララーの放った一撃が胸部に炸裂する)…ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛……!!??(初めて受けた一撃に笑んだ表情が歪み、この上ないような驚愕を露わにした) ドォゥッ…! ! ! ! (直撃の反動を和らげるために翼を大きく広げて宙に留まった)」

モララー(TURBO)「喋るんじゃぬ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ーーーーーッ!!!!!! シュボッ…ボオオォォオ…ッ…!! (アンビションを纏った拳が赤熱を帯びる)――――― “赤黒覚醒(クリムゾンドライブ)” ッッ!!!!!(燃え盛る拳による高速パンチをナナシアに炸裂させる)」

ナナシア(ギコエル)「理解の乏しい凡人よ。彼らは死んだのではない、我のもとで一つに―――――――」

モララー(TURBO)「…ああ、わかった…―――――だからもう、しゃべんなお前…(確固とした殺意が芽生えた目つき…その眼光をもってナナシアを突き刺し、落下する瓦礫の上で立ちあがった) 仲間たちだけじゃなく…この世界の住人たちにまで手をかけたテメェを…生かすわけにはいかねえよ… ドッギンッ ! ! (アンビション”を纏って腕を硬質化する)ス…ダァンッ ! ! !(素手を振り抜いた状態で瓦礫を蹴りあげてナナシアのもとへと飛び上がった)」

ナナシア(ギコエル)「言っただろう、"この世に生きるすべての者の力を手に入れ、すべての者に代わって私がこの世に生きる"とな。すべての生命は我のもとで一つとなる…我のために糧となり、我の中で永遠の存在として生き続けるのだ。死生観に煩わされることもなくなる…輩共にとって、これほど至高なことはあるまい!(両腕を広げる)

モララー(TURBO)「ッ…!?なん…だと―――――(ロケット団時代の終わり際に出会ったギコエルの姿が脳裏を横切る)テメェ…そうやって、いろんな奴から力を奪い続けてきたのか……ッ!?(怒号の余り身を震わせる)」

ナナシア(ギコエル)「(逆さまの状態で滞空しモララーと見つめ合う)…貴様は"第二世代"だったようだな。当時は今の我の姿のをしたオリジナルとも出会ったことがあるようだが…どうだ?今の我は貴様が対峙したオリジナルをも遥かに超越していることだろう。それもそのはずだ。『奴』もまた我に名を奪われた者の一人だからな。(邪悪な笑みを見せつける)」

モララー(TURBO)「…ッ゛…!!?(激しい揺れと共に落下を始める屋上の床に必死に張り付く) ぐ…そぉ…ッ…!!(屋上が落下する最中、ナナシアの姿を睨むように捉える)」


―――――――     ザ     ン     ッ     !     !     ――――――(ナナシアの手刀による見えざる鋭い斬撃が、コールドビルをブツ切りにした) ズガガガガガガゴオオォォォォーーーー……ン……ッ…… ! ! ! ! ! ! (ビル上半分に一閃が斜めに迸った後、瓦礫となったビルは轟音と共に滑るように落下し始める)


ナナシア(ギコエル)「ズガアアアァァァァーーーンッ! ! ! !  ブワッ――――(モララーの一撃が炸裂したのかどうかは不明だが、攻撃によって生じた土煙の中から現れそのまま屋上から地上の闇へと落ちていく)――――ス…(その際片手が手刀の構えとなり斬りつける態勢に入る。そして―――)―――――――― ブ ン ッ ! ! (手刀で空を斬った)」

モララー(TURBO)「……――――――――貴様ああああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーッッ!!!!!!(ズギャアアアアアアアァァァァァンッッ ! ! ! ! ! ! )(激しい憤怒と焦燥に駆られ、踵を返すと同時に瞬間的にナナシアの頭上に現れ、圧砕する勢いで高速パンチを叩き込んだ)」


――――――  ど う だ  誰 か 一 人 で も  守 れ た か ? ―――――――


ナナシア(ギコエル)「『英雄』…だったか。英雄はすべてを守ると言ってたな。」

モララー(TURBO)「――――――――」

ナナシア(ギコエル)「勇敢であったと讃えてやろう…だがまだまだ青い。この絶対的な我を前にして、気迫、根性だけで倒せると自惚れていた者たちのなれの果てがこれだ。儚く散りゆく混沌世界の戦士たち…実に興味深いものだったぞ。(依然として笑みは止まらず)」

モララー(TURBO)「…ぉ……ぁ… …お、お前ら……(目の前に映る悲惨な現実に全身が震えを上げる)―――――お前らあああああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!!!(そして、悲痛の叫びがペガサス国一帯に響き渡った)」


モララーの視線の先にあるもの…それは彼自身を絶望に引き落とすような凄惨な光景だった。ナナシアの巨大千手観音と分身体によって完膚なきまで瀕死の状態まで追い込まれた多くの戦士たちが地や床に横たわっていたのだった…


モララー(TURBO)「―――――――ッ!!(ナナシアの発言とその不気味な笑みに戦慄し、はっとなって辺りを見渡した)――――――!!!???(そして、かつてない恐怖を目の当たりにした…)」

ナナシア(ギコエル)「ドゥンッ ――――(モララーに圧倒されて吹き飛ばされたにもかかわらず、至って表情には余裕が含まれていた)スタン……ところで、輩共の活声が聞こえなくなったのは――――― 気 の せ い か ? (口の淵を釣り上げて不気味に笑いあげる)」

モララー(TURBO)「―――――うおおおらあああぁぁぁッ!!!!(力を込めて圧倒する)」


――――――――   ド      ォ      ゥ      ン      ッ     !     !     !   ――――――― (モララーとナナシアが激しく衝突し、ビルごと大地が鳴動し、瓦礫やガラスの破片などが一斉に宙へと舞いあがった)


ナナシア(ギコエル)「ぬ゛あ゛ぁ゛ッ゛!!!(モララーの拳に合わせ蹴りを繰り出した)」

モララー(TURBO)「はぁ…はぁ…!どうだ―――――ッ゛!!?(雪崩を押し返した直後に追い打ちするかのように現れた無数の閃光を目にし驚愕を全開に露わにした)づ…ッ…!ぐぁ…ッ!!うおおおああああぁぁぁーーーッ!!!!(数多の閃光を掻い潜るように変則的な軌道を描きながら高速移動をする。途中で閃光が掠り体の至る部位に切り傷が生じる)――――ナナシアあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーッッ!!!!!(ナナシアの目前に迫り拳による渾身の一撃を噛ます)」

ナナシア(ギコエル)「活気の良いことよ。(その様子を腕を束ねて静かに傍観していたが、すぐに次の攻撃態勢に入るように掌を突き付ける)貴様には過ぎた最上魔法だ、とくと受け取るがよい。神聖“アストラルレイ”。(   ド    ギ   ュ   ア   ア   ァ   ッ   !    !    !  )(発光した翼から無数の閃光が迸り、夜空に奇跡を描きながら次々とモララーに襲いかかった)」

モララー(TURBO)「ぐッ……!!(迫る雪崩に流されまいと強く踏み込んで必死に耐える)……“TURBO・ホワイト・ガトリング”ゥッッ!!!!うおおおおおおおおあああああらあああああぁぁぁぁッ!!!!(ドガガガガガガガガガガガッ ! ! ! ! ! ! ! )(雪崩によって凍結されそうになる状況を察知し、雄叫びをあげながら迫る雪崩を押し返す勢いで高速殴打を連続的に叩き込んで行く)」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ ! ! ! ! ! ! ! (頭上から凄まじい雪崩が発生し、モララーを呑み込んでいく)


ナナシア(ギコエル)「ッ…ッ…ッ…!!(憎悪に満ちた声を腹の底から発する)…我は『神』ぞ。貴様ごときが触れて良いものではない。(人差し指をつくって高らかと天に掲げる)――――――氷結“アバランシュ”。」

モララー(TURBO)「づぁ…ッ…!!?(覇気によって吹き飛ばされたが何とか着地する)…ッ…っそ……!(焦燥のあまり強く噛みしめる)」


―――――― ドギュアアアアアァァァァァッッ ! ! ! ! ! ! (モララーの渾身の一撃がナナシアに届く前に、ナナシアから放たれた強大な覇気により瓦礫ごとモララーが吹き飛ばされた)


ナナシア(ギコエル)「…確かに先程までとは違うな。よもやこのような力を秘めていたとはな――――――― だ が ま だ ぬ る い ―――――――」

モララー(TURBO)「バッ…ドゥンッ ! ! !(薙ぎ払われた反動を利用した高速移動でナナシアを翻弄し、彼の死角に立つ)(行ける―――)――――“TURBOバズーカ”アアァッ!!!(両手を後ろに伸ばし、勢いを利用した掌底を高速で打ち込もうとするが…)」

ナナシア(ギコエル)「ぬ…(背の翼で攻撃を防いで薙ぎ払った)」

モララー(TURBO)「――――逃がさねえよ。(瞬間的に、退いたナナシアの背後に旋回し高速回し蹴りを繰り出した)」

ナナシア(ギコエル)「――――――!(咄嗟に両出を交差し殴打を防ぐ)…興味深い力だ…(刹那の内にニタリと笑んで退行する)」

モララー(TURBO)「プシュゥゥゥ……(全身から溢れんばかりの白い蒸気が夜空へと上がっていく)さっきまでとは違ぇーぞ…その顔、テメェの幻想ごと歪ませてやる!!シュドォンッ ! ! ! ! (爆発的な脚力による高速移動で一気に間合いを詰める)―――“TURBOブレット”ォッ!!!!(ナナシアの目と鼻の先に現れるや否や高速殴打を叩き込んだ)」

ナナシア(ギコエル)「ほゥ…(能力を解放したモララーを愉悦を含んだ眼で見つめ)」

モララー「はぁ…はぁ……黙れよ、クソ野郎が… えーゆーとか、んなことはどうでもいいんだ…けどな…ケホッ… 俺はもう自分が無力とは思わねえよ、培ってきた努力が支えてくれてんだからな!! ドゥンッ ! ! ! ! プシュァァァアア…ッ…! ! ! !(両の拳を合わせると全身から蒸気が溢れ出る)」

ナナシア(ギコエル)「(クククと余裕を含んだ笑みを零しながら歩み寄る)…腑に落ちないのだろう、この我に一撃も与えられぬことが。悔むがよい、その無力さを。恥じるがよい、その努力を。『英雄』などと、所詮弱い大衆に形容された者の実力など底が知れている。」

モララー「ちっ…!!(吹き飛ばされる最中、宙で回転しながら上手く着地する)はぁ…はぁ……くそ…が…!(さっきから全然決まらねえ……相手の“アンビション”も感じ取れねえし…まさかとは思うが、こいつ…全部"素"で……!?)(口元を腕で拭い、荒い呼吸をしながらナナシアを睨みつける)」

ナナシア(ギコエル)「ガシッ――――ブンブンブンッ…ドゥッ ! ! !(回し蹴りを受ける直前でモララーの脚部を掴み、ジャイアントスイングで大きく吹き飛ばした)」

モララー「ダンッ…! ! づぇらぁッ!!!(屋上の床を強く踏み込んだ後、虚空を切り裂くような勢いで鋭い回し蹴りを炸裂させる)」

ナナシア(ギコエル)「 ヒ ュ ン …(「無駄だ」と澄ました顔を浮かべたままモララーの殴打を回避する)」

モララー「うおらああああぁぁぁッ!!!(ダダダダダダッ ! ! !)(気迫のこもった突撃と共にナナシアに連続で殴りかかる)」


BGM♪




マーク「ア゙……エ゙ッ……(畜生、こうなれば俺も――――)(ナナシアの首に腕を掛けようと試みるが)――――ッア゙ ピキィィィ……ィン(声にならぬ断末魔を上げて彼は使命を終えていった) 」


―――――   パ   キ   ィ   ー   ン   …   ッ   …   ! ―――――(マークとナナシアが絶対零度の氷牢に閉じ込められる)


ナナシア(ギコエル)・分身F「そして誇るといい…!貴様の死が無駄にならないことを、貴様自身が我のものになることを…!(口の淵を釣り上げて笑う様は悪魔そのものであり、マークを戦慄させる)氷結――――― “コキュートス” ――――― 」

マーク「(髪を人指し指でポリポリと掻き込みつつ)ハハ、そりゃどー ――――オ゙ッ(なっ、こいついつの間に――!!)――ガッ、カハッ(刹那を感じ取れぬまま、首を掴まれ苦しみもがく) 」

ナナシア(ギコエル)・分身F「ククク…――――驚嘆したのだよ。まさか我の神業を吸収し、それで対抗するとは… 讃えてやろう、貴様は余興に最適だったとな―――――― ガ シ ッ (気づいた時には既に彼の目と鼻の先に移動しており、首を掴みあげた) 」

マーク「――借りたモンは、しっかり返したぜ…… ……?(分身Fの笑みを見て)おいおい何だ、一体どうしたってんだ?(片膝から立ち上がり様子を見る) 」

ナナシア(ギコエル)・分身F「――――――!!!(我の魔術を吸収していたか…!)(今までにない驚愕の色を見せ、向かってくるシンティラを前に大きく目を見開いた。そして…)グゥン―――――ボグォォオオオオンッ!!!!(雷の閃光に呑まれまいと必死に身体を左へと逸らし、間一髪それを回避した)シュタン…ッ…――――――ク…ククク…ッ……!(着地後、俯いたまま不敵な笑みを零す) 」

マーク「――――(分身Fが近付きつつあることに気付かぬまま垂れ下げていた頭を戻す)―――― 来 た な  …ィイン(目前に迫った分身Fを見据えて胸の穴を開き)  ドオ゙ォオオ゙ォオオッッ!!!(その穴から先程のシンディラをその方向へ発射する) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「数と力で叩けば我を討てると思ったか。確かに、『今まで』はそれでどうにかできただろうが―――――我は貴様等の起こす奇跡さえをも超越する存在だ。(踵を返した時にはコールズギャラードは業火の渦に呑まれ、それを目にすることなく高らかに嘲笑する) 」

ギャラード「……なっ……!(コールズと一緒に閉じ込められる)……あれっ……(なんか、周りが、ぼやけて……ぎ…… 」

ナナシア(ギコエル)・分身F「ぬぅ…ッ…!(空中停止をかけ、屋上のマークを睨むように俯瞰する)愚民め… (だが既に体力は消耗している…――――)――――終わったな。(そう呟くと垂直落下し、勢いよくマークのもとへ飛翔する) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「我が“ノーヴァ”は火炎の上級魔法だ。その程度の弱水で消されるとは…甘く見られたものだな。(当然熱風波の勢いは止まることを知らず、完全にコールズとギャラードの二人を閉じ込めた。激しい熱が少しずつ彼女たちの水分を奪い、蒸発させ、意識を失わせていく) 」

マーク「……っぐ、さ、流石に……キツくなってくるな(トゲ鉄球と物質吸収を解除し、片膝をつき頭が垂れる)(バーストホールは使わなかったが……まだあの雷は残ってる、いざと言う時のカウンターにしておこう) 」

コールズ「……熱……!?(土でホースのようなものを作り上げ、そこから放水し、熱風波を相殺せんと試みる) 」

ナナシア(ギコエル)・分身F「何――――――ドグゥオッッ!!!!(全身に棘鉄球がめり込み、天高く吹き飛ばされた) 」

マーク「粗鼠――――ネズミって訳か(走り抜けるその合間に懐かしみの笑みを見せる)だがな、俺はネズミとはちょっと違う――――(ズン、と分身Fの一歩手前まで来た所で鉄球側の腕を引き)標的が倒れるまで刺し続ける『針鼠(ヘッジホッグ)』だッ!!(そのまま勢いに任せそのトゲ鉄球を振り抜く) 」

ナナシア(ギコエル)・分身A「――――所詮我々分身体は、本体の足しにもならぬほどに堕ちた存在だ。だが…貴様等愚民どもと同じ大地に立つ者としてみられるのは、酷く滑稽な話だ。(そこにいたのは、先程討たれたと思われた一個体だった。体の右半分は青い焔によって見る影もなく黒く焼け焦げ、右腕は切断されている。それはまるで、神ではなく「悪魔」と呼ぶにふさわしい形相だった)我が体は貴様の炎で満たされた。礼を言おう、剛剣の剣士よ。(指先が赤熱しており、先程アイクに撃ったものは火炎魔法と思われる) 」

アイク 「―――――――ぬ……? 何だ、この……感覚は……。身体が、重く………ぐっ(肩膝つく) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「…だが所詮は粗造。我の足元には及ばん。火炎“ノーヴァ”。ボボボボアアァァッ!!!(迫る土の不死鳥に掌を向け、爆炎を伴う熱風波を解き放ち不死鳥を相殺した。そして熱風波はそのまま、コールズとギャラードの二人を包み込むように襲いかかる) 」

メタナイト「な――――――――――――――――(振り向こうとした時には遅く、全身を貫かれて落ちて行く 」


―――――――ビ ュ ン ッ (その時、アイクの胸部に小さな風穴が開いた。風穴は赤熱し、貫かれた個所にじゅわりと焼き尽くされるかのような痛みが迸った)


ナナシア(ギコエル)・分身F「…早いな… だが――――― シ ュ ン ッ ―――――我には届かない。(一瞬でメタナイトの速度に追いつき、背後に現れる)ス…―――――疾風“ラファーガ”――――ドグァアアアァッ!!!!(メタナイトの背に触れたまま、掌から強烈な風圧を解き放った。鋭い烈風は銃弾のようにメタナイトの全身を貫いた)来るがよい、粗鼠よ。もう一度我に抗いを見せよ。(マークを迎え撃つように彼の方へ視線を向ける) 」

ギャラード「…行け、フェニックス………!!!!(彼女がそう叫ぶと、土の不死鳥が飛び上がり、分身Cに向け、炎を吐き出す) 」

アイク「 ……所詮は分身、か。他愛もない。(剣を軽く放るように地面に突き刺し、腕組み) 」

マーク「ぐッ…… パァン!! (その雷を穴の中に閉じ込め直ぐ様手を叩いて封をする)そして……!! "Burst Hole!"(右手甲のエンブレムを操作すると腕の変身が解け、今度は身体の中心部に微小な穴が開く)(隙をみてアイツのどてっ腹に今のをそっくりぶち混み返す……!!) 覚悟しておけ、ここからが正念場だッ!!(右腕のアスファルトをトゲ鉄球状に変質させ、それを突き出したまま分身Fの方角へ猛進する) 」

メタナイト 「 ………面白い、やってみろ―――――――――――――(ギャラクシアを握りしめ、分身Fを見据えて)貴様ら分身後時に………負けるつもりなどない!!!!(分身Fに驚異的な速さで接近していき 」

ナナシア(ギコエル)・分身A「づ…ッ…――――――ガギャアンッ! ボグオオオォォオオオン…ッ…!!!!!(ついにアイクの件による重圧に耐えきれなくなり、切断され、蒼い業火の中に呑まれた) 」

ナナシア(ギコエル)・分身F「―――――懸念はいらん。(メタナイトの発言に応えるように現れたのは、空中で横になった分身体だった)貴様等は我の本体のもとへ辿り着く前に…ここで朽ちるのだからな。(邪悪な笑みと共にメタナイトとマークを俯瞰する) 」

アイク 「 ほう……やはり耐えるか。少しはやるようだな。 ―――――――コォォォォォォォォォォ…!!(剛剣に蒼炎が纏い出し、威力も上がっていく) 」

メタナイト「 ………!(消滅していく分身Cを見て)………やったのか………分身の類のせいであろうか、手ごたえがまるでない………   本体はどこにいる………? 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「(不死鳥へと形成された土を見て驚嘆する)素晴らしい造形だ。自然物でここまで複雑な造形を可能にするとは…! 」

ナナシア(ギコエル)・分身A「人間か…いや―――――― ガ キ ャ ァ ア ン ッ ! ! (鋭利状に変化した片手でアイクの斬撃を受け止める)ジジィ…ッ…!!ギャリ…ギャリ…ッ…!!(受け止め続けることで火花が散る) 」


ズズズズズズ…………!!!!!(浮き上がった土が集まって行き、不死鳥のような形になっていく)


―――――ドシャアアアアァァァアアアンッ!!!!!(マークの、腕に開いた穴にすさまじい落雷が落ちる)


ナナシア(ギコエル)・分身C「ぬぐぅ…ッ…!?(ザシュゥ…ッ!!)(メタナイトの斬撃をその身に受け、崩れ落ちる) ド パ ァ ッ …! (崩れ落ちた一体は水となって破裂し、そのまま床の中へ溶け込むように消滅した) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「(ギャラードの怒号を目にし、愉悦を含んだ笑みを浮かべる)逆上せよ、不死鳥よ。その怒りは諸刃の剣となり… 最後に我か貴様のどちらかが朽ち果てるだろう。(ギャラードを挑発し、能力を発揮させようとしている) 」

アイク 「――――――――せええいっ!!(剛剣を掴み、そのまま分身Aへ降りかかる) 」

マーク「(あの速さじゃこの身体でも表面が砕け落ちて内部にまで被害が……!)"Vaccum Fall!"(また腕を緑で包み、自身の反応速度を活かし腕に空いた穴に雷を吸収させようとする) 」

メタナイト「 !! バサァッッ(雷が目の前に落ちてきた瞬間、マントで自信を覆うようにして、姿を消したかと思うと、分身Cの眼前に姿を現し)…………貴様など――――――――――――――  神とは認めぬ!!!(そのまま間髪入れずに剣を振り下ろす 」

ギャラード「コールズっ………(蹴り飛ばされたコールズを受け止める)……くうっ………!!!(ナナシアを睨みつける。…その瞬間、彼女の周りの土がどんどん浮き上がっていく) 」

やがて剛剣のところへ、人影が現る…。


ナナシア(ギコエル)・分身A「(遥か上空に浮かぶその剛剣を一瞥する)…なんだ。 」


―――――――キィンッ!!(分身達の遥か空中で何かが光る) フオンッフオンッフオンッフオンッフオンッフオンッ(そこでは"剛剣"が回転していた)


――――ドゥンッ、ドゥンッ、ドゥンッ、ドゥンッ!!!!!!(天へ舞い上がった巨大電撃球は打ち上げられた衝撃で勢いよく弾け飛び、無数の雷(いかずち)となって降り注ぎ、マークとメタナイトを襲う。一つ一つの落下速度はおろか、その破壊力も絶大であった)


ナナシア(ギコエル)・分身C「神になったつもりではない―――――――― 我は神だ。 (大胆不敵な笑みを浮かべ、その手を天高く掲げる)ゴ ッ ! ! ――――バジジジジィ…ッ…!!!!(その光球は前より肥大化し、電撃を帯び始めた)電撃 “シンティラ” … ドパァ…ッッ…!!!(それを天へ打ち上げる) 」

メタナイト「その口ぶり、神にでもなったつもりか?………貴様のような奴が神など、虫唾が走る………!(剣に気を込め、分身Cを睨み付け 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「何故、誰も彼もが我に抗いを見せるのか…―――――なるほど。人が人を呼びせ、一体となって強大な存在に立ち向かう… これが『絆』の力の本性か。いよいよ素晴らしい力だ。まったくもって――――― 壊 し 甲 斐 の あ る こ と だ ―――――(手中に光の粒子が集束する) 」

マーク「――――く、ぐ、ぐ……(腹を押さえつつ地面のアスファルトを吸収)――――っと……(腕で地面を押すようにして立ち上がる) あいつは仲間か、あるいは別か……(出現したメタナイトが眼に入り) 」

コールズ「…がっ……(首を掴まれ、床に叩きつけられる)……がぁっ……!!(ギャラードの方に蹴り飛ばされる) 」

メタナイト「 バサァッッ… (翼を羽ばたかせながら、分身Cの前に降り立ち)今の斬撃を軽々と………貴様、なかなかやる様だな………(ギャラクシアを構え)………おぞましい気を感じて来てみれば、何という有様だ…………。(周りを見渡し 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「―――――だがしかし―――― バギャァッ!(容易く土の蔓を破壊し、即座にコールズの攻撃をかわして首を掴み床に叩きつける)この程度の能力で我を抑えられるわけがなかろう… 愚かな。 ゲシッ!!(足元に倒れたコールズをギャラードの元へ蹴り飛ばした) 」

コールズ「(後ろから拘束されたナナシアを土の刀で切りつける) 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「煙の中で我が別の我と入れ替わったことに気づかなかったようだな… こうも楽に仕留められると気分が良い、どれ、とどめだ――――――! ビュオワアアァッ!!!! (マークに追撃を仕掛けようとした途端、背後からの斬撃波を察知する。手を振り払うことで凄まじい衝撃波を解き放ちそれを相殺した)…おのれ…邪魔をしおって…(斬撃波が放たれた方向を睨みつける) 」

マーク「っし――――っっ(突き刺さる触感を直に受け取り、優勢を実感した一瞬に自身の雫が眼に入り込み反射的に眼を塞ぐ)   ぐ   (気を腹に移す暇もなく腹の蹴りを受け、閉じた眼を見開きその激痛が四肢にも渡るのを感じながら大きく吹っ飛ばされていく) 」


シュバッッッ!!(突然分身Cの背後目がけ、斬撃と思われる衝撃波が飛んでくる)


ナナシア(ギコエル)・分身E「……!(土の蔓に拘束される) 」

ギャラード「…プロンッ……!(3不死鳥を見て)……戦闘不能になるのは……あんたの方よ!!!!(ナナシアの足元から土の蔓を発生させ、両手を縛りつける) 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「ザキィーン…ッ…!!(煙から飛び出た直後にマークの水の刃をその身に受け、全身が真っ二つに割れる。元の水となって破裂し、マークの視界に滴が飛び散った…―――――その中に、見慣れた姿がポツンと浮かんでいた。もう一人のナナシア(分身)だった)―――――ドグゥォッ!!!(マークがその姿を認識した時には既に遅く、目にも止まらぬ弾丸の様な速さで水平蹴りが腹部にめり込んだ)貴様が今討ったのは…"影武者の影武者"よ。(ニタリと邪悪な笑みを浮かべ) 」

マーク「くっ―――― (速い!もう移動を、そしてその位置は――――)――――死角は取らせねぇェッ!!(分身Cの移動先をある程度察知し、その方向へ手から伸びる水の刃を一直線に突き放つ) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「ほう…不死鳥を救ったのはまた不死鳥か。類は友を呼ぶ――――だが、既に貴様らの仲間はあの様だ。(コールズとギャラードに、戦闘不能に陥った不死鳥三姉妹の姿を見せながら不敵な笑みを零す)安心しろ、貴様等も同じ運命を辿らせてやろう――――我が慈悲を持って、共に朽ちるがいい!! ジャキャァッ!! (両手を鋭利状に変化させ、二人に斬りかかる) 」

ギャラード「……コールズには手出しはさせないわよ(衝撃波を撃った主)(着地する) 」

コールズ「……!!くっ……(飛び上がり避けようとしたところで衝撃波でナナシアが吹っ飛んだことに気づく)) 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「ヒュン――――――(相殺によって生じた煙の中を飛翔で掻い潜り、死角からマークを襲おうと移動する) 」


ボガアアアァァアアンッ!!!(エネルギー弾と水のカッターが衝突し、屋上一帯に煙が舞う)


マーク「はぁっ――――ッグ、っカッ(投げ飛ばされた直後に体勢を整えオムニトリックスを操作)―――"Splash Break!" (腕を緑の閃光で覆うと、その次には腕から超水圧の水カッターが手の平から噴出しエネルギー弾との相殺を試みる) 」

ナナシア(ギコエル)・分身E「(―――!)ぬう…ッ…!(衝撃波を受けて吹き飛ぶが、空中で態勢を整え直し華麗に床に着地する)まだ、這いずる小虫がいたか…(全身を起こす) 」


ズドン!!!!(コールズの背を貫かんと襲いかかった瞬間、ナナシアに向けて衝撃波が飛んでくる)


ナナシア(ギコエル)・分身E「――――――――貴様も不死鳥か。(瞬間的にコールズの真背後に現れ、悪魔の囁きで彼女を戦慄させる)心臓を貫けばどうなるだろう―――――な。 ヒ ュ ッ (貫手を構え、コールズの背を貫かんと襲いかかる) 」

コールズ「…チッ……!!(土を手中に集めて力を貯めているいる) 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「 ブ ォ ン ッ (体を仰向けに反ってマークの手刀から逃れる)――――― ニヤ (その際、頭上に来たマークの右手を瞬間的に掴み、背後へ投げ飛ばした)ギュオン―――――ドドドドド…ッ…!!!(投げ飛ばしたマークに追撃をかけるべく、手中に生み出した邪気から赤黒のエネルギー弾を幾つか解き放った) 」

マーク「(この乱れ――――この状況からして、どうして起こったか分かってくる)へぇ、生憎俺はアンタみたいな神様は合わないんでね―――――こっちもパパッと終わらさせてもらうぜッ!!(脚に気を移し変えての神速のインステップ、そして間近の分身Cの首元へ気の右手刀を振る) 」

ナナシア(ギコエル)・分身C「次から次へと――――――我に抗う者たちが湧き出るわ。 ガ ァ ッ ! ! (背後からのマークの襲撃を目視することなく六翼で受け止める) 面 倒 だ ――――手早く沈めてやろう。(振り返り、冷笑的な笑みを浮かべたままマークと対峙する) 」

マーク「タッタッ タッタッ(分身Cの前面方向から突如走り寄ってくる)何かだ、『何か』を察知してやって来たはいいが……よもやこうなってるとはなァッ!!(そのまま距離を縮めその顔面に気を纏った右ストレートを放つ)


前へ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年04月24日 22:15