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ティモネ「……(
ラティンたちが消えたのを確認すると静かに溜息を吐く)…男って面倒くさい。(無機質な大空間に呟いて、背後に広がる暗闇の中に溶け込む様に消えた) 」
ラティン「…御冗談を。ここは撤退した方が賢明ですからね。(落ち着きのある言葉を言い放つも、とめどない冷や汗が頬を伝っていく)…見事な太刀筋でした。これは『女王様』への報告が増えそうです。(ふっと紳士な笑みを零すと、
エドアルドを回収し異次元の中へ消え去った)」
ティモネ「コッ… コッ… コッ… …まだ、やりますか。(ラティンのもとまで歩み寄り、冷ややかな目を以て対峙する)」
ラティン「――――スタ…(何もない空間から降り立ち、既に虫の息のエドアルドの傍へ駆け寄る)………!!(まさかこのような結果になるとは… あのエクシードを解放したエドアルド卿が敗れるなんて…)(無残な姿と化したエドアルドを見て目を伏せる)」
ティモネ「神殺(カミシニ)完了。(衝撃による強風で靡く帽子を押さえつけながら、エドアルドの落下地点を静かに見据える)」
――――ズシャアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアンッッッッッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! (地下世界に立つ幾つもの巨柱が真っ二つに切断され、ドミノ倒しのように轟音を立てながら次々と倒壊し始めていく)
エドアルド「―――――――――(意識がまだ追いつかない中、エクシードの光の鎧が真っ二つに切断され解除される)―――――なにをしt―――― ズ シ ャ ア ァ ッ … ! ! (ようやく意識が追いついた頃にはその身に一閃が走り、自慢の剣は折れ、純白の制服とコートが瞬く間に赤く染まった)………ァ……ッ……!!?(焦点の合わない双眸が泳ぐ。吐血し、声を上げる間もなく静かに"堕ちた")」
ティモネ「―――――― “天帝” ―――――― (ススス…スチャン…―――――― ビュアアァァ…ッ…! ! ! !)(強風と共に舞う深紅の花弁の中で、静かに納刀する)」
停止した時間の中を黒い一閃が迸る。光を纏った騎士を、彼が放った斬撃を、そびえ立つ幾つもの巨柱を、無数の花弁を、空間を、風を、駆け抜けて―――――――――
―――― ザ ン ッ ――――
ティモネ「――――――――― …… …… …… ! (それまで固く閉ざされていた瞳がゆっくりと開く。そして…)」
―――― フ ワ ッ … (一枚の花弁が、ティモネを頬を過ぎる)
ティモネ「―――――――――――」
エドアルド《エクシード》「―――――散るがいいいいいいィィィィィィッ!!!!!」
ティモネ「―――――――――――」
オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ッ ッ ッ ! ! !
ティモネ「―――――――――――」
エドアルド《エクシード》「――――神の断罪を受けよ!!!“ルシフェルティメント”ッ!!!( ズ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! ! )(時空が歪むほどの絶大的な光の斬撃波を勢いよく解き放った)」
ラティン「……!!(いけない…ッ…!!)――――“注文”(オーダー)!(危険を察知し、口上と共に背後に出現した異次元穴の中へ逃げ込んだ)」
ゴ オ ォ ゥ ン ッ … ッ … ! ! ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ … … ! ! ! ! ! ! (地下世界が激しく鳴動する)
ティモネ「―――――――――(まるで静止した時間の中にいるように微動だにせず、花弁の舞う中で静かに気を集中させている)」
エドアルド《エクシード》「……!?(異変を遂げた刀に一瞬驚きを見せる)…ほゥ…だが、そんなことは関係ない。この一撃に沈むのであれば、貴様が何をしようと無駄なことなのだから。(剣身に集う粒子が最高潮に達しようとしている)」
ティモネ「その言葉、そっくりあなたにお返しします。 ……死滅を齎す魔女は祭典を執り行う…――――滅刀『執』 (めっとう『もり』)。チャキ ―――――― ド グ ア ァ ッ ! ! (目前で平行に構えた眠刀『森』を抜刀すると、それは瞬時に変色を帯びる。深紅の花弁を撒き散らしながら現出した黒い刀身が、その手に握られていた)………(無数の花弁を纏いながら天のエドアルドを静かに睨み上げる)……ススス…―――スチャン…(そしてゆっくりと身を屈めながら納刀し、居合の態勢に入る)」
エドアルド《エクシード》「……なんだと。(怒りで表情が歪む)そういう貴様は、この私の力をまだ理解し切れていないようだな。愚かなことよ…―――――― ブ ワ ッ … ! (空中に身を投げ出しゆっくりと上昇する)ならばせめて何一つ理解できないままに散るがいい。この私が放つ最大の一撃で、な―――――― キ ュ ガ ア ァ ッ ! ! ! (剣身に眩い光が集束する)」
ティモネ「……なるほどこの程度の圧倒で有頂天になるようでは、やはりあなたも…その「脆弱で出来そこないの人間」ということなんでしょうね。ようやくあなたの言葉の一つを、理解することができました。(悠然とした態度で対峙する)」
エドアルド《エクシード》「……!は、フハハハハ!!ようやくこの私に戦慄を覚えたか小娘。わざわざこの私に斬られに来るとは、潔いことだ。(狡猾そうに嗤う)」
ティモネ「―――― ブ ワ ァ ッ ! (吹き付ける強風で土煙が晴れて姿を現す) コッ… コッ… ――――スチャン…(黙ってエドアルドのもとへ歩むが、その最中に納刀してしまう)」
エドアルド《エクシード》「フハハハハハ!もはや先のような余裕を保ってはいられまい!所詮はただの人間… 今の私と貴様とでは、天地の如く、雲泥の如く…その強弱関係ははっきりと顕れていることだろう。(土煙の中に吐き捨てるように)」
ティモネ「くぁ…ッ…! ドオォォン…ッ…! ! (強い斬撃に押し出され巨柱に激突し、土煙に包まれる)」
エドアルド《エクシード》「んんんんッ!!!(鍔迫り合いの中で勢い横薙ぎを繰り出して吹き飛ばす)」
ティモネ「(速い――――)――― ッ ! (ガキャァンッ ! ! !)(咄嗟に平行に構えた刀で斬撃を受け止めるが、その勢いに圧倒され押され続ける)」
エドアルド《エクシード》「――――なかなかの挙動だ…がッ!!(光速移動で土煙を割り、瞬く間にティモネの前方に現れるや否や勢いのある斬撃を繰り出す)」
ティモネ「――――!! くッ…!(後退跳躍からの後転、そして“刹那”による高速回避に加え刀で閃光の軌道をずらしながら次々と迫りくる閃光から退いていく)」
グ ゥ ン ――――――――――― キュアアアアアアアアァァァァァァ……ッ…… ! ! ! ! ! (エドアルドから放たれた二つの閃光は天井で屈折すると同時に無数の小さな閃光へと分裂し、斜光の雨の如くティモネに降り注いだ)
エドアルド《エクシード》「(防御したティモネを愉快そうに見やる)ならばこれはどうだ。( ド ギ ュ ア ア ア ア ァ ァ ァ ッ ッ ! ! ! ! )(翼の眼球それぞれから巨大な双閃光を真っ暗な天井に向けて放った)」
ティモネ「(妄言を…) ……!(迫る斬撃波に警戒を与え、前方の虚空を斬る) “結塊”(シュピーゲル)!!(キュカカカカッ――――――ズシャアアアァァァァンッ ! ! ! !) (前方に六角形の透明の防御壁を何重にも展開し斬撃波を相殺した)」
エドアルド《エクシード》「戯言を…人は決して神には抗えぬ。もしも人間が神をも殺すというのであれば、それは脆弱で出来そこないの人間が神になり損ねたが故に起こることだ!だが私は違う。何者をも超越した絶対的な神として君臨しよう!(ズァ…! !)(光の剣を天高く掲げる) ひれ伏せ愚民!あらゆる奇跡を以てしても越えられぬ絶対的な力があることをこの私が証明してみせよう!!(キュォォォォ…ッ… ! ! )(剣身に光の粒子が集束する) 高貴なる神光を見よ!!( ド オ ゥ ッ ! ! ! ! ! )(通常とは比較にならないほど強力化した光の斬撃波“ルシフェルティメント”を一直線上に解き放った)」
ティモネ「(エドアルドの眼差しに対し、憐れむ様な目つきで睨み返す)…強大な力を得た人間は神となり、ふたたび支配を齎す。そして新たな人々に殺され、その事象が繰り返される… 『ボクたち』はそんな醜い輪廻を断ち切るために力を振っている。――――――"神殺"(カミシニ)という、過酷な訓練の中でね。(ジャキィィン… ! )(刀で鮮やかな軌跡を描きながら虚空を斬る) 「神様に等しい存在」になったって?それは好都合ですね。『神』はボクらにとって最高の獲物ですから。(刃先を突きつける)」
エドアルド《エクシード》「…何が言いたい。(厳かにして冷ややかな眼差しを見せる)」
ティモネ「……―――――!(変貌を遂げたエドアルドを見て表情が強張る)……(あれは形態変化… “超越神架”に似ている…けれど―――――)…神様ね……(ふぅと肩を落として静かに閉目する)…神様はその絶対的な存在を以て人々を支配する。だけど支配から免れようとする人々は武器を持ち、神様さえ殺すんです。」
エドアルド《エクシード》「 ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … ッ … ! ! ! (神々しい光を帯びた全身から光の粒子が溢れ出る。全身は光の鎧で覆われ、聖剣は光の剣へと変化を遂げている。天使を髣髴させる光翼と光輪が生え、その姿は人を象った《神》そのものだった)―――――光栄に思うがよい。『神』に等しき存在となったこの私を独り占めに拝めるのだから…!そしてこれから、貴様ら凡人の理解には程遠い次元を思い知ることになるだろう。さァ…慄き怯えろ、そして崇めるがよい。この私を……!!(グバァ…ッ… ! )(自身の偉大さを誇示するかのごとく高らかに両腕を広げる。それと同時に翼に眼球が現れる)」
ォ ォ ォ ォ ォ ォ ――――――バシュゥゥゥゥウウウウウーーーーーン……ッ…! ! ! ! !(十字架の光はガラスが砕け散るように破裂し、神々しい閃光が歪な暗さを持つペクレムの地下世界の中を迸った)
ティモネ「ッ…(片腕を掲げて衝撃に耐える。その最中、腕の内から鋭い眼光を輝かせながら光に包まれるエドアルドを窺う)」
ゴ ギ ュ ァ ァ ―――――――― ギャリンッ ギャリッ ギャリンッ ! ! ド ギ ュ ア ァ ッ ! ! ! (エドアルドの頭上に眩い光柱が落下し、巨大な光の十字架が誕生する)
―――――― エクシード《 セラフィム 》 ――――――
エドアルド「――――――― 頂の殿堂に座す神の力を見よ!!」
ティモネ「……!!(何か来る…)(只ならぬ覇気に緊張が迸り、咄嗟に身構える)」
エドアルド「口を慎め小僧ォッ!!手出しをするなと言っただろう!!!(ラティンに怒号を飛ばす)ハァ…ハァ…… 愚かな小娘よ… この私を愚弄したことを後悔し続けろ… 圧倒的にして絶対的な"力"を以て、貴様を散り散りに葬ってくれよう!!!」
ラティン「――――――ッ!!!(まさか…ッ…―――)エドアルド卿!!"それ"を行使しては――――」
エドアルド「…るな……ッ……―――――――舐めるなよ小娘があああああああああああああァァッ!!!!( ガ バ ッ … ! ) (右手の甲を見せつけるように勢いよく構える。薬指に嵌められた黄金色に輝く指輪が神々しい光を帯び始める)」
ティモネ「……(二人の様子を静かに窺っている)」
ラティン「ッ……!エドアルド卿…―――――!(エドアルドの右手を見てある物に気づき、表情が一変する)」
エドアルド「バッ (ラティンを振り払う)ハァ…ハァ……ハァ…ッ…―――――……るな…(がくがくと痙攣しながら立ち上がるが、その際に右の手を上げる)」
ラティン「ザッ…(エドアルドの傍に現れる)エドアルド卿、ここは一度態勢を整え直した方が賢明かと思われます。このままでは――――」
ティモネ「命まで取ることはないです。それに、この際あなた方がここへ赴いた理由なんてどうでもよくなりました。…大人しく退いてください。(泰然とした態度で)」
ラティン「……(まさかエドアルド卿がここまで追いつめられるなんて…思ってもみなかった…… あの御嬢さん、間違いなく…我々を超越した力を持っている……っ…)」
エドアルド「ぐぐ…ッ……こ、んな……(疲労の末に膝をつく)」
ティモネ「………(バサバサバサ……)(攻撃後の衝撃で髪や制服が大きく靡く中、凛とした表情だけは微動だにしなかった)……格の違いがわかってよかったですね。"あなたとボクは違う"。(冷徹な表情で、はっきりと宣言し)」
エドアルド「ぐゥ…ッ…!!?(いかん…このままでは――――――) ヅッ―――――!!!(目前から迫る烈風を避けられまいと観念し咄嗟に両腕で顔面を覆うが、攻撃が頭上を過ぎていったことで恐る恐る目を開ける)…はぁ……はぁ…いったい、なんなのd―――――!!?(なん…だ…あれは……ッ…!!?)(背後へ振り返るとすぐに視界に飛び込んできた壁の大穴に驚愕を覚える)……(今の烈風が、あれを……だと…!?)…ば、馬鹿なァ……!!(焦燥を募らせたような表情で振り返る)」
ラティン「…ッ……!!(ティモネが繰り出した強烈な突きの反動に耐える)……―――――――!!!……あ…あれは……ッ…!!(烈風により貫かれたコンクリート壁を見て酷く驚嘆する)」
――――――― バ ギ ュ ア ア ァ ァ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! ! ! (ティモネの刀から繰り出された斬撃…否、"烈風"は光線状に空間を貫き、エドアルドの頭上を過ぎて灰一色の荘厳な分厚いコンクリート壁に激突した。コンクリート壁は瞬く間に拉げ、貫通されたかのような大きな黒い穴を残した――――)
エドアルド「――――――ッ!!!!」
ティモネ「――――――― “虚空槍”(ヴァニタス) ――――――― ( ド ヒ ュ ア ア ァ ッ ッ ! ! ! ! ! ! )(風を纏った刀で勢いよく刺突を繰り出した)」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ … ! ! ! (地下世界一帯に風による轟音が鳴り響く)
ラティン「……!(風が刀の一点に集中している… あんなことが……!)(遠くからでもはっきりと見える風の集束に驚きを隠せないでいる)」
エドアルド「ぬッ……!!?(なんだ…これは……!!)(吹き付ける風で大きく靡く長髪を押さえながら、ティモネの圧倒的な構えに大きく目を見開いた)」
ティモネ「スンッ―――― シュタ… (エドアルドから離れるように飛び上がって着地する。着地後、背中の結晶の翼は消滅し辺りに光の礫が舞う)…終わりにしましょうか。 グルンッ――― ブ ワ サ ァ ッ ! ! ! ( ゴ オ ウ … ッ … ! ! ! ! !)(舞うように回転した後に刺突の態勢に入る。その際、強風が眠刀『森』の刀身に吸い込まれる様に吹き付ける)」
エドアルド「ぐ…ッ…!!(咄嗟に構えた剣で斬撃を受け止めるが押されていく)――――づァッ!!!(回転斬りで振り払う)」
ティモネ「 ヒュオンッ オッ グゥン…ッ… ! ! (流星のように鮮やかな線を描きながら光の斬撃波を素早い飛翔能力で避けていく)――――ッ!!(瞬く間にエドアルドの目前に迫り刀で斬りかかる)」
エドアルド「フハハハハッ!!散れぇい…!!(光を纏った剣を高速で振り回し幾つもの“ルシフェルティメント”を放つ)」
ラティン「―――――!? (な…何も見えない…っ… エドアルド卿の本気の速度…そして彼と等速の速さで飛ぶ彼女… これが…
円卓の騎士とEmPtIeSの、激闘…!)」
ヒュゴォンッ ! ! ! ドゥッ ! ! ズキャァンッ ! ! ! ガギャンッ ! ! ドォンッ ! ! ガンッ ! ズキィンッ ! ! ドッガキャンッ ! ! ギャゴォンッ ! ! ズギャアァンッ ! ! ! (刹那の中で見えざる二つの影がぶつかり合う)
エドアルド「なんだと?…この私と"最速"で競うか…滑稽なことだ… ―――――図に乗るなよ小娘。 オ ン ッ ―――――(ティモネが消えた後にこちらも消える)」
ティモネ「(浮遊して空中に留まり、ゆっくりと瞳を開けてエドアルドを鳥瞰する)ひとつ言い忘れてたことがある。ボクはあなたと違って… 空において"最速"だから。 “結翔星”(ロクス・ソルス)……―――――――(音もなく空中から消える)」
エドアルド「そこか…ッ!……!!なんだ…それは……!(土煙の僅かな隙間の中でティモネを見つけ一目散に彼女のもとへ駆け出したが、完全に晴れた中で翼を生やしたティモネに遭遇して仰天する)」
ティモネ「ズザザァー…ッ…(土煙の中から離脱して静かに瞳を閉ざす)――――“イカロスの翼”。(キュララァ… ガキュァ… ! ! )(瞑想状態で両の手を広げると背に無数の結晶が集結し、一対の翼になった)」
エドアルド「おのれ小癪なァ…!!(舞う土煙をウザったそうに振り払う)」
ラティン「くぁ…ッ……!(な、なんて衝撃… 近くにいては私の身も持たない…っ…)(表情が歪み、遠くでぶつかり合う二人を見る)」
ド グ ァ ア ア ア ッ ッ ! ! ! ! ! (二人が放った斬撃が衝突し、広大な空間一帯に衝撃が迸った)
ティモネ「――――!(眩い光の斬撃を目の前に眩しそうに目を細めるが、刀を構えた)――― “五斬十刹"風穿"”(ペンタメロン・ベンタロン)!! ( ド ギ ュ ア ッ ! ! ! )(エドアルドの放った斬撃波に合わせてこちらも十字状の斬撃波を放つ)」
エドアルド「―――― ボ フ ッ … ! ! (土煙を割ってティモネに迫る) キュアアァァ…ッ…! ! (剣身に光の粒子が集束し光を纏う) 高貴なる光を受けよッ!! “ルシフェルティメント”!!!( ド オ ゥ ッ ! ! ! ! )(纏った光を斬撃波として放出し、ティモネに解き放った)」
ティモネ「 フ ォ ン ッ … ! (遠距離地点に現れる) っ……(迫る土煙と衝撃に耐える)」
ラティン「…っ……!(エドアルド卿…ついに本気を……)(衝撃に耐えようと両腕で顔を覆い隠す)」
―――― ズ ギ ャ ア ァ ッ ! ! ! ! ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……―――――― ズシャアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーンッッッ… ! ! ! ! ! ! (巨大柱に一閃が迸り、大きな音を立てながら転倒し、轟音と共に地面に崩れ落ちた)
ティモネ「――――――!(“刹那”(シュネル)…!) フ ォ ン ッ … ! (攻撃を喰らう直前で瞬間的に消える)」
エドアルド「ハァ…ハァ……―――――抜かせ、小娘が…。この私の剣を、さも知ったかのように自惚れるなよ!(立ち上がる)貴様はまだ私のすべてを知らぬ… この私の前で「経験」を語るなら――――貴様とこの私の、格の違いを見せてやろう!!! ヒュダンッ ! ! ! !(ティモネの目前に光速移動する)―――― む ん ッ ! ( ズ ァ ッ ! ! ! )(渾身の力を込めて柱ごとティモネを薙ぎ払う)」
ティモネ「ピ ッ ―――――(刀で虚空を斬り様子を窺う)鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしてますね。どうやら今の今まで自分を越える相手に出くわしたことがないようですね。腑に落ちないのでしょう、自慢の剣術がボクに通用しないことを。確かにあなたの剣は速い。今までボク自身が相手をしてきた中では少なくとも…―――ですが、単調過ぎて退屈です。ただ素早く剣を振るくらいなら子供にだって真似できますよ。(冷淡な表情で煽る)」
エドアルド「―――――!!!ぐッ…うおおおぉぉッ…!!!(繰り出された凄まじい高速剣技を咄嗟に構えた剣で防御するが、大きく吹き飛ばされる) ズギャギャァー…ッ… ! ! ハァ…ハァ……!(馬鹿な…馬鹿な馬鹿な…ッ…… この私に見切れぬ太刀筋など… ありはしない…!私は……"最速"の騎士なんだぞ…ッ…!!)(滑るように着地し、胸部を抑えつけながら荒い呼吸をする。呼吸を整える中で遠くのティモネを鋭く睨みつける)」
ティモネ「カキャンキィンッカンッ ! ! キィンギャキィンッ ! ! ギッカキュァンッ ! ! ギィンカンカンキャンッ ! ! カ キ ャ ァ ン ッ ――― ! ! ! (一方的な快進撃の末にエドアルドの懐に入る)――――“五斬十刹”(ペンタメロン)! ザキィンッ、ザキィンッ、ザキィンッ、ザキィンッ ! ! ! ザキイィィィンッッ ! ! ! ! (何重にもなる十字状の斬撃を瞬間的に叩き込んだ)」
ラティン「……!(エドアルド卿の剣を受け止めた…!その上、反撃に回るなんて…)(立場が逆転した二人を驚いたように見る) あの太刀筋… 青の国の騎士や侍に似て……いや、彼らとはまた違う、見たことのない剣術…(刀を振うティモネの動きを捉えきれず困惑している)」
エドアルド「なんだと――――ずッ…!!?(ガギャァンッ ! ! !)(初めの斬撃を横に構えた剣身で防ぐ。だがその際、衝撃が剣を伝って全身に迸った)ぬおおおおぉッ…!!!(ガキャギャンッ ! ! ギャッキィンカンッ ! ! ズギャギャギャカキャンッキッカンッ ! ! ! ガギャギャガキャカンッ ! ! ! )(今度は自分が圧倒され始め、高速で退きながら剣でティモネの連舞に対応していくが…一撃一撃の速さと衝撃によって追い込まれ、斬撃を目で捉えるだけで必死になる)」
ティモネ「……そんな退屈な剣を受け止められて驚きましたか?そろそろ受けにも飽いてきたので今度はこちらからいきます。――――― 剣 が 折 れ な い よ う ご 注 意 く だ さ い ――――― ( ズ キ ャ ア ァ ッ ! ! )(縦一文字に斬り下ろし、そこから先程のエドアルドのように連続して刀による連舞を叩き込む) 」
エドアルド「――――ッ!!(受け止めた…!?この私の剣を…!!?)(攻撃の手を止められ表情が強張る)」
ティモネ「キィンカキャガキャカキャンッ ! ! ! カキィキィカンッ ! ! ズッキャキャッカンガキャンッ ! ! !――――――― ガキィィーーーン…ッ… ! ! ! (エドアルドの高速剣の太刀筋を見切り、あるところで刀の構えを強めて剣戟を受け止めた)」
ラティン「(傲慢なお方ほど逆上しやすい…とはいえ、エドアルド卿はこのような時でも俊足移動によるステップは踏み外していないようですね。流石は円卓の騎士の中でも最速と謳われているだけはある… しかしあの方、エドアルド卿の動きについてきているようにしか見えない… そんなことが…いや、現に今、エドアルド卿の高速剣技を見事に叩き落としている…。……先程から妙なことが起きたりと、一体どんな力を秘めているのでしょうか…)(二人の衝突を静かに観戦し)」
エドアルド「ぬがああぁぁッ!!!散れッ、散れッ、散れッ!!!散れ貴様ァッ!!!(ズキャンッ ! ! ガッキャンッキンカンッ ! ! ズギャギャギャァンッ ! ! カキャンギギィンッ ! ! !)(瞬間移動によるステップを踏みながら止まない猛撃を以てティモネを攻め崩そうとしている)」
ティモネ「(エドアルドの急変振りに閉口する) ガキィンッ ! ! カキャァンッ ! ! ガッキィッキィンカキンッ ! カンカキャンッ ! ガキャァンキャンッキィンカンッ ! !(無駄のない刀捌きでエドアルドの幾度となく迫る剣戟をいなし続ける)」
エドアルド「ぐッ…!!!(ティモネの笑みに屈辱を感じ、もはや初めのような高貴な面が消滅していた)愚鳥は斬り刻んでやる!!肉片残さず微塵にだァッ!!!!ズギャァ――――ギュォンッ ! ! ! (退避からの急接近をし、剣による乱斬りを炸裂させる)」
ティモネ「飛び続けて疲れた鳥が、羽休めに枝に止まる様なものです。いい足場があって都合が良かったです―――――!(瞬間的に消えたエドアルドに僅かに目を見開くが…)―――― ガ キ ャ ァ ン ッ ! ! (振り返ることなく刀を背後に回して斬撃を受け止める)…今度は糞でも落としてあげましょうか?(首だけをエドアルドの方へ向け、にっこりとした笑みを見せつける)」
エドアルド「―――――!!!(攻撃を回避された揚句、頭を踏まれたことで表情が強張った)……貴様…今この私を踏みつけたな…? 神聖なる魂の宿る、この私の頭を踏みつけたな…ッ!!?(先程までの悠然とした態度が一変し、酷く激昂する)許さん……ただでは死なさんぞ小娘ェッ!!!!(ギュォンッ ! ! ! )(全身に光を纏いティモネの背後へ"光速"移動する)無様に散れッ!!!!(凶刃を振りかざし、斬り裂こうとする)」
ティモネ「……―――― ヒ ュ ァ ッ … ! (死角からの攻撃を、あたかも認知しているかのように背後へ飛び上がって回避する)……タンッ――――スタ…(エドアルドの頭上を軽く踏みつけ、彼の背後に降り立った)」
エドアルド「…!?(馬鹿な…今のは決まったと思ったが…)―――タン… ドゥ…ッ ! ! (無機質な地面に降り立つや否や無防備のティモネの背後から急襲する)」
ラティン「……?(風…?ここは密閉された空間のはずですが…何故…)(ティモネに吹き付ける風に違和感を覚える)」
ティモネ「 ブ ワ ァ ッ ! (攻撃に直面した時、突然風が吹き付けてその流れに沿うように軽く吹き飛び、攻撃を回避してみせた)…スタ…(静かに降り立ちエドアルドの方へ振り返らず何もない空間を静かに見つめる)」
エドアルド「(愚か者め、所詮我が掌の内よ。)ドォンッ ! !(ティモネが空中へ逃げ込むのを予測した上ですぐに自らも跳躍してティモネの頭上に現れる)この私の上に立つことなどおこがましいと知れ!!(ズァッ ! !)(上からという有利な立場を利用した斬り下ろしを繰り出そうとする)」
ティモネ「いい表現ですね。ボクの“神風の息吹”(ゼフィロス)をよく表しているかと。ス ァ ッ … ! (再び空中へ跳んで攻撃を避ける)」
エドアルド「ふん…あたかもそよ風に吹かれる草のような身のこなしだ。ならば、これはどうだ。ギュルンギュルンギュルン――――ズアァッ ! ! !(回転を帯びた接近からの回転斬りで攻める)」
ティモネ「 ス ン …―――― ヒュ… フォ…ッ… スンッ… ! (空中で身体を捻ったり反ったりして連撃を掻い潜るように軽々と避けていく) スタ… ……(着地後静かに振り返る)」
エドアルド「(空中へ逃げ込んだか…だが…―――) そこ(空中)では無防備になるに等しい!!(ヒュダダッ ! ! ダダッ ! ! )(頭上のティモネに刺突の連撃を繰り出す)」
ティモネ「………―――――――― ス ァ ッ … ! (斬撃が目と鼻の先に迫った瞬間に鳥の様に飛び上がって回避する)」
エドアルド「得物を向けたな。よい、ならば――――――――決闘(デュエル)だ!!!(ヒュゴォッ ! ! ! )(爆発的な脚力からなる圧倒的な高速接近をしかけ、一文字に薙ぎ払った)」
ラティン「……(EmPtIeSにあのような若い御嬢さんがいたとは驚きましたが… 傍観とはいえ、念のために警戒しておきましょう。)(対峙する二人を見つめる)」
ティモネ「……眠れる森の美女は静かに呼吸する…――――眠刀『森』 (めんとう『もり』)。チャキ ―――――― ブ ワ ア ァ ッ ! ! (目前で平行に構えた刀を抜刀すると風が舞った) ピッ――― 小蠅の羽音みたいな御託はいいですので、さっさと"終わらせてください"。(刀の切っ先を向け、さもうんざりした顔で応える)」
エドアルド「その減らず口を叩けなくしてやろう、組織の独善者よ。だがありがたく思うことだ、この私自らが貴様を指名し、華麗に散らしてやるのだからな。この様な機会は滅多に訪れはしないぞ。(ふははと嗤いながら静かに歩み寄る)」
ティモネ「(…本当に"しがない"人だ。)(ラティンに対し眉をひそめる) ボクの首を斬り落とす…と言いましたか。では、あなた方侵入者を排除してもよろしいということで、いいですね。(呆れたように目を瞑る)」
ラティン「はっ。(エドアルドの騎士道精神に則り背後へ退く)」
エドアルド「この私を無視するか、いよいよ無礼な小娘だ。ラティン君、ここはこの私があの者に制裁を加える。手出ししてくれるなよ。ススス…―――― ジャキャ…ッ… ! (腰元の鞘から聖剣「アリストクラット」をゆるりと抜き出し天高く掲げる)」
ラティン「……(自分が指名されたのを静かに確認し、乱れた前髪を整える) それはお答えしかねます。私はしがない執事ですので、私語はいたしません。(ティモネに軽く頭を下げる)」
ティモネ「……話が通じない。( これだから男は嫌いなんだ…)(はぁとため息をつく) …ではそこの貴方に聞きましょうか。戦闘を終えた貴方がたは自国へは戻らず、ここで何をしているのですか?(ラティンを指名し)」
ラティン「(エドアルド卿… よりによって組織側の人間の前でそのようなことを告げては…)(エドアルドの発言に困り果てたかのように、額に手を添える)」
エドアルド「笑止千万!我々は貴様らと敵対関係にある。何故(なにゆえ)に貴様等の言いなりにならねばならぬというのだ?驕りの過ぎることだ。我々は貴様等のような支配者気取りの愚者どもから、人々を救い、導くために存在する!故に、決して貴様等の思うようにはならぬ。跪け愚者よ!それができぬというなら今ここで貴様の首を、この私が直々に斬り落としてくれよう…!(空間一帯に声を響かせ威圧する)」
ティモネ「あなたが何者でしょうとボクには関係ない。ボクが聞いているのはただ一つ、ここで何をしているのかということです。♚Chess♛は第八戦でPhoenixesと対戦をし、そして先程戦闘が終了したはずです。戦闘終了後は直ちに戦場を抜け、自国に戻らなければならない。それがEmPtIeSの決めたルールのはずです。」
エドアルド「それがこの私にものを尋ねる態度かね?初めは可憐な少女だと思っていたが、実におこがましいものだな。身の程をわきまえよ小娘。この私は♚Chess♛の高貴なるKnightにして《円卓の騎士》がひとり、エドアルド・ミリダルアぞ!この私の前では自国の者に関わらず、すべてのものたちはみな凡人!頭を垂れるがよい。(傲岸不遜な態度で対抗する)」
ティモネ「質問に答えていただきます。こんなところで何をしているのですか?(表情一つ変えることなく)」
エドアルド「なんだ…違うのか…(そう発言しつつも、本当は理解しているかのように不敵な笑みを零す) ほゥ…この距離で我々の正体を見破るとは… 流石支配者気取りの連中たちはそこらの凡人とは見る目が違うものだな。(ふんと鼻を鳴らす)」
ティモネ「…… ……♚Chess♛の方々がこんなところで何をしているんです?(一瞬の内に二人の服装、そして胸元のバッジから所在を特定する)」
ラティン「……失礼ですがエドアルド卿… 私には彼女が"そう"であるようには見えません。(苦笑する最中、一瞬鋭さを増した目でティモネの冷ややかな瞳を捉える)……(あの御嬢さん… あの目… 間違いなく、組織側の人間…)(糸目になるほどに細めた目でティモネを見る)」
エドアルド「ほう…ほうほう……!(暗闇から現れた少女を愉快そうに見る) 見たまえラティン君。どうやら組織は我々を歓迎してくれるようだ。このようにか弱くも可憐な案内人をよこしてくれたものよ。」
ティモネ「―――――――コッ… (二人の先にある暗闇の中から陽炎のように揺らめきながら現出する) ―――――― 何者ですか、あなた方は。(並列する二人を蔑視する)」
ラティン「……(我々以外に… 誰かいますね…)(両手を後ろに回し、目を細めて辺りを警戒する)」
コッ…―――――コッ…――――――コッ…――――――――――――――
エドアルド「……?(何処からか響く謎の足音に眉を潜め、若干顎を突きあげる)」
コッ…―――――コッ…――――――コッ…―――――――
エドアルド「…ニヤ……(ようやく見飽きた風景から抜け出したことである一つの喜びを感じているのだろう、口元が緩み始めた) 匂うぞ、感じるぞ… この先に大いなる秘密が隠されているに違いない…!どの国よりも逸早く情報を手に入れ、女王様に捧げようではないか。さすれば今回の失態の埋め合わせになる良い手土産となろう。ブワサァ… ! (マントを靡かせ、暗黒空間に対し悠然と構える)」
ラティン「……(やはり同じような風景… いえ、あれは……)(最果ての暗黒空間を見据える)」
扉の先で待っていたのは、先程の第三地下帝国同様の灰一色の広大な空間と至る所にそびえ立つ巨大な柱だけだった。しかしその最果ては暗闇に覆われていて、先程と比べて雰囲気の異なる黒い空間が広がっていた―――――
─── 第五地下帝国『ペクレム Em:Ⅴ』 ───
エドアルド「む… 私の手を煩わせることもないな。(ラティンに続きその扉の先へ)」
ラティン「……!(あれは…)……エドアルド卿、どうやらこちらの扉から入れそうです。運良く鍵が開いていました。(巨大なゲートの隣にある通常の出入り口を指し、先に入り込む)」
エドアルド「(「ふむ」と巨大門に一瞥を与える)…この"程度"なら私の剣(つるぎ)で斬り落とせそうだな。(そう言うと腰元の鞘に納められた剣の柄に手を添える)」
オ ォ ォ ォ ォ ン … ! (そびえ立つ鉄壁の如き漆黒のゲートからは異様な雰囲気と風の混ざり合ったものが醸し出されている)
ラティン「はっ。(エドアルドに続く)」
エドアルド「ほゥ…(納得したように頷きながら、細い目でゲートを眺める)このエリアは貴様等の戦闘中に既に探索済みだ。大したものは得られなかったがな。ならば早速次のエリアへと向かおうぞ。言っておくがこの私は、例え女王の命令とはいえこのような陰湿な地からさっさと抜け出したくて居たたまれないのだ。何かしらの情報が得次第ただちに撤退するぞ。ぐずぐずするなよ。(そういうとマントを靡かせ、優雅な足取りでゲートのある方へと歩み進める)」
ォ ォ ォ ォ ォ ォ … (二人のいる地点から先の方角に、巨大な黒いゲートが存在していた。ゲートの真ん中には赤い「Ⅴ」の数字が描かれており、灰一色の空間の中で更に荘厳な雰囲気を醸し出していた)
ラティン「はっ、お任せを。(「失態」という言葉に若干目元が歪むが紳士らしく振舞う)…対戦が始まる前にこのエリアを下見してきました。この地下帝国「ペクレム」は広大な場所であり、エリアごとにⅠから十の番号が施されているようです。現在我々がいるこのエリアは「Em:Ⅲ」。少し離れていますが、あちらに見えるゲートを越えれば…この地点からは近い「Em:Ⅴ」へと行けるようです。(背後の広大な空間へ振り返る)」
エドアルド「ご名答。支配者気取りの組織の秘密を暴き、その情報を女王様に捧げることこそが我々二人に課せられた特務よ。組織が何故(なにゆえ)今回の対戦の舞台をこの地に選んだのかは不明だが、敵対関係にある我々をわざわざ本陣に誘い入れるとは愚かなことよ。だがこの時でしかあの者たちに関する有力な情報は得られぬ。くれぐれも、二度も失態を犯さぬようこの私と共に任務を遂行してくれ。とはいえ、この私一人にかかれば容易く片付くことだがな。(はははと高らかに嗤う)」
ラティン「はっ、肝に銘じます… (エドアルドの死角で口元をきつく結ぶ) はい、我々がこの地へ赴いたのは… 先程の対戦に加え、EmPtIeSの属領であるこの地下世界の探索命令を女王様から授かっているからです。(頭を上げ、上官に報告するかのようにエドアルドに)」
エドアルド「頭(こうべ)を上げよ。今ここには我々二人しかいない故に問題はないが、この様子を他の…それも位の低い戦士たちに見られてはこの私自身も羞恥の的ぞ。二度と今日の様な失態を犯してくれるなよ。……さて、念のために聞くが、この高貴な私が何故このような陰湿な地へわざわざ踏み入れたのかは知っているな?」
ラティン「はっ… (潔く首肯する)……(罰を受けるのは当然だ。いやむしろ、罰を受けること自体が軽いことくらいだ… それ程に、死者を出した私の責任は重い…申し訳ございません……
ローベルトさん…)」
エドアルド「ふん、まあよい。先程の件はこの私から女王に報告しよう。後に女王より然るべき罰を受けるがよい。とはいえ、女王も甘い面があるからな…もしもの際にはこの私が直々に断罪を下してくれよう。光栄に思うのだな。(ふんと鼻を鳴らし、高慢な面を露わす)」
ラティン「――――ッ!!(…そうだ……その通りだ… それなのに私は…… …ッ……)……恐縮です…。(深く深く頭を垂れる)」
エドアルド「死者を出したにも関わらず"後始末"か… その者が貴様より位が低かったとはいえ、随分と驕りが過ぎるのではないか?―――― 死 ん だ 輩 は 戻 っ て こ な い ぞ ? (鋭い眼力でラティンを突き刺す)」
ラティン「エドアルド卿……(…っ……)(ばつの悪い顔をして首を垂れる)…申し訳ございません… 貴方様のおっしゃる通り、先程の対戦の失態は、すべてこの私にあります。不始末の後始末は、この私が―――」
エドアルド「(不敵な笑みを浮かべる高貴な騎士は腕を束ねてラティンを冷徹な瞳で見つめていた)その謀略を以てして敵陣を討てず、あまつさえ多くの同胞を失う結果へと導いた… この私と同じ《円卓の騎士》でありながら、実に実に見事なほどに―――――― 醜 い こ と だ 。(狡猾そうに口角を上げるが、その冷徹な瞳は決して笑ってなどいなかった)」
ラティン「……!(声の主の方へ振り返る)あなたは…――――!(その正体を見て目を見開く)」
―――――見事なまでの痴態であった、ラティン君。(ラティンが横切った巨大柱の影の中から男の声がした)
ラティン「コツ…コツ……(まさかあのような奇策を行ってきたなんて… ローベルトさんを失ったのは私の誤算のせいだ… その上
ミナコさんまで捕らわれてしまった… 失態の連続……女王様に何と報告すれば……)(主我の率いる一隊から離れて帰路とは違うある場所へと向かう中、ひとり額に手を添え悩み苦しんでいる)」
─── 第三地下帝国『ペクレム Em:Ⅲ』 ───
――― 第八戦終了後 ―――
レインド「スタッ……(着地後、その姿を見据え、表情が一気に曇る)……これは…(キツい……)………もう、違う生物へと変貌しちまったか… 」
フーナ(?)「あ゛あ゛ぁ゛ッ!!…や゛ッ!も、もう…ッ!ひッ…や゛っ…!何も考えだぐな゛い゛ィ…ッ…!いやだよ……ッ… ご、ごんな゛…ア…ッ…!!あ゛あ゛あ゛ぁ゛!(耐えきれない激痛に両手で頭を強く挟み込み、悶え苦しむ。全身はみるみると漆黒を帯び始めていく)ひぐ…っ… た… すけ… レインドさ……――――― ギ ュ ン ―――――(その言葉を最期に彼女は、完全に化け物の姿へと変貌を遂げた。もはやそこに彼女の姿も面影もない) グギィアギャギャガギャガアアアアァァァァーーーーッ ! ! ! ! ! ! 」
レインド「……(もう喋らないでくれ…)(フーナの背中に脚を置いた状態で、その様を瞳に映し続ける)…………(脚に力を入れ、ドンッと更に押す)(速く、速くその姿から解放してくれ) ――ッ!?(ハッとした表情で自身の状況を確認)クッ…!!(大きく飛び上がり、棘の茎に脚をつけ登り上がっていく) 」
フーナ(?)「ギュルン―――― ブ ワ ッ (回避されると急旋回し再びレインドに攻撃を仕掛けようとするが…)―――あぐぁ゛…ッ…!!!(ドグゥンッ ! ! !)(反撃の前にレインドの踵落としが背に落下し、地面に陥没する)…グ…ググ…ッ… あ゛ッ…!(激しい頭痛に苛まれているかのように、尚も片手で頭を強く抑え込んでいる) きっど…わだじ以外にも… 多ぐの人だちが悲しんでいる゛…ッ… 血どッ!煙の臭い…ぞのな゛がでッ!今日も戦争に怯えな゛がらぐらじているびとだちがいる…ッ…!!……はぁ…ハァ…!がえ…ないど… 『私たち』が…っ…わた… …ひぎッ…い゛ッ…!?(血走った眼から黒い血が滴り落ちる)あ…アァ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッッ!!!!!(ドドドドシュァッ ! ! ! )(身体の至る部位から彼岸花の様に棘が突出し、変則的に歪曲しながらレインドに襲いかかった) 」
レインド「おっつ…(態勢を立て直し、フーナの軌道がこちらへと向かっている事を確認)ふっ!(フーナの体当たりを身体を縮めた前転で回避→着地後、そのままバク転をして通りすぎたフーナの方へと跳躍)せいりゃああ!(フーナの背中へと重力と重心を一辺にかけた踵落とし) 」
フーナ(?)「 ド ゴ ォ ッ (防御も回避もすることもなく、真正面からの正拳が黒い胸部に炸裂し、人形のように軽々と吹き飛んでいった)ドサァ…ッ…!! はぁ……ハァ…はぁ… (力なく立ち上がり、荒い息と黒い血を交互に吐きながら態勢を整える)…か…ッ… わたじ、は… レインドさん…や゛…だくさん゛の゛ながま゛だちと…と…一緒に゛…幸せにな゛り゛だい…ッ… だ、だがら…お願… レインドざ…ッ… ヴぁだしと…一つにな゛ってぐださい…(ビキビキィ…――― ドギュァッ… ! ! ! )(背中から羽状の
黒い物体が生まれる。羽にはそれぞれ大きな重瞳が現れ、ビキビキと鈍く不気味な音を立てながら瞳孔を動かしている) フ ォ ン ―――――― グ ァ ッ ! ! (ふわりと宙に浮き、鋭く弧を描きながらレインドに体当たりを仕掛けようとする) 」
レインド「(辛いな…)…王様が動揺している所なんて、見たくないだろう?俺が民ならそうだね(グローブ越しなら恐らく…)…(黒い血は最早生死を確認するまでもない。俺は自らの手で民を護る、そうでなくっちゃあならない……)行くぞ…(一歩踏み出すと、地面を滑るようにフーナの目の前へと移動し、勢いをつけた正拳で襲いかかる) 」
フーナ(?)「ひぎィ゛ィ゛…ッ゛…!!あ゛ぁ゛…ッ!!(ブシャァ…ッ ! ! )(レインドの投げ飛ばした台は左腕の重瞳に突き刺さるように直撃し、黒い鮮血を流し夜空に不気味なアーチを描いた)ハァ…ハァ……!…いだい… い…い゛たいよ……レインド…さ…… こんなの…おかじィよ……デインドざん゛…ごんなごと…じない人だったのに…ッ…(外見だけでなく、遂には彼女自身の性格にも影響が現れ始める) 」
レインド「……大丈夫だ、『俺にまかせろ』(話に聞けば、触れればアウトだ。見ての通り、防御するには間接物が必要か…)スバッ!(猪突に襲いかかってきたフーナの攻撃をひらりと後方回避)おらよっ!(灼熱祭で使用していたと思われる台を手にとりまずはその左腕へと投げつける) 」
フーナ(?)「ハァ…ハァ…… レインド…さん…… 私、怖いの… 自分が自分でなくなることが… あ…ッ…ぐ…(自分の額を抑え込む)…でも、ね…そんなことよりも… 仲間たちがこれ以上死んでいってしまうことの方が…私にとっては、もっと怖いの…!(恐怖で声を震わせ、唇を痙攣させる)だから…私を…… ……こ、こ…ころ………―――――『殺さないで』(殺して)!『これからあなたと一つになるんだから』(これからもあなたに仲間を救ってほしいから)!ひっ…ヒヒッ…… えへへ…ひ、ふふ……ッ…… グ ギ ョ ァ ッ ! ! ! ! (左腕を振うと無数の棘が突出し、次々とレインドに襲いかかった) 」
レインド「……(あぁ、俺の民になんてことをしてくれたんだ……)……
フーナ…(先ほどまでの、身近に民と話す事で居心地の良さを感じていた表情から、それが消えた事により哀しさと寂しさの入り交じった表情となる)……民1人救えずして何が王だろうか……よいよ、お前を護ることすら俺は出来なかったようだ…………悪かった、フーナ。俺は他の人間を、護らなくっちゃあならなくなったようだ…(コートをバッと脱ぎ捨て、Yシャツにノースリーブタキシード姿で、黒グローブを深く填め直す)……かかってきてくれ 」
フーナ「―――― きっと誰も争わなければよかったんだ。だって初めから、『私たち』は一つだったんだもの。(ボ ゴ ォ ッ … ! グジャリグジャリ…ッ…)(化け物の様に変貌を遂げた黒い左腕の至る部位から破裂音が響き、蛇の様にうねる無数の棘が生え始める)ねえ、レインドさん…
シャルロッテちゃんが目指した世界は、きっと『私たち誰もが』が望んだものだと思うの。差別も、貧困もない平等な世界には争いが存在しない。素敵だよね… だから、『私たち』でそんな世界を創っていこうよ。…ね、レインドさん…?(グ バ ァ ッ )(身体の半分が黒く浸蝕されていき、至る部位に不気味な重瞳が一斉に開眼した) 」
レインド「――(俺と違う軸で考えている訳……か……)奴は鬼才だ。俺は俺の民の事を知らなさすぎた……思考こそ、俺達の国よりも蒼い方寄りだったろうな。この世を納めるのに急ぎ過ぎた… 」
フーナ「さっき、「どうして」ってレインドさんに問いかけたけどね… 本当は、分かっているんだ。ただその答えに、今までずっと気づけないでいたから…この胸の中で、ずっともやもやが晴れずにいたの。(表情が陰る)…どうしてあんな惨事が起きたのか…… どうして首謀者のシャルロッテちゃんが…あんなことを起こしたのか……―――――― ゴ ギ ュ ァ … ッ … ! ! (突然、左腕が瞬間的に肥大化し、同時に黒く変色を始めた) 」
(回想)シャルロッテ「 キサマらは何も分かってない…… ――――この世界には犠牲者が必要であることを。そして世界の維持には“悲しみ”と“喜び”が何より大切であるということを―――…… 私は人々が生み出し、やがて滅び行く世界を止めようと必死に戦ってきた。キサマらは…… っ… キサマらは何故、迎えられた運命に抗おうとする……?どうして輪廻を、歯車を―――……止めようと、するの………っ…? 」
フーナ「……(王としての不甲斐なさを感じるレインドを憂き目に、胸元に片方の掌を寄せる)……レインドさんの気持ち、痛いほど…よくわかるよ。あの時は私も、目の前のことで精一杯だったから…仲間の力なしでは、どうすることもできなかった。……でもね、結局…あの場所で誰かがいてもいなくても、状況は変わらなかったと思う。――――道化…いえ、シャルロッテちゃんは、戦いの世を嘆いていた。 」
ヒ ュ ォ ォ ォ … …(歪な夜風が二人を包む)
レインド「…………(状況が眼に浮かび、自らにも襲いかかるような幻覚を一瞬だけ認識)……俺がその場にいてやれなかった、謝っても謝りきれない事だ。 」
フーナ「(手を後ろに組んだまま、そっとレインドの方へと振り返る)…今年の灼熱際のこと、レインドさんは知ってるよね。あの祭りは、私たちが代々行ってきた伝統行事。国外の人とも楽しめる素敵な出来事… ヒ ュ ォ ォ ォ …(夜風で髪が滑らかな曲線を描いて揺れた)でも、今年は違った。過去に今まで"あんな惨事"は起きなかった。(二人の脳裏に、
幻影の道化師の出現によって地獄と化した灼熱際の像が次々と横切った)…どうしてなんだろ、レインドさん… どうして、あんなことが……(俯き気味に問いかける) 」
二人は人里離れた森林地帯に赴いた。暗い夜の木々を抜けると、一面が月光で満たされた草原に出た。
レインド「――(フーナの走る姿を眺め、表情は穏やかながらもその通りに後をゆっくり追う) 」
フーナ「ふふっ。かわいいなー。(レインドの表情を悪戯っぽく窺う) ここで会えてよかった。王s…レインドさん、最近忙しそうだったから。 ……ちょっと大事な話があるんだ… ここだと不味いから、ついてきて。(そう言って手でレインドを招きながら、小走りである方角へと向かう) 」
レインド「よいよ珍しいな、フーナ。あと王様はよしてくれ……(流し目でフーナを確認して頬が綻ぶ) 」
フーナ「コツン…(背後からレインドの肩を軽く突いて現れる) こんばんは、王様。(手を後ろに組んでふふっと微笑み) 」
レインド「(……戦いによる死者が勃発)…気の早い奴らばかりだ……上の言う事なんて一つも聞こうとしやしない……(下町、中央道を歩いている) 」
――― 某所 ―――
笠置潟螳螂「―――そういえば最近、番号持ちの何人かが俺を勘ぐっている様だが・・・大方俺がまた詐欺を働いていないかどうかだろう・・・気にする必要はないか・・・。 」
笠置潟螳螂「(そもそも俺はしがない、うだつの上がらん一団員に過ぎない。そんな俺のレポートなどあろうがなかろうが同じことだ、なにより報告書代を徴収できない地点で論外だ。番号持ちにはファンが多い。主に団員だが・・・そいつらが適当に報告書をまとめるだろう。俺は知らん) 」
笠置潟螳螂「(しかし、無駄足とはいえ・・・報告書があるのだったな。番号持ちのガキどもに提出しそれをもとにガキどもは動く。最も・・・報告書の有無なんぞ関係なく動くのがあのガキどもだ。)――――――。(そういうわけでぇ、俺は報告書は書かなかった) 」
笠置潟螳螂「しかし、無駄足だったな。殆どオーラを感じない・・・・以て三分の一といったところだな。これなら放置しても大丈夫だろう、いや、放置しかあるまい。残念ながら大した金にはならん。――――今回の件から俺が得るべき教訓は、"真実など例え思い通りであったところで、場合によってはくだらない。"ということだ。 」
笠置潟螳螂「(―――とまぁ、ここまでいうと俺が暇を持て余しているかのようにも聞こえるが、バレンタインデーのイベントを見に来た・・・・とうのは嘘である。俺は機関の仕事で"蟲"の調査をするためのこの国に派遣されただけで、イベントは丁度やってたから見ていた。・・・・とまぁ、これも半分は嘘だけどな。) 」
笠置潟螳螂「(そもそも、無償でチョコを渡すなどという行為そのものが理解できない。男女にとっての一大イベントであるならチョコ一個につき5000円は取れる。うまくいけば1万・・・・いや2万はとれる。・・・ホワイトデー?なんだそれは?金になるのか?) 」
笠置潟螳螂「(むしろ、俺に"かもしれない"を追求するだけ無駄なのかもしれない) 」
笠置潟螳螂「(若しくは、チョコを渡したところでよくて二束三文の見返りしか返ってこないにも関わらず、恋心に浮かれ切った女共のバカ面を観るために俺はここへ来た――――のかもしれない) 」
笠置潟螳螂「(好きな男へ渡すという理由の為だけに、命よりも大事な金をチョコを作る材料費にあてたり高そうなチョコを買うために、まるで豪遊目的の金持ちの如く使いまくる貧乏人共の生態を研究するために、俺はこの国にわざわざ足を運んできた――――のかもしれない。) 」
笠置潟螳螂「(大体の奴は略して笠置と読んでいる。とまぁ、自己紹介はここまでしてだ。俺は今とある国のとある広場に来ている。――――そう、バレンタインデーのイベントである。) 」
笠置潟螳螂「(俺は笠置潟螳螂、編み笠の"笠"に放置の"置"、新潟の"潟"に螳螂(かまきり)と書いて、笠置潟螳螂(かさぎがたとうろう)と読む。) 」
最終更新:2016年03月16日 20:42