マーシィ「……(木製の机の上に大量に積み上げられた書籍。それらに囲まれながら、手にしている一冊に夢中になっている)」
夜の
寄宿舎内の図書室―――ただでさえ人気の無い場所だが、この時間帯の図書室には彼女
以外誰もいなかった。
マーシィ「(そして読み終えると、いつの間にか暗くなっていた窓の外に気づき始める)……もうこんな時間ですか…楽しい時間はあっという間ですね。(やや名残惜しそうに苦笑しながら席を立ち、大量の書籍を元の棚に戻し始める) 」
マーシィ「(司書に軽く会釈して図書室を後にする)ふふふ…いろんなことを知れて大満足です。(常に絶えない微笑みから嬉々とした雰囲気を醸し出しながら廊下を歩いている) 」
義正「……かーっ、すっかり暗くなっちまったなぁ………(
マーシィの前から歩いてくる) 」
ヴォイド「パチパチ……(廊下と繋がるロビーの暖炉に薪を入れ、部屋全体の暖を取っている)急激に寒くなってきやがった。そろそろ施設内でもコート着用の季節が来たみたいだな……(相変わらず、春用のYシャツベスト姿でドカっと木椅子に座り珈琲を嗜んでいる)――(
マーシィと義正か、部屋鍵は渡してあったが結構自由に使ってくれているみたいだな)おーい、廊下じゃあ寒いだろ、こっちで暖とったらどうだ 」
和泉「……寒いですねぇ、かなりまいってます(暖炉に当たっている) 」
マーシィ「あら…?(前方からやってくる義正が視界に入り、「義正さん」と声をかけて会釈する)以前はありがとうございました。義正さんとご一緒した「コンビニ」というところ、本当に素敵なところでした。私が想像していた万屋よりも、良い物が多くさん揃っていて驚きました。(ふふっとはにかんで)あら。では、お言葉に甘えて。(
ヴォイドに誘われ、ロビーの暖炉の元へ歩み寄る)…今宵も随分冷え込みますね。(寒そうにしながら露出した肩を摩る。その絶えない微笑みに似合わない動作である) 」
ヴォイド「あんま距離詰めて当たると火傷する、気ぃつけろよ(眼を伏せて一息) ジャージでも着たらどうだ、そんな格好じゃ流石に風邪引くだろう(ロマン要素一切なしの発言をしつつ、手元の珈琲チップで珈琲を淹れて行く)宗教とか関係なしに珈琲飲めるか?ブラックか砂糖かも選べるぞ 」
義正「…あっ、こんばんはっ…(
マーシィに声をかけられ)喜んでいただけたようで何よりです!(はにかみに笑顔で返す)…あ、どうも…では、あったまっていきますか……(暖炉の方へ) 」
マーシィ「あはは、その通りですね…(
ヴォイドの発言に苦笑し)はい。では、ブラックで。(お辞儀をしながら)貴方がたの住む『ここ』は素敵ですね。居心地も良い。(義正の横顔に話しかけ) 」
ヴォイド「俺の管理が杜撰なようだが、義正は寄宿舎住みだったか? ほい(
マーシィと義正に淹れたてのブラックコーヒーを差し出す)まぁ俺の知り合いにはそういう露出的な知り合いも覆いから見慣れたっちゃ見慣れたがな。暖炉も最高レベルにあったまってきたところだ。鳥肌立たせない内に体温あげてくれ(雷神剣を机横にたてかけ、両腕を後ろ頭に回す) 」
和泉「お気遣いどうもです(離れる)わざわざ暖炉、ありがとうございます。(ペコリ 」
義正「…そうっすねぇ、図書館もあって、いろいろな設備もありますからね…… …あ、実は
寄宿舎住まいじゃないんです… 」
マーシィ「(コーヒーの入ったマグカップを受け取り深く頭を下げてお礼し、ロビーの一人用のソファにゆっくりと腰かける)はい、何から何まで…お気遣いありがとうございます。(コーヒーを口にする最中、
ヴォイドの雷神剣に一瞥を与える)…戦士のお方ですか。(マグカップを両手に
ヴォイドに尋ねる) 」
ヴォイド「いいってことよ。寒がりには厳しい建築環境だ、薪でも燃やさねェと俺でもキツイ(和泉へ) ほう、じゃあお客さんとしてきたのか。用があるなら承るぜ。単純に遊びにきたんだろうがな。 元戦士、今は引退の身だ。碌に剣も握っちゃいねェよ(眼を閉じて珈琲の味を嗜み、うんと頷く)武器があまりにも強くてな、頼りっぱなしだ 」
マーシィ「……(
ヴォイドの一挙一動を静かに見つめた後、目を伏せる)つかぬことをお聞きしましたね、ご無礼をお許しください。新たな地で新たな人と出逢うと、様々なものを追求したがる性でして。(雪の様に白い両手でコーヒーの温かみを感じ取り) 」
ヴォイド「針の穴程も気にしちゃいねェさ。別に話せないことなんてないしな(ヘッとせせら笑い、細い眼を開ける)仮にも住人と家主だ。互いの事は知ってナンボだろう。聞かれた事はしっかり答えさせてもらうぜ。俺の嗜みだ 」
義正「まぁ、
寄宿舎もいいとこですよねぇ!一人暮らしするとしたらここにお世話になりたいっすね(
マーシィに)あ、特に用はないっす、寄宿舎に住んでる友達んとこに遊びに来ただけっすから(
ヴォイドに) 」
ヴォイド「だろうな、まぁゆっくりしていってくれ。住人は起さない程度に 」
マーシィ「ふふっ、そうですか。(安堵の笑みを浮かべて)では、ひとつお聞きしたいことがあるのですが、宜しいですか。(変わらない表情で)ええ、私もそう思います。(魅惑的な微笑みを浮かべながら) 」
男「 ––––むしろ追求を求めて新たな地、新たな出会いを探し行くのが人間の性でもある。いいじゃないのそういう好奇心、ロマンって言った方が聞こえがいいか(廊下の奥から色が浅黒いそこそこの年の男が顔を出し)ああ、アレね。全ての出会いにロマンあれ、とりわけ僕の知らない学のあるお兄ちゃんとか見たこともないような美人とか大歓迎よ(手のひらを上に上げて腕を広げ歯をのぞかせて
マーシィに一瞬一瞥をやりはにかむ) やあ管理人さん……あー、代理だっけ(眉をひそめ
ヴォイドを凝視し、すぐに気前のいい笑みを浮かべ)まあなんでもいっかぁ……\パンッ/ごめんね、無断で鍵借りた。良い型してんね(
ヴォイドの肩に手を置き部屋鍵を置く) 」
ヴォイド「(どうぞ、という手の平ジェスチャー)うおぁ!?(男の動作に驚き、目の前に置かれた鍵に眼を落とす)い、いや、いいんだ自由に使ってくれ。流石にいきなりで驚いたが―― 」
義正「…っっ…(ドキッ(
マーシィの微笑みを見て、一瞬目をそらす)あ、わかりました。……寝てる人とかいる…まぁ、いるよなぁ……(暖炉にあたりながら) 」
和泉「おや?そうなんですか…私も長袖は着るようにはしているのですが……(上下スウェット) 」
マーシィ「私は読書が大好きでして、先程も図書室にずっと籠って読み耽っていました。あそこにある書籍はどれも古いですが大変興味深いものばかりでした。中でも、 『この世界』の『史録』は特別なほどに。そこでお聞きしたいのですが…『この世界』に纏わる『歴史』は、誰が、何処で記録しているかご存知ですか。著者が不明という不思議な史録でして…司書の方に尋ねても分からないと仰っていましたので。(人差し指を顎に添えて) 」
和泉「おや?そうなんですか…私も長袖は着るようにはしているのですが……(上下スウェット)あなたでも寒いのなら、仕方ないですね… 」
マーシィ「まあ。(男の発言にやや嬉しそうに微笑み)つまり私は人間としての性がちゃんと備わっているのですね。貴方の言葉で改めて認識することが出来ました。 ふふっ、可愛いですね。(義正の隙を突くように彼の頬を人差し指で優しく突く) 」
ブラント「驚かせるのが好きなんだ、ハロウィンじゃ最優秀仮装大賞独占だったよ自慢じゃないけどな(肩に手を置いたままウンウンと頷き)ヴィル・ブラントだ。もしかしたらおたくの電気かガスか水道か、もしくはそこの豆電球とかエトセトラエトセトラ提供してるかもしんない(腕を何の気なしに差し出し有無を言わさずシェイクハンド)お言葉に甘えて部屋借りたよ、ガスの付きが悪いから改良しといた 人間であれ知的生命体であれ今を生きるのに必要な要素に対して生き物は貪欲になってしかるべきなんだ。いやごめん言い方が悪かった、早い話僕ら皆みんな生けるスポンジのように吸収するんだ。とりわけ好きなことにはね、僕の場君の微笑みとか 」
ヴォイド「――(著者が不明でありながら『この世界』の『歴史』か)――恐らくだが、俺達じゃあそいつは確認出来る代物じゃねェ。俺達の世を綴った書物は不特定多数にして、この世界以外の人間が関与出来る立ち位置在るかもしれねェ。少なからず、書籍に並んでいるようなモンじゃねェかもな。俺もその類いの話は疑問に思ったり調べたりはした事があるが未だ見つかりやしないしな(淡々と、一定のペースで
マーシィへと視線を合わす) おうおうおうどんどん喋るな、そういう輩は大歓迎だぜ。修理サンキュー、修繕費はそのうち部屋につぎ込んどくぜ(握手した反対側の手でぐっとサイン) 」
義正「…お…っ……!?(ビクッ(頬を突かれ、驚いた表情を見せる)あっ…その… 」
来ヶ谷唯湖「 コホ、コホ……おぉ……誰が誰などといちいち把握する気も起きないが、とりあえず盛況のようだ。(
寄宿舎の奥から、少し具合の悪そうな様子で) 」
和泉「とりあえず、廊下にも暖房をつけるべきだと思うんです!!(
ヴォイドに) 」
ブラント「仕事以外の話をする暇がないとこうなる、よく降ったコーラが爆発すんのと同じ。(同じく握手した方の手と反対側の手で親指を立てて拳と拳をぶつける)金もらったら趣味じゃなくなっちまうだろ、それよりうまい飯屋紹介してくれ 」
ヴォイド「風邪が流行る時期だな(椅子から離れてロビーにある水屋タンスから錠剤と薬を持ち出す)移されちゃあ困る。今茶用意するから待っててくれ 」
ヴォイド「予算がねェ。俺に金があればつけていたかもな。カンテラで我慢してくれ(和泉に) この施設に良く着てくれる屋台がある。そこが最強の飯屋だ。今度来いd 」
マーシィ「ありがとうございます。私のものなんかで良ければ。(魅惑的な笑みを浮かべて)…へぇ…なるほど…(
ヴォイドの返答の内容に興味を示すかのように口角を徐々に上げて)…ところで、今の発言に気になることがあるのですが、"この世界以外の人間が関与出来る立ち位置"とは、一体何でしょうか。それはこの世界だけではなく、様々な世界が存在し、そこにも同様に人間が生活をしているということでしょうか。そして、それらの世界が他の世界と干渉し合っているのですか。(コーヒーの水面に笑みを浮かべる彼女の表情が映る) 」
来ヶ谷唯湖「ハッハッハ……コホ…不覚。何事にも完璧であろうとした、この私が……コホンッ。」
マーシィ「義正さんは面白い反応を見せてくれますね。面白い方は、好きですよ。(彼の目と鼻の先という縮まった距離で、上目遣いで微笑みかける) 」
ブラント「よっしゃ、その屋台が来た時は教えろよ。マッハ20ですっ飛んでいく。自家用ジェット機なんてチープなもんよりいいもんがるしなd ––––なんかあれだ。魅惑的な微笑みの裏に知的な影あるねおたく。それってあれか、"惑星外"っていうのも外界の概念に含まれるのかな。例えばほら、チキュー(外人訛り)とかさ。結構前にあそこから来た軍隊やら何やらでドンパチになったろ 」
ヴォイド「明らかに書き換えられた歴史も存在する(眼を細め、彼女の持つコーヒーカップの輪状の水面に視線を落とす)政府だろうが裏組織だろうが神様だろうが、過去の事実は根柢には蔓延り、事実として示される。示された歴史は西暦を逆算した数学的根拠や遺体や遺書から推測される科学的根拠に基づいて確かに『訂正』される。だがソレをすっ飛ばして『変換』される事が稀に在る。これは俺の憶測だ、平行世界、乃至、監視する世界。俺達が居る『此処』をまるで『編集』する場所があるんじゃねェだろうか。結構メルヘンだろ? 」
和泉「むむぅ、それなら仕方ありません、諦めましょう。…やっぱり毛布かぶって出て行くしかないですね…(
ヴォイドに) 」
ヴォイド「ほら(来々谷に錠剤と薬混在のお茶を差し出す)少しは元気になるさ。 その速さで着たら
寄宿舎がぶっ飛んじまう。気合い充分過ぎる程に伝わったぜ(苦笑) 」
義正「お、面白い反応って……(そ、そんなに近づかれたら、そんな反応になるつて……!)(
マーシィの仕草を見て赤面) 」
マーシィ「そう、ですか…?(自覚がない様にきょとんとした顔で小首を傾げる)惑星外…ちきゅー…はあ…(聞いた事の無い星の名を耳にして)…ふふっ、失礼いたしました。私としたことが、つい戯れが過ぎましたね。(義正の表情を窺い、顔を離す) 」
来ヶ谷唯湖「 うむ……恩に着る。(お茶を受け取り、服用する)なにぶん暇を持て余していたゆえ、何をしようかと考え耽っていた。…うちすっかり眠ってしまったようだ。 」
マーシィ「―――!(ヴォイドの返事に、ほんの一瞬、あまりにも刹那的だが、微笑みで絶えない表情が、"微動"した)…それはそれは、大変面白い話ですね。(今までにないくらい声を大きくして感嘆する)様々な『世界』が存在し、その世界にも様々な『生命』が存在している。そしてそれらの世界は繋がり合い、干渉し合い、共鳴し合い…そうして『歴史』が紡がれていく。そして紡がれた『歴史』は時として『見えざる何か』に『編集』されることもある…故に、この世界にある史録に様々な『疑問』が残る… …面白いですね。(一瞬、身震いする) 」
義正「…あっ、いえ……気にしないでください……(先ほど突かれた頬に手を触れながら) 」
ブラント「これはあれか、『現実と夢の境は曖昧であり今いる我々が誰かの見ている夢である可能性もあり、我々の見ている夢もまたそこに世界が存在して』~みたいな、そういうあれか。 まるでイデア論だな、実態を司る世界が別に存在してーみたいな。早いところ僕らは大元が早印刷するファックス(後半の付け足しだけおどけた風に言い回し)まあシャレにならない話でもないかもわかんねぇよな 」
ヴォイド「身体が怠い時は寝ておけ、頼ってくれていいぜ。保養ぐらいはお手のモンだ。普段大人しいようで騒がしいアンタが居ないのも結構寂しいからな(来々谷へ) 機械的考察でそうであって欲しくないとは願うが、過去の改変も可能性としては大いにある。だが、俺達が確かに生きて来た『人生』は存在する。アンタの言う『疑問』は人と也というよりも、その『歴史』に在りそうだな(珈琲を口に運び、白い息を天井へ放つ)俺の考察を喜んで頂けたようで何よりだ。言った本人は、そうであって欲しくないと願うばかりだがな(らしくない程、自傷気味にほくそ笑み眼を細める) 」
ヴォイド「気にしたってしゃーねェがな。パラレルワールドってのも強ち嘘じないかもしれねェ……ほい(プラントへとブラックコーヒーを差し出す)俺ブランドだ。味わってくれ 」
ブラント「俺
ブラント、俺ブランドに鉢合わせってか( 真 顔 )やっ、仮にまあそういうのがいたとしてだ。まあこじつけかもしれないがこの世界の不可思議現象においてあらゆることに説明がつく。まあ異世界万能説になるからとりとめもないんだが、俺らの中に存在する【認識】も編集ができるとするならば、歴史を書き換えるまでもなく決して覆らない、それこそお辞儀をするのと同じぐらい当たり前な普遍的【認識】を植え付けることができるとしたらダァー……政治屋が喜ぶね、コーヒー飲んで忘れた方が良さそうだ 」
ヴォイド「そういうこった、こういう話はマジで頭痛がすらァ(苦い顔で目を伏せる)書物の、それもファンタジー系の読み過ぎかもしれねェな。今度は学園ストーリー系でも読むか…… 」
来ヶ谷唯湖「 ふふ……私は何かを頼ったり、何かに頼られたりするのは、あまり考えたことがないな。(
ヴォイドに) 」
ヴォイド「素直になる。それだけで大分楽になるぜ(細い眼で受け答え、錠剤を自分の分を取って口に含む) 」
マーシィ「実に興に乗る考察ですね。久しぶりに興奮してしまいました。…そうですね、それはあくまで可能性の一つとして受け取りましょう。私はですね… 新しく、楽しく、そして" 面白い "と思えるようなものを求めてこの地を訪れました。それが何であろうと、私が、私自身が、心の底から面白いと思えるようなものならば、私は飽くまで追求を止めないでしょう。…貴方がたと出会えて良かったです。(琥珀のように鮮やかに燃える暖炉にその魅惑的な笑みがより強調される様に照らされる) 」
ヒロ「(暖炉にあたりながら一人ギターを首にさげている) 」
マーシィ「(一同の様子を見てくすくすと愉快そうにほくそ笑む)すみません、私の質問に応えていただいて。でも、こんなに面白いと感じたのは本当に久しぶりです。(コーヒーを一口) 」
ブラント「あんまり仮説が多すぎると実態を見失いがちになるっていう意味合いじゃ同感だ、活字とうまい飯といい女は好きだケドー…んん、最近のKAWAIIっていうアレ?どーも奥が深いよな、スルメみたいによーく噛んでみないとわからないもんなのかな(肩をすくめ首を横に振り) いいね、うん。人生を豊かにクリエイトするのは面白いものに限る、せっかく生まれてきたんだしな、あと両手に花とかアルコールとか……あー、人間だし多少の欲はまあね、うん 」
来ヶ谷唯湖「 素直か……実を言うと、それが解らない。私はただ、思うがままに生きている……それは素直とは違うのか。 」
ヴォイド「――(暖焔により陽を帯びたその笑みを直視して、2個の感情。本能的に『端麗』同時に『不気味』と感じ、マーシィから眼を反らす)淑女にしちゃ、大分究明的、積極的なお方だな 絵画の女性は総じて恐ろしく美形だな。挿絵はともあれ内容が稀に雑なところが難解だが、ミステリー系はいいぜ。心躍る(ブラントに) それは本能的か……まぁ思うがままっていうなら別の方法があるのかもしれねェな。今は変に気取らずにゆっくり寝たり少し話したりするのが一番の薬だろ。 」
来ヶ谷唯湖「 うむ……(お茶をまた一口啜る)……では、何を話そうか。ここには都合よく私の他に女子もいるようだしな…(
マーシィを一瞥) 」
ヴォイド「素直になった結果、結局女か、根柢はかわんねーな…(汗) 」
マーシィ「ええ、何故なら私は【人間】ですからね。(絶えることを知らない微笑みを浮かべたまま、空になったマグカップをテーブルの上に置いて
ヴォイドに「ごちそうさま」と会釈する)……?(ふと義正の視線を感じて彼と視線が合う。その際彼に再び微笑みかける。彼にとって、ソファに腰掛け微笑みかけるその姿は、美しい絵画に勝るとも劣らない程の美麗だった)……あら。(ふと、ロビーのある場所に飾られた花瓶とその花を見つけ、それの近くへ歩み寄った) 」
ブラント「ああわかる、こうね…あの影のコユーイ笑みの裏に隠れた涙をそっと拭ってやるとか醍醐味だよな話わかるね(腕を組んでウンウンと繰り返し頷き)あんたもそういうのタイプなんだ、え"ーっと……名前聞いてなかったなそいや ばっかやろう思うがままに生きたら好きなもんに行き着くに決まってるだろ 」
和泉「……風邪には気をつけないといけませんね……(唯湖を見ながら毛布を体にかけている) 」
来ヶ谷唯湖「 ふっふっふ…(愉悦)良いではないか。それはそれで多分、私にとってのお薬になるのだろう。(
ヴォイドに) 」
ヴォイド「(おっ、全部飲んでくれた)(若干嬉しそうにマグカップを回収しつつ、花へと歩み寄る彼女を横目で確認) おっと、悪い。普段なら真っ先に自己紹介するんだがな。『
ヴォイド』って呼んでくれ。
ブラント。 」
義正「…!!(微笑みかけられた瞬間、慌てて目をそらす)…(う、美しいなぁ、やっぱり……)(コーヒーを飲む) 」
マーシィ「(彼女の目に留った物、それは…くすんだ紫色の花を咲かせた「ベラドンナ」だった)…ベラドンナの花、私のお気に入りなんですよ。『こちら』でも見られるなんて思いませんでした。(しばらくそれを見つめていたが、ふと時計台の時刻を見やり、名残惜しそうに頬を掻いた)遅くなっちゃいましたね。今日はコーヒーと面白い話をありがとうございました。よろしければまた、みなさんでお茶を嗜みながら談話しましょう。面白い話をもっとたくさん聞きたいので。…それでは、みなさん、おやすみなさい。(深々とお辞儀した後、廊下の奥へと消えていった) 」
ヴォイド「――(
マーシィを見送り、小さな瞳に若干の違和感を残して一滴も珈琲のないマグカップに視線を落とす) 薬になるならって感じだが……まぁいいか 」
ブラント「
ヴォイドな、おっけ記憶した。まああれだ、小煩い連中に見つかるまでは厄介になるよ。その代わりと言っちゃあれだけどお世辞にもいい酒冷やせそうな冷蔵庫とかないからな。設備で困ったらなんでも言ってくれ、"趣味"で高品質なもん提供する(親指を立てて踵を返し)ベラドンナちゃんもまたな、今度は夜のお誘いに期待してるよ(冗談めかしく笑いながら廊下の暗がりへ消えていく) 」
来ヶ谷唯湖「Oh……希少な女子が。(ぇ (消えていく
マーシィを見据えながら)ん………ごほごほっ、ごほっ…(← 」
義正「…あ、おやすみなさい………(去っていった
マーシィを目で追いながら)……(コーヒーを一気に飲み干す)……ご、ごちそうさまでした!!(マグカップを置く) 」
ヴォイド「趣味でって、まぁ有難い話じゃああるけどな。あぁ。またな。 おい、わざとらしく咳き込むんじゃねェ(汗) あぁ、お粗末さん。飲んでくれてなによりだぜ 」
和泉「…(薬飲んでもぶり返してくるもんなんですね)(理解してない)(咳き込む唯湖を見て) …
ヴォイドさんも風邪には気をつけてください、倒れられたらここでの話し相手がいなくなってしまいます(人見知り全開) 」
――― 某所・某遺跡入り口前―――
×××「(広大でありながら閑散とした、月の光が眩しく照らすも闇の深い大地の上を歩き、その遺跡の前に辿り着く)……なるほどここが… 探し当てるのに時間が掛かりましたが、あの膨大な情報量がなければ、誰一人としてここに辿り着くことはできなかったでしょうね。(手にしていた聖典をぱたんと閉じ、目の前の遺跡を舐めまわすように見つめる)」
夜空から、的礫と光る雪が降る…
×××「おや…(夜空からの雪をそっと掌で受け止め、儚く消えていくそれにほくそ笑む)興奮が止みません。行きましょうか。(薄ら笑みを浮かべたまま、灯りの無い遺跡の中へと入っていく)」
ザ…ザ…ザ…ザ…ザ…―――――― ザ ッ …
キセル「 ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … … 」
――― 某遺跡・最下層 ―――
×××「コツ…コツ… ……あら。(聖典から零れる神々しい光で暗がりの廊下を照らしながら歩いていたが、前方に何かを発見する)」
そこには、廊下を遮る様に瓦礫の山ができ上がっていた。
×××「ふむ…困りましたね… この瓦礫を退かそうにも私は非力ですから…(ぺらりと聖典の頁をめくる。その頁の一部に「丙」の一文字が碧色の輝きを放ちながら浮かび上がる)」
―――――― ニ ュ ル ン … ッ …
×××「……僅かな隙間があって良かったです。(瓦礫の山を前にしていたはずが、いつの間にかその山の背後に立ち、満足そうに薄ら笑みを浮かべる)……これですか…(そして、瓦礫を抜けた先にある、古代を思わせる両開きの白扉の目の前に立つ)」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ …(重厚な扉が唸り声の様な軋みを上げながら開かれていく)
×××「コツ…コツ… ……!(目の前に広がる、白一色という広大にして神秘的な空間に一驚する)…素晴らしい。『この世界』の中心に、よもやこのような場所があったとは。(無邪気な子どもが興奮する様な、きらきらとした顔をして辺りを見渡しながら歩きはじめる)……ペロリ…(容姿端麗な女性の表情が、一瞬"狂気"に滲む)」
しばらく歩いていると、二つの扉が彼女を出迎える。〖白い扉〗と【灰色の扉】。後者の扉の目の前には瓦礫の破片と思われる白い破片が幾つも散乱し、既に開かれた形跡があった。
×××「……(二つの扉の内、灰色の扉を選んでゆっくりと開く)」
【灰色の扉】の先に、更にもう二つの扉があった。一つは白い瓦礫に完全に埋もれている。
×××「…世の中は取捨選択によって成り立っている。既に先人がこの扉(瓦礫で埋もれている扉)を選んだのなら、私はこちらを選ぶことにしましょう。(そう呟いて、もう片方の扉に手を添えて開き始める)」
ズ ズ ズ ズ ズ …
×××「コツ…コツ…コツ…コツ…――――――――!(扉を潜り抜けた先にあったものに驚愕を覚える)」
彼女の目の前に広がっていたのは、幾つもの本棚が並列している真っ白な空間だった。そして、その最深部には、両開きの扉が存在していた。
×××「ス…(近くにある本棚に歩み寄り、適当に選んだ一冊を手に取り、頁を捲って内容に目を通す)」
×××「…… …… …… …… ……」
×××「…… …… ……これは… (実に形容しがたい表情へと一変する。手にしたその本の内容に身震いし、慄き、やがて…愉悦を含んだような、この上ない大胆不敵な笑みを浮かべる)」
×××「…フ、フフフ…フフフ… …フフ…ッ…ッ…ッ……!(堪え切れない衝動に身を震わせながら、手にした本を元の位置に戻す)――――――― " こ れ " だ ! (天の先をも貫く様な際限なく広がる真っ白な天井を仰ぎながら、興奮した様子で快哉を叫ぶ)」
×××「ようやく見つけました、『面白いこと』が…――――――」
キセル「―――――――― ド ン ッ ―――――――――」
×××「……?(背後に感じる存在にゆっくりと振り返る)…あら。(
キセルの姿を捉え、彼に微笑みかける。さも、彼がやってくることを予想していたかのように)」
キセル「…お前で『二人目』だ、俺の"逆鱗"に触れた奴は。(目深に被られたシルクハットの陰から覗く鋭い眼光を×××に突き刺し)」
×××「(閉口した顔で彼と向き合う)…『真実』を追求することは罪と仰りたいのですか?秘匿されたはずの『真実』を覆い隠しきれなかったのは貴方自身の"咎"ではないのですかね。」
×××「私は、貴方がいることに気付いていましたよ。」
×××「いえ寧ろ、誰も気づかないと思いましたか。いえいえ、"本来は"気付かれないわけがありませんよ。ですがどういうわけか、私自身は気付けちゃったみたいですね。何故でしょうか?」
×××「それは誰も彼もが、貴方の"幻影"に嵌まってしまったが故でしょう。"幻影"を司るお方。貴方の"それ"は世界や運命などを欺く為のものではなく…それらを超越した…ああ、そういえば貴方はそれらを『万物』と仰っていましたね。『万物』を超越する"幻影"に気づく者は誰一人としていなかった。だから、誰も、貴方の事を知らない。それはこの場所も然り。」
×××「過去に一人、偶然この地に赴いた人がいましたね。ですが『真実』を知りすぎたあまり…貴方に抹消されたみたいですが。酷な話です…彼の場合、望んでこの『真実』を知ろうだなんて思っていなかったのに、それを目にした瞬間、罪と認識されてしまったのですから。」
×××「随分怖い顔をするんですねえ。(妖しい笑みを零して)…話を戻しましょうか。貴方からすれば私はその『万物』の中のたった一つのちっぽけな存在に過ぎない。なのに何故、貴方の存在に気づいてしまったのか。」
×××「様々な謎が残るこの世界の歴史に疑問を抱く私に、昨夜、ある人がこんな面白い話をしてくれたんですよ。」
――― 明らかに書き換えられた歴史も存在する。政府だろうが裏組織だろうが神様だろうが、過去の事実は根柢には蔓延り、事実として示される。示された歴史は西暦を逆算した数学的根拠や遺体や遺書から推測される科学的根拠に基づいて確かに『訂正』される。 ―――
――― だがソレをすっ飛ばして『変換』される事が稀に在る。これは俺の憶測だ、平行世界、乃至、監視する世界。俺達が居る『此処』をまるで『編集』する場所があるんじゃねェだろうか。 ―――
×××「その人の話が"事実"だと仮定した場合、歴史改竄を施した者、或いは世界が、『此処』にも存在するのではないか…と。それは、時空というみたいな、人々が生み出した言葉では決して形容し難い、不可視にして不明瞭な存在。『我々』が紡ぎ出してきた『歴史』を断片的に記録し、名誉ある素晴らしいものは大々的に残され、逆に誰かにとっての不完全あるいは不都合な事実は闇に葬り去られ、黒歴史として隠蔽される。つまり『此処』に残される歴史はそのすべてが"不完全"であり、故に私の様に疑い深い人間がそれを見て、所々が穴だらけの歴史に疑問を感じるのですよ。」
×××「そう思い込んだ私は、改竄の施された様々な『歴史』から推測し、歴史改竄をした者…つまり貴方のような存在が『此処』にいる住みついていることに、気付き始めたのです。明らかに残された『空白の歴史』が、貴方という存在を導き出してくれたのですよ。文字は消しゴムで消せますが、筆圧によって文字の跡が残る様なものです。」
×××「…と、このように述べたところで、結局は私の妄想に過ぎないかもしれません。ですがね、この部屋にある本――― いえ、『歴史』と言った方が正しいでしょうか。その一つを見て確信したのです。あの方の戯言が、今まさに"事実"となったことを。…面白いじゃありませんか。とても、とても、とっても。」
×××「ところで、貴方がよく口にしていた言葉がありましたね。」
――――― " 驕 傲 と 独 善 に 駆 ら れ た 虚 飾 の 輪 廻 は 終 焉 を 迎 え る " ―――――
×××「ある一つの『歴史』に貴方自身が登場した際、さも口癖のように呟いていたあの言葉の意味…それは、貴方にとって不都合だったあの『歴史』を軸に、『我々』ではなく、『我々』を生み出した『貴方がた』に向けて発した警告。」
×××「『歴史』と、その『生命』を神の如く生み出し続ける行為に歯止めが利かなくなり、膨大な蓄積の末に爆発するであろう『歴史』の『書棚』を危惧した貴方は、貴方が生み出した『歴史』を秩序の為に、"見せしめとして"貴方自身で抹消したのです!(不気味なまでに口角を上げて)」
キセル「喋るな…っ……(爪が掌に食い込むほどの握力で握り拳をつくる)」
×××「生み出した『歴史』と『生命』の生殺与奪は『貴方がた』の特権。とはいえ、そんな貴方の利己的な判断と考えによって虚無に消え去った、かの『歴史』の行方は何処に?そこで活き活きと息をしていた『生命』は何処へ?『真実』を知ることが罪だと言いながら、その為に、生み出してきたものを自ら抹消し、繰り返し創造する貴方は『我々』よりも非常に業深いのでは?貴方は――――」
―――――― ズシャアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァアアアアアアアアアンッッッッ ! ! ! ! ! ! ! !
×××「シュタ…(立ちこめる白い煙を背後に降り立つ)嗚呼、罪深いですねぇ。ですが、最も『人間』らしく描かれていて、私は嫌いではありませんがね。」
キセル「…知り過ぎたか… ダ ァ ン ッ (白い大地を踏み鳴らし、瞬く間に距離を詰める)」
×××「―――――― あ、そうだ。(聖典を突きつける)」
――――― ゴ ギ ャ゛ ァ゛ ッ゛ … ! ! ―――――
キセル「づァ゛…ッ゛…!(拉げた肢体に表情が歪む)」
×××「せっかくですからね、これを機に体験してみましょう。なんたって、私自身もまた、貴方の様に業深い人間ですから、"こういうこと"は一度やってみたかったんですよね。(そう言って
キセルを後にし、本棚を過ぎて最深部の両開きの扉へと向かう)」
キセル「ハァ… ハァ…… 『この世界』の禁忌を犯すのか… ハァ…ハァ… それは歴史上、誰もしなかったことだ。俺ですら…だ… お前は…それを知っているのか……」
×××「…誰もしなかったこと?(振り返り、地面に横たわる
キセルを見下すように見つめる)は…ははは…!それなら尚更のことですよ!誰も成し得なかったことを体現できるなんて、そんな素晴らしいことができるなら、私は望んでそれをやりましょう。何故なら私は、そのために『此処』へ訪れたのですから。」
キセル「『歴史』は残酷に、自ら終焉へと突き進むだけだ… 通哭しても、遅いぞ……」
×××「やらない後悔より、やった後悔が素晴らしいとは思いませんか。この先に何が起ころうとも、私自身が『面白い』と感じられたらそれでいいのです。貴方の存在意義はもうありません。自慢の能力も封じさせていただきました。私が創る世界をその特別席でじっくりと見物していてください。それでは、御機嫌よう。( ガ ゴ ォ ン )(扉を開き、その先へと足を踏み入れる)」
最終更新:2018年02月09日 01:33