誕生編 過去ログ.4

ルイージ「 あ~~~…まだまだ冷え込むなあ… あ、だいこん切れてる…(とある屋台で身体を少し震わせながらおでんを食している) 」

ナックルズ「 待ってろ待ってろ。もうすぐ(味)染み込ませたの出すっから。(屋台の厨房で、慣れた手つきで仕込み作業をしている)そらおめえまだ2月始まったばっかだからな。なあに、気がつきゃその内あったかくならあ。(ぐつぐつと煮えるおでんから湧き上がる白い湯気をふっと吹き飛ばす) 」

ルイージ「そうだよねぇ…ハフハフ…うまうまっ。(餅きんちゃくにがっつく) 」

ナックルズ「 この時期となりゃあウチも商売繁盛よ。とはいえ、こんなヘンピなとこじゃあんまり人も来ねえが…それに比べてあんた、この四日間ずっとウチに来てくれるじゃねえか。 」

ルイージ「 へえ、街に繰り出したりしないのかい? …ん?そうだったかな…?ははは、まあこんなに美味しいものは初めてだからさ。「おでん」、だっけ?僕気に入ったよ。これからも世話になるかもね。(にししとはにかみながら) 」

ナックルズ「 それもいいが…生憎人通りの多いところでやんなのは柄じゃなくてな。へへっ、そいつぁどうも。…そういやぁ…今更かもしれねえがよ、あんた一体何処から来たんだ? 」

ルイージ「 はふはふ………(切り分けた厚揚げを口にしながら、ナックルズの問いかけに無言する)……それが、わからないんだ。 」

ナックルズ「 …「わからない」、だぁ…?(眉を潜め小首を傾げながらルイージに視線を向ける) 」

ルイージ「 …うん…。それこそ、四日前…だったかな?よく覚えていないんだけど…気がついたら、林の中で眠っていたらしくて…。そこからは、宛てもなくこの辺を彷徨いながら… 偶然見つけた廃墟小屋で生活しているんだ。…どうしてそうなっていたのかは"わからない"し、本当に何処から来たのか…思い出せなくて… 」

ナックルズ「 …… …… ……そうか。(語るルイージに何を思ったのだろうか、彼を静かに見つめた後再び仕込み作業に入る)…まあよくあることだ。 」

ルイージ「 だよね…って、あるわけないでしょ!!!!(驚( バ ン ッ ) 」

syamu_game「 はーいどうもー、syamuでーす!今回は、おでん屋さんに来てます。早速いただきたいと思いますゥゥゥゥ…(デジカメを持ったまま屋台に入る) 」

ナックルズ「 冗談に聞こえたのなら、言葉足らずで悪かったな。…ここで屋台やってるとな、人はあまり来ねえが…妙な奴らが時々やってくんだよ。そいつら全員に共通することはみんな、なんか、「大事なもん」をどっかに置いてきちまった、ってことかな。 」

ナックルズ「 おおいsyamu公!!てめぇまたきやがったのか!!昨日みたいにちくわの中に辛子たっぷり注ぎ込む様な馬鹿なことしやがったらただじゃおかねーぞ! 」

ルイージ「 どういうこと…?(水の入ったコップに口をつける) 」

ミドナ「 ―――ククッ…… 興味深い話を聞かせてもらったよ。(ルイージの人影から突然湧いたように現れる) 」

syamu_game「 今回はNG出てますね……ソソソ……(ナックルズの言葉でウォンツに)今回はですね、普通に、私がおでんを食べているところを撮影したいと思いまスゥゥ… 」

ナックルズ「 よーするに、記憶喪失、って奴だ。ある奴は自分の名前を、ある奴は親の顔を、ある奴はアンタと同じように出身を忘れてるみたいでな。ま、サイフを忘れたってほざいてた野郎はブッ飛ばしてやったがな。それはそうと…大方、あんたもその類って奴なんだろ。 」

ルイージ「 記憶喪失…?ぼ、僕が…?(顎元に手を当て自問自答するように目を伏せる)……言われてみれば、そうかもしれないけど……って、わっ!?(ミドナの突然の現出に仰天) 」

syamu_game「 タマゴと、コンニャク……後、ちくわ……(ソソソ……(ナックルズに)えー、私、つい最近屋台で注文ができるようになったんですよねー。(デジカメを自分を撮るようにテーブルに置く) 」

ナックルズ「グルレポか?良いように動画出しといてくれよな。 自分が何処からやってきたのか思い出せないようじゃ、そんなもんだろう。なに、別にそれほど気に病むことでもねえ。…俺も、あんたと同じだ。(味を染み込ませただいこんを容器に入れながら) 」


説明しよう!syamuさんは30歳にして店員に注文ができるようになったと得意げに語ったことがあるのである!


ルイージ「 そういえばさっき、僕以外にも、僕みたいに記憶が思いだせない人がいるって……親父さんも、なの…?(少量の辛子を残りの厚揚げにつけて口に運ぶ) 」

ミドナ「 アハハ!!(ルイージを笑う)おいおい、なんてカオだよ。そういや……オマエのような奴、ワタシは何人も見てきたな。(ルイージに) 」

ナックルズ「 吹き出し邪魔だぁ!!(ナレーションのテキストを殴り飛ばす)…ああ。…俺は一か月前からだったか。誰かといた記憶があったんだが…気がつきゃ今はここで屋台を開いて生活している。俺はいろいろ忘れちまったみてえだが…この楽観的な性格と言うのか、こいつはまだ根強く残ってるらしいからな。どうせ何かの拍子で思い出す日が来るだろうて、だから呑気にやってんだよ。思いだそうとしても思い出せないんだから、んな堂々巡りしてる暇がありゃあ何かをやっている方がずっと言いに決まってら。 」

ルイージ「 あ、ああ…ごめん、いきなりだからびっくりしちゃって。えっ、本当に…?(やや驚いた表情でミドナに)そうだったんだ……うん、そうだよね。…でも、安心したよ。僕だけじゃなかったんだなって。(何処か安堵するように、ははっと苦笑しながら咀嚼する) 」

ナックルズ「 ほら言ったろ。俺の周りにゃこういうのばっかりなんだ。…緑の兄ちゃん、アンタにひとつ言っておいてやるよ。 」

ナックルズ「 あぁ……どいつもこいつも、まるで〝この世の果て〟みたいな顔してな? まったく…薄気味悪いったらないね。(ルイージに) 」

ルイージ「 な、なに…?急に改まっちゃって。(口元から湯気を噴き出しながら) 」

ナックルズ「 自分を見失ってしまって何もかもを忘れちまいそうになった時… そん時、無理に自分を思い出す必要なんかねえんだ。この世にたった一人だけでもな…アンタのことを知っている人がいるからだ。そいつの記憶の中にアンタがいる限り、アンタは失ったりしねえ。そのことだけは、忘れんじゃねえぞ。(ぐつぐつと煮えるおでんをつつきながら) 」

syamu_game「それでは、食べたいおでんを選びますので、カッツッツー(タマゴとこんにゃくとちくわを皿に移す) 」

ナックルズ「 俺はいつか「そいつ」に出会う日が来るかもしれねえ。偶然か必然か、いつの日かきっと…な。その日までここでのんびりやってるよ。酒でも飲みながらな。……!(そう言って棚のビール瓶に手を伸ばそうとしたが、空になっているのを見てうげっと舌を出す) 」

ルイージ「 僕のことを知る人… (…なにか、とっても大切なものを忘れている様な気がする…僕は………いつか"それ"に気がつく日が、出会う日が、来るのだろうか… その時、失った記憶が元に戻るのかな…?)……ありがとう、親父さん。 」

ナックルズ「 ……(空瓶の中身を覗きこむ一方でルイージに一瞥を与える)…んだよ。泣いてんのかぁ?(へっと鼻で笑う) 」

ルイージ「 な…!泣いてなんかないよ!辛子が思いの外効きすぎてツンと来ただけだよ…!(箸が進むペースが僅かに早くなり、皿上の具を次々と口へ放り込んでいく) 」

ミドナ「 おや… (ルイージの心の変化を感じ)あ~ぁ……せっかくの居心地良い〝影〟だったのに。……こりゃ、ますます居心地悪くなりそうだなぁ?(ククッ(ふわふわと上空へ浮遊していき、どこかへ行ってしまう) 」

ナックルズ「 ばっか野郎。効き過ぎるくれぇが丁度いいんだよウチのは。……焦んじゃねえぞ。(にっと口角を上げ空瓶を足元に転がす) 」

ルイージ「 あれ…?(どっかいってしまった…何だったのだろう、彼女は…)(不思議そうにミドナを見送る)…うん。……あと、ごめん。もう一つ、悩みがあるんだけど… 」

ナックルズ「 おう、なんだ。どんとこいや。 」

ルイージ「 今日、ちょっと食べすぎちゃって…超過分払えないかも…(・ω<)テヘペロ 」

ナックルズ「 ブッ飛ばすぞ。」



世界に流れる全ての歴史は滅びの運命を辿った。


だが、引いては返す波のように…滅ぶはずだった歴史の時間が巻き戻されていく。


世界は生と死の螺旋に囚われていくのだろうか。


複雑に絡み合う糸を解(ほど)いたのは、物語る者たちの希望により齎された―――"転生"の儀


そして、世界の歴史のゆくさきは二分される。再生された世界と、誕生された世界に。


消失によって生まれ出ずる空白を埋め合わせる様に、新たな世界が開かれた。


世に混沌を齎した神無き世界。在るものが無く、無いものが在る。


"転生"は、人々が気付かない速度で、更に加速をしていく。


しかし…分岐世界のゆくさきは、果たして言葉通りの未来なのだろうか。


過去を夢想するように、世界はいつか流転するだろう。


その先に待つのは希望か、破滅の再来か… 私たちはただ、そのゆくさきを観測し続ける。


報告者:アコール


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最終更新:2019年05月13日 21:06