今(2014年9月9日)から見ても多分かなり前の時系列です。
森の中に構えた、一人で扱うにはただ、広い、広いだけの、隠れ家。
食卓に並んだ、サラダと焼肉と、白米。
一人で食べるには、かなり多い。
霞「ねぇねぇ」
AS「何だ?」
霞「何でもなーいっ!」
AS「そうか、冷めないうちに食えよ。」
霞「えへへ、はーい!」
AS「物分りのいい子だ。」
わしっ、と頭に手をのせて、優しく撫でる。
霞「隙ありっ!」
箸で俺の方にあるサラダを少し奪い取られる。
AS「フッハハハ・・・、なかなか小癪な。」
霞「一本取ったり!なんてね(グッ)」
この手が掴んだのは空虚な空白。
撫でても何も帰ってこない。
ただ、ただ、手を伝わる空気の感覚。
まっさらで、何も無い。
この量を一人で食べるのは、少し、辛い。
これを一人で食べるのは、少し、寂しい。
霞の作った料理には、確かにあった『温かみ』が無い。
まるで、外は完璧なのに中身は空洞のように、俺の料理は、確かなものがそこには無かった。
この隠れ家は、一人で使うには、あまりにも、広い。
一人で使うには、あまりにも。
あまりにも。
からっぽだ。
何もない。
温もりは、少しも感じなかった。
まるで残響のように脳裏に響く、霞の声。
まるで幻影のように脳裏に映る、霞の姿。
広い場所で、霞と一緒に、幸せに暮らしたかった。
ただそれは、叶う事の無かった、夢。
儚い、儚い、人の、機士の見る夢。
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最終更新:2024年04月11日 02:27