アットウィキロゴ

普偏、不偏、願う不変。

ずっと、この偏屈でも変わらない日常がそこにあればいいと思っていた。

自分が、何かをすることで、不偏の救いが世に齎されると思っていた。

世界は、何も答えをくれなかった。

虐げられる者は、虐げられるべくして虐げられた。

それは確かに、起こるべくして起こっていた。

無力が、選ぶ事もできずに、無力であることを強いられ、ただ屈するのみ。

抗うことが、馬鹿らしくなった。

せめて、ただ。

このどうしようもない世界が、これ以上悪くならないよう。



流されるまま、何かを見ていた。

流されるまま、世界を巡っていった。

流されるまま、生きている。

いつしか流れは止まって、俺は見ることを忘れた。

止まった流れが、再び動き出すことはなかった。

ただ、これ以上悪くなりはしないだろう。

いつかまた、動き出すことを願う。

不変が、普偏ではないと願うばかり。



取り憑かれていた。

生きる事の意味を、失いかけていた。

ただ、生きるだけでいいと思っていた。

自分を喪っていたのかもしれない。

それでも、俺は生きていた。

生きていたから、振り払うことができた。

生きていたから、奇跡に出会えた。

不変など、ありはしない。

俺がこうして変われたのなら、もう見失うことはない。

救いの手は、きっと不偏であるはずだ。



明日も変わらぬ平穏が。

退屈と不足感に満たされた日々が。

ずっと続いていくものだとばかり思っていた。

この普遍が永遠に続くとばかり思っていた。

不変なんて何処にもありはしなかった。

俺に出来ることは、ただ一つとしてありはしなかった。

日常は唐突に終わりを告げ、地獄がこう言った。

「初めまして、これからお前を永遠に苦しめてあげよう。」と。

俺が出来たことは、この絶望を噛みしめることと、せめてこの地獄が不変ではないことを祈るだけだった。



支配者だけが、全てを奪っていった。

選択肢を、成果を、得たものを、希望を。

普遍の理だった、理不尽が世界に満ちていた。

何をしても無駄だった、それは不変だった。

いつしか私は頑張ることをやめた、世界が斜に見えるようになった。

気がつけば、全く違う世界が広がっていた、私はそこでも足掻いた。

だが、どこまでも世界は不変だった。

絶望と失望が、私の心に木霊した。



女だというだけで、何かを決められることが嫌だった。

強い意思があっても認められないのが憎かった。

自らの力だけで、ただ上へと登っていった。

それでも頑なに認められないのが腹立たしかった。

兄弟は皆不偏に認められていた。

いつしか自分の力で、兄弟を打ち破ったこともあった。

力があることを証明しても、認められなかった。

だが、今は違う。

力があれば、あるだけやれる事は無限に増えていく。

力がなければ、この手は何もつかめない。

変わろうと願えば、いくらでも変われるだろう。



繰り返すだけだが、満ち足りている。

幸せは感じていないが、これでいいと思っている。

空白と空洞ばかりの、自分自身が何よりの課題だった。

変わらない日常も悪くはない。

けれど、私の空白は埋まらない。

いつかこの空白を埋める答えが、手に入るのだろうか。

ただ、不変の平穏を願うばかりでは、何も得られないのかもしれない。

だが、心の何処かでそれを切望している自分がいた。

何故なのか、という問いかけには答えが返ってこなかった。

ああ、空白がそこには―――


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年04月11日 03:21