奇襲戦法その二

ベンコーギャンビット

1. d4 Nf6
2. c4 c5
3. d5 b5

ポーン一個を犠牲にして、クイーンサイドからの攻撃を狙った手です。黒番にもかかわらず、展開の速度が白より早くなります。
もちろん、相手が最善に受ければ黒が不利になるのですが、クイーンサイドへの圧力が強く、白番がそのまま潰れてしまうこともあります。
GMカールセンがたまに使う秘密兵器で、トップGM相手に勝ってたりもします(もちろん、カールセン自身がトップGMであることも大きいのですが)。

カールセンは1990年生まれのノルウェーのGMで、2010年8月26日現在、レイティング世界一(2826)のプレイヤーです。
カスパロフに次いで史上二番目に高いレイティングを記録しています。

4. cxb5 a6
5. bxa6 Bxa6
6. Nc3 g6

黒はオープンになったクイーンサイドからの攻撃準備に入ります。
白にとって厄介なのが a6 にあるビショップで、eポーンを突いたとたんにビショップを交換されてキャスリングできなくなってしまいます。

7. Nf3

ここでは白には多くの選択肢があります。
センターを支配し、反撃するためにキャスリングをあきらめ、7. e4 とポーンを進める手。
ビショップを g2 に出すことでビショップ交換を避ける 7. g3 。
7. Nf3 をあわせてこの三つがメジャーですが、他にも 7. Bg5 や 7.d6 という手もあります。
ここでは最も多く指されているラインを解説します。

ちなみに、7. e4 に対しては 7...Bxf1 。
以下 8. Kxf1 d6 9. Nf3 Bg7 10. g3 O-O 11. Kg2 Nbd7 12. Re1 Qa5 13. h3 Rfb8+/=

7...d6
8. g3 Bg7
9. Bg2 Nbd7
10. O-O O-O
11. Rb1 Qa5

黒はクイーンサイドへと駒を集めていきます。
11. Rb1 は、クイーンサイドへの攻撃に早めに備える手です。

12. Bd2

他には 12. Qc2 という手もあります。
以下、12...Nb6 13. Rd1 Nc4 14. Nd2 Nd7 15. Nxc4 Bxc4+/=

12...Rfb8
13. Qc2 Nb6
14. b3

ナイトの移動場所をポーンでガードします。

14...Qa3
15. Bc1 Qa5


16. Rd1

16. Bd2 とすると、元の局面に戻ります。ドローでいいなら16...Qa3 です。
それが嫌なら 16...Bc8 とビショップを引いて、f5 や g4 のポジションを狙いましょう。

16...Ne8!

狙いは Nc7 から d5 の狙いも残しつつ、b5 へ移動しクイーンサイドへ圧力をかけることです。

17. Bb2 Nc7
18. e4 Bc8
19. h3 Bd7+/=

白は上手く攻撃を凌いでいますが、未だにクイーンサイドへの圧力が強く、気を抜くと潰されてしまいます。ポーン得はしていますが、難しい局面です。
黒はチャンスがあれば c4 とポーンを突いて攻めたいところです。




最終更新:2010年08月26日 17:24
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