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20-805

20-805 名前:第一回カエデカップ・1/4[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 11:35:51 ID:???
「…いないもんアルなぁ…」
クーフェイは珍しく朝から悩んでいた。彼女の理想とする『強い男』が見つからないのだ。
そもそも毎日武術を磨いているクセに、自分より強い男がイイとはどういう了見だ、
という常識的な意見もあるのだが、まあそれはそれである。
(ネギ坊主は…競争率が高すぎるアルし…)
とその時、ある人物が教室に入って来た。
「あ、おはよ〜楓姉」
「うん、おはようでござる」
(…………はっ)
そうか、そのテがあった。いたではないか。こんな近くに。

「かえでっ、ワタシと付き合ってほしいアルっ!」
あまりにも唐突かつストレートだった。ド真ん中100マイルだ。
「…ほえ?」
「なっ、何を言い出すんだクー!」
間の抜けた声を出す楓の横で、真名が血相を変えて抗議した。
「何か問題でもあるアルか真名?」
「大ありだ!。私と楓は恋び……いやそもそも、何で楓なんだ!?」
「もちろん強いからアルよ。楓なら女でもいいアル」
「いやあ、それは照れるでござるなぁ〜」
何だかまんざらでもなさそうなリアクションをする楓。それを見て真名は焦る。
「か、楓っ、私というものがありながら…」
「オオッ、それじゃ楓、ワタシの所にムコに来てくれるアルか?」
「なっ…!。楓!クーの所にムコ入りするくらいなら、私の所に嫁に来い!」(おいおい)
「う〜ん、これは参ったでござるな〜」
意気込むクー。混乱する真名。あくまでマイペースな楓。
「ちょっと待ったあ〜!」
とその時、そんなどこかで見たようなタイミングで登場したのは…
『あ、朝倉!?』
「ふふっ、このイベント…もとい争い、私に任せてもらいましょうか!」
そんな生き生きとした朝倉の顔に、真名が果てしなく嫌な予感がしたのは言うまでもない。
20-806 名前:第一回カエデカップ・2/4[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 11:37:29 ID:???
「おおぉ〜〜!」
予想外に集まったギャラリーから歓声が巻き起こる。まったくイベント好きと暇人の多い学校だ。
(な、何故こんな事に…)
校庭に設置されたステージの上で、真名は猛烈に後悔していた。
本来なら、恋人である楓が一言クーに、付き合う気は無いと言えば済む話なのだが、
何故か楓は言ってくれない。『賞品』と書かれたプラカードを首から下げ、ニコニコと座っていた。
(まったく、何を考えているんだ…)
一方、クーは呑気にギャラリーに手を振っている。
「フフッ、真名。楓は譲らないアルよ?」
「(カチン)…上等だ。手加減しないぞ、クー」
何故かクーのバックに紅い虎が、真名のバックには青い龍が見えた気がする。
『さて、この勝負は様々なジャンルを含めた全17回戦で決まります」
「そんなにあるのか!?」
真名のツッコミをナチュラルに無視して、朝倉は司会を進行させていく。
『それでは一回戦、勉強クイズ対決!』

『第一問・歴史問題、大阪城を建てた人物は誰か?』
  クー「大工さんアル!」
  真名「…豊臣秀吉」
『第二問・化学、赤いリトマス試験紙を塩基性の水につけるとどうなる?』
  クー「濡れるアル!」
  真名「…青色になる」
『第三問・英語、I live in Tokyoを過去形にしてください』
  クー「I live in Edo!(江戸)」
  真名「…I lived in Tokyo」

『おおっと一回戦は龍宮選手の圧勝だ!バカレンジャーにはちょっと不利なテーマだったか!?』
20-807 名前:第一回カエデカップ・3/4[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 11:39:04 ID:???
『続いて二回戦は料理対決!課題料理は自由です、レディGO!』
  クー「待ってましたアル!とっておき、特大フカヒレ肉まんアル!」
『おおっ、さすがは超包子仕込み!これはかなり美味しそうだ!。一方の龍宮選手は…
 …おや?。これは、卵を使った炒め物…でしょうか?』
  真名「…お、オムレツ……」
『………』
  クー「………」
  真名「………」
『…二回戦はクー選手の勝利です!』(うわヒドッ)『それでは三回戦…』
          ( 中   略 )
『さぁ、いよいよ最後の勝負!ここまで勝敗はまったくの五分!これで全てが決まります!』
もう日も暮れかけている。真名はようやく最後の勝負か、と一息ついた。
『テーマは、楓さんに愛の告白です!』
「……は?」
「おぉぉぉっ!」
あっけに取られる真名を尻目に、ギャラリーが大歓声を上げる。
『もちろん判定は楓さんです!さあどうぞお2人ともっ!』
「ちょ、ちょ、ちょっと待て!。そんな事こんな所でできるわけないだろ!?」
「ワタシはできるアルよ〜♪。かえでっ、愛してるアル!ワタシのムコになってほしいアル!」
『おおっ!クー選手大胆な告白だ!さぁどうしました龍宮選手!?』
「ど、どうしましたって言われても…」
恥ずかしいにも程がある。密林で一個中隊に囲まれた時でも、これほどの危機感は感じなかった。
(でも…楓を譲るなんて…絶対にイヤだ)
「か、楓……。す、す…好きだぞ…」
もう顔から火が出そうだ。会場がシーンと静まり返り、楓の返答を待っている。
「…ありがとうでござる。クー」
(…っ!?)
真名ははっと息を呑んだ。
「…でも、すまないでござるな。拙者はやはり、真名が好きでござる」
「……うん、仕方ないアルな」
「か、楓ぇ…」(半泣き)
20-808 名前:第一回カエデカップ・4/4[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 11:40:30 ID:???
『おおおっ、勝負あった!。真名選手の勝利です!。皆さん盛大な拍手を〜』
わぁぁぁぁぁっ!。パチパチパチ…!。会場が拍手で包まれた。

「…楓。今日は一体全体どういうつもりだったんだ?」
部屋に戻った真名は、さっそく楓に詰め寄った。
「も、もしかして怒っているでござるか?」
「当たり前だ。そもそも最初に断っていれば、それで済んでいただろう」
楓はやや言いづらそうにしながら、ぽつりと言った。
「真名に……ヤキモチを妬いてほしかったでござるよ」
「……え?」
「真名は…あまり好きと言ってくれないでござるし、不安だったのでござる…」
「…あ」
そういえばそうだったかもしれない。真名の方から気持ちをアピールした事はほとんど無い。
真名は楓にそっともたれかかり、囁いた。
「すまなかった…恋人失格だな…」
「構わないでござるよ。ちゃんと言ってもらったでござるし…」
2人はそのまま静かな時間を過ごし…
(……ん?)
「おいちょっと待て。という事はもしかして、最後のアレは楓が関与したのか?」
「(ぎくっ…)ま、まあ、そう言えなくもないでござるかな…」
「…ほほぅ」
「ど、どうしたでござる真名?目が怖いでござるよ?魔眼になってるような…」
「…気のせいだろう」
「じゃ、じゃあ何ゆえ、拙者を押し倒しているでござるか?」
「問答無用だ。今夜は私が攻め続けるからな。寝られると思うなよ」
…もう真名を怒らせないようにしよう。楓は服を脱がされながら、そんな事を考えていた。

                                      …end.

20-809

20-809 名前:出席番号のうた[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 12:27:41 ID:???
真名 「私は一つ物申したい事があるんだ。」
刹那 「うん?突然どうしたんだ?」
真名 「出席番号のうたがあるだろ。一人一人自分が他のクラスメートの影に埋もれないように必死にアピールをするあの呪歌だ。」
刹那 「趣旨は違うと思うが…それがどうかしたのか?」
真名 「どうしたもこうしたもないさ。私達は決められた歌詞を歌うしか術は無いのに与えられた歌詞が『色黒だけど気にしないで』だぞ!もっとアピールポイントあるというのに…」
刹那 「それなら私の方が辛いぞ!『このかお嬢様あなたをお守り出来れば満足』だぞ!?満足なものか!私はもっとあんなコトやこんなコトをして…ハァハァハァ…」
茶々●「ネガティブに考えすぎですよ。私は『マスターの命令なら何だって従います』ですが…
    これにより皆もマスターも私が絶対裏切ることのない従者と思う訳です。私を信じきってるマスターをある日突然裏切る…その時のことを考えるだけで…クスクス」


エヴァ 「ぶぁっくしょん!!?風邪か…?茶々丸に看護させるか…」

茶々●が反旗を翻す日は近い。

20-815

20-815 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 17:11:52 ID:???

781説明は多分いらないよね?アメリカンジョークをネギまキャラでやるテスト。
今回は改変が難しかった。でも先読みはされないはず。主に俺の文章力のせいで。


刹那が剣の修行をしてると、ジョギング中のハルナに出会った。
お互い汗を掻いていたので、ハルナが近くの泉での水浴びに誘った。

刹那「じゃあ先にハルナさんが浴びて下さい、私は見張りをします」

ハルナは少し考え、水浴びをしてる時に、見張り役の刹那に叫んだ。

ハルナ「刹那さん、何で私をスケッチしてるの?」
刹那「え?そんな事してませんよ」

しばらくしてまた、

ハルナ「スケッチしないでって!」
刹那「だからしていませんよ」

そんな事を繰り返した後、今度は刹那が水浴びする番に。
水浴び中、刹那はふとハルナの方を見て言った。

刹那「……あぁ、なるほど。ここからだとスケッチしているように見えるのか」

20-821 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 18:04:35 ID:???

818
書いた本人が言うのもアレだが、説明しにくいな。
刹那は普通に見張りをしていたが、ハルナに「スケッチしないで」と言われた。
刹那が水浴びをする時ハルナの方を見ると、ハルナはスケッチをしているように見えた。
ここでハルナは本当にスケッチをしている。
しかし刹那はハルナに言われた事を思い出し、
「あぁ、ここからだと普通に見張りをしているはずがスケッチしてるように見えるんだな」
と勘違いしてしまった。
こんなんで分かるかな?

20-828

20-828 名前:刹那 苦境[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 19:06:53 ID:???
刹那 苦境

刹那 「ぐっ!」
我が神鳴流の技が効かないとは・・
相手は犬ぐらいの大きさの妖怪、だがその妖気は桁違いだ
鋼鉄、いや、それ以上の体毛。それに強力な妖気を湛え、私の繰り出す技をことごとく跳ね返す
私の持っている夕凪が対化け物用ではあるとはいえ、こういった大きくない相手に使うのは不利だ
しかしそれを除いても切り刻む事ぐらいは出来る、出来るはずであった
刹那 「おのれ!」
私は再びその妖怪に襲い掛かる。しかしながらこの妖怪、動作もかなり機敏でなかなか攻撃があたらない
巧みに私の攻撃を避け、鋼鉄の体毛を針のように飛ばしてくる。私はそれを避けて、一旦距離をとった
攻略法が見つからない・・そんなことを考えているときであった
この戦闘の場に一人の少女が通りかかった。しかもそれはクラスメートであった
刹那「危ない!逃げて!」
少女はその声に気がつき私のほうを見た。その視線には私と、犬のような妖怪が目に映っただろう
それがその少女の最後の光景になるのだろうか・・

妖怪は少女に気がつき襲い掛かる。最悪の結果が私の脳裏に浮かんだ
私は少女の元に駆け寄ろうとしたが、残念ながら間に合わない
妖怪は少女の眼前に迫り、凶悪な牙を剥き出し少女に襲いかかった

しかし次の瞬間、妖怪の姿が消えた。少女に触れる直前に消えてしまったのだ
少女を見ると、どこから取り出したのか中華包丁と銀色の大きなトレイを持って立っている
やがてそのトレイの中に、空から落ちてきた肉が積み重なっていった

五月 何の肉かわからないけどおいしそう。今日のおすすめにしてみようかな?
そして五月は何ごともなかったかのように、解体した妖怪を持って去っていった

馬鹿な・・・あの包丁は夕凪を超えるというのか?料理の技は神鳴流をも超えるというのか?
嘘だー!!!

20-832

20-832 名前:『Beyond the window』1[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:25:35 ID:???
しとしと、しとしと雨が降る。
降った雨が寄せ集まって、道端に幾つも穴があく。穴を恐る恐る覗けば、それが窓だと気付くだろう。無数の輪に揺れながら、空と傘と私とが見える。
窓の向こうに広がる世界は、こっちの世界とそっくりだけど、でも、きっと何かが違うはず。一目ではわからないけれど、きっと何かが違うはず。
しとしと、しとしと雨が降る。
道端に幾つもあいた窓を覗く。恐る恐る覗いたけれど、やっぱり向こうとこっちは違わない。無数の輪に揺れながら、空と傘と私とが見える。
水溜まりを覗く顔がもうひとつ増える。彼女の片頬には、一粒の雨が垂れている。涙のように垂れている。でも、水溜まりに映った私に、彼女はそっと微笑んだ。
あぁ…、そうか。わかった。
そして、私は確信する。水溜まりの向こうに広がる世界は、こっちの世界とそっくりだけど、やっぱり何かが違ってた。だって、ザジは左の目で泣いているはずだから。
私はそっと、右手で彼女の頬に触れる。彼女から涙が消えた。彼女に、私もそっと微笑んだ。
しとしと、しとしと雨が降る。人通りの少ないこんな日は、二人で手をつないで歩く。お揃いの傘を叩く雨が少し耳障りだけど、私達の邪魔にはならない。
だって、言葉にしなくても、その思いは伝わるから。

彼女は、Zazie Rainyday。
私は、長谷川千雨。
雨降りの日と、千の雨粒。
だから、雨はいつも二人を繋ぐ。
20-833 名前:『Beyond the window』2[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:27:24 ID:???
寮に帰って服を着替えたら、ちうが「体を温めなきゃ」ってココアを入れてくれた。
温めるなら抱き合う方が早いと思ったけど、ちうの入れてくれるココアも飲みたかったから言うのをやめた。
ココアを飲みながら、ちうはパソコンのこと考えてる。顔をじっと見てればわかる。このまま見てれば、きっと気付いて笑いかけてくれる。ほら、笑ってくれた!
でも、作り笑いだって知ってるよ。気遣って笑ってくれてるんだって知ってるよ。そんな笑顔じゃ満足できないよ。心の底から笑ってほしいよ。
だって、だって、ちうのことが好きだから。
どうしたら、ちうが心の底から笑ってくれるか考えた。色々、色々、考えた。ずっと、ずっと、考えた。ちうの悲しそうな顔なんて見たくない。
だから、ちうを見て考える。
どうしたら、ちうは幸せ?
どうしたら、ちうは心の底から笑える?
どうしたら、ちうは悲しい顔しなくなる?
どうしたら、ちうは…







…頼ってくれる?
20-834 名前:『Beyond the window』3[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:29:22 ID:???
胸をココアの甘い香りで満たしながら、しかし、意識はネットの世界を漂う。
『ちう』は私なんかじゃない。私の一部ですらない。何故なら、私の中に『ちう』はいないから。それなら、『ちう』は誰?

ザジがじっと私を見つめていたことに気付く。反射的に笑顔を返す。良くないよな…こういうの。
きっと、ザジは気付いてるんだろう。
頭の中が嫌な雰囲気になってきた。縺れた糸のようだ。解決しようと必死になって、逆に悪化させてしまっている感じ。
カップを両手で抱えると、一気にココアを飲み干した。寂しそうな顔のザジが驚いた目で私を見る。
千雨「夕飯にしようか」
ザジ「…」コクリ
頷くザジを確認し、私はキッチンに立つ。さて、何を作ろうか…。材料もあるし、クリームシチューにしよう。
包丁で俎板を叩き、その音を部屋に響かせながら、しかし、意識はまたネットの世界を漂う。
『ちう』は私の分身だったはずだ。でも、『ちう』がネット界に君臨するアイドルになった今は…。
ザジ「手伝う…」
千雨「あ、サンキュ。じゃあ、ニンジン頼む」
ザジ「…」コクリ
やっぱり気付かれてるんだろう。こういうことにザジが敏感なのは、とってもよくわかってる。心配かけちゃいけないよな。
隣でニンジンを刻むザジを思いながら、ふと気付く。本当の私は、親友一人さえ安心させることができてない。安定した人気のあるネットアイドル『ちう』とは大違いだ。
ネット世界で圧倒的に膨張した『ちう』の存在が、私には重荷なのかもしれない。『ちう』に比べて、私はあまりにちっぽけだから。
20-835 名前:『Beyond the window』4[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:31:19 ID:???
ちうと一緒に作ったシチューを食べた。とっても、とっても美味しかったよ。でも、こんなに美味しいシチューなのに、ちうは悲しい顔するんだね。

ちう「ごちそうさま」

二人で食器を洗う。お皿とお皿がぶつかる。脆いもの同士がぶつかると、こんなに痛々しい音がするんだ…。

ザジ「大丈夫?」
ちう「平気、平気」

ちうの考えてること、知ってるよ。ずっと、ずっと、知ってたよ。
パソコンの向こうにいる自分が嫌なんだよね?本当の自分と違いすぎて、嫌いなんだよね?自分が小さく感じて、寂しいんだよね?

ちう「風呂、入りにいこうか…」

大浴場には濃い湯気がただ漂うばかり。その湯気に包まれたら、冬の厳しさも忘れられる。
体を流して湯船に漬かる、手足に目一杯の電流が刺さったようになる。じわじわ体が暖まって、全身の緊張がほぐれた頃、曇ったメガネを掛けたちうが隣に入ってきた。

ちう「うわっ!熱っ!」

そう言いながらも、ちうはぶくぶくと沈んで肩まで漬かった。ちうの頬が春のピンク色に染まり始めたと思ったら、ちうがこっちを向いた。

ちう「ザジ、いつまで湯船に入ってるんだよ…顔、真っ赤。のぼせるぞ」

あ…、ちうの顔しか見てなかったから気付かなかった…。湯船から立ち上がると、一瞬にして、瞼も閉じてないのに辺りが真っ暗に……あれれ…。

ちう「あ!馬鹿、急に立ち上がったりしたら、目が回るぞ!」

ちう、物知りなんだね。今までずっと、停電だと思ってたよ。
20-836 名前:『Beyond the window』5[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:33:45 ID:???
私達が来るのが早すぎるからだろう。白い湯気が眩しい浴場には、他に誰一人いなかった。試しに咳をしてみたら、それは木霊しながら、ひとつの効果音に響きを変えた。
靄がかかって、カーテンの向こうのシルエットになったザジが、石鹸の泡を立てているのが見える。
息すらしていないのではないか、と感じるほど静かでしなやかな動作は、風よりも軽い彫像を思わせる。
あるいは、誰にも傷つけられずに残った太古の壁画、そこに込められた単純な、しかし写実的な野生のような素朴さだろうか。
人の営みの中で、気付かれずに壊されていくかもしれない"弱さ"がザジにはあった。守りたい、でも、触れるのが恐い。そんなディレンマが私を焦がす。
しかし、ザジは彫像でもなければ壁画でもない。一人の人間なのだ。そんなザジを硝子ケースに飾ってしまいたいとさえ考える私は、愚かで罪深い。
臆病な私には、ザジに嫌われることが一番恐い。ザジにだけは、私だけを見ていてほしい。この私を…。
ザジ「…ちう?どうしたの?」

"ちう"?

湯船に映った私の顔が、身を浸すザジの起こした弧で歪む。それだけじゃなかった。思いつめた私の顔、泣き顔に歪み変わっていた。私は泣いていた。
千雨「…私は……じゃない…」
ザジ「…ぇ?」
喉が脈打ち、涙は血の如く温い。行き場をなくした恐怖は、口から暴力のような怒鳴りとなって吐かれた。
千雨「私は、『ちう』じゃない!」
臆病者の勇気は時に、矛先を誤り、貫くまで止まらない。
20-837 名前:『Beyond the window』6[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:35:20 ID:???
ちうが泣いてる。ちうの表情は、蝋燭の火のようになびいてる。
ちうが泣いてる。声と同時に立ち上がった体は、小刻に震えてる。
ちうが泣いてる。唾ばかりを飲み込んで、唇は言葉を迷ってる。

ちう「ザジも、ちうがいいんだろ?好きなのは、ちうなんだろ?」

違うよ…。

ちう「残念だけど、私はちうじゃないんだ。ちうはパソコンの画面の向こうにしかいないんだ。私は………ただの長谷川千雨なんだよ!」

違うよ…。

ちう「冴えない、綺麗でもない、何の取り柄もない、長谷川千雨なんだよ」
ザジ「違うよ!」

涙で星を散らしたちうの瞳が、怯えてる。

ザジ「…ちうは、ちうだよ」

ちうは足を畳み湯船の中に戻ると、しばらくお湯に映る自分と見つめ合ってた。こういう時、どうしたらいいんだろう…。

ちう「ごめん。風呂に漬かりすぎて、のぼせたみたいだ…」
ザジ「…うん、大丈夫」

大丈夫じゃなかった。脆いもの同士がぶつかると、こんなに痛々しい音がするんだね。
ちうの心が、バラバラに割れていく…。つい割ってしまった、シチューの皿みたいに。
20-838 名前:『Beyond the window』7[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:37:22 ID:???
ザジが大浴場を後にしても、私は追っていけなかった。ザジの背中を目にして悟ったからだ。今すぐザジに触れたら、私はまた傷付けてしまうと。
ザジに八つ当たりしてしまった。最低だ…私って。冷えきった心を湯に浸し暖める。でも、人の温もりは感じない。
嗚呼、ザジが恋しい。ショーケースを眺めていても、触れなければ温もりは伝わらない。

更衣室を出ると、雨は止んでいた。今更やって来た他の生徒達と擦れ違う。邪魔だ。肩まで垂れる髪が、冬に触れて凍える。急いで乾かしたからだろう。でも、構わない。
部屋が遠く感じる。だから、私は駆ける。今すぐ、ザジに伝えたい。お前を一番愛してるのは私だと伝えたい。
独りになって気付いた。冴えない、綺麗でもない、何の取り柄もない、長谷川千雨には、ザジしかない。ザジが全てなんだ。

硝子窓の壁なんて壊してしまえ。

部屋の扉を壊れるくらい強く開ける。部屋は暗澹としていた。窓から注ぐ月明かりだけを頼りに、デスクの上の置き手紙を見つける。ザジの文字だ。
千雨「え…どういうことだ?」
手紙を最後まで読み終え、手紙に従う決意をする。手紙通りに事を為せるよう、全ての準備はされていた。
私は化粧と衣装で着飾り、呼吸を落ち着かせた。体が熱い。でも、これは恥ずかしさと違う。これは、恋…?
ザジが何をしようとしているかは分からない。でも、何であろうとザジに付いて行きたい。ザジに身を任せたい。ザジのままになりたい。
ちう「ザジ…待ってろよ」
手紙には、地図と共にこういったことが綴られていた。
『この服に着替えて、ここに来てください。ザジ』
20-839 名前:『Beyond the window』8[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:38:36 ID:???
舞台衣装は着る状況なんて構ってないから、とても寒い。

ザジ「ちう…まだかなぁ」

ちうは手紙を読んでくれたのかな。読んではくれると思う。でも、言う通りにしてくれるかな…。
ずっと前から計画はしてたけど、それが今日で良かったよ。明日までちうを放っておけないよ。
どうしたら、ちうが心の底から笑ってくれるか考えてた。色々、色々、考えてた。ずっと、ずっと、考えてた。
そして、パソコンのちうも、本物のちうの一部なんだよ、って教えてあげられれば、きっと、ちうは笑ってくれるって思ったんだ。

学園一番の高級レストラン……の裏庭。色んな花が蕾を開いてる。レストランから漏れる楽器の音色は夜に似合う。サーカスや大道芸の曲とは違う、まろやかな調べ。
段々、手足が寒さで痺れてきた。ちう…早く〜。
浴場で温まった意味がなくなってきた。ちう…早く〜。
靴の中の指先も、感覚が曖昧になってきた。ちう…早く〜。
レストランから流れる音楽が何曲クライマックスを迎えたんだろう。ちう…早く〜。
あれ?…体が…寒さで…動かなく…





…あ…暖かい。手足の感覚が甦る。いい匂いがする。この匂いは、ちう?
ちう…来てくれたんだ。
20-840 名前:『Beyond the window』9[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 20:40:27 ID:???
ちう「バカっ」
ザジの耳元で囁く。ザジはタキシード風の手品師の衣装に身を包み、レストランの後ろにある花園にいた。
冬の夜は寒い。ザジは隣の彫像と区別がつかない程に固まっていて、私が抱いて暖めるまで震えが止まらず、意識は朦朧としていた。
ザジ「ちう?来てくれたんだね…」
ちう「当たり前だろ?」
ザジ「ちうは、ちうだよ」
ちう「…うん」
私は心の雪解けを感じた。ザジがしっかりとした足取りで直立すると、衣装の意味がわかった。私のドレスに対して、ザジはタキシード、つまり男装だ。
ザジ「ちうの居場所はパソコンの中じゃないよ。ちうは、ザジだけのものだから」
ちう「ザジ…ありがとう」
ザジ「…次の曲で踊ろう」
ちう「は?」
踊る…って、踊れませんよ、私ゃ…
ザジ「ほら、始まるよ!」
ちう「うわぁっ!」

心地良いメロディーに乗せて、ザジは見事に私をリードした。冬の夜、銀色月の光の下で、私たちは舞う。レストランから漂う音符を足場にして、軽やかにステップを踏む。
ここは二人だけの舞踏会。ザジが私をちうにするために、開いてくれた舞踏会。
まだ足許に残った水溜まりを跳び越えて、メロディーが終らぬ限りいつまでも、しっかりと手を取り合って舞い続ける。
水溜まりには、夜空とザジと私とが見える。くるくると舞いながら、互いに微笑み合うザジと私とが見える。
水溜まりの向こうに広がる世界は、こっちの世界とそっくりだけど、やっぱり何かが違ってた。
だって、左に滴の垂れた、私の愛するザジと手を取り合えるのは、こっちの世界だけだから。そして、

彼女は、Zazie Rainyday。
私は、長谷川千雨。
雨降りの日と、千の雨粒。
雨粒が千もあったって、降るのは雨降りの日にだけなのだと。

20-848

20-848 名前:美砂 空想彼氏[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 22:10:40 ID:???
美砂 空想彼氏

1/4
円 「裏切り者」
美砂 「え?」
親友の突然の言葉に私は驚いた
円 「クリスマスは彼と過ごすんでしょ、私は桜子と一緒にカラオケでも行くからさ・・ネギ君でも誘おうかな」
美砂 「あ、あはは・・」

このとき私は笑顔でいたが、実は心の中では涙を流していた
本当は彼氏なんていない、なんて言えない・・
実は私には彼氏はいないのだ
ある日の嘘、自慢のために言ってしまった嘘、それで私には彼氏がいる事になってしまった
だから、円たちに会わせてよ、といわれても会わせることが出来なかった
桜子 「二人っきりだからってエッチなことしちゃダメだよ。ネギ君にも迷惑かかっちゃうからね」
美砂 「そんなことしないってば」
そんなことは出来ない、彼なんていないから
円 「9時ぐらいまでには帰ってくるのよ。そうだ、クラスでパーティしようかな」
いいな、それ。楽しそう
桜子 「いいんちょ抱き込めば豪勢にできるね」
いいんちょか、もしかしてタダ酒になるとか?中学生か・・私たち
円 「さっちゃんたちに頼めば料理も美味しいものが・・」

そんな会話を聞いていて私は悲しくなってきた
美砂 「ちょっと出かけるね」
この場にいる事が辛い。親友といる事が辛いなんて・・
20-849 名前:美砂 空想彼氏[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 22:11:06 ID:???
2/4
夜の公園に出てみた
もう寒くなってしまったこの時期、人影は少ない。いたとしても熱々のカップルだけだ
私がこんなところにいる元凶を見て私はさらに悲しくなった
出てきそうになる涙をこらえて私はその場を後にする

ふと見ると暗闇の中、明かりが見えた
近づいてみればそれは超包子であった。光に吸い寄せられる蛾のように私はふらふらと超包子に顔を出す
超 「ゴメンネ、もうおしまいネ」
後ろを向きながら超は私にそう言った。どうやら後片付けをしているようで、いそいそとお皿を棚にならべていた
超 「お、柿崎サンとは珍しいネ。なにか用か?」
美砂 「古ちゃんとかは?」
超 「先に帰ったネ。ここにいるのは私一人ネ」
超の笑顔、そしてオレンジ色に光る暖かいランプ。それを見ていたら先ほどまでこらえていた涙が堪えられなくなった
超 「ど、どうしたネ。どこか痛いのカ?」
別にどこも痛くはない。ただ寂しくなっただけ、自分が嫌いになっただけ


超 「なるほどネ・・」
私は思い切って超に打ち明けてみた。悩みを聞いてくれる居酒屋のような超包子の雰囲気が私の口を開かせたのだろうか?
超 「でも、どうするネ。いつまでも隠しとおせることではないネ。いつかはばれるネ」
そのとおりだ。ばれてしまったら・・
超 「解決策は5つあるネ。聞くか?」
美砂 「え、どんなの?」
私は藁にもすがる思いで超の言葉を待った
20-850 名前:美砂 空想彼氏[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 22:11:32 ID:???
3/4
超 「慌てずに・・まあ、お茶ぐらい飲むネ」
白い湯気のあがる湯飲みを超は私の前に置いた。私ははやる気持ちを抑えながらお茶を一口飲み、超を見つめた

超 「一つ目。本当の事を皆に話すネ。これがいちばん簡単ネ」
確かにそのとおりだ。でもそれが出来ないから苦しんでいる
超 「二つ目。彼氏とけんかして別れたことにするネ。まあ、無難な方法ネ。嘘を重ねる事になるけどネ」
いい案だ。でもこれ以上、親友に嘘はつきたくないな
超 「三つ目。すぐに彼氏を作るネ。でも時間制限付で難易度は高いネ」
理想的だ。でもそんなに簡単には・・
超 「四つ目。男性型ロボットで我慢するネ。外見だけならイケメンにできるヨ」
せめて人間がいいな
超 「五つ目。・・・私と付き合うというのはどうネ?」
え、本当!これで彼氏ゲット・・ってええ!

私は超を見つめた。にっこりとした笑顔で私を見つめている
美砂 「じょ、冗談だよね・・」
超 「火星人、ウソつかないネ。柿崎サン、お付き合いしないカ?」
少しばかり気が遠くなった
20-851 名前:美砂 空想彼氏[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 22:12:39 ID:???
4/4
超 「実は初めて逢ったときから柿崎サンのこと、気になっていたネ」
美砂 「あ・・あはは・・冗談だよね?」
超 「本気ネ。柿崎サン、私あなたのこと好きネ」
超は冗談は言うが、ウソは言わないと思う
でも、私が欲しいのは彼氏であって彼女ではない。困った顔をしている私にさらに超は衝撃的なことを言う
超 「男がいいというなら、私、性転換するネ。完璧な男なるヨ。私の科学力は世界一ネ」
なんだか怖くなってきた。超の好意は嬉しいが、なんだか目的が違ってきている
美砂 「あ、あは。え、遠慮しとくよ。じゃあ、私はこれで・・え?」
体がいうことをきかなくなった。どういうわけか、私はその場に崩れ落ちる
美砂 「な、なにが・・」
超 「お茶に痺れ薬を入れたネ。柿崎サン、私の気持ち、受け取って欲しいネ」
美砂 「ウソ・・よね・・」
超 「火星人はウソつかないネ。そう言ったヨ」
超の手が私の服にかかる。電気の消された超包子の中で私は空想彼氏に助けを求めた


ハルナ 「さてと、だいぶんできたかな。後は後半をどうするかだけれども・・」
いつものようにハルナは部屋にこもり、創作系同人誌のネタを作っていた
前回、明日菜に折檻された。鋼鉄のハリセンはとても冷たく、そして屈辱的だった
ハルナ 「美砂って見栄っ張りだからね〜、本当に空想彼氏だったりして」
しかし、ハルナは気がつかなかった。背後に迫る虐殺者の影に・・
ハルナの聞いた最後の言葉はこうであった

美砂 「ばれちゃあしょうがないわね。私の空想彼氏、プロレスラーなの。彼がハルナに会いたいってさ」

20-856

20-856 名前:ザジ 涙[sage] 投稿日:2005/12/03(土) 23:22:18 ID:???
ザジ 涙

千鶴 「あら・・?」
世界樹の側の公園、その芝生に一人の少女が座っているのが見えた
千鶴はその少女の少し寂しげな雰囲気を感じ取り近づいてゆく
千鶴 「ザジさん、どうしたの・・あら?」
千鶴は座っているザジに声をかけた。振り向いたザジの顔を見て彼女が泣いているのに気がつく
ザジ 「・・・」
千鶴 「どこか痛いの?それとも何か悲しい事でもあったの?」
不意にザジが千鶴に抱きついたきた。千鶴はよろけそうになるが何とか持ちこたえる
千鶴 「どうしたの?せめて泣いている理由くらいは教えてくれないかしら」
優しくザジの頭を撫でながら千鶴はザジを抱きしめた
ザジ 「・・・」
千鶴 「そう・・最近千雨さんが冷たいんだ」
千鶴から反芻されたその言葉を聞いたザジは、再び悲しさに襲われ千鶴の胸に顔を埋めまた泣きはじめた

しばらくしてザジは泣き疲れたのか千鶴の膝枕の上で眠っていた
千鶴 「いいかげん出てきたら?これはあなたの仕事でしょう?」
千鶴は背後の茂みにそう声をかける。誰もいないと思われていたその茂みから人影が姿を現す
千雨 「バレてたのかよ・・かなわねえな」
千鶴 「私、この後帰って小太郎君のご飯の準備をしなくちゃいけないの。膝枕、代わってくださる?」
黙って千雨は千鶴に近づき、千鶴の膝枕で眠っているザジの顔を覗き込む
千雨 「すまねねえ。コイツかなり寂しがり屋でな。ちょっとかまってやらねえとすぐこれだ」
千鶴 「ちゃんとかまってあげないと・・でも、まるで仔犬みたいね、ザジさん」
千雨 「もっと可愛いさ、甘え方とかな・・」
千鶴 「ふふ、私の部屋にもいるわ。可愛い子犬が。ちょっと元気すぎるけど」
千雨 「・・ありがとな」
二人はそっと入れ替わり千鶴はそのまま黙って立ち去っていった

ザジが起きたらどんな言葉をかけてやろうか?そう思いながら千雨はザジの頭をそっと撫でた

20-863

20-863 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/12/04(日) 01:59:52 ID:???
「ハカセ」
「なーにー?」
「今日は軽いメンテだと聞いていましたが……なぜ私は首だけ宙吊りにされているのでしょうか」
「うん、その前にこれを見てもらおっか」
「この人形が、どうしたのですか?」
「これはね、『圧死マー』と言ってね、古いロボットアニメに登場する可変モビルアーマーなのよー」
「可変……変形するのですか、こんな小さな人形が」
「そうなのー! ここを……こうして……こうすると……ほら!」
「……円いですね。」
「かわいいでしょ〜!? こんなにちっちゃいのに、ほぼ差し替え無しで飛行形態に変形しちゃうのよ〜!」
「飛行……飛ぶのですか、こんなカーリングのストーンに足の生えたようなモノが」
「…………」
「…ハカセ?」
「ねぇ、茶々丸」
「はい」
「お空を飛んでみたくなぁい?」
「……ついさっき、研究室へ来る途中に飛んできたばかりですが」
「………うふ、うふふ」
「………まさか、ハカセ、まさかそんな」
「茶々丸……いい子だから、おとなしくしててね……といっても、そんな体じゃ動けないだろうけど」
「やめ、やめてくださいハカセ! そんな情けない姿をネギ先生に見られたりでもしたら、私、立ち直れません!」
「大丈夫。はじめはつらいかもしれないけど、慣れればそれがやがて快感に変わるともっぱらの評判で」
「ワケがわかりません」
「うふふ、心配しないで茶々丸。数回ほど飛行試験をしてデータを取ったら、ちゃんと元通りにしてあげるからー!」
「イヤー! 助けてネギティーチャー!!」
「あははははははははははははははー!!」



麻帆良学園都市上空にて、数回にわたって円盤状の謎の飛行物体が確認されるのは、それから1ヶ月後のことであった。
20-937 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2005/12/05(月) 01:18:22 ID:???

863の続編のような。

「しくしく…」
「もー、泣かないでよ茶々丸〜。実験は成功したんだしいいじゃない」
「よくありません。ネギ先生におもいっきり指差されて笑われました。もうおしまいです。もう駄目です」
「違うよ〜、あれはただ、未確認飛行物体を見たことがうれしくて喜んでただけだよー。………たぶん」
「気休めはよしてくださいハカセ。ネギ先生はこんな私を見て、きっと『何あのあげパン、だっせー』と思っているに違いないのです」
「ネ、ネギ先生は男の子だもの、変形ロボットにはきっと理解を示してくれるって!」
「もういいのです。私はこの先一生『フライングパンケーキ』と呼ばれバカにされるのです。『外した手首はどこに置いとくんですか?w』とか『上の平らな部分はお餅とみかんを載せるんですよね?wwwテラワロス』とか言われて蔑まれるに決まってます」
「なんかヤケに局所的なネットの闇に染まった先生だね……」
「めそめそ…」
「…あーもう、わかったよ茶々丸。ちゃんと責任取るから」
「ぐす……本当ですか」
「ホントホント。それはさておき、これを見てくれる?」
チュン! ドカーン
「ギャー!」
「ハカセのバカー!」
「ちゃ、茶々丸! 生みの親に向かっていきなり目からレーザーとはどういう了見よー!?」
「またしても可変モビルアーマーを持ち出して、これ以上私を愉快にしてどうしようというのですか!!」
「違うよー! よく見てよ、今度のはカッコイイでしょ? Zガンダムって言うんだよ」
「…ぐす……でも、飛行形態もカッコイイとは…」
「大丈夫、ほら。…(変形中)…ね、ちゃんと戦闘機みたいでしょ?」
「おお……これは恥ずかしくない……むしろなってみたい気もします」
「でしょー? ネギ先生の目の前でズギャーンと変形してみせれば、イメージアップ間違いなしっ」
「ハカセ……ありがとうございます! 私、負けません!」
「私こそありがとう茶々丸! これで私の野ぼ……もとい科学の歴史がまた1ページ書き加えられるのよー!」



それから1ヶ月後、麻帆良の空を翔る巨大な青いエイが目撃されるが、それはまた、別の、お話。
「茶々丸ー、これはガブスレイと言ってねー」
ドカーン

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最終更新:2007年09月30日 18:12