249 アミダショー 3組目 〜アキラ&ハカセ〜
―――ガタン
「ふにゃ?」
突然響いた物音に、葉加瀬は夢の中から引き戻された。
まだぼんやりとする頭を持ち上げ、ずり落ちたメガネを持ち上げながら辺りを見回す。
夕暮れの教室は薄暗かったが、その音の出所を見つけるのは容易だった。
「あ、ごめんなさい。起こしちゃったかな?」
「ああーー気にしないで下さい。むしろ起こして貰って助かりましたぁ」
頬に服の痕をつけた葉加瀬はようやく動き始めた頭を回転させながら、笑顔でそう返した。
「忘れ物ですかぁ?」
机の中から携帯電話を取り出すボタンを操作する彼女に葉加瀬は問いかけた。
液晶画面に照らされた蒼白い顔が寂しげに俯きながら、パタンと携帯を閉じる音と共に消えた。
窓から差し込む夕日が、逆光となって相手の顔を曇らせている。
「大河内さん?」
俯いた顔を覗き込むと、うっすらと涙を溜めた瞳と視線が交わった。
「葉加瀬さんはいいな、村上さんと喧嘩なんてしないよね・・・」
言い終わらないうちに一粒涙が零れ落ちた。
「大河内さん・・・」