【クラス】
キャスター
【真名】
吉備真備@日本/史実(奈良時代)
(「今昔物語」「江談抄」「吉備大臣入唐絵巻」等の要素を含む)
【属性】
中立・中庸
【ステータス】
筋力E 耐久E 敏捷C+ 魔力A 幸運C 宝具A
【クラススキル】
陣地作成:A
魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる。
陰陽師にとって、工房を上回る結界を張ることなどお手の物。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成可能。
式神の依代や様々な呪具など、陰陽の術に関わる物は何でも作成できる。
【保有スキル】
呪術:EX
古来からアジア、中東、南米などに伝わっている魔道。
吉備真備が操る呪術は、基本的には陰陽道に属するものである。
なお宝具の効果により、スキルランクがEXまでブーストされている。
鬼神の加護:B
強力な霊的存在の加護を受けている。
およそBランク相当の対魔力として機能する他、ある程度の物理攻撃に対してもオートでダメージを軽減してくれる。
吉備真備を守護しているのは、唐で客死した『阿倍仲麻呂』の怨霊。
真備が唐で幽閉された際に出会い、以降は常に傍で力を貸し続けている。
――ところで、真備がこの霊と出会った二度目の遣唐使の時期、阿倍仲麻呂はまだ唐で存命だったはずである。
この鬼神は仲麻呂の怨念が形となった生霊なのか、時間を超越した存在なのか、それとも仲麻呂を名乗る他の何かなのか?
真備本人は答えを知っているはずだが、きっと訊かれてもはぐらかすだろう。
飛行自在の術:C+
陰陽道の術ではなく、鬼神の加護の派生スキル。
念じるがままに体を浮遊させ、自在に空中を移動できる。
正座したままの姿勢で高速飛行する様はなかなかシュール。
老いて益々壮んなるべし:A
年齢を感じさせないどころか、若者を凌がんばかりのガッツが昇華したスキル。
精神的デバフを大幅に軽減し、危機的な状況でも前向きさを失わない。
【宝具】
『真・刃辛内伝金烏玉兎集(しん・ほきないでんきんうぎょくとしゅう)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1
正式名称は三国相伝陰陽?轄刃辛内伝金烏玉兎集。
安倍晴明が編纂したと伝わる陰陽道の秘伝書、そのオリジナル。
伝説では吉備真備が唐より持ち帰り、阿部仲麻呂の息子・満月丸に託したものと
語られている(晴明は満月丸の末裔とされる)。
書には陰陽道のあらゆる秘術が網羅されており、この宝具によって真備の呪術スキルは規格外(EX)にまでブーストされている。
本人いわく「結界でも式神でも星占いでも、およそ陰陽師っぽい術なら何でも使える」とのこと。
更に真名開放を行うことで、真備を守護する鬼神――阿倍仲麻呂の怨霊に、真備が大陸より伝来させた荒神『牛頭天王』の殻を被せて疑似神霊として召喚する。
牛頭天王は牛の頭と二本の角を持ち、手には大斧を握った巨躯の神。
この宝具で顕現するのは牛頭天王の神霊そのものではないが、後世においてスサノオと同一視されたその神威は、再現であっても脅威以外の何物でもない。
『秘封之法・陰陽无色(ひふうのほう・いんようむしき)』
ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:10~100 最大捕捉:範囲内すべて
吉備真備の奥の手。唐土の日月を封じた秘術の再現。
楓(ふう)の双六盤の上へ転がした賽に棗の筒を被せ、覆い隠すことで発動する結界宝具。
賽を隠している間は結界の内部から太陽と月が観測できなくなり、本来の時間を問わず無明の空間へと変化する。
その本質は光を奪うことではなく「太陽と月(太陰)を封じる」ということ。
陰陽思想において、全ての事柄は陽と陰の間で流動し続けることで成立している。
その陽と陰の象徴たる日月が封じられれば、世界から『変化』が失われる。
この宝具の発動中は魔術や宝具、令呪ですら起動しないし、攻撃による破壊も発生しない。電話をかけたりマッチで火をつけることすら不可能になる。
漫然と発動させてもただの時間稼ぎにしかならないだろうが、使い方次第では相手の行動を自在に打ち消し、ペースを一方的に握ることができるだろう。
【weapon】
『真・刃辛内伝金烏玉兎集』
また道具作成スキルで、式神の依代などを自在に作り出す。
【人物背景】
きびのまきび。
奈良時代の学者で、二度にわたって遣唐使に参加したことで有名。
一度目の遣唐使は22歳の時で、阿倍仲麻呂や玄昉らと共に渡唐。
以降18年間をかけて学問を修め、多くの書物や宝物を携えて帰宅した。
その後は聖武天皇の元で驚異的な出世を果たすが、恵美押勝こと藤原仲麻呂が台頭すると彼に疎んじられ、遂には左遷されることになる。
しかし一方では58歳という高齢でありながら二度目の遣唐使に参加し、翌年に鑑真らを伴って帰国した。
そして恵美押勝の反乱が起こると追討軍を指揮し、優れた軍略でこれを鎮圧。
この時の真備はなんと70歳である。
その軍功で再び実権を取り戻し、最後には右大臣にまで上り詰めたのだ。
享年は81歳。奈良時代の人物としてはかなりの長寿であった。
ここまでが一般的に知られた吉備真備の生涯である。
一方で彼には、『陰陽師の始祖』というもうひとつの顔がある。
二度目の遣唐使において、真備は陰陽道の秘伝書『刃辛内伝金烏玉兎集』を唐より持ち帰るという密命を帯びていた。
本来これは阿倍仲麻呂が持ち帰るはずだったものだが、仲麻呂は遂に帰国できなかったからである。
真備は唐でその実力を危険視されて鬼の棲む塔に幽閉されるが、そこで鬼――仲麻呂の怨霊と出会い脱出し、霊の力を借りていくつもの試練を乗り越えていく。
再び捕らえられた時には双六盤で月日を封じるという秘術を使い、遂には金烏玉兎集を携えての帰国を許される。
こうして日本最初の陰陽師となった真備は、やがて仲麻呂の子・満月丸に金烏玉兎集を託した。
その満月丸から陰陽道の秘伝を受け継いだ阿部家の子孫こそ、安倍晴明であるという。
【外見・性格】
顎に長い白髭を生やした小柄で華奢な老人。外見年齢は70代。
どう見ても非力な年寄りであり、本人もあえてそう演じているフシがある。
本来の服装は奈良時代らしい浅紫色の礼服だが、普段は現代風のラフな格好を好む。
性格はバイタリティと向上心の塊。
自身の知識や技術を高めることを至上の喜びとし、年齢を感じさせないハングリー精神を持つ。
自身を老いてなお未完成だと捉えているため、己の力に自信はあっても自負はない。
そのため英霊としての誇りに欠けた言動をすることもあるが、彼のプライドは弛まぬ精進にこそある。
どれだけ地べたを這いずり回ろうと、最後に笑って死ねれば勝ちなのだ。
【身長・体重】
152cm 43kg
【聖杯への願い】
現代の新たな知識を吸収するため、若返った上で受肉する。
サーヴァントは基本的に全盛期の姿で召喚されるが、吉備真備の「全盛期」は老境に入ってからであるため、若い姿で現界することはまず無い。
老人の姿が嫌というわけではないが、せっかく受肉するなら、ついでに肉体的にも万全でありたいということらしい。
【マスターへの態度】
呆れた男だし、陰陽師としての実力も(英霊基準では)そこまでのものではない。
それでも愛想を尽かす気にならないのは、マスターが自分との圧倒的な実力差を目の当たりにしても腐ったり捻くれたりせず、常に前向きであるからである。
なんだかんだ言っても、向上心のある人間は嫌いではないのだ。
それはそれとして、からかうと面白いのでちょっかいは出す。
最終更新:2024年08月07日 01:33