【クラス】
 アサシン

【真名】
 ハサン・サッバーハ
 もしくは継代(けいだい)のハサン

【属性】
 秩序・悪

【ステータス】
 筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:D 幸運:C 宝具:D


【クラススキル】
気配遮断:A+
 アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。
 完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がってしまう。

諜報:A+
 気配を遮断するのではなく、気配そのものを敵対者だと感じさせない。
 親しい隣人、無害な石ころ、最愛の人間などと勘違いさせる。
 直接的な攻撃に出た瞬間、効果を失う。

 通常このスキルは気配遮断の入れ替えとするか、さもなければ、これを持つことで気配遮断のランクが著しく落ちることになる。

 他に例を見ない、双方高レベルな気配遮断と諜報のコンボによって何が起きるかというと……
 彼は、他の英霊や、ステータスを見る権限を持つマスターの前であっても、己が英霊ではないかの如く装うことができる。
 ごく普通の、背景の一般人の一人であるかのように誤認させることができる。
 そしてそう誤認させた上で、自然体でどんな場所にでも潜り込むことができる。

【保有スキル】
仕切り直し:B
 戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。
 後述する宝具とのコンボによっては、あまりにも厄介な展開を引き起こしうるスキル。

プランニング:A
 対象を暗殺するまでの戦術思考。
 僅かな手がかりから、守備側の思惑や行動のクセなどを高いレベルで推測することが出来る。

変化(潜入特化):B
 文字通りに「変身」する能力。自在に姿を変え、暗殺すべき対象に接近することが可能。
 ある程度の背格好の変更すら可能であり、極端な体格差でなければ(およそ身長155cm~185cmの間なら)自在に姿を変えられる。
 特定の人物に成りすますことも、異性に姿を転じることも可能。
 ただし外見を変えられるだけであり、能力は変わらない。


【宝具】
『奇想誘惑(ザバーニーヤ)』
 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:10000人

 「我が意を受けて走れ、無垢なる傀儡ども――『奇想誘惑(ザバーニーヤ)』」

 無関係な一般人に催眠をかけ、暗殺者に仕立て上げる宝具。
 継代のハサンが至近距離で相手と目と目を合わせることにより、一瞬でこの宝具の影響下に置くことができる。
 令呪を有するマスター、および英霊は直接この催眠の対象に取ることは出来ない。

 対象は、催眠時に与えられた命令に忠実に従う。
 この命令は基本的に誰かを攻撃することと、そのための準備に必要なことしか命令できない。
 大抵の場合、包丁や金属バットなど、身近にある凶器を手にして対象を襲うことになる。
 いきなり襲い掛かるばかりではなく、タイミングを揃えるなど多少の小細工を弄することもできる。

 影響下の者は、「ランクD」相当の「気配遮断」スキルと、英霊換算で「筋力E-」相当の「神秘を帯びた」攻撃力を得る。

 何らかの事情でそれ以上の能力を有しているのならば、それはそれで維持される。
 このランクの気配遮断でも、通常は攻撃の間合いに入ることくらいは出来る。
 なお耐久力や敏捷性には補正がかからないため、大抵は一回攻撃を繰り出せればよい方であり、大抵は反撃で無力化される。
 洗脳されている、と看破さえできれば、魔術的にそれを解除するのもそう難しくはない。

 他の英霊を倒そうとするにはあまりにも貧相な攻撃であり、ゆえに宝具の評価もD相当。
 だが、この宝具の真価は最大捕捉数にある。
 発動に必要な魔力量も極小であり、魔力のパラメータの低い継代のハサンでも気兼ねなく乱発することが可能。

 周囲に一般人がいる限り、いつどこから誰が襲ってくるかも分からない、ほぼ無尽蔵の人海戦術。
 一撃ごとの威力は極小でも、無視できない蓄積によって神話の英雄すら倒しうる攻撃。
 そしてそれを振るうのは罪なき一般人であり、英霊の性格によっては火の粉を払うのも躊躇われることになる。
 ましてやこれが、アサシン運用の定石である、マスター狙いで振るわれた場合の脅威は計り知れない。

 さらにここに、無力な一般人を装った、継代のハサン自身が混じって攻撃に参加することすらありえる。
 筋力E-相当の攻撃を想定している所に不意打ちで筋力C敏捷A相当の攻撃が来れば、これは十分に英霊の命も奪いうる。
 あるいはそれを看破し防いだとしても、彼は「仕切り直し」て再び一般人の群れの中に潜伏してしまう。


【weapon】
 小ぶりなナイフ。投げてよし、刺してよしの使いやすい凶器。これを彼はどんな所にでも隠し持って入ることができる。

 ただし彼はその基本装備に拘ることはなく、現地調達できるものは何でも頓着なく使い、何であっても使いこなす。


【人物背景】
 謎に満ちた暗殺教団を統べる山の翁、その歴代ハサン・サッバーハの三代目。
 暗殺教団の中興の祖にして、教団の組織を整えた者。

 あまりにも偉大過ぎる伝説を残しつつ去った初代、異能をもってそれに代わる力とした二代目。
 しかしその二代目が初代によって処刑され斬首された際、初期の暗殺教団は崩壊の危機に瀕した。
 二代目の行いが初代の意に添わなかったのは分かる。
 では、残された者たちはどうすればいいというのか。
 混乱の中、それでも当時一番の実力者であった彼が皆をまとめ、三代目の山の翁を名乗り、組織を再編した。

 組織運営、暗殺術開発、実行部隊である暗殺者たちを、それぞれ整理して。
 そしてその頂点に、山の翁ハサン・サッバーハが君臨する。
 山の翁は、初代の手による処刑によって代替わりする。
 先代が処刑された時点で最も優れた暗殺者が、年齢や性別を問わず、次代の山の翁を襲名する。

 こういったシステム面を改めて整えたのが、三代目ハサン・サッバーハ、またの名を「継代」のハサンであった。
 彼が居なければ暗殺教団はもっと早い時期に崩壊していたことだろう。
 彼の二つ名は、まさに「代を継ぐ体制を整えた」その功績から贈られたものである。

 彼はまた一方では、暗殺教団についての俗説の元となった能力の使い手でもあった。

 「暗殺教団は一般の若者を大麻を使って惑わし、快楽を教え、その快楽欲しさに暗殺に従事するように仕向ける」

 この伝説そのものは虚偽であるものの。
 継代のハサンが使う技は、教団とは無関係な者を暗殺者に仕立て上げるという、ある種の催眠能力であった。
 正体を隠して暗殺対象の身近にいる一般人に接触し、自由意志を奪い、暗殺を実行させる。
 麻薬伝説は、不可解な下手人が捨て身で暗殺を行い、捕縛されれば訳の分からない供述をする姿から生まれたのだ。

 最終的に継代のハサンは、一通り教団の態勢を整え、次代の才能を育てた上で、初代「山の翁」の刃によって処刑された。
 彼が最後に聞いた言葉は「汝は仕える相手を間違えた」。
 しかしそれは英霊の座に上がった後も、彼を縛り続ける言葉ともなった。

 初代はいったい、自分が何に仕えていたと断じたのだろう。

 おそらくそれは尋ね返すのも野暮なことであるし。
 もし再び初代と会うことがあったとしても、回答もなくまた斬られるだけだろう。
 それでも彼はその言葉の真意を知りたいと思ってしまった。
 人生の答え合わせを、継代のハサンは望んだ。


【外見・性格】
 髑髏の仮面を被った中年男。仮面の下半分からは無精髭の生えた口元が覗く。引き締まった体躯で、やや猫背。
 仮面を取る必要がある場合、野生的な印象で眉の太い男の顔が出てくる。

 ただし変装の達人でもあるため、それが彼の「真の姿」であるかどうかは誰にも分からない。
 あくまでその姿は、暗殺教団の長として、身内の関係者に分かりやすいように見せていた「普段の姿」でしかない。
 一人称は俺様、自信満々でどこか芝居かかった言葉や身振りを好むが、これも意識的に作る「普段の姿」である。


【身長・体重】
 171cm/72kg (普段の姿)


【聖杯への願い】
 自身が初代「山の翁」に殺されたときに言われた、「汝は仕える相手を間違えた」。
 その言葉の真意を知りたい。
 可能性はいくつか思い浮かんでいるし、その全てを含有しているのかもしれないが、それでも確かめたい。

 聖杯で初代様を呼び出して聞く? やだよ、また同じこと言われてそのまま殺されるに決まってるじゃん。
 答えだけ直接知りたいの。
 野暮だってことは自覚がある。


【マスターへの態度】
 危うい主人。
 能力面においてはクセが強いが、かなりのアタリ。
 決断力や判断力、知識の広さなどを好意的に評価している。
 ただし最後まで勝ち残る気がどうにも希薄で、聖杯戦争のパートナーとしてはやや困った相手。
 「前回」のように、彼の「主人」とやらのために自己犠牲をやられたらたまったものではない。
 このまま変わらないようであれば、どこかでコンビ解消と相棒の乗り換えも考えねばならないかもしれない。

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最終更新:2024年08月07日 01:35