桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

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coharu

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【藤岡の日記】

夜10時…南の話では、そろそろ千秋ちゃんは寝る頃なのだが…そんな様子は無かった。
ハルカさんは気を使ったのか、今日は珍しく千秋ちゃんではなく南を手伝いに連れて行った。
千秋ちゃんはそれを見て、少し不思議そうな顔をしながらも、遊園地の話を続けた。

「藤岡はジェットコースターが怖かったんじゃないか?」
「え? そんな事無いよ?」
「だって私が先に乗り場の階段を上がって、藤岡を呼んだのにお前なかなか来なかったじゃないか!」
「そ…そうだっけ?」
「そうだよ! ずーっとうつむいたまま上がって来ないから、私が降りて引っ張って行ったじゃないか。」
「あー、そう言えばそうだったね! …アハハ。」

オレはとりあえず笑ってごまかした。…助かった。
本当はジェットコースターが怖かったわけじゃなく、あの時千秋ちゃんは先に上にあがった訳なんだけど、
…その……短いスカートだったので、呼ばれて上を向いたら…下着が見えてしまったのだ。
それで上が向けなかったんだけど…どうやら千秋ちゃんは気づいてないらしい。
オレはとりあえず話を変える事にした。

「そ、そう言う千秋ちゃんだって、最後に入ったお化け屋敷が怖かったんでしょ?」
「ば…ばかっ! 私はお化けなんて怖くないよ!」
「でも中では珍しく悲鳴あげて、ずっとひっついてたのは誰だったかな?」
「それは…うぅっ……」
「それにお化け屋敷から出たら、凄く涙目で泣きそうになってたよ?」
「う……うるさーい!!」

千秋ちゃんは顔を真っ赤にして必死に反論してきた。
よっぽどお化け屋敷が怖かったんだろう…普段はクールなのに、お化けが弱点なんて…本当に可愛い。
でも、これ以上は本当に怒られそうなので、これ以上お化けの話はやめることにした。

「それじゃあ…千秋ちゃんが一番楽しかったアトラクションは?」
「うーん…そうだなぁ…観覧車かな。」
「観覧車? …結構意外だなぁ…」

オレはてっきりジェットコースターやメリーゴーランドと答えると思っていた。

「どうして観覧者なの?」
「だって15分くらいの間、藤岡と二人でいっぱい話ができただろ?」
「……あははっ…そ、そうだね!」

千秋ちゃんはサラッと言ったが、オレはそれを聞いて内心ドキドキした。
なんて言うか…嬉しいって言うか…顔が熱い。
とにかく話を終わらせよう…そう思い、オレは話を続けた。

「そう言えば観覧者と言えば、千秋ちゃんが膝の上に乗るもんだからゴンドラが傾いてたよね。」
「仕方ないだろ? ここが私の席なんだから!」
「そうそう、それと同じ事を降り場のおじさんにも言ったんだよね。」
「『片方に寄ると危ないよ』って言ってきたから、膝の上が私の特等席なんだ!って言ってやったんだ。」
「それで、おじさん苦笑いしながらオレと千秋ちゃんの方見て……」

「そう、藤岡と私を見て、『仲のいいカップルだね』…って言ったんだよね。」

話が終わるどころか、ますますおかしな方へ話は進んでしまった。
オレは、慌てて

「あはは、本当にまいっちゃうよね!」

などと言ってしまった。

すると、千秋ちゃんは機嫌をそこねたのか目を逸らしてしまった。
慌てたオレはポケットから水族館の招待券を取り出した。

「えっと…あの、千秋ちゃん? …怒ってる?」
「…いや、別に怒ってないよ。」
「あの、これオレからクリスマスプレゼント!」

いきなりだったので千秋ちゃんは少しキョトンとしてしまった。

「これ…新聞の集金の時にもらったやつなんだけどさ……」
「……水族館の招待状?」
「そう! もしよかったら来週の日曜日でも一緒に行かな…」
「行くっ! 絶対いくよ!」

どうやら喜んでくれたらしい…オレはとりあえずホッとしていた。
すると、千秋ちゃんは立ち上がり、ハルカさんのスケジュールを聞きに行こうとした。
オレは慌てて千秋ちゃんを呼びとめた。

「あっ、千秋ちゃん!」
「ん? なんだ?」
「その…水族館のチケットって二枚しかないんだよね…」
「えーっと…それって……つまり…」
「うん。遊園地の時みたいに、オレと千秋ちゃんの二人で行かない? って事なんだけど…。」

千秋ちゃんの動きが止まった…と言うか時間が止まった感じだ。
1分程返答がなかったので、オレは勇気を出して返事を聞いてみることにした。


「千秋ちゃん? ……千秋ちゃん?」
「…あっ! …えっと、悪い…ボーっとしてた。」
「その…無理にとは言わないけど…」
「え?! 行く! 行くよ! 行くに決まってるだろ!」
「…? 良かった。じゃあ前と同じ時間に同じ場所で。」

オレがそう言ったとほぼ同時に南が来て、オレは外に連れ出された。

「藤岡、お前がいちゃ千秋の奴がなかなか寝ないんだ。」
「あっ…そっか、もう11時前だったのか。」
「いまハルカが千秋をベッドに誘導してるから、お前はこのサンタの衣装を着ておくんだ。」
「うん、わかった!」

そう言って、オレはサンタの衣装を身にまとい、千秋ちゃんが寝るのを待った。


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