名無しさんの「タイムライン」の概念を使おう。
T1はキングクリムゾンの能力を開始した時点で、T2は能力が終了した時点を表す。
(1)--------(T1)-------(T2)------->
このとき実際に起こるのは、二つの「時点」が潰されてくっつくということ。
(2)--------(T1)(T2)------->
このとき間にあった時間は消滅する。キングクリムゾンの能力発動から終了までの間はなかったことになる。T2はT1の時点にまで引き寄せられ、間にあった全てのものは除去される。実際に起こっていることはこれだけだ。ただし、これがどのような効果を引き起こすかについてはいくつか説明すべき点がある。
1 消失した時間の記憶を失うわけではない。なんらかの形で記憶が操作されているということもありえない。「思い出せない」のは実際に起こっていないからだ。「忘れる」というのは適切な表現ではない。起きなかったことを忘れるというのは理屈に合わないからだ。
2 消失時間の中で起こった出来事やそこから発生する結果も消え去る。起きなかった出来事から影響を受けることはない。言いかえると、攻撃されたり負傷したとしても、消失時間の間の出来事なら(その時間の外の出来事でなければ)攻撃や負傷はなかったことになり、その出来事から生じるはずだった結果も消える。単純に言うと、原因なくして結果なし。原因を消し去ると、結果も消えるということ。
3 ボスとキング・クリムゾンも他の人と同様に消失時間の影響を受ける。言いかえると、ボスへの攻撃は、消失時間内なら事実上無効化される。消失時間中のキング・クリムゾンの行動から生じた結果も同様に消失する。だからボスはブチャラティへの直接攻撃を消失時間内には行わなかった。つまり、ブチャラティへの攻撃も、ブチャラティからの攻撃も、その結果は同様に消え去るということ。ボスは消失時間中に攻撃するのではなく時間の消失が終わった後に攻撃するということに注意して欲しい。ブチャラティが突然の移動に混乱しているときを狙うのだ。このことが最後のポイントへとつながっていく。
4 時間消失後の物体の位置はT2の時点のものになる。T1ではない。これが混乱しやすいところだが、こう考えると分かりやすいいだろう。キングクリムゾンの効果は基本的には、ボスがT1の時点に残りながら通常の時間の流れでT2の時点に向かったあと、T2をT1へ引き寄せるというもの。その間の時間は圧縮されてしまう。(だから漫画ではいくつかの場面でひとつのコマの中にいくつもの瞬間を同時に描いていた。『時間が圧縮』されてひとつになるのを表現していたのだ。)T1とT2の間の出来事は結果的に無効化される。二つの時点がひとつになったことで間にあったものは破壊されてしまう。しかし、時間が正常に戻っても、T2の時点の物体の位置情報は保存される。つまり、T1の場所にいた直後にT2の場所に移動することになる。その間の出来事は消えてしまう。T2がT1の直後にくるため、結果として人が変な場所に瞬間移動しているように見える。(基本的にはその認識で正しい)
名無しさんのDIOの「ザ・ワールド」との比較についてコメントさせてもらうと、キングクリムゾンはザ・ワールドとは完全に違うものだ。コンセプトも、効果も。ザ・ワールドは基本的にはザ・ワールド自身とDIOを瞬間的に加速させ、5秒間に相当する行動を非常に短い「現実時間」(0.0001ミリ秒とか)で行えるというもの。キングクリムゾンは時間に直接干渉する。そして自分自身に何らかの効果を及ぼしているわけではない。ボスの時間も他の人と同様に消え去ってしまうからだ。この能力がボスを無敵にしているのは自分で自由にどの時間を消し去るか、そしてどの時間を残すか選べるからだ。
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