【クラス】
ビースト
【真名】
黄錦龍@相州戦神館學園万仙陣
【ステータス】
筋力E 耐久EX 敏捷E 魔力EX 幸運E 宝具EX
【属性】
混沌・善
【クラススキル】
獣の権能:A
対人類、とも呼ばれるビーストクラススキル。
英霊、神霊、人間なんであろうと、願いや欲望を持つ者に対して特効性能を発揮する。
単独顕現:A
ビーストクラスのスキル。単独行動のウルトラ上位版。
このスキルは“既にどの時空にも存在する”在り方を示しているため、時間旅行を用いたタイムパラドクス等の攻撃を無効にするばかりか、あらゆる即死系攻撃をキャンセルする。
根源接続:A
其れは人界から生じ、阿頼耶識を辿るもの。
太極より両儀に別れ、四象と廻し、八卦を束ね、世界の理を敷き詰めるもの。
即ち、万能の願望器の証。夢界八層を乗り越えたる衆生の救世主。
このスキルを持つ者にとって、通常のパラメーターは意味のないものとなる。
【保有スキル】
盧生:EX
ある種の"悟り"を開いた人間の証であり、人類の代表者とも称される「阿頼耶識を理解できる」資質を持つ者のこと。
邯鄲の夢から己の思想に沿った神仏・超常的存在を呼び出す「召喚術」の他、
普遍無意識と繋がった窓を介して全人類が無意識下で共有している心の海の過去・現在・未来すべての情報を閲覧する「千里眼」のスキルをも内包する。
後天的な根源接続者であり、阿頼耶識からの無制限のバックアップを得る。
このスキルを持つ者は悟りにより存在階梯を上位に置いているため、疑似的とはいえ同ランクの菩提樹の悟りに匹敵する対粛清防御を纏う。
邯鄲法:EX
夢界において発現する超常現象を制御する術。
大別すると五種、細分化して十種の夢に分類される。邯鄲法を極めた存在であり資質に限界は存在しないが、彼の場合闘争を旨とする戟法と盾法の資質は皆無に等しい。
桃園の殻:EX
彼の精神は彼自身の内的世界に閉じており、外界を認識することはない。
如何なる言葉、如何なる干渉すら彼には届かず、たった一人で自己完結した等身大の宇宙そのもの。
彼が自己以外を認識しない限り、どのような干渉も彼には意味を為さない。
領域支配:EX
陣地作成の上位互換スキル。
最早生態の域で展開される急段・万仙陣は秒で数十億の眷属を生み出し、三日とかからず全世界を己が影響下に置くだろう。
誰もが夢に酔い痴れる爛れた理想郷の創造。とうの黄自身も混じり気のない善意と絶大な人類愛で夢を具現している。
故にその夢は優しく、そして皮肉にも彼の救済の願いは世界を滅ぼすのだ。阿片が齎す幸福の中で焼け落ちた彼の故郷、黄錦龍の原風景のように。
ネガ・デザイア:EX
ビーストとしてのスキル。
あらゆる願いを叶える願望器として在る彼の前では、聖杯に託す願いを持つ者はあらゆる力も輝きも色彩も失ってしまう。
【宝具】
『桃源万仙陣』
ランク:EX 種別:対人理宝具 レンジ:1~99999 最大捕捉:7200000000
第一宝具。原罪のⅤ。ビーストが有する五常・急ノ段。遍く人類を救済する大偉業。あるいは対冠宝具とも呼ぶべき代物。
「衆生よどうか救われてくれ」という人類賛歌に対し、「良い夢を見たい」と合意を示すことで発動条件が成立する。
人は自らの内的世界に沈みこみ、現実を消失することでやがては自我すら解きほぐされ、理性を蕩かされる。
どれほど屈強な肉体、防御装甲があろうと一度合意が成立してしまえば意味を為さず、生まれたばかりの生命であるかのように無力化し、文字通りの羽化登仙となる。
俯瞰的視点に立った場合、世界とは一人が諦めるたびにまた一つ消失していくものだが、この場合は全く別の新たな世界が構築されてしまう。
すなわち無限増殖する人造のシャルノス。苦界である現実から解放されるその末路は、見ようによっては救済と呼ぶこともできるだろう。
『四凶渾沌・鴻鈞道人』
ランク:EX 種別:奉神宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000
五常・終ノ段。
封神演義において天地開闢以前の混沌の擬人化とされる仙人であり、同時に道(タオ)そのものとも言われる。
最上位の神仙すら意のままにする丹の持ち主であり霊宝天尊・元始天尊・道徳天尊の師であるとも言われているが、これらは後年の創作であり本来なら実在しない架空のもの。
つまりは非実存の存在であり、にも関わらず万民の支持を得て神格にまで昇華された。
その姿は目も、耳も、鼻も、口も存在せず数億もの触手で編みこまれた翼と獣毛の塊としか表現出来ない神格。
沸騰する無限の中核に潜む渾沌の如きおぞましさ。森羅万象、あらゆるものは彼が見た夢にすぎない。
万仙陣と接続し力の供給源となっており、そのため何ら破壊的な活動は行わない。万仙陣を地球全土に広げ、全人類を白痴の王の揺り篭へと誘うのみである。
しかしその神威は圧倒的であり、これに触れた者は同じく七穴を塞がれた盲目白痴の理へと絶頂しながら堕ちていく他に道はない。
永遠を欲し死を恐れ、美しき黄金の日々を求め、遠き日を夢見て果て無き無限に追い縋る。
それは誰もが追い求めてやまぬ場所、すなわち永遠なる今日の具現。
故にこの宝具に対抗できる人類は一切皆無。悟りに達した覚者のみが、この夢を否定し得る。
【人物背景】
人類史においては中華における20世紀最大のマフィア・ギャングスターであり、人理においては歴史より抹消された第四の盧生こそが彼である。
生まれながらに膨大な世界観を有しており、そのため他者と正常な意思疎通を取ることができなかった。幸か不幸か彼の生まれは精神が冒された者ばかりが集う阿片窟の底であり、彼はその場で"幸福"に満ちた幼少期を過ごす。
彼が「人間」という概念を理解した時、生まれたのは疑念だった。何故彼らは外界への感情行為を至上とするのだろう、そこに幸せは何もないのに、と。
元来自己の内にのみ閉じこもって完結するはずだった彼が、「他者」という外界へ意識を向けてしまったこと。それが全ての陥穽であり始まりでもあった。
他者を救うという彼にとって最大最悪の矛盾を至上命題としてしまったことにより、やがて彼は人類救済機構である夢界は八層試練へと到達し、近現代における偽りのセイヴァークラス「盧生」に至る資格を獲得する。
かくて彼は第四盧生として世界に降誕するが、前述したように彼の在りかたには大きな矛盾が存在した。
人は全て自己世界に完結すべきと断言しながら、彼の行動原理は他者を救うという外界へ発露したものとなっている。
万仙陣が真に彼にも適用されるならば、彼が見る彼だけの世界の中で人類は救済されるはずだが、彼は現実における人類の救済こそを望んでしまった。
その在りかたは万能の願望器───聖杯とも酷似したものとなり、第一の聖杯戦争によってもたらされた奇跡は彼という願望成就の器を第二の聖杯として月へと降誕させるに至った。
以上の本性を以て彼のクラスは決定された。
聖杯なぞ偽りの器。
其は個人が到達した、人類を最も端的に救う大災害。
その名をビーストⅤ。
七つの人類悪の一つ、【愛玩】の理を持つ獣である。
最終更新:2020年08月22日 21:43