性善説
孟子によって提唱された、人の本質は基本的に善であるとする説。
概説
孟子は、人に「善の兆し」が生まれつき備わっていると考えた。善の兆しとは、以下の4つを表している(四端の心)。
- 惻隠:人の苦しみを見逃せない心
- 羞悪:不正を恥じる心
- 辞譲:他人を謙譲(相手を高くする)する心
- 是非:善悪を分別する心
これらの徳を磨くことで仁・義・礼・智の徳を顕し、聖人・君子になれるとした。
しかし、これらの善を備えていてもそのままでは悪事をはたらいてしまうため、聖人の教えなどが必要であるとも説いている。
補足
性とは、人やものの性質のこと。
善とは、社会的に良いこととされる存在・行為のこと(ルールのようなもの)。
また、現代社会において用いられる「人は本質的に良いものであるので、放っておいても悪事を働くことは無い」という楽観的主義の意味合いは、本来正しいものではない。
また、性善説に対しての主張である
性悪説も存在する。
最終更新:2021年07月20日 13:29