Another story 第十六話 覚え書き

◇今回予告
帝泊山に張られた結界を破るため、クウの助力を得てオーディールに挑戦するどら猫な~ん(仮)一行。それぞれが向き合うべき過去を乗り越えた先に待っていたのは、神としての力を取り戻したエイテルだった。ーエイテルを助けてみせるー四人の想いと覚悟によって、無事邪神の力を手にしたキミたちは、いよいよカグツチの元へと歩を進めるのであった。

アリアンロッド2E EYE'S -another story- 第十六話「決戦」

キミたちはひとつの歴史を紡ぎ始める。

◇オープニングフェイズ
◆オープニング①
オーディールを終え、クウの夢の世界から出てきたキミたちは、再び帝泊山の麓へと降り立った。身体の内側から溢れ出してくる力に、キミたちは今までとは違う何かを感じ取る。
シェ「これが邪神の力」
ナ「だいぶ違った状況で望めますね」
リ「無駄にしないように」

「戻ってきたようだな。収穫はあったのか?」
周囲の偵察を行なっていたゼルギアが声を掛けてくる。

「俺もこの一帯に探りは入れてみたが、どうやら山頂に続く道はここだけのようだな。結界もご丁寧に球体状で張り巡らせてある。山頂を目指すなら、どうあってもこの結界を破らなくてはならなそうだ」

※手に入れた力を使って適当な演出をしてもらう。

シェ「試させてもらいましょうか」
それぞれが妖魔化する。
シェンファンの強化魔法。ドラドルの魔神剣。
リーフのキャリバーに黒い光。ナミキの邪の槍。

◆オープニング②
帝泊山の山頂を目指し、石段を駆け上るキミたち。しかし突如キミたちの周囲に霧が立ち込め、次第にその濃度を増していった。完全にキミたちの視界が閉ざされた頃、ゆっくりと階段を下ってくる人影。それは花王帝と呼ばれたリーファのものだった。
ナ「霧が出てきましたね」

「シェンファン!どうしてこんなところにいるの?」
そう言ってリーファはキミたちのもとへと駆け寄ってくる。
シェンファン一瞬驚く。「私がわかるのか?」「大人っぽくなったけどわかるよ」「本当に?」
リ「騙されんな」
「お仲間さん?」
シェ「待って下さい、リーフ。これまで起こったことを覚えていますか?」

「私も気付いたら儀式を終えてて…カグツチ様からお赦しを得て、今から帝都に帰るところなんだよ」
シェ「にわかには信じがたい話ですが…」
ナ「シェンファン、一応先に謝っておきますね」光の矢を放つ
ナ「理屈がおかしいです。今誰をよりどころにしていると?罠でしょう」
リ「同感だな」
「シェンファン…」後ろに身を隠す。
リ「もうエイテルが依り代なら、呪印は使えなくなってるはずだろう。こんなタイミングいいわけがない。目を覚ませ、シェンファン
ナ「エイテルさんがあなたの代わり?」

「エイテルさんならそこにいるよ。頂上から一緒に帰ってきたんだー」
リーファが階段の先を指すと、そこにはエイテルの姿があった。

「皆さん、ご無事で何よりです。きちんとお話をしたらカグツチ様にもわかっていただけました。これでもう争う必要もありません。皆さん、お疲れでしょう?帝都に戻って身体を休めてください」
シェ「さすがにきな臭くなってきましたね」
リ「どうかしてるぜ。お前が本当にエイテルなら、俺たちに知らせをくれるはずだ。お前は偽物だ」
リーフのキャリバーから黒い光が。
リ「お前が本当のエイテルなら大したことないよな?」

するとキミたちの身体に刻まれた紋様が光を放ち、霧を払いのけていく。
シェ「幻だったようですね」
リ「ほら見たことか」
シェ「すみません、心を乱してしまいました」
ナ「さっさと先に行きましょう」

◇ミドルフェイズ
◆ミドル①
キミたちが帝泊山の頂へとたどり着く頃には、周囲の景色は上空の赤い月に照らされ、赤紫に染められつつあった。9割がた完成している月を見るに、儀式までの時間はそれほど残されていないことがわかる。

リ「急がないと」
「ここまで大きく邪魔が入らなかったことを考えると、おそらく奴等はこちらを待ち受けているだろう。気を付けろよ」
ナ「ゼルギア、いたんですね」
ゼ「お前たちを見物していた」

ゼルギアの予想通り、山頂には黒装束に仮面をつけた一団。チェン家が要する特殊部隊"死霊"の姿があった。彼らが敷く布陣の奥に祠のようなものが見て取れる。

ナ「ここで間違いないようですね」
シェ「何年ぶりか」
リ「とりあえず目の前のやつ蹴散らして行けばいいんだな?」

「侵入者は排除…儀式を妨害する者には粛清を」
死霊の構成員たちはまるで心のない人形のように言葉を繰り返す。

シェ「哀れな同族よ。私が目を覚ましてあげます」

プレイヤーのタイミングで戦闘へ。

【戦闘】死霊A(Lv51)×2

◆ミドル②
戦闘を終えて、キミたちは周囲にいた死霊の構成員たちを大方退けたかのように思えた。しかし致命傷を与えていたはずの者でさえも、ゆらゆらと立ち上がり、再びキミたちのもとへとにじり寄ってくる。
ナ「馬鹿正直に相手をしている余裕はないですね」
シェ「一点突破できる場所を探さなくては」

するとその時「道を切り開くですよ!」
突風が吹き抜けたかと思うと、キミたちの行く手を阻んでいた死霊たちがなぎ飛ばされていく。その先に見えたのは白虎を巧みに乗りこなすフフの姿だった。

「待たせたな、シェンファン。帝都の追っ手を撒くのに少々時間が掛かった」
シェ「随分と遅かったですね」
タ「本家の手助けがなければ」
シェ「本家の手助け?」
タ「姉が時間を稼いでくれているよ」
シェ「そうですか…」

「コイツらはチェン家の秘術が産み出した欠陥品…倒れることのないゾンビ集団、文字通り死霊だな」

「ここはフフが道を作る。お前たちはカグツチの元へ向かえ」
リ「助かる」
「ここはフフとタダユキにいにに任せるですよ」
シェ「恩に着ます」
「リーファねえねを助けてくだせえ」

死霊たちの放つ業火が飛び交う中、キミたちは祠に向かって駆け抜けていく。
【敏捷】もしくは【幸運】判定:難易度15(トラップLv16)
失敗⇒敵が威嚇で放っていた魔法に運悪く当たったキミは業火によるダメージを受けた。
   対象は[6D+30]点の〈火〉属性魔法ダメージを受ける。

キミたちが祠に辿り着く

「ここで俺が追っ手を食い止めてる。お前たちはさっさと中に入れ」
ゼルギアがキミたちに声を掛ける。
シェ「そんなことしたら貴方の身が」
「甘く見るなよ」
ナ「一番不味いのは挟み撃ちですね」
リ「必ずエイテルを助けてくる」
「当たり前だ」

◇クライマックスフェイズ
◆クライマックス①
祠の中へと入ると、薄暗い空間が広がっていた。かがり火によって照らされた先にあるのは3つの人影。祭壇に横たわるエイテルと、その傍らに立つシャオレイ。そして祭壇に向き合う華王帝リーファの姿があった。
「予想より早い到着であったな?シェンファンよ」
シェ「随分と頼りになる仲間ができたものでね」
「シェンファン、我は忠告したはずだが?いらぬ道具は打ち捨てるまでと」
シェ「この語におよんでまだ自分の立場がわかっていないようですね」
「お前が我と相対すると?よいのか?お前にとってこの娘は大事な者なのだろう?」
シェ「何の策もないとでも?」
「我を倒せば、お前たち来寇者(マリジナント)が身を隠すことは難しくなるぞ?魔族と共に神の子に滅ぼされる道を望むか?」
シェ「祖先が選んだ見にくく生きる術。もう必要ない。全ての禍根を断つ」
「愚かな…ならばその命、この場でひねり潰してやろう。そこの出来損ないの玩具と共にな」
リ「俺の名前はリーフだ。依頼主を守るのが俺の役目だ」
「目的を忘れているようだな」
リ「助けるだけだ」
「敵を討つことが目的だろう」
リ「もう全部思い出した」

「汝の敵はマテウスのはずだろう?」

「女神を介し、禁書とも繋がりを得たか。星が見てきた世界の記録と通ずる力、禁書レメゲトン。その力は神の理を侵すものだ。世に混沌を撒き散らし、秩序を砕く。適合者よ、汝も裁きを受ける覚悟はできておろうな?」
ナ「自分の意思で決めると決めた以上、裁きを受けるつもりはありません」

「ふっ…同じ神の子によって贄にされた者が減らず口を。理を侵した者がどうなるか、それは其処の竜の子を見れば一目瞭然であろう。神力を宿した逆鱗を失い、神竜としての記憶も失った哀れな子よ」
ド「俺は何者でもかまわない。仲間とエイテルを守るのが今の俺だ」

「さて、もうよいだろう。直に儀式の支度は調う。その前に邪魔な羽虫を排除しておくのも悪くない。…シャオレイ

「…はい」
シャオレイがタクトを手に取ると、その場にキミたちとカグツチを残して周囲の空間が閉じられていく。
ナ「幻術ですね、かなり高度な」
シェ「シャオレイ…」
「この場であれば差し支えないだろう。覚悟するが良い」

【戦闘】“火と鍛冶の神”カグツチ(Lv100)

◇エンディングフェイズ
◆エンディング①
戦いを終えると、周囲の景色が祭壇の前へと戻っていく。カグツチは傷付き、その場に膝を折っていた。
「邪神の僕共が…我にここまで傷を負わせようとは許さんぞ。この身が朽ち果てようとも、我が全力を以てお前たちを滅してやろう」
カグツチが宙に向かって手をかざすと、激しい熱風によって祠の壁や天井が吹き飛ばされていく。空には赤い月が不気味に輝き、カグツチの力の高まりと共にその輝きが増していった。

シェ ナイフでリーファを切り裂く。「さらばだ。カグツチ」
「くっ…これ、は…!この身を追い出されるだと…!」
リーファの身体から靄のようなものが出てくると、彼女はその場に倒れた。

「忌まわしい。ならば、邪神の身体を奪うだけのことよ。シャオレイ!」

「…はい」
再びシャオレイがタクトを構えると、エイテルの身体とリーファから追い出されたカグツチが光を放ち始める。

シェ「シャオレイ!」
バチッ!近付こうとしたキミをカグツチの結界が阻んでくる。
「ふはは、そこで我が新たな器を手にするのを見ているがよい!」

「詰めが甘かったな。カグツチ」
エイテルの背後の空間に切れ目が入ると、そこから一人の男が姿を現わす。銀の長髪に深紅の瞳。その男の姿をリーフははっきりと記憶していた。

リ「お前は!」
「…マテウス」
ゼルギアが男の名を口にした。

「カグツチ、俺はずっとお前を屠る機を窺っていた。今日その念願は叶えられよう。この魔剣ストームブリンガーによってな」

「マテウス、貴様ああああ!」
ザンッ!鋭い魔剣の一閃よって斬られたカグツチは、そのまま魔剣の中へと取り込まれていく。

「さて、次はお前たちか。大人しくレメゲトンを渡せ。さもなければ容赦はしない」

シェ 満身創痍「くっ!」
リ 銃だけ向ける「させるか!」

「マテウス…やめてください」
ゆっくりと身を起こしたエイテルがマテウスに声を掛ける。
「森にいた頃の貴方は無益な争いを好まなかったはずです」

「エイテル様、もうあの頃の私とは違うのですよ。今の私は目的を果たすためなら、森を焼くことも貴方を利用することも厭わない」
そう言ってマテウスが掲げた剣からは強い魔力が放たれ始める。

シェ「ここまで、か」
リ「何をする気だ」
「みんな、そこから動かないように」
突如キミたちの頭に声が響くと、その場にマテウスとエイテルを残し、キミたちは空間の裂け目に飲まれていく。
シェ「シャオレイ!」

「皆さん、どうかご無事で」
エイテルの悲しげな笑みを最後に、キミたちは真っ暗な空間へと引き込まれていった。
リ「エイテルー!!」
最終更新:2019年01月05日 19:13