◇今回予告
死人の沼地にて青髪の剣士、葵と合間見えるどら猫な~ん(仮)一行。しかしキミたちは、突如現れた黒い鎧の騎士たちによって包囲されてしまう。ミストドラゴンの助力によって、葵と共にその場から辛くも逃げ延びたキミたち。ところがそんなキミたちに追い撃ちをかけるかのように、エルクレストに残してきたエイテルが捕らわれの身となったとの報せが届くのだった。
アリアンロッド2E EYES ―another history ― 第5話「エルクレスト救出戦」
冒険の舞台がキミを待つ!
◇オープニングフェイズ
◆オープニング① 回想シーン
時を戻すこと数日。エルクレストにて死人の沼地へと向かうキミたちを見送る一人の女性。彼女は自分自身も記憶を失くし何者かに狙われているという身の上でありながら、危険地帯へと赴こうとするキミたちの身を案じ、物憂げな表情を浮かべていた。
「皆さん、どうかご無理はなさらないで下さいね」
ナミキ「有事の際はうんぬん」
◆オープニング②
葵と一戦交えた洞窟を抜け、死人の沼地をひたすら走り抜けるキミたち。キミたちを沼地の外へと導くかのように目の前の霧だけが晴れていき、不思議とモンスターの気配も周囲には感じられなかった。するとそれまで沈黙を貫いていた葵が突然立ち止まり、キミたちに言葉を投げ掛けてきた。
「…何故お前たちは私を助けたのだ?神殿に目を付けられれば、この西方世界の主要な街に出入りすることは難しくなるのだぞ」
「ここから北に向かった先に空き家がある。そこなら人目にも付きにくい。一旦そこに向かおう」
◆オープニング③
葵の案内のもと北へ向かうと、キミたちは荒廃した村へと辿り着く。賊に襲われたのか、村は焼け落ち、人の気配が全く感じられなかった。
「この村の奥の岩場に洞窟がある。私が仮住まいとしている空き家はその中だ」
先を歩く葵に付いて村の奥に進んでいくと、彼女の話していた通り岩場へと出てくる。以前は採掘場だったのだろう、破損したキャップライトやピッケル、スコップ等が残されており、穴だらけの岩場には古びた足場が組まれていた。葵は落ちていたランタンを拾い上げ火を灯すと、穴の1つへと踏み込んでいく。薄暗く入り組んだ洞窟の中を進んでいくと、簡易な造りの小屋が見えてきた。
「この小屋だ」
キミたちが小屋の中へと入ると、中には木のテーブルと切り株で造られた椅子、そして簡素なキッチンが備え付けられており、生活をする上で最低限必要なものは一通り揃えられていた。
「粗末な場所だが、まあ好きにくつろいでくれ」
「さて、まずはお前たちの名を聞かせてもらっても?」
「私は“竜殺し(ドラゴンスレイヤー)”の一族の生まれなのだ。とは言っても無差別に殺すことを生業としているわけではない。強い神性を有した竜たちが老齢となり、その負荷に耐えかねて理性を失ってしまうことは珍しくないのでな。当人との話し合いの元、神性を宿す逆鱗を切断、それを管理し、再び転生してきた当人に返還を行なっている」
「西方神殿。その誰もが名を知る一大組織が、ある時より若年の竜たちからすらも逆鱗を回収するようになった。寿命を迎えずに逆鱗を奪われた竜たちは転生できず、その身体と精神に多大な負荷を強いられる」
「…奴等は神性を宿した竜の逆鱗を材料に神具の生成を行なっているらしい」
キミたちがそんな会話をしていると、ふいに扉の外から物音が聞こえた。
扉を開けて外の様子を見てみると、そこには一頭の狼がいた。人1人乗せられそうな程の大きさをしたその狼は、キミたちの姿を視認すると毛を逆立て唸り声をあげており、今にも襲いかかってきそうな勢いだ。
「ロースト…!」
葵は声をあげ座っていた椅子から立ち上がると、目の前の狼へと歩み寄る。
「お前、どうしてこんなところに。茜は一緒なのか?」
「バウッ」
ローストと呼ばれた狼が身体の側面を葵に向けると、そこには何やら筒のようなものが取り付けられていることに気が付く。
「なるほど、お前は伝令役ということか。ご苦労だった。読ませてもらうぞ」
葵はローストの頭を撫でると、筒から書簡を取り出し、内容を確認し始める。
「これは…」
葵は若干言いづらそうにしつつも、ゆっくりと口を開く。
「…どうやら末の妹の紫がエルクレスト神殿に捕らわれたらしい。しかも捕らわれたのは妹だけではなく、その場に居合わせた珍しい銀の髪をした女性も一緒だとか」
「その人はキミたちの知り合いか?」
「そうか。ならばキミたちはどうする?私はこれから伝令を送ってきた茜と合流し、紫の救出に向かうつもりだ。共に捕らわれているキミたちの知り合いも、可能であれば私たちの手で救い出すが」
「わかった。キミたちの好きにするといい」
◇ミドルフェイズ
◆ミドル①
エイテル、紫の救出に向かうことになったキミたちは、まず詳しい状況を把握していると思われる茜と合流することになる。葵はローストに書簡を持たせると、先立ってエルクレストへと向かわせた。そしてキミたちもまた手早く準備を整えると、人目に付かない道を選んで一路エルクレストを目指す。数日後―――。キミたちはどうにかエルクレストの東門、知識の門へと辿り着く。しかし再び訪れたエルクレストを取り囲む市壁や門は、キミたちの行く手を阻む大きな障害へと変わっていた。
「…ここで夜を待とう。茜もその方が自由に動きやすい」
時刻は草木も眠る丑三つ時―――。東西の門を守る衛兵も既に夜番へと交代し、見張り台に焚かれた松明をたよりに周囲の警戒を行なっていた。夜間は門を閉じているため、昼間に比べると見張りの数は少なく、先日の魔族の襲撃があってからは見張りの多くを湖畔側へと回していた。
【危険感知】判定:難易度15
失敗→パンッ!カキィン!突然の出来事に門の様子を窺っていたキミたちが背後を振り返ると、そこには刀を構え、木の上を睨み付ける葵の姿があった。葵の視線の先には人影が5つ。
「ちっ、気付かれたか。まあいい。こんなとこでこそこそと街の様子を窺ってるなんて、お前ら怪しいよな~?捕まえて神殿に突き出せば金になりそうだぜっ!」
リーダー格と思しき男がそう告げると、そいつらはキミたちに襲い掛かってくる。
「来るぞっ!私が2人引き受ける!後の奴らを任せた!」
【戦闘】バグベアスカウト lv16 バクベアダンサー×2 lv12
成功→戦闘を回避し、イベント。
ガサゴソッ―――。キミたちが門の方へと注意を巡らせていると、不意に妙な音が近くから聞こえてくる。ガサゴソッ―――。キミたちが音のする方へ視線を向けると、そこにはくりくりとした可愛いお目目とぴょこんと上に向いたお耳が特徴的な白兎が佇んでいた。
「ラグー!」
葵が小声でその白兎の名前を呼ぶと、白兎は葵の元へと歩み寄って行く。
「お前がここにいるということは、茜も直、動き出すな…」
それから数分後、
シェンファンは不思議な音を耳にする。遠くから微かに笛の音のようなものが聞こえた気がしたが、その音は消え入りそうな程小さく、周囲の他の者たちにいたってはその音に気付いてすらいない様子であった。
ふとそこでキミたちはラグーが耳をピクピクさせていることに気が付く。するとラグーは突如門の方へと駆け出していき、時々立ち止まってはキミたちの方を振り向きながら、ラグーは門の方へと向かって行った。
◆ミドル②
キミたちが知識の門へと近付いていくと、門が僅かに開かれていることに気が付く。その隙間からラグーが門の中へと入って行ったのに続いてキミたちも中に入って行くと、そこには赤い髪の少女が待ち構えていた。
「見付かると面倒だから、とりあえずこっち来て!」
茜は近くの空き家へとキミたちを案内すると、室内に灯りをともす。
◆ミドル③―B
話し合いの末、今後の計画を立て終えたキミたちは早速茜が事前に下調べを行なった神殿内部へと繋がる抜け道を利用し、内部への侵入を試みることになった。
「足元に注意してね~。この辺の床は転ぶとちょっと痛いよ~?」
キミたちが話し合いを行なっていた空き家の床下収納から隠し通路へと足を踏み入れたキミたちは、真っ暗闇の中を奥へ奥へと進んでいく。古びてはいるものの、通路は頑強な石によってきちんと舗装がなされており、多少のことでは崩落する心配もないように思えた。
「ここはね~大昔の人が神殿からの避難路として造った隠し通路なんだよ~今は理由があって使われてないんだけどね」
「気になる?先に進んでみればわかるよ~」
奥へと進んでいくと、キミたちの目の前に大きな扉が現れる。扉には一頭の強靭な竜の絵が描かれており、その大きな鉤爪で竜が宝を掴むかのように大きな宝玉が1つ嵌め込まれていた。また、周囲には4つの台座が対角で向かい合うように設置されている。
「さてと、この扉がちょっと面倒なんだよね~…。仕掛け自体は到って簡単。この中の4人が台座に手を触れると扉の守護者が現れるから、その守護者を倒せばいい。ただ台座にいる人たちは守護者が倒れるまでその場から離れられないし、徐々に精神力を削られていくから気を付けてね。私と葵姉様は台座を担当するよー!」
【戦闘】サラマンダー lv20(エネミーP94)
→トラップ:マインドロスト lv10(R2 P289)(台座周辺)
キミたちが戦闘を終えると、扉に嵌められた宝玉が輝きを放つ。ゴゴゴゴという音と共に扉が開かれていき、そこに上へと上がる階段が出現した。
「皆、お疲れ様ー!これで無事、神殿内に潜り込むことが出来るよー!」
◆ミドル④―B
階段を上がっていくと、キミたちは武器庫のような場所に出てくる。部屋の中は天窓から注ぐ僅かな月明かりによって照らされており、薄暗くはあるものの周囲を見渡すには十分な明るさが保たれていた。
【周囲の様子に目を凝らす】
→キミたちが周囲の様子に目を凝らすと、正面には扉、背面の壁の上部には天窓、左右の壁には多種多様な武器が並べられているのがわかる。
【武器を調べる】
→【幸運】判定:達成値によってアイテム変更
18~20 オンセットアックス(アイテムP84)
15~17 フォースワンド(アイテムP88)
10~14 プレートメイル(アイテムP45)
5~9 グレートアックス(アイテムP27)
【天窓を調べる】
→登攀 【筋力】判定 難易度:10
失敗⇒2Dの貫通ダメージ(落下)
成功⇒壁をよじ登りキミが天窓から顔を覗かせると、外の様子を窺うことが出来る。すると、ちょうど巡回を行なっていた騎士がキミの目の前を横切った…!
【幸運】判定 難易度:10
成功⇒警備の騎士たちは何やら会話に夢中になっている様子であり、キミの存在には全く気付かない。横切っていく警備兵たちの会話がキミの耳にも僅かに届いてきた。
「…黒騎士殿が任務を遂げられて、もうすぐ帰還されるそうだ」
「そうか。あのミストドラゴンが相手だったというのに、今回もあの御方は難なく任を遂げられたのだな…。我々も見倣わねばなるまい」
「そうだな。しかしまずは目の前の任務だ!この夜間巡回を完璧にやり遂げようではないか…!」
そうして巡回の騎士たちはキミの元から遠ざかって行った。
失敗⇒キミが気付いた時には既に遅く、目の前を横切った騎士たちとキミはバッチリと顔を会わせてしまう。僅かな沈黙がその場に流れた後、騎士たちはハッとした表情を浮かべて弓を構え始める…!
「し、侵入者だー!」
トラップ:石弓 lv10 [12D+5]点の物理ダメージ
※部屋の移動を行う毎に戦闘が入るように。
【正面の扉から部屋を出る】
キミたちが部屋の外の様子を確認してみると、扉の前には左右に廊下が伸びており、廊下沿いに幾つかの部屋があるのが分かる。
※2部屋入るとイベント
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部屋①
その部屋はどうやら食堂のようで、奥には厨房のようなものも見える。室内灯は消されており、窓から入り込む月明かりによって室内は照らされていた。
【厨房を調べる】
→【幸運】判定:達成値によってアイテム変更
18~20 頑丈なケース
ケースには鍵。【器用】判定 難易度:18
成功⇒白虎手袋(ディスカバリーP110)入手。
15~17 究極の料理(ディスカバリーP102)
10~14 にく(アイテムP61)
5~9 野菜(アイテムP61)
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部屋②
扉を開け室内へと踏み込んでいくと、目の前には『男』『女』と書かれた垂れ幕が掛かっており、中からは白い湯気が立ち込めていることにキミたちは気が付く。
「うーん、この奥は浴室みたいだね~。どうする?入ってく?」
「もしかしたら紫たちもお風呂に入ってるかもしれないよ?」
「それじゃ1ラウンド後にここに集合ね~」
そう言った茜はキミたちに向けて手を振り、葵と共に女湯へと入って行く。キミたちもまた垂れ幕の奥へと進んでいくと、そこは脱衣所となっており、その奥に浴室があるのがわかった。しかし浴室の灯りは消されており、どうやら中には誰もいないようだ。
【周囲の様子を探る】
→キミが周囲を探っていると、ふと脱衣所の壁に一枚の貼り紙がなされていることに気が付く。その貼り紙にはこのような記載がなされていた。
《浴室使用に関する注意事項》
Ⅰ.衛生管理上、着衣したままでの入浴を禁止とする。
Ⅱ.営業時間外に浴室を利用する者は、入口に設置された集金箱に必ず100Gを支払うこと。
Ⅲ.営業時間外での入浴は、夜間勤務の職員も浴室を利用できるよう許可されています。
職員一同、仲良く譲り合って利用するように…!
またこの貼り紙によると、今の時刻は営業時間外となっているようであった。
【注意事項を守って入浴】(100G支払い、全防具を解除)
→料金を支払いキミたちが浴室へと足を踏み入れると、そこは大浴場となっており、奥には湯の張られた浴槽が設けられていた。湯に浸かったキミたちは、日頃の疲れが湯に流されていくような感覚に浸り、英気を養うことができた。
⇒【HP】【MP】を[2D]点回復する。
【注意事項を守らずに入浴】
→料金を支払いキミたちが浴室へと足を踏み入れると、そこは大浴場となっており、奥には湯の張られた浴槽が設けられていた。湯に浸かったキミたちは、日頃の疲れが湯に流されていくような感覚に浸っていると、突如水面がゆっくりと渦を巻き始め、そこから1体の精霊が姿を現す。
「貴方方、注意事項を破られましたね?そのような方々にはお仕置きをしなくてはなりません。覚悟して下さい…!」
【戦闘】ウンディーネ lv20(エネミーP94)
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部屋③
キミたちが扉を開けて中へ入ると、室内ではキィーンという金属音が鳴り響いていた。この部屋はどうやら騎士たちの訓練場であったのだろう。武器を携え訓練を行なっていたと思しき複数の騎士たちの視線は一様にキミたちへと注がれ、キミたちを侵入者と認識すると彼等は襲い掛かってきた…!
【戦闘】槍兵×4 lv17(エネミーP56)
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部屋④
キミたちが室内へと入ってみると、その部屋の棚には沢山の薬品が並べられており、この部屋はどうやら薬室のようであった。部屋の奥へとキミたちが進んで行くと、奥の方に人影があることにキミたちは気が付く。その人影はまたキミたちの存在に気付き、ゆっくりとこちらを振り返った。
「おやおや。こんな時間にワシの薬室に来客が来るとは珍しい。何用かな?」
「お主ら、どうやらこの神殿の者ではないらしいのぅ。それならばこのまま帰すわけにもいくまいて。少しこの老いぼれの相手をしていってもらおうか」
【戦闘】宮廷魔術士 lv21(エネミーP56)
【棚を調べる】
→【感知】判定 難易度:15
成功⇒蘇生薬(アイテムP61)
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部屋⑤
鍵がかかっており、扉を開けることが出来ない。
※2ラウンド経過後、イベント発生。
キミたちが神殿内を捜索していると、キミたちは左奥の部屋から人影が出てくるのを目にする。白銀の鎧を身に纏った金髪の聖騎士を先頭に、複数の騎士たちがその後ろを続く。そこでキミたちは後続の騎士たちに取り囲まれるようにしてエイテルと紫が連行されていることに気が付いた。彼等は真っ直ぐに廊下を進んで行き、神殿の中心部へと向かって行った。
◇クライマックスフェイズ
◆クライマックス①
神殿の中心部。巨大な七大神の像が並び立つ礼拝堂。多くの参拝者が神への祈りを捧げに来るこの場で、多くの騎士が殺伐とした空気を放っている。また礼拝堂の中央、騎士たちが集うその中心には火刑の準備が整えられていた。処刑台に立たされるは2つの影。そう、今まさにエイテルと紫の処刑が執り行われようとしていた。
「世界の均衡を崩す魔の者たちよ。今、我らが神ゴヴァノンの名の下に、清廉なる炎の力を以て貴殿らの魂を浄化する」
「漸くの御出座しか。神に背きし者たちよ。“竜殺し(ドラゴンスレイヤー)”“道化師(トリックスター)”“幻想崩し(イマジンブレイカー)”貴殿ら3人をこの場で処すれば、残るは“黒の貴公子”のみ。我々の目的を阻む貴殿らには、相応の報いを受けてもらおうか」
「ふっ。やはりこの尊き使命を果たす為には多少の犠牲はやむを得ないようだ。いいだろう。お前たちにもこの世界の均衡を守る為の礎となってもらうぞ」
◇エンディングフェイズ
◆エンディング①
騎士団との凄絶な戦いの末、キミたちは敗北を喫する。
「なかなかやるな。…しかし、貴様らの負けだ」
窓から礼拝堂へと突入してくる人影。
黒い靄に包まれ騎士たちはその場に倒れる。
ゼルギアに救出され脱出。
最終更新:2019年01月05日 19:48