New Cthulhu: The Recent Weird

作品情報

作品形式 小説(洋書)
編集 Paula Guran
出版社 Prime Books
初版発行日 2011/?/?

収録作品

・Introduction

著者:Paula Guran

・Pickman's Other Model (1929)

著者:Caitlín R. Kiernan

・Fair Exchange

著者:Michael Marshall Smith
語り部は相棒のBazと共にある家に窃盗に入る。盗品を売り渡した後、パブでポケットに入れたまま売り忘れた石を確認していると友人のCliveから南洋のサンゴに似ていると指摘を受ける。
後日、取引相手のMr. Pzlowskyが語り部たちを探しにパブに現れ、語り部達が盗み出した宝石や銀貨が「19世紀末のアメリカ東海岸の町。Portsmouth?のもので小さな銀貨1枚でも高値で売れた」とボーナスを手渡す。語り部はPzlowskyがもっと宝石を欲しがっていると察するもサンゴのような宝石を譲る気にはなれず手元に残しておいた。
日が経つに連れて語り部の宝石への執着は強まり、新たな宝石を求めて一人で盗みに入る。引き出しの中から漂う海の匂いを感じ取った語り部は、そこに宝石があると確信するが家主・目が飛び出しているかのように大きな少女とその両親に取り押さえられる。
次の夜、語り部は家主一家にBazを差し出し対価として新たな宝石を受け取る。語り部は今後も彼らとのフェアな取引(Fair Exchange)を続けると決める。

・Mr.Gaunt

著者:John Langan

・The Vicar of R'lyeh

著者:Marc Laidlaw
R'lyehの浮上が当初の予測よりも早まることが判明し、記念シュミレーターの製作を担当するGeoffは幹部達の視察を受ける。ロードマップを確認したPeteyは「追加投資の価値はある」と評価しY'ha-nthleiの司教冠をGeoffに授ける。
Geoffは司教冠が齎す啓示と比べると自身のイメージが稚拙だったことは認めながらも、デザイナーとしての矜持から司教冠に抵抗し故郷イングランドを想像しながら製作を続けるが気付かぬうちに意識を手放してしまう。

+ 登場・言及

Elder Gods、Old Onesなど

  • A church
浮上した本物のR'lyehに鎮座していた怪物。Geoffの故郷イングランドの教会と全く同じ姿形。

  • Cthulhu
  • Shub-Niggurath
  • Deep Ones
  • Byakhee

アイテム

  • The Miter of Y'ha-nthlei
装着した者の精神を夢見る者(Dreamer's)の暗黒面と融合させ啓示を与える。

土地

  • R'lyeh、Real-yeah、Ruh-lay、Riley

  • unknown Kadath

人物

  • Geoffrey Abbott
愛称はGeoff。Aeon Entertainmentが制作を進めるR'lyeh浮上記念シュミレーターのリードデザイナー。
Elder Godsへの愛は微塵もないが、Aeonの社風から表面上は愛しているように振る舞っている。
  • Warren
Geoffの上司。
  • Emil Calamaro
Aeon Entertainmentのオーナー。
  • Petey Sandersen
RPGを商品化したことで名を馳せるAeon Entertainmentの幹部。
→元ネタはSandy Petersenだろうか?
  • Lars Magnusson
プログラマー。
  • Lulu
受付嬢。

・The Crevasse

著者:Dale Bailey & Nathan Ballingrud

・Bad Sushi

著者:Cherie Priest
2002年、米国のレストラン“Sonada”で働くBakuは硫黄の匂いを感じ取り従軍時の記憶がフラッシュバックする。
1942年ガダルカナルから撤退する際、Bakuは海中で生きたロープのようなものに足首を掴まれた。ナイフでそれを切り離し難を逃れるが、足首に巻き付いたままの触手の断片はBakuがこれまでに見たことのないものだった。
寿司の素材に、切心地と匂いが似たものが混ざっていたことに気付いたBakuはマネージャーから魚の調達先をニューイングランドの会社に変更したことを聞く。
Sonadaの客入りは倍増するが、寿司を頼む客しかいなくなる。

+ 登場・言及

土地・施設

  • Sonada
アジア料理を提供する米国のレストラン。
  • Manufacturer's Row
魚の提供元の冷凍倉庫がある埠頭。

  • Guadalcanal
  • New England

人物

  • Baku
Sonadaで働く料理人。
何世代も海の生き物を採り生きてきた日本人の家系の生まれ。南太平洋のガダルカナルに従軍した元日本軍兵。
  • Peter
食材の配達員の男。目が丸く大きく、歩くよりも泳ぐ方が得意そうな足取り。

・Old Virginia

著者:Laird Barron

・The Dude Who Collected Lovecraft

著者:Nick Mamatas & Tim Pratt
Jim Payneは、祖父Cavanaugh PayneがLovecraftから受け取った手紙を売るためにLovecraftコレクターのFremgenの家を訪ねる。
Fremgenに勧められたハーブティーを飲んだJimは意識を失い、目覚めると拘束され血を採られていた。
Fremgenは血族であるJimの血を使い、時を越えてCavanaughの体を乗っ取り、更にはLovecraftの体に移り人生を引き継ぐ計画を明かす。

+ 登場・言及

怪物

  • the opener of the way、 the dweller from the inbetween、the guardian of the black and red path
廃屋の隅の何処となく狂ったように見える角度から現れた巨大な怪物。
時間を超えCavanaughの体に入り込んだFremgenを襲う。

土地・施設

  • Vermont

  • New York
    • Red Hook
  • Rhode Island
    • Providence

Lovecraftの小説

  • The Red Hook Horror
  • The Shadow Out of Time
  • The Thing on the Doorstep
  • At the Mountains of Madness

人物

  • Jim Payne
  • Fremgen

  • Cavanaugh Payne
Lovecraftと親交があり文通していた作家。
  • Lovecraft
  • Klark Ash-Ton
  • Belknap
  • Wandrei

・The Oram County Whoosit

著者:Steve Duffy

・The Fungal Stain

著者:W.H.Pugmire

・A Study in Emerald

著者:Neil Gaiman
→「翠色の習作」(『壊れやすいもの』)

・Buried in the Sky

著者:John Shirley

・Bringing Helena Back

著者:Sarah Monette
Kyle Murchison BoothとAugustus Blaineは大学1年生の頃に友人となったが、Blaineが妖女Helena Prydeに惹かれBoothの忠告よりも彼女を優先するようになって以来疎遠となっていた。
BlaineとHelenaは結婚するが、Helenaは浮気相手の家で覚醒剤の中毒で死亡した。
2人の交流が途絶えてから10年が経った頃、Helenaの蘇生に固執するBlaineは黒魔術の書を手に入れ、その解読を依頼するためにBoothのオフィスに訪れる。

+ 登場・言及

アイテム

  • The Book of the Dead Master(仮称)
Blaineが手に入れたラテン語で書かれた本物の黒魔術の書物。
作中ではフランドルのオカルティストによる仮称で呼ばれ、真の名前は伏せられている。

  • The Book of Whispers
Blaineが手に入れた偽物の黒魔術の書物。

人物

  • Kyle Murchison Booth
  • Augustus Blaine
  • Helena Pryde

  • Tobias Pryde
Helenaの兄。
  • Rutherford Chapin
Helenaの浮気相手。

・Take Me to the River

著者:Paul J.McAuley

・The Essayist in the Wilderness

著者:William Browning Spencer

・The Disciple

著者:David Barr Kirtley
複数のカルトに所属する語り部はCarlton Broseが教職に就く大学を訪ねる。語り部は一目でBroseが本物であると悟り、彼の生徒となる。
Broseは最初の講義で猫を痛めつけるよえに指示を出し、生徒Adrianは触れることなく猫に出血させて見せた。その後の講義でもAdrianは優秀さを発揮し、語り部は彼に嫉妬心を抱く。
Broseの講義は段々と狂ったものとなり、The Traveler on Oceans of Nightと呼ばれる存在に身を委ね、その夢によってのみ創られる世界を彼と共に永遠に旅することが講義の最終目標だと語る。

+ 登場・言及

神・怪物など

  • The Traveler on Oceans of Night、the Stepper Across the Stars

アイテム

  • black statue
Broseの自室に飾られている石像。
頭は人間に似ているが、体がなく触手の塊となっている。

人物

  • Professor Carlton Brose
カルトに所属する人間ならば誰でも一度は名前を聞いたことのある邪悪な人物。
マサチューセッツ州の大学で毎年12人の生徒に講義を行い、受講生は春には行方不明となる。
  • Adrian
Broseの生徒。触れることなく生き物に出血させる力を持つ。

・Shoggoths in Bloom

著者:Elizabeth Bear
→「ショゴス開花」(『S-Fマガジン 2010年5月号』)

・Cold Water Survival

著者:Holly Phillips
語り部含む一団が南極を探検中、Cutterがクレバスに転落し死亡する。クレバスの底に降りた語り部達はアンモナイトの殻のような造形の氷の塊を発見する。
Cutterの死を報告出来ないまま一団は探索を続け、氷河の崩落地点の海面を泳ぐイカのような生き物や、別のクレバスにも存在する氷の塊など奇妙なものを目撃。一団の精神状態は悪化し自分達の認識能力も信じられなくなる。
記録映像を確認すると、そこには流氷の下の海中を撮影したと思われるあり得ない映像、海の生き物に混じるエイリアンのような生き物が映っていた。

+ 登場・言及

土地・施設

  • Antarctic

人物

  • 語り部
  • Andy
  • Miguel
  • Del
  • Cutter
オーストラリア出身の冒険家たち。

・The Great White Bed

著者:Don Webb
当時13歳だった語り部は労働者の家庭で暮らしていた。母はダウンタウンに働きに出ており、日中はボケた祖父と過ごしていた。
夏の休暇中、語り部が昼寝から目覚めると祖父が本を読んでいた。祖父は本に夢中となり1日中読み続ける。
翌日、語り部は祖父の目が知性の光を取り戻していることに気付く。語り部と母は喜ぶが、語り部が本について尋ねると祖父の目から光は失われた。

・Lesser Demons

著者:Norman Partridge

・Grinding Rock

著者:Cody Goodfellow
消防ボランティア隊から逸れ山火事の中に取り残されたTim Vowlesは、フードで顔を隠した老人と彼の前に横たわる裸の男女を発見する。
2人に何をしたのかTimが問うと、老人はインディアン達の信仰と、世界よりも古いがまだ生まれていないものについて語り始める。

+ 登場・言及

怪物

  • the black,unborn thing
地球という卵から生まれる巨大な何かの先端部。
地球上に存在したありとあらゆる生物の姿を模倣する黒いタール状の液体。

人物

  • Tim Vowles
  • old man

老人の詠唱に含まれた言葉

  • N'Kai
  • Ubbo-Sathla

・Details

著者:China Miéville

・Another Fish Story

著者:Kim Newman
→「砂漠の魚の物語」(『ナイトランド・クォータリーvol.15 海の幻視』)

・Head Music

著者:Lon Prater
午前1時、幼い頃から毎夜脳内で響いていた奇怪で悲しげな音色が強く鳴り響き、駆り立てられたDiegoは砂浜に向かう。
砂浜に打ち上げられていた奇妙な生き物を発見し親近感を抱いたDiegoは彼女を海に返そうとするが成すすべがなく絶望に沈む。
彼女のお腹の中から響く彼女とは異なる小さな音色に気付いたDiegoは子供たちだけでも救おうと尽力する。

+ 登場・言及

生物など

  • she

人物

  • Diego

・Tsathoggua

著者:Michael Shea
Maxieは飼い犬Ramsesをカートに乗せて散歩中、Maureenに犬を安楽死させろと怒鳴りつけられる。
アパートに帰宅したMaxieは気持ちを切り替え家事を行う。洗濯室に向かったMaxieは泡だらけの床の上で潰れた黒い塊を目撃する。
Maureenは自宅で花壇への水やり中、詰まったホースから黒い塊が飛び出し土に染み込むように消える様子を目撃する。
深夜、目覚めたMaureenは愛犬Muffinが手足のない胴体と頭だけの状態となっていることに気付く。獣医を呼ぶために電話を探し振り向くと、Muffinの姿は消えヒキガエルの皮膚を纏った魚のような生き物たちが姿を見せる。

+ 登場・言及

Great Old Ones

  • Tsathoggua

  • Chthulhu
  • Dagon

土地・施設

  • San Francisco
    • Panhandle
    • Avenues

  • Mountains of Madness

人物など

  • Maxie
  • Ramses
Maxieの飼い犬。
  • Leon
  • Dee
Great Old Onesについて記された本を持つ老人。
  • Maureen
  • Muffin
  • Tasha
Maureenの飼い犬。
  • Vera

・Mongoose

著者:Elizabeth Bear & Sarah Monette
Izrael Irizarryと相棒のcheshire“Mongoose”は害虫toves蔓延の連絡を受けKadath Stationを訪れるが、依頼時の報告よりも事態は深刻で、
tovesの数が報告よりも多くrathsの出現まで確認される。次元の亀裂の拡張具合によってはbandersnatchまでもが現れかねない。Lee所長の政治的脅迫で逃走は許されずIrizarryは駆除業務を続行する。
+ 登場・言及

怪物

  • cheshire
異なる位相と出入りすることができる生き物。頭部は楔形。4つの複眼、12の単眼、触手、ひげを持つ。
真空に適応し耳は聴こえないが、空気の振動や唇の動きで人間の言葉を感じることができる。体色を変化させ人間に意思を伝える。
人為的に発育阻害された幼形成熟のbandersnatchではないかとの説がある。

  • toves
異次元の亀裂から最低限しか移動せずコロニーを作る害獣。
分厚いナメクジのような体を持ち、外骨格の隙間から苦いアンモニア臭がする液体を垂らす。天井に張り付き50cmほどの疑似餌のような舌を垂らし獲物を狩る。

  • raths
異次元生物。天然下ではtovesを捕食するが、弱った人間やgillyを襲うこともある。

  • bandersnatch
異次元の食物連鎖の頂点とされる猟犬とも呼ばれる生き物。獲物の臭いを嗅ぐと止まらず追い続ける。
tovesとrathsの活動により次元の亀裂が拡がると、こちらの世界に現れる。
過去の出現記録では、出現地点に留まった人間は皆殺しにされている。密室内に隅から現れた映像記録が残されている。

  • boojum

人種

  • Arkhamer
怪しい噂が絶えず、世間的に偏見の目で見られている人種。

土地・施設

  • Kadath Station
  • Providence
  • Leng
  • Dun-wich
宇宙船の発着所。

・A Colder War

著者:Charles Stross
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  • 小説(洋書)
  • 2011年
  • cheshire
  • toves
  • raths
  • Boojum
  • Hounds of Tindalos
  • Tsathoggua
最終更新:2025年03月30日 04:11