第四回戦SS・沿岸その1

日本中を混乱に陥れたC2バトルはテレビジャックから始まった。
そして、ほぼ全ての対戦が終了した時t、またしてもテレビを通して元凶たる老人が姿を現した。

「皆さん、まずは私の開催した大会により他方面に迷惑をかけた事をお詫びいたします。
そして今日は本当の事を伝える為にこの場を借りさせていただきました」

以前とはうって変わって千代田茶式の顔色は優れない。
主催者の力無い姿はG2バトルに何らかの不測の事態が生じたのだろうことを大衆によかんさせた。

千代田茶式は語る。
そもそも最強を決める大会なんてものの為にこ世間にれだけの迷惑をかける必要などない。
そして、優勝者にはあらゆる願いを叶える権利が与えられるが千代田茶式にはそんな力は無い。
ではこの大会の目的は?願いはどの様に叶える予定だったのか?

願いを叶える手段とはG2カードだ。
今のままでも多大な効果を持つこのカードだが、これでもまだ未完成なのである。
このカードに様々の強者の戦闘の記録を刻み、同時に日本各地の霊脈とのリンクを行う事で完成し、
優勝者のカードはその時点であらゆる願いを叶える力を得るのだ。
だが、これには裏のルールが存在する。一度も勝つ事も無く負け続けた者のカードは
優勝者のカードと真逆の存在、すなわち所有者の願いを永遠に叶えない効果を発動してしまう。

そしてこの大会の目的はカードの裏の効果を使ってある人物の願いを叶えさせない事にあった。


「その人物の名は傀洞グロット」


傀洞グロットは理想都市と呼ばれる異世界から来た侵略者である。
彼らの野心に気付きつつも、その侵略手段には正攻法では対抗できないと悟った千代田老人は罠を張った。
C2バトルとは傀洞グロットとその背後にある理想都市から我々の世界を守る為の儀式だったのだ。

「しかし、予想外の事が起こりました」

それはグロットが一勝した事ではない。そうなったらそれはそれで対策は用意していた。

「それはー」

それが民衆が聞いた千代田老人の最後の言葉となった。
突如、テレビ画面の中に爆風が巻き起こり画面を黄色く染める。
爆風が消え去った後には千代田老人がいた場所はガレキに埋まっていた。

一体何が起こったのか。民衆がそれを知るのはッテレビ画面が砂嵐になって数十秒後だった。

「あ、あれはなんだ!」
「・・・巨人?」
「ママー、あれ何ー?」

それはいつの間にか沿岸に出現していた。


=3=)ご~ぶ~!

それはゴブリンと呼ぶにはあまりにも大きすぎた。ハゲてメタボでチンチンは黒光りしていた。
それは何故か全長20メートル程に巨大化したゴブリーだった。


【ゴBLACHん~END】
私の尻に深く突き刺さるその声は鳴り止まぬ歓声に似ている はいぱ~


=3=)ご~ぶ~!

世界一の暗殺者であるゴブリーは千代田老人から依頼を受けていた。
らグロットという人造人間に勝敗をピッタリと合わせ、対戦した時に再起不能にせよ。
その命に従い、ゴブリーは己の実力を隠しつつさらには大会の中で力を得て行った。
それがいけなかった。

=3=)アリア様~!

三戦目が終わった後、ゴブリーはより自分が強くなれる可能性に気付いた。
この大会の参加者の中にアリアと呼ばれる幼女がいる。
その幼女に付き従う女子高生は他の参加者と比べても遜色のない強さを得ているのだが、
どうも試合結果を調べてみるとその秘密が幼女への劣情にあるようなのだ。
そんなら自分もアリアって子の配下を自称してモエモエすれば恩恵に預かれるんじゃね?
そう思いながらネット上に拡散されているアリア・ラブ・ポエムに目を通しながらアナニー。

=3=)ご~ぶ~!

そしたらこうなった。他のドーピング要素との兼ね合いが悪かったのか大怪獣ゴブラ爆誕である。
もう理想都市問題どころじゃねえ!
ゴブラには理性は無い。全長20メートルのわがままボディをゆらし暴れ回る怪獣そのものである。
いち早く異変に気付いた千代田老人も尻からのゴブラ砲で吹っ飛ばされた。
ああ、もうゴブラを止められるものはいないのか!!

「ここにいる!」

沿岸近くにいた民衆が逃げていく中、ただ一人ゴブラに立ち向かう女性がいた。
その手にはC2カードが握られており、ゴブラの額にめり込んでいるC2カードに反応している。

C2バトル最終戦、鮎阪千夜VS大怪獣ゴブラ開幕。

「そこの貴方ゴブリーさんでしょ?ちょっと私の話を」

=3=)ご~ぶ~!

「やっぱ聞かなくていいから!」

千夜の能力で無力化するにはゴブラはちょっと大きすぎた。
話しに興味を持ったゴブラがにじり寄って来るだけで潰されかねない。
かと言って武術方面でもまず勝てるわけがない。
どないしよ、と悩んでいると・・・

=3=)街を包むミッドナイトフォッグ~

突如奇妙な歌がゴブラの口から発せられた。

=3=)孤独な尻エット動き出せば~ それは紛れも無くやつさ~

BOOOOOOOOOOO!!!!!

=3=)ゴブラ~

歌と共に尻を振ると黄色いごんぶとビームが街を薙ぎ払った。
これぞ千代田老人をあの世へと送った、ゴブラ砲だ。

「か、勝てるわけない」

ゴブラのほぼ真下にいた千夜はビームで焼かれずに済んだが実力の差を完全に思い知ってしまった。

「こ、こんなんに誰が勝てるん」
「ここにいるぞ!」
「ぐ、グロットさん!」

三回戦で千夜と戦い友情を結んだグロットが助けにきたぞ!
こいつをどうじかしようとしてゴブリーがこうなった様な気もするが気にするな!

「うん、最終戦を終えて急遽来たばかりだけどアレが諸悪の根源っぽいのは分かる。えい切り札!」

グロットが親指を下に向けるとゴブラの足元に真っ黒な穴が開きヒューと落ちて行った。

?3?)ご~ぶ~?

ゴブリーは理想都市という異世界に落とされたのだ。
もう自力では戻ってこれない。ここに最終戦は終了、

=3=)ご~ぶ~!

終了しなかった。ゴブラが消えてから一分足らずで上空に穴が開きゴブラが元の場所に降って来た。

「ホワーイ!?」

わけがわからず混乱するグロットの脳内に理想都市からの念話が届く。

(あんなん送らないで下さい。都市の中枢が2割破壊され住民の1割が犠牲になりました)
「うん、ごめん。ちくしょー、僕たちでは勝てない」
「そんなー、ああ、ゴブラを止めれる人は」
「ここにいるぞぉ!」
「ああっ、貴方は一回戦で戦った未来さん!」

千夜と一回戦で戦い友情を築いた未来がそこにいた。
こいつが余計な事をしたのもゴブリー暴走の原因な気もするが気にするな!

「うおおおー!アリア様への愛は私が一番なんだよぉー!」

未来の肉体が肥大化してゴブラと並ぶ巨大怪獣ミニラとなった!
ゴブラを参考にクソレズパワーを暴走させる事に成功したのだ!

=3=)ご~ぶ~!

「私とアリア様の間には何者の存在も許さないんだぁー!ウヒャヒャハハ-イ!」

ゴブラとミニラはがっしりと四つに組んで押し合う。
アリア様補正ではミニラに分があるが素の戦闘力ではゴブリーが有利、トータルではゴブラやや有利!

「ちっくしょー!負けないんだからー!」

=3=)街を包むミッドナイトフォッグ~

「ああっ、ゴブラ砲の体勢に入ったやねん!」
「まずいぞ千夜さん、あれを受けたらミニラとてやられるのは間違いない」
「ああっ、ゴブラを倒せるのはもう誰も」
「ここにいるぞ!」
「ああっ貴方は二回戦で戦った・・・」

魔人格闘家飯綱火誠也だー!ゴブリーがゴブラになった理由と無関係の正真正銘の善玉だ!
自分の戦いを終えた後、どう見てもラスボスと化したゴブラが見えたので救援にやって来たのだ。

「うおおおー!俺は今からアリア様の下僕だー!」

制約を課す事で爆発的な力を得るのが飯綱火誠也の能力、ロリコンと化す事で大怪獣イナズマと化した!

「ほわちゃー!」

イナズマは格闘王の名にふさわしい見事なドロップキックでゴブラのアナルに栓をする。


×3×)ご~ぶ~!

放屁直前でカンチョされたゴブラは直腸大爆発!明らか大ダメージを受けている!
その隙をついてミニラがゴブラの両手両足をしっかりホールドした。

「今だ千夜さん!決めるならここしかない!」
「任せて!秘技『お話ししながらC2カード盗むの術』-!」

千夜はゴブラが好きそうな話をしながらゴブラの身体をよじのぼる。
ミニラとイナズマが押さえ込んでいるので潰される事なく額まで辿り着きC2カードをはぎ取る事に成功した。

×3×)ご・・・ごぶ・・・ぐぉに!

C2カードを失ったゴブラは血を吐き力尽きた。そしてその肉体は急速に縮み消滅していく。
このSSの最初の方で言った事を覚えているだろうか?
C2バトルで最下位となったゴブリーはペナルティによりその願いは永遠に叶わない。
彼の願いは女装してチヤホヤされる事だった。人のいないどこかに送り飛ばされたのだろう。

「か、勝ったんだよね。よーし皆私の所に集まれー!」

カードを手にした千夜の周りに強敵(とも)たちが集合する、

「勝利のポーズ!きめっ!」


こうしてC2バトルは閉幕となった。
その存在が世間に明るみになった理想都市はゴブラによる被害での戦力不足とグロットの提案により、
現世との和解へと方向転換する事となる。その道は険しいだろうがいつか分かり合える日が来るだろう。
未来は相変わらずアリアにハアハアしながら下手なポエムを投稿している。
飯綱火誠也はアメリカに行った。彼が突如海外に目を向けた理由は不明だが前向きな理由だと思いたい。
千夜はこの戦いを物語として一冊の本にした。
後の歴史においてこの本が最も信頼のおけるC2バトルの資料として多くの学者に読まれる事となるかもしれない。


そしてゴブリーは


「ゴブ?ここはどこゴブ?」

夜空に浮かぶ星の一つ、尻ウス。それがゴブリーの現在地である。

「誰か―誰かいないゴブかー!」

尻ウスの地表をゴブリーは何日もかけて走るが誰もいない。日本拳法使う人とかもいない。

「も、もしかして・・・自キャラ敗北SSゴブー!?」

YESYESYES!、

最終更新:2016年09月24日 23:52