第一回戦SS・警察署その1

この大会、16人の候補者が最強を争うとされているが実際は少し違う。
この大会の一回戦は豊富な経験がある半分が残りの半分を圧倒する、そんな展開になるだろう。
ゴブリーはそう考えていた。

(警戒すべきはゴブと同じ何でもありの経験が豊富なアイツ、後は人脈や情報で優位に立っている彼ら、
それ以外ならばなんら問題無く勝利できる・・・と思っていたんだけどゴブ~)

ゴブリーは全力疾走していた。
制限時間が一週間、場外負けは無いというルールを最大限に利用するが為。
彼が選んだ戦術は『ヒップ&アウケイ』制限時間ギリギリまで相手と一定の距離を保ち、数時間おきに
襲撃を繰り返し消耗させる。
対戦相手の物部ミケは一見裏社会の住人っぽい風貌だが武器持っただけの普通の女子高生。
問題無く押し切れる。そう考えていた。

「そこだね見つけたっ!」
「だーかーら、何でゴブの隠れている場所がわかるゴブか!?」
「逃げるなコラ」

ゴブリーは全力疾走していた。
しかしそれは当初の目的通りではなく、ガチ逃げだった。
どういうわけか素人の女子高生が世界一有名な暗殺者の潜んでいる場所を短時間で見つけては最短距離で迫って来る。
これでは消耗するのはゴブリーの方だ。

「作戦を、作戦を変える必要があるゴブ~」

ゴブリーは逃げ続けた。逃げて逃げて、警察署へと辿り着いた。

「おまわりさーん、協力してゴブ~」


~ゴBLEACHん02~
尻を触らなければお前を愛せない 尻を触るとお前に愛されない


<<ミケちん、オイラの後ろから君を付け狙うゴブリン女>>
「おっけ」
「ギャー、何故振り返るゴブ!」

<<ミケどの、50メートル先に対戦相手ですぞ>>
「サンキュ」
「また見つかったゴブー!!」

物部ミケはこの大会において待ちの戦術を選択していた。
彼女の能力『万物の主』は触れた物質にミケにしか聞こえない会話能力を与える。
彼女はこの能力を電柱や信号機や壁に使用し、自分は声明を与えた物質の作る包囲網内で待ち受ける作戦を取ったのだ。
その結果がコレである。ミケの作戦はゴブリーの作戦に対してドンピシャでハマった。
彼女にしか聞こえない声の支援がゴブリーの数度の襲撃を未然に防ぎ逆に追い詰めていく。

「ここまではいい感じね。このまま勝つわよ」
<<マスター、勝利のアナウンスが流れるまで油断なさらぬ様に>>
「わかってる、急ぎつつ慎重にでしょ」

愛剣『VINCENT』の忠告に相槌を打ちながらミケはゴブリーを追う、追って追って追い続け着いた場所は警察署。
ゴブリーが中に入って行ったのを確認し、自分達も続こうと一人と一本は突入しようとする。
それを阻んだのは中から出て来た百人近い機動隊員だった。
機動隊員達が警察署の周囲を囲み終わると隊長らしき男がゴブリーの首根っこをつかんで出て来た。

「話は巨この乳聞かせてもらった!決着までこの道は封鎖する!存分に戦うがいい!」

隊長っぽい人にポイ捨てされたゴブリーがミケ達の前に転がり目の前でよっこいせと起き上がる。

「…まー、そういう事ゴブ」
「そういう事ね」
<<そういう事ですか>>

警察署に逃げ込んだゴブリーはここを戦闘場所にしたいから人払いして欲しいと頼み込んだ。
この大会での被害を少しでも減らしたい警察にとってゴブリーの提案は渡りに船だった。
またゴブリーにとってもミケにとってもこの状況はそんなに悪い事では無かった。
ゴブリーはミケの持つ情報網の正体がつかめない以上、逃げながらの戦いは不利なだけ。
ミケも、ここまでは有利だったがその性格のせいか、包囲網でじわじわ攻めるのが面倒になってきていた。
機動隊を敵に回すのも損だしネー。

こうして警察とゴブリーとミケの意見が一致し、戦いは警察署前の道路、機動隊が作った人の壁の内側で行われる事になった。


「ハーッ ハーッ か、覚悟するゴブよ。ゴブリーちんは正面対決でも十分強いんゴブ・・・ゴブヒュー」
「あ、今勝機かも」

正面対決開始早々、額に汗を浮かべ肩で息をしているゴブリーを見てミケは相手がまだ追いかけっこの疲労から回復してないと判断。

<<マスター!タンマ!明らかに罠―>>
「どりゃっせい!!」

『VINCENT』の忠告を無視してミケは斬りかかる。ミケだってこれが相手の誘いの可能性は頭にあった。
だが仕方ないのだ。周囲は機動隊だけ、ミケの能力はこの状況では発揮できない以上は自分を信じて突き進むのみ。

ズボー!

ミケの斬撃は真っ直ぐにゴブリーの尻の割れ目に吸い込まれていき食い込む。
そしてスカートと下着を切り裂いた所でピタリと止まった。

「ケツが割れたゴブー!で、でもお前の武器は奪ったゴブ、これぞ48の殺尻技の一つ真剣尻刃取りゴブ!」

尻の割れ目から血が流れ続ける。その出血量から決して傷は浅くない。だが致命傷にも至ってはいない。

「くそっ、切れろ切れろこのっ、このっ!」

ミケは『VINCENT』の柄を持ったまま前後へと力を加え何とかゴブリーの尻を完全に斬ろうとする。
ゴブリーの最大にして唯一の武器と思われる尻さえ斬ってしまえば勝ち確定。故に必死だ。
ミケが刀を揺するその度に『VINCENT』の刀身に色々なモノが当たる。

ケツ毛が当たる!
<<グワー!!>>
ウンカスが当たる!
<<グワー!!>>
妙に盛り上がった女性器の端が当たる!
<<ワーイ!!>>
居覚えのあるカードが当たる!
<<グワー…お?>>

ゴブリーの巨尻の割れ目の中、見覚えのあるカードが確かにそこにあった。

「斬れろ斬れろコノヤロコノヤロ!」
<<マスター、コイツの尻肉の内側にカードが見えるのだが>>
「えっ?」
<<斬らずともこのまま引き抜くんだ。それで勝てる。というかもうこの状況終わらせて欲しい>>
「アッハイ」

ミケは『VINCENT』を時計回りに捻りながら引っ張るとケツ毛を巻き込みながら『VINCENT』が尻の割れ目からスッポリ抜けた。
『VINCENT』の刀身はケツの血で赤く染まり、大量のケツ毛とウンカスがまとわりついていた。
そしてケツ毛に絡めとられる形で先端に黒いカードが貼りついている。

「ゴブ~ん、隠してたカード取られちゃったゴブー」

目に涙を浮かべ地面をバシバシ叩き悔しがるゴブリー。

「…勝った。何か短時間に色々なものを失った様な気がするけどまずは一つ」

ミケはカードに付着した血とケツ毛を拭い取りカードの状態を確認する、
「残念ハズレゴブ。3Dプリンターで作ってみたんだけど結構いい出来ゴブ?」とそこには書かれてあった。

「???」
<<???>>

首をかしげる一人と一本。あんだけアホらしい汚い行為の末に出て来たカードが偽物という事実に頭がついてこない。

「この時を待っていたごぶぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!1」

一瞬の事だった。
傾いたままのミケの首にゴブリーが飛び乗り両足をかけて座禅の体勢となる。

「48の殺尻技の一つ」

ブピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

首に両足をかけたまま一回転しつつ放屁!
ミケは気道を締められた反動で必死に鼻呼吸するが入って来るのはオナラのみ!

「転・蓮・屁!ゴブ」
「ほんげーーーーーーー」

ミケは三重の苦しみによって変顔しつつ意識を失う。
そう三重の苦痛だ、酸欠と屁の臭さ、そして下半身丸出しのゴブリーが転蓮屁で一回転する時ミケは見てしまった。
皮膚に挟まれて隠されていたゴブリーのチンチンが一瞬飛び出してミケの鼻先をペチーンと叩いてしまっていた。

「グワー!」
<<何・・・だとグワー!>>

一人と一本完全失神!勝負あり!一回戦第三試合勝者ゴブリー!
距離をとっていた機動隊の皆さんは事態に気付かず下半身剥きだしのゴブリーに興奮しっぱなし。
ゴブリーのチンチンは一度は股間から飛び出していたがミケの鼻先に当たった勢いで再び体内に潜っていた。

「ふー、途中危なっかしい展開もあったけれどほぼ理想通りの展開だったゴブね」

ゴブリーは対戦相手のミケが表社会の魔人で剣の使い手という事が分かった時点で今回の決着までの絵を描いていた。
本当なら相手を十分に疲労させてからダミーカードを見せて完全に思考力を奪った隙に勝負を決める予定だった。
だが、ミケに正体不明の情報網があった為、尻を削る必要が生じてしまった。

「あー尻が痛いし服もボロボロゴブ。でもまー、死ななきゃ安いゴブ」


この大会、16人の候補者が最強を争うとされているが実際は少し違う。
この大会の一回戦は豊富な経験がある半分が残りの半分を圧倒する、そんな展開になるだろう。
ゴブリーはそう考えていた。

最終更新:2016年09月03日 23:31