プロローグ
銀河共和国元老院議長、いや、いまや銀河帝国の皇帝となったシスの暗黒卿、ダース・
シディアスことパルパティーンは目の前で起こったことがにわかには信じられず、彼にし
ては珍しく呆けた表情を浮かべていた。
パルパティーンの新しい弟子ダース・ベイダーは死闘の末にジェダイマスターのオビ=
ワン・ケノービに敗れ、四肢と大部分の循環機能を失った。
瀕死のヴェーダー卿を回収し、長時間に渡る再生手術を施して機械人間として彼をどうに
か蘇らせた矢先にそれは起こった。
装甲服にヘルメットと黒マント、銀河中を恐怖させるべきダークサイドの化身として生まれ
変わったヴェーダー卿の肢体を拘束した手術台。
その手術台が水平から垂直に立ち上がる最中、突如として現れた光のゲートの中にベイ
ダー卿の姿が掻き消えたのだ。
主を失った手術台だけが、仰々しい機械音と共に空しくパルパティーンの前にそびえ立っ
た。
ヨーダやオビ=ワンら生き残ったジェダイの騎士の仕業かとも思ったが、いかに強力な
フォースの使い手であれ、彼とヴェーダー卿が共にありダークサイドが支配するこの場
所でこんなまねをするのは不可能なはずだ。
「…今の、なに?」
「サア…」
思わず発したパルパティーンの問いかけに、ベイダー卿の手術を担当した医療用ドロイド
が、自分の命が済んでの所で助かったことも知らずに首を傾げた。
遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・
最終更新:2007年10月15日 12:03